Category:その他
国防総省、10億ドル規模の研究支援契約更新へ
ワシントン・テクノロジー(Washington Technology)は11月13日、国防総省(Department of Defense)が研究・エンジニアリング分野の次期支援契約を10億~17億ドル規模で行うと報じた。この研究開発・試験・評価・エンジニアリング・技術サービス契約(Research, Development, Test, Evaluation, Engineering and Technical Services: RETS)は約5年間に亘るもので、ミッション&システム・エンジニアリングやソフトウェア開発など幅広い分野での競争入札が予定されている。すでにアメリカン・システムズ社(American Systems)などの3社が国防次官官房研究工学局(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering)と協働しているが、次期契約は中小企業向け、もしくは業界からの反応次第では、あらゆる規模の企業が参加可能になる可能性に加え、政府全体調達契約として実施される可能性もある。現行契約では約4億1,900万ドルが発注され、アメリカン・システムズ社が2億8,000万ドル(67%)で最大の受注企業となっている。 Washington Technology “Pentagon restarts work to craft $1B research support recompete” (11/13/25) https://www.washingtontechnology.com/contracts/2025/11/pentagon-restarts-work-craft-1b-research-support-recompete/409490/
中国、大規模チップ群と安価電力でAI開発推進
CNBCは11月6日、中国が米国との人工知能(AI)競争で、華為技術(ファーウェイ)社(Huawei)の大規模チップクラスターと安価なエネルギーで技術制裁を回避しながら高度なAIモデル開発を継続していると報じた。ファーウェイ社のクラウドマトリックス(CloudMatrix) 384は、自社のアセンド(Ascend)910Cチップ384個を搭載し、エヌビディア社(Nvidia)社の最先端システムGB200 NVL72に匹敵する性能であるが、エヌビディア社製品の5倍のチップ数を必要とし消費電力も大幅に増加するため、中国政府は太陽光、風力、原子力への大規模投資により安価なエネルギー供給を確保し、地方政府も補助金や国産チップを使用するデータセンターへの電気料金割引を提供している。一方で、台湾積体電路製造社(TSMC)社に比べ、同社のチップを製造する中芯国際集成電路製造社(SMIC)社の技術の数世代遅延については、輸出規制による制限で蘭ASML社の極端紫外線リソグラフィ装置などの確保が困難であることによるという。 CNBC “China’s key weapons in its AI battle with the U.S. — massive Huawei chip clusters and cheap energy” (11/6/25) https://www.cnbc.com/amp/2025/11/07/chinas-strategy-in-ai-race-with-us-big-chip-clusters-cheap-energy.html
中国に対する輸出制限、経済打撃に ITIF提言
情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は11月10日、中国に対する半導体の輸出規制は、国内半導体企業の収益を減少させるだけでなく、研究開発(R&D)投資低下や雇用削減を招くと発表した。報告書は2024年の半導体産業概要を基に、完全なデカップリングがもたらす国内半導体企業への影響をモデル化し、収益、R&D投資、雇用の変化を分析し、その他のデカップリングシナリオについても評価した。その経済モデルによると国内企業は中国市場からの完全な切り離しが生じた初年度に約770億ドルの売上を失うとし、そのシェアを韓国企業が210億ドル、EU企業が150億ドル、台湾企業が140億ドルを獲得するという。また規制により業界へのR&D投資は24%、約140億ドル減少するとし、産業雇用では8万人以上、下流産業では約50万人の雇用が失われると指摘した。報告書は、ICT産業セクターへの影響について、制限は潜在的なリスクを伴うことになり、最小限に抑えるべきであると結論づけている。 ITIF “Decoupling Risks: How Semiconductor Export Controls Could Harm US Chipmakers and Innovation” (11/7/25) https://itif.org/publications/2025/11/10/decoupling-risks-semiconductor-export-controls-harm-us-chipmakers-innovation/
ハーバード大学、国際イベント参加者への厳格審査導入へ
