Category:その他
ニューヨーク州、地域温室効果ガスイニシアチブを強化する規則提案
ニューヨーク州の環境保護省(Department of Environmental Conservation: DEC)と、エネルギー研究開発公社(NY Energy Research and Development Authority)は、12月10日、異常な熱波や洪水、その他の有害な気象事象に寄与する汚染の効果的な削減を適正費用で達成することを目的として、地域温室効果ガスイニシアチブ(Regional Greenhouse Gas Initiative: RGGI)を強化する規則を提案した。RGGI規則提案は、年間の二酸化炭素排出枠の総量を2037年までを通じて削減するというもので、これには長期契約向けに確保されていた排出枠の削減や自主的な再生可能エネルギー購入枠の削減が含まれる。一方で、予想される需要に対応するのに十分な排出枠は維持するとしている。また、相殺プロジェクトによる排出量削減策は廃止される。地域の排出上限は2027年に二酸化炭素約6,980万トンに引き下げ、その後2037年までに2024年の上限と比べて89%の削減を提案している。 New York State Energy Research and Development Authority ”Proposed Regulations Announced to Strengthen Regional Greenhouse Gas Initiative Program, Reduce Emissions” (12/10/25) https://www.nyserda.ny.gov/About/Newsroom/2025-Announcements/2025-12-12-DEC-And-NYSERDA-Announce-Proposed-Regulations-To-Reduce-Emissions 参考:https://www.utilitydive.com/news/new-york-targets-power-sector-carbon-allowances-in-proposed-climate-regulat/807697/
デューク大学、南東部州を対象とした電力部門の競争力ダッシュボードを発表
デューク大学(Duke University)が今週開始した「南東部州電力部門競争力ダッシュボード(Southeast Power Sector Competitiveness Dashboard)」によれば、南東部12州のうち、最も競争的なのはバージニア州で、次いでウェストバージニア州、ケンタッキー州となっている。一方、最も競争的でないのはアラバマ州となっている。12州は、卸売電力市場への参加、メットメータリング政策、消費者提唱活動、相互接続基準等の指標によって採点された。デューク大学の説明によれば、上位3州は全て、PJMインターコネクション(PJM Interconnection)等の地域送電機関(regional transmission organization: RTO)または独立系統運用機関(Independent System Operator: ISO)に参加しているという。ただし、南東部には、独自のRTOやISOがなく、南部に近い州がこれらに参加することは難しいと指摘している。 Utility Dive “Duke University launches power sector ‘competitiveness’ dashboard for Southeast” (12/12/25) https://www.utilitydive.com/news/duke-university-southeast-power-markets-competitive/807769/
バッテリーエネルギー貯蔵システムを取り巻くサイバー脅威への対策 ブラトル社白書
ブラトル・グループ社(Brattle Group)とドラゴス社(Dragos)は、ユーティリティ規模のバッテリーエネルギー貯蔵システムの導入を取り巻く新興のサイバー脅威に関する調査白書「バッテリーエネルギー貯蔵システムをサイバー脅威から守る:ベストプラクティスとトレンド(Securing Battery Energy Storage Systems from Cyberthreats: Best Practices and Trends )」を発表した。業界リーダーや元連邦政府高官とのインタビューを基に、現行の脅威に関する洞察、米国と欧米における規制枠組み、供給網に関する見解、バッテリー貯蔵所有者や開発業者、運用者のための戦略等について記述している。白書は、サイバーセキュリティに対して積極的な手法を取ることで、資産所有者や運用者は、リスクを低減しつつ、長期的には時間と資金を節約できるとしている。 Brattle “Securing Battery Energy Storage Systems from Cyberthreats: Best Practices and Trends for Protecting Critical Energy Infrastructure” (12/9/25) Securing Battery Energy Storage Systems from Cyberthreats: Best Practices and Trends for Protecting Critical Energy Infrastructure
12の国立研究所、米国重要鉱物の供給確保を目的としたAI活用協力体制を始動
