Category:その他
ARPA-H、小児医療拡大に5,000万ドル投入
医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は1月14日、複雑な病気を患う小児患者の転帰を図る全国的なデータネットワーク「小児ケアの拡大(Pediatric Care eXpansion: PCX)」に5,000万ドルを投入すると発表した。全国200以上の小児病院と医療施設が連携し、安全に臨床及び研究データを交換できるようにするもので、小児脳腫瘍の治療から開始する。バイオメディカル・データ・ファブリック(Biomedical Data Fabric: BDF)ツールボックス・プログラムを基盤とし、標準化されたデータの相互運用と自動化を実現することで、これまで数カ月かかっていた診療分析を数週間に短縮することができる。また、これまで家庭がデータの運び手となることが多かったが、インフラ構築により場所を問わずに、より正確な診断と治療が受けられるようになる。すでに2つの病院での実証済みの成果を全国に拡大するとし、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)社やグーグル社(Google)などがPCXのサポートを表明している。 ARPA-H “ARPA-H announces $50M to expand pediatric care across the country” (01/14/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-announces-50m-expand-pediatric-care-across-country
商務省、高性能チップの対中輸出条件を緩和
商務省(Department of Commerce)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)は1月14日、中国向け半導体輸出に関するライセンス審査方針を改定し、一定の安全要件を満たす場合に限り、エヌビディア社(Nvidia)の「H200」やAMD社(AMD)の「MI325X」といった高性能チップの輸出を個別に許可すると発表した。2025年12月8日にトランプ大統領が表明した国家安全保障を強化しつつ、承認済みの中国顧客への製品出荷を認める方針を具体化したもので、輸出許可の申請にあたっては、国内顧客が利用可能な半導体生産能力の維持や、中国側の購入者が顧客選別を含む厳格な輸出遵守手続きを導入していることを証明する必要がある。さらに対象製品が国内の独立第三者機関による性能及び安全性の検証テストを受けることも義務付けた。BISは技術革新に沿った輸出管理の柔軟化が、米国の技術エコシステム強化につながると説明している。 Department of Commerce “Department of Commerce Revises License Review Policy for Semiconductors Exported to China” (01/14/26) https://www.bis.gov/press-release/department-commerce-revises-license-review-policy-semiconductors-exported-china
エネルギー省、アイダホ国立研究所に使用済み燃料研究センター設立
エネルギー省(Department of Energy)は1月14日、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory:INL)に使用済み燃料研究センター(Center for Used Fuel Research:Center)を設立したと発表した。エネルギー・環境問題解決に向け、INLを使用済み核燃料(Used nuclear fuel: UNF)管理に関する研究開発、実証活動の中心機関として正式に位置づけるもので、同省は、使用済み燃料の安全な保管・輸送に関する信頼性向上に取り組んでいく。また、核エネルギー再興を加速させることで、安定したエネルギーを国民や企業へ供給するとし、1995年のアイダホ合意(Idaho Settlement Agreement)、さらに2025年4月に合意した特定免除を経て実現したと説明した。これを受け、INLは「ハブ・アンド・スポーク(hub-and-spoke、ハブに貨物を集約し、拠点ごとに仕分け運搬する輸送方式)」モデルを通して、他の国立研究所や大学、産業界との連携し、多様な研究ネットワークを構築し、国際的な連携も積極的に行う姿勢を示している。 Department of Energy “Department of Energy Establishes Center for Used Fuel Research at Idaho National Laboratory” (01/14/26) https://www.energy.gov/ne/articles/department-energy-establishes-center-used-fuel-research-idaho-national-laboratory
エネルギー省とNASA、月面原子炉開発で協働
エネルギー省(Department of Energy)は1月13日、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)と月面での核分裂を利用した原子力発電システムの開発を進めると発表した。トランプ大統領の宇宙政策の一環で、2030年までに月面原子炉の実用化を目指し、燃料の確保、認可、打ち上げ準備、運用に関する共同研究を進める。同省は50年以上に亘る宇宙探査、技術開発、そして国家安全保障における協力の歴史の上に構築された取り組みと位置付け、クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)は、「マンハッタン計画やアポロ計画と同様に、米国の科学技術の融合は新たなフロンティアへの道を開く」と述べた。またジャレッド・アイザックマンNASA長官(Jared Isaacman)も「月面への帰還、居住施設の建設、そして火星をはじめとする更なる宇宙探査には、核電力の活用が不可欠」と計画の重要性を強調した。月面原子炉の実現により、太陽光や温度に左右されず、長期間に亘る持続的な月面ミッションが可能になると期待されている。 Department of Energy “U.S. Department of Energy and NASA to Develop Lunar Surface Reactor by 2030” (01/13/26) https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-and-nasa-develop-lunar-surface-reactor-2030