ハーバード大学(Harvard University)の学生新聞、ハーバード・クリムゾン紙(The Harvard Crimson)は11月7日、同大学が国際イベントの参加者をより厳密に審査する手続きを導入すると報じた。ビジュアル・コンプライアンス(Visual Compliance)と呼ぶプラットフォームを使用して参加者や組織が制裁国や制限対象団体と関連がないかを確認するのが目的で、特に中国、イラン、ロシアなどからの参加者や共同研究者を対象にしている。具体的には教育プログラムやオンラインプログラム、ワークショップ、カンファレンスなどあらゆる教育イベントへの関与審査に加え、これら対象国の研究者との研究資料共有や、未発表研究を国外で発表する際の輸出許可も審査する。同大学で開催された健康政策会議に中国の新疆生産建設兵団(Xinjiang Production and Construction Corps: XPCC)が参加したという下院特別調査委員会の報告が今回の導入のきっかけになったとみられ、大学は政府による特定国への制裁措置と輸出規制への遵守であると説明している。 The Harvard Crimson “Harvard Expands Screening of International Visitors After Federal Probes” (11/7/25) https://www.thecrimson.com/article/2025/11/7/harvard-screening-restricted-party-list/
留学生数、トランプ政権前から減少 IIE報告
高等教育専門紙のクロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション(Chronicle of Higher Education)は11月17日、トランプ大統領の就任前から大学への新規留学生の入学者数が減少していたと報じた。非営利団体の国際教育研究所(Institute of International Education: IIE)が発表した「オープン・ドアーズ(Open Doors)」年次報告によると、2024年秋の留学生の新規入学者数は7%減少した。2025年秋の予備調査ではさらに17%の減少が示されており、減少傾向が予想されている。留学生は全学生の6%を占めるに過ぎないが、通常より高い授業料を全額自己負担しており、学生数が減少している大学にとって重要な存在で、特に修士課程で海外からの留学生に依存する工学、コンピューターサイエンス、ビジネスプログラムに大きな打撃となるとみられている。さらに報告書は、留学生による2024年の経済効果は430億ドルと指摘し、米国大学の学位は国にとって最大の輸出品であるとも言及している。 Chronicle of Higher Education “International Students Were Already Shunning U.S. Colleges Before Trump, New Data Show” (11/17/25) https://www.chronicle.com/article/international-students-were-already-shunning-u-s-colleges-before-trump-new-data-show
米中調査委員会 中国が製造強国の地位確立と報告
超党派の米中経済安全保障再考委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission)は11月14日、中国はメイド・イン・チャイナ(Made in China 2025: MIC2025)戦略を通じて、製造強国としての地位を確立していると発表した。中国は10の重要技術分野で、多くの国際シェアと技術開発目標を達成、またはそれを上回る結果を出した。特に電気自動車(EV)は顕著で、2019年~2023年のEU市場シェアが8倍以上増加したという。また電機機器、バイオ医薬品、高性能医療機器、船舶、宇宙機器で大きな成果を上げており、経済規模もさることながら、長期に亘る一貫した政府支援に加え、垂直統合型供給網や税制優遇措置、強制的な技術移転政策など多様な政策が成長を後押しした。一方で航空、新材料、集積回路など大手グローバル企業が支配する市場では、知的財産権の壁を超えられず苦戦した。目標には届かなかったものの、高度鉄道輸送機器産業では世界を牽引し、半導体も2015~2023年で4倍以上の成長となっている。 U.S.-China Economic and Security Review Commission “Made in China 2025: Evaluating China’s Performance” (11/14/25) https://www.uscc.gov/sites/default/files/2025-11/Made_in_China_2025–Evaluating_Chinas_Performance.pdf
トランプ大統領 核実験再開に意欲も、エネルギー省は反対の意向
CNNは11月15日、トランプ大統領の核実験再開示唆に対し、エネルギー省(Department of Energy)高官らが大統領府と国家安全保障会議と会合を計画し、核実験は非現実的であると大統領に伝える意向と報じた。他国の核実験を理由にした大統領による核実験指示が背景にあり、記事は、実務を行うのは国防総省(Department of Defense)ではなくNNSAであると指摘している。これに先立ちNNSA当局者は、スーパーコンピューターを使った兵器性能評価などに関するメモを作成し、クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)やブランドン・ウィリアムズ国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)長官(Brandon M. Williams)に対して示しており、これにより核弾頭実験のための核兵器爆破を行わないよう誘導していく道筋が定まったとみられる。一方で、同省のベン・ディートリヒ報道官(Ben Dietderich)は、政府の試験拡大の可能性を検討中としつつも、あらゆる選択肢を模索していると述べている。 CNN “Exclusive: Department of Energy officials to meet with White House to tamp down Trump’s idea of explosive nuclear testing” (11/15/25) https://edition.cnn.com/2025/11/14/politics/nnsa-nuclear-testing-white-house-meeting-exclusive
