Category:その他
商務省、韓国亜鉛子会社に2憶1,000万ドル投入 重要鉱物の国内生産支援へ
商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)は12月15日、半導体製造に不可欠な重要鉱物の国内生産強化に向け、韓国亜鉛社(Korea Zinc)傘下のクルーシブル・メタルズ社(Crucible Metals)に対し、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)に基づく2億1,000万ドルの直接資金援助を行うと発表した。総額66億ドルのテネシー州クラークスビルに建設予定の最先端精錬所と重要鉱物処理施設支援の一環で、2029年に操業を開始し、ガリウムやゲルマニウム、インジウムなど半導体、人工知能(AI)、量子コンピューティング、航空宇宙・防衛産業に不可欠な13種類の重要・戦略鉱物を年間54万トン生産する予定である。ただし、運転資金と資金調達費用も含め総額約74億ドルが必要になるとみられ、国防総省(Department of Defense)戦略資本室(Office of Strategic Capital)も条件付き融資を発表した。同時に、韓国亜鉛社は韓国の温山工場から米国へ10種類の重要鉱物を2026年から優先的に供給する。 NIST “Department of Commerce Awards CHIPS Incentives to a Subsidiary of Korea Zinc (Crucible Metals) to Support a State-of-the-Art Smelter and Critical Minerals Processing Facility in the United States” (12/15/25) https://www.nist.gov/news-events/news/2025/12/department-commerce-awards-chips-incentives-subsidiary-korea-zinc-crucible
フェルミ研新所長にノーバート・ホルトカンプ氏
フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory: Fermilab)は12月15日、ノーバート・ホルトカンプ氏(Norbert Holtkamp)が2026年1月12日付で新所長に就任すると発表した。SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)の元副所長で、現在はフーバー研究所(Hoover Institution)の上級研究員を務めるホルトカンプ氏は、大規模科学プロジェクト管理に豊富な経験を持ち、SLAC在職中には世界最強のX線レーザー、線形加速器(Linac、リニアック)コヒーレント光源(Linac Coherent Light Source upgrade : LCLS-II)の高度化建設を指揮した。また、国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor: ITER)の首席副事務局長も務めた経歴があり、就任にあたり、研究所史上最大の実験である長基線ニュートリノ施設/地下深部ニュートリノ実験(Long-Baseline Neutrino Facility for the Deep Underground Neutrino Experiment: LBNF/DUNE)などの主要プロジェクトの推進に注力していくと抱負を述べている。 Fermilab “Norbert Holtkamp appointed director of Fermi National Accelerator Laboratory” (12/15/25) Norbert Holtkamp appointed director of Fermi National Accelerator Laboratory
国立研究所とテネシー大、量子材料の革新的計算研究で連携
オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)は12月15日、高性能コンピューティング(High-Performance Computing: HPC)を活用した非平衡量子材料(Nonequilibrium quantum materials)に関する4年間の共同研究プロジェクトを開始すると発表した。この「非平衡量子物質における創発的過渡現象の制御数値計算(Controlled Numerics for Emergent Transients in Nonequilibrium Quantum Matter: CONNEQT)」プログラムにはロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)、SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)、テネシー大学ノックスビル校(University of Tennessee, Knoxville)が参加し、光パルスや電磁場、温度変化などの外部刺激で量子物質のバランスが崩れた時に生じるプロセスなどをエクサスケール級のスパコン「フロンティア(Frontier)」を活用しモデル化するもので、計算モデル技術に革命をもたらすと期待されている。 ORNL “National labs, University of Tennessee collaborate on quantum, HPC innovation” (12/15/25) https://www.ornl.gov/news/national-labs-university-tennessee-collaborate-quantum-hpc-innovation
米英が核鑑識技術で協力強化 テロ対策で相互運用性向上へ