人工知能(AI)を活用して、米国による重要鉱物の発見・開発・提供に変革をもたらすことを目指すイニシアチブ「重要鉱物及びマテリアルの供給促進(Critical Minerals and Materials to Unlock Supply: CM2US)」が始動する。CM2USは、エイムズ国立研究所(Ames National Laboratory)及びその重要マテリアル・イノベーションハブ(Critical Materials Innovation (CMI) Hub)、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)等、エネルギー省(Department of Energy)傘下の12の国立研究所が先導するもので、民間パートナーの支援を受け、採鉱から製造に至るまでの供給網全体でAIを使ったブレイクスルーの加速に取り組む。本プロジェクトは、エネルギー省によるジェネシス・ミッション(Genesis Mission)の一部である。 Ames National Laboratory “AI-Powered National Lab collaboration launches to secure U.S. critical minerals supply” (12/12/25) https://www.ameslab.gov/news/ai-powered-national-lab-collaboration-launches-to-secure-u-s-critical-minerals-supply
トランプ大統領、国家AI枠組み政策に関する大統領令に署名
トランプ大統領は12月11日、様々な州法によって生じる、一貫性がなく費用高となる順守状況から米国の人工知能(AI)イノベーションを守ることを目的とした大統領令(Executive Order)に署名した。本令は、①司法長官(Attorney General)がAI訴訟作業部会(AI Litigation Task Force)を発足して、イノベーションを阻害する違法な州AI法に異議申し立てをすること、②商務長官(Secretary of Commerce)が国のAI政策の優先事項と相反する州AI法の評価を行い、こうしたAI法を有する州へのブロードバンド公平・アクセス・展開プログラム(Broadband Equity, Access, and Deployment: BEAD)の未配分資金を保留とすること等を指示した他、関連する連邦機関に対して州AI法を制限する措置を取るよう指示している。また、州AI法を先制する国家AI立法枠組みの策定を要請している。更に、本件に関連する措置として、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は同日、連邦機関が調達するAIモデルが偏った回答を生成しないよう確実にするための指針を発表した。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ensures a National Policy Framework for Artificial Intelligence” (12/11/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/12/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-a-national-policy-framework-for-artificial-intelligence/ 参照記事:White House issues federal agency guidance against “woke” AI https://www.axios.com/2025/12/11/white-house-woke-ai-guidance-federal-agencies
テネシー州EPBとバンダービルト大学、量子イノベーション研究所を設立
HPCワイヤー(HPCwire)は12月10日、テネシー州チャヌーガの電力委員会(Electric Power Board : EPB)とバンダービルト大学(Vanderbilt University)が「量子イノベーション研究所(Institute for Quantum Innovation)」を設立したと発表した。エネルギーや国家安全保障、医療、インフラなどの分野で量子技術の実用化を加速し、地域の雇用創出やスタートアップ支援、経済発展につなげることを目的としたもので、EPBの量子施設インフラを活用し、量子ナノフォトニクスや量子情報システム、人工知能(AI)を活用した次世代エネルギーシステムの研究を推進する。今回の設立は、テネシー州チャタヌーガを量子科学技術の国家的拠点へと位置づけるもので、同大学が提唱する「より成長する(dare to grow)」の精神のもと、イノベーションハブ及び学生や教員の実践的学習機会の拡大、研究成果の社会実装と産業連携を加速する取り組みの重要な節目となる。 HPCwire “EPB and Vanderbilt Launch Innovation Institute to Accelerate Quantum Science” (12/10/25) EPB and Vanderbilt Launch Innovation Institute to Accelerate Quantum Science
運輸省、エージェント型AI導入計画 業務効率化へ
NEXTGOV/FCWは12月11日、運輸省(Department of Transportation)がエージェント型人工知能(AI)を導入する計画と報じた。一定の自律性を持って行動するエージェント型AIの技術を組織の中核に据える意向で、苦情管理や補助金申請の審査、天候や交通データのリアルタイム分析へ活用する。エージェント型AIの導入は、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)や国防総省(Department of Defense)、内国歳入庁(Internal Revenue Service : IRS)でも進んでおり、政府全体でAI活用による業務効率化の動きが加速しているという。一方で、同技術は従来の生成AIの能力を超えるとされ、導入には人間同様、同省のルールに遵守する必要があると指摘されている。また関係者らは、自律技術の導入によるセキュリティやアカウンタビリティ、既存の偏見を増幅する可能性への懸念も示し、職員のAI利用における適切な教育も重要な課題であると言及している。 NEXTGOV/FCW “Transportation planning to expand its use of agentic AI capabilities” (12/11/25) https://www.nextgov.com/modernization/2025/12/transportation-planning-expand-its-use-agentic-ai-capabilities/410082/?oref=ng-skybox-hp