OSTPとNOAAの候補者、上院委員会で承認へ
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は11月17日、イーサン・クライン氏(Ethan Klein)とティモシー・ペティ氏(Timothy Petty)がそれぞれ科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)副所長と米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)副長官に指名され、上院委員会で承認される見通しと伝えた。内務省(Department of Interior)で水・科学担当次官補を務めたペティ氏は、NOAAで海洋研究や気象予測、漁業監視、環境レジリエンスに関する業務を監督する。OSTPの技術政策顧問を務めたクライン氏は、OSTPの職務に加え、米国の最高技術責任者(U.S. Chief Technology Officer: CTO)にも指名され、学民連携モデルの近代化や省庁間の研究開発調整、労働力開発、インフラ・製造・供給網開発の推進を表明した。ジャレッド・アイザックマン(Jared Isaacman)氏の航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)長官再指名に関する公聴会の日程は未定となっている。 AIP “OSTP and NOAA nominees set to advance” (11/14/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-nov-17-2025
NSF本部、バージニア州アレクサンドリアに移転
一般調達局(General Services Administration: GSA)は11月14日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)がバージニア州アレクサンドリアの新拠点に移転すると発表した。GSAがNSF新本部に入居する形で、賃貸契約を交わした。グレン・ヤンキン同州知事(Glenn Youngkin)は、NSFが同州域内に拠点を維持した決定を評価し、感謝の意を述べた。今回の移転は、政府の不動産資産を合理化し、両省庁のミッション達成を目指すもので、ブライアン・ストーンNSF長官(Brian Stone)は「特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)と近接することにより、発見をイノベーションにつなげるという両機関のミッション強化に加え、国家安全保障を支えるという重要使命を果たすための必要なインフラ確保に尽力できた」と述べた。新拠点は公共交通機関へのアクセスもよく、便利であると強調している。 GSA “GSA and NSF Announce NSF Headquarters Relocation to Modern, Right-Sized, and Mission-Ready Space” (11/14/25) https://www.gsa.gov/about-us/newsroom/news-releases/gsa-nsf-announce-hq-relocation-11142025
商務省、AI輸出プログラムの意見募集期間を延長
アクシオス(Axios)は11月18日、商務省(Department of Commerce)が人工知能(AI)輸出プログラムの意見募集期間を延長すると報じた。当初の期限は11月28日であったが、12月13日まで延長が決まった。国際貿易局(International Trade Administration: ITA)が24日に正式に発表する。トランプ大統領の大統領令に基づいた米国技術の海外推進を目的とする同プログラムは、全米商工会議所(U.S. Chamber of Commerce)や情報技術産業協議会(Information Technology Industry Council)を含む業界団体などから称賛を受けつつも、情報提供依頼書(Request for Information : RFI)が扱う内容が海外市場への関与や国家安全保障、政府の支援メカニズムなど広範なことから、関係者とのさらなる対話を通じた充実した対応策が必要とし、15日間の延長が求められていた。ITAは集まった意見をもとにプログラムを形成し、その後、産業主導のコンソーシアムからAI技術パッケージの輸出に向けた提案を新たに公募し、対象企業には政府の財政的支援を提供する予定となっている。 Axios “Exclusive: Commerce extends Trump’s AI exports program deadline” (11/18/25) https://www.axios.com/2025/11/17/trump-commerce-extends-ai-exports-program-deadline