エネルギー省(Department of Energy)は12月15日、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)が9月に英国国防省(United Kingdom’s Ministry of Defence)主催の核鑑識ユーザーグループ(Nuclear Forensics User Group: NFUG)年次総会に参加し、核テロ対策における両国の協力体制を強化したと発表した。核物質や核装置の出所を特定する核鑑識技術は、核密輸業者やテロ支援国家の責任追及に不可欠な手段で、総会では両国の科学者らが核物質分析、即席核装置の構成要素に関する従来型鑑識、爆発後対応のための装置評価など幅広いテーマで共同発表を行った。両国は類似の鑑識分析技術の開発を通じて、核事件発生時の対応時間を短縮し発生場所を問わず上位責任者に科学的で信頼性の高い情報を迅速に提供できる体制の構築を目指しており、演習や相互評価を通じて能力を検証・試験し、核テロ脅威に対する準備態勢の強化を図る。来年の総会は米国にて開催予定で、両国は最も危険な脅威に対抗するための連携をさらに強化する方針である。 Department of Energy “National Nuclear Security Administration collaborates with UK counterparts at annual Nuclear Forensics User Group” (12/15/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-announces-new-initiative-launch-scale-new-generation
国家核安全保障局、TMFから2,800万ドル調達
Fedscoopは12月9日、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)が技術現代化基金(Technology Modernization Fund: TMF)から2,800万ドル以上の資金を調達したと報じた。政府のジェネシス・ミッション(Genesis Mission)推進が目的で、人工知能(AI)を活用した森林火災の境界追跡によるデータ共有や、放射線の危険性をより迅速に評価するクラウドベースのプラットフォーム構築、さらに核セキュリティの脅威を軽減し、サイバーセキュリティの態勢を強化するAIインフラの改善に資金を充当する。NNSAは、今回の取り組みにより、核セキュリティに関する重要任務遂行を加速し、技術インフラ改善につなげると説明している。一方、2017年に設立され、政府の技術プロジェクトを支援してきた同基金は、超党派の支持にもかかわらず期限切れを迎えつつあり、その存続が不透明視されているが、今回の資金調達が再認可後の新たな投資につながるとし、期待が寄せられていると記事は伝えている。 Fedscoop “NNSA leans on TMF funds to make progress on Genesis Mission goals” (12/09/25) NNSA leans on TMF funds to make progress on Genesis Mission goals
NIH、論文出版費用の上限設定を発表
サイエンス誌(Science)は12月12日、論文出版料(Article-processing charges: APC)の高騰を抑制するため、2026年から上限を設定する国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の方針に対し、科学者らが反発していると報じた。APCは、研究論文をオープンアクセスで公開する際の費用で、一部の媒体では最高1万2,690ドルに達するという。NIHは研究費の有効活用を目的に、APCの上限を2,000ドルから6,000ドルに設定する方針であるが、研究者からは著名な媒体への掲載が困難になると懸念する声が上がっている。一方で、出版料を徴収しない「グリーン・オープン・アクセス(Green Open Access)」を提唱する声もあり、著者や所属機関が未編集原稿を即時にリポジトリに公開するもので、30以上の大学や学術団体らがこの方式の採用を求める請願書を提出している。一部のオープンサイエンス支持者からは、一定の支持を得ている模様であるが、いずれの研究者らも、学術の自由を主張し、出版費用の問題へ対処するよう求めていると記事は伝えている。 Science “NIH’s proposed caps on open-access publishing fees roil scientific community” (12/12/25) https://www.science.org/content/article/nih-s-proposed-caps-open-access-publishing-fees-roil-scientific-community
EPA、CAAリソースを提供する新ウェブページを開設
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は12月11日、データセンター開発者や地域社会、部族に対し、大気浄化法(Clean Air Act: CAA)関連リソースを一元化して提供するウェブページを開設したと発表した。米国のAI分野における優位性確保に向け、データセンターや人工知能(AI)施設開発に関連する規制情報やガイダンス、技術ツールを提供するもので、主にインフラ計画に関する規制や、許可規制の解釈など大気汚染許可に関するリソースに加え、大気質モデルに関するガイドラインなどに関する情報を提供する。