JPモルガン、1.5兆ドル規模の産業強化策を発表
JPモルガン・チェース銀行(JPMorganChase)は10月13日、国家安全保障と経済強化に向け、1.5兆ドルを投入すると発表した。同行が推進する「セキュリティ・レジリエンス強化イニシアチブ(Security and Resiliency Initiative)」において、10年間に亘って国内企業へ最大100億ドルの直接株式投資を行うという。ジェイミー・ダイモン会長兼CEO(Jamie Dimon)は「重要鉱物や製造業など信頼性の低い供給源に過度に依存した国を建て直すために、経済の強靭化に向け迅速な投資と規制緩和が必要だ」と述べ、「米国は今こそ団結すべき」と呼びかけた。主に供給網・先進製造(重要鉱物、医薬前駆体、ロボティクス)、防衛・航空宇宙(防衛技術、無人システム)、エネルギー(バッテリー蓄電、電力網強化)、先端技術(AI、サイバーセキュリティ、量子コンピューティング)領域を重点に置き、既存融資を1兆ドルから最大1.5兆ドルへ拡大する。これに伴い、専門家を増員し、外部諮問委員会も設置する予定で、政策提言や地政学センター分析を活用し成長を加速させるという。 JPMorganChase “JPMorganChase Launches $1.5 Trillion Security and Resiliency Initiative to Boost Critical Industries” (10/13/25) https://www.jpmorganchase.com/newsroom/press-releases/2025/jpmc-security-resiliency-initiative 参照記事:Axios “New 10-year plan aims to strengthen America’s critical industries” (12/11/25) https://www.axios.com/sponsored/new-10-year-plan-aims-to-strengthen-americas-critical-industries
研究費100万ドル当たりのR&D論文数が減少傾向 SSTI報告
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は12月10日、1998年から2023年の各州の科学工学(S&E)論文数が、100万ドル当たりの論文作成がほぼ8本から3本超に減少したと発表した。学術研究開発(R&D)投資額や博士者数で標準化したデータによると、研究費の増加が論文数を上回り、特にデラウェア州(-75%)やメイン州(-72%)などで減少幅が大きく、カリフォルニア州(-60%)やテキサス州(-58%)も全国平均を下回った。SSTIは「研究費の高騰や資金・出版のタイムラグ」が要因として指摘している。一方、インフレ調整後で見ると全国では21%減にとどまり、プエルトリコ(107%)やアイダホ州(34%)で増加した。さらに、科学・工学・保健(SEH)博士1,000人当たりの論文数は全国で13%増加し、ノースダコタ州(110%)では顕著な結果となった。データは国家科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)のスコーパス(Scopus)ベースで算出された。 SSTI “Useful Stats: A standardized look at state-level academic S&E article output” (12/10/25) https://ssti.org/blog/useful-stats-standardized-look-state-level-academic-se-article-output
米軍がAIツールで感染症モデル構築 数日でモデル化も
サイエンス誌(Science)は12月10日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)が人工知能(AI)ツールを活用し、感染症などの流行性疾病の拡大を数日でモデル化することを可能にしたと報じた。2022年に開始した2,940万ドルの科学的知識抽出・モデリング自動化プロジェクト(Automating Scientific Knowledge Extraction and Modeling : ASKEM)プログラムには、大学・企業・政府ラボの9チームが参加し、従来人の手で行われていた数百万行に亘る疫学モデルのブラックボックス・コード調整をAIに置き換えることにより、科学者はコード不要で編集・更新作業を行うことが可能になった。ミトレ社(MITRE)社のテストでは、インフルエンザ・RSV・COVID-19の同時感染モデルや肝炎Aワクチン効果モデルを従来の手法よりも83%速く作成したという。主要ツールのテラリウム(Terarium)はギットハブ(GitHub)上で無料公開されており、保健・国防・情報機関への展開も検討されている。 Science “U.S. military funds AI tools to speed modeling of viral outbreaks” (12/10/25) https://www.science.org/content/article/u-s-military-funds-ai-tools-speed-modeling-viral-outbreaks