リー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)は国として一貫した政策や規制体制を構築し提供することで、AI開発の透明性を高めつつ、安定した電源を確保していくための取り組みと強調しており、同庁の大気・放射線局(Office of Air and Radiation: OAR)職員などによる許可審査機関などを通じた個別相談にも応じる予定で、関係者のCAA規制への理解やデータセンターやAI施設の開発促進に向け支援していく姿勢を示している。 EPA “EPA Unveils Clean Air Act-Related Resource to Provide Transparency for Data Center Developers, Local Communities, Tribes” (12/11/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-unveils-clean-air-act-related-resource-provide-transparency-data-center-developers
DIU、低コスト小型ドローン開発でマトリックスペース社らを選出
国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は12月12日、小型ドローン(Counter-small Unmanned Aircraft SystemC-sUAS)の低コストセンシング(Low-Cost Sensing Challenge: LCS)技術開発計画に関わる企業を選出したと発表した。北米コマンド(U.S. Northern Command: USNORTHCOM)と統合部隊タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF-401)が実施するFP 25.2演習で、従来コストから50~80%を削減し、性能、拡張性などで優れた技術を示したマトリックススペース社(MatrixSpace)を最優秀賞として選出した。無線周波数パッシブ検知、アクティブレーダー、音響センシング、光学及び赤外線モダリティ技術を搭載した同社技術に50万ドルを授与する。また、ガーディアンRF社(Guardian RF)やヒドゥンレベル社(Hidden Level)、テレダインFLIRディフェンス社(Teledyne FLIR Defense)などにも、それぞれ10万ドルを提供し、昨今の小型ドローン脅威に対して民間の革新技術を活用して早急に対応するとしている。 DIU “DIU, JIATF-401, USNORTHCOM, US ARMY Announce Winner for C-UAS Low-Cost Sensing Challenge” (12/12/25) https://www.diu.mil/latest/diu-jiatf-401-usnorthcom-us-army-announce-winner-for-c-uas-low-cost-sensing
米国科学財団、独立研究組織立ち上げを支援
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は12月12日、革新的な科学研究を促進する「テック・ラボ・イニシアチブ(Tech Labs Initiative)」を開始すると発表した。従来の分野横断的な研究開発と異なる独立した研究組織を新設し、画期的な科学課題の究明を驚異的なスピードで行うことを支援する。新組織は起業家精神のある科学者チームで結成され、新規研究開発のたびに助成申請を行わずとも資金援助が受けられる独立した運営体制で、NSFは2026年度後半から大規模な資金提供を段階的に行なう予定である。これに伴い、学術界や政策立案者、非営利団体、ベンチャーキャピタルなど幅広いコミュニティからの意見を募集している。同財団傘下のテクノロジー・イノベーション・パートナーシップ局(NSF TIP)は「科学的な課題がますます複雑化する中で、国の科学資金調達手段の枠組みを拡大する必要がある」と表明し、今後数週間で「テック・アクセラレータ・イニシアチブ(Tech Accelerators Initiative)」に関する情報も公開する予定である。 NSF “NSF announces new initiative to launch and scale a new generation of transformative independent research organizations to advance breakthrough science” (12/12/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-announces-new-initiative-launch-scale-new-generation
米政権、同盟5カ国と共にパックス・シリカ宣言 レアアース及び技術で中国に対抗
トランプ政権は、中国による重要鉱物の支配的な管理や人工知能(AI)及びその他の技術部門での中心的な台頭に対抗するべく、12月12日、パックス・シリカ宣言(Pax Silica Declaration)に署名し、オーストラリア、イスラエル、日本、シンガポール、韓国と団結する同盟を開始した。これは、重要鉱物アクセスにおける問題に対処し、中国による重要鉱物及び技術部門への大型投資による優位性を排除することを意図している。米政権は他国を同盟に加えることにも積極的である。宣言は共通原則を述べた声明であり、国務省(Department of State)によれば、合同の研究開発や製造、インフラ開発への道を開き、中国の一帯一路インフラ構想に対抗することを意図しているという。 Politico “Trump enlists 5 allies to counter China on rare earths and tech” (12/14/25) https://www.politico.com/news/2025/12/11/trump-enlists-5-allies-to-counter-china-on-rare-earths-and-tech-00688068