トランプ大統領、データセンターに対するコミュニティの反発の鎮静化を図る
大規模な電力と水資源を必要とするデータセンターの建設を巡り、周辺地域のコミュニティの反発が増大する中、トランプ大統領はこれを鎮静化しようとしている。大統領は1月12日、自身のSNSで、「米国は世界で最もホットな国であり、世界一の人工知能(AI)国である。データセンターはそのブームの鍵であるが、これらを建設する大手技術企業は、その費用を自分達で負担しなくてはならない」と投稿した。翌日になって、マイクロソフト社は、データセンターが近隣住民の負担とならないようにするための5つの方針を明らかにした。方針には、水資源の補充や、固定資産税減税を求めないこと、近隣の電力代を押し上げないこと等が含まれる。 Washington Post “Trump seeks to quell rebellion over data centers” (01/13/26) https://www.washingtonpost.com/technology/2026/01/13/trump-microsoft-data-centers-opposition/
ニューヨーク州知事、原子力発電容量を8GWまで拡大へ
ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は1月13日の演説で、州内で5ギガワット(GW)の新規原子力発電の開発を目指すと述べた。これは6月に設定した1GW目標から大幅な拡大となる。ただしその計画の詳細は明らかにしていない。州の気候リーダーシップ・コミュニティ保護法(Climate Leadership and Community Protection Act)は、2040年までに100%ゼロ排出の電力を実現することを義務付けており、州エネルギー計画委員会(New York State Energy Planning Board)は先月、原子力エネルギーを州の電力信頼性と脱炭素化目標の鍵とする新たなエネルギー計画を採択した。ホークル知事の目標が達成されれば、ニューヨーク州内の原子力発電容量は8GW以上となる。 Utility Dive “New York Gov. Hochul expands nuclear aspirations to 8-GW fleet” (01/14/26) https://www.utilitydive.com/news/new-york-gov-hochul-expands-nuclear-aspirations-to-8-gw-fleet/809571/
NNSA、ジェネシス・ミッションのパイロット契約でAWSに1,000万ドル
連邦公報によれば、エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)の目標の一部を達成する基盤となるかもしれないパイロットプロジェクトをAWSとの間で推進している。この「AWSジェネシス・デモンストレーター(AWS Genesis Demonstrator)」契約(1,000万ドル)は、NNSAの兵器活動局(Weapons Activities Office)が資金拠出し、先週から開始されたもので、全体で3,000万ドルとなる大規模契約の一部である。NNSAは、「ジェネシス・デモンストレーターは、AWSとの初期のパイロット段階であり、安全で機密のクラウド環境内で中核的AI概念を迅速に検証することを意図している」と発表している。エネルギー省は12月にジェネシス・ミッションの取り組みで20社以上の提携企業を発表しており、AWSはその一社である。 Fedscoop “NNSA taps AWS for $10M Genesis Mission pilot” (01/13/26) NNSA taps AWS for $10M Genesis Mission pilot
国防総省の新AI加速戦略 グロックを採用、倫理的懸念は後退
国防総省(Department of Defense)が1月12日に発表した人工知能(AI)加速戦略は、米軍のその他の取り組みの重要な基盤的要素を活用可能にする7つの先導的プロジェクトを設定している。そのプロジェクトの1つ「GenAI.mil」は、機密ネットワークを含む省内のネットワーク内でAIチャットボット「グロック(Grok)」へのアクセスを可能にするというものである。グロックは、イーロン・マスク氏(Elon Musk)が所有し、サウジアラビアとカタールの支援を受け、党派的、ナチス的な偏り、児童の性的画像の作成を厭わない点で知られる。国防総省のAI加速戦略は、2023年のバイデン前政権による戦略と共通する点も多く、前戦略も、商用のAI最先端モデルを迅速に軍に導入させる点を強調していた。一方、新戦略で最も重要な点は、省内のデータ共有に関する障害を排除し、オープンアーキテクチャ型システムの導入を示している点である。新戦略は、「国防総省内における責任あるAIの明確化」の説明として、「多様性、公平性、包摂性(diversity, equity and inclusion : DEI)や社会的イデオロギーは省内に存在場所はなく、省としてイデオロギー的な調整が盛り込まれたAIモデルを導入してはならない」としている。 Nextgov FCW “Grok is in, ethics are out in Pentagon’s new AI-acceleration strategy” (01/14/26) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2026/01/grok-ethics-are-out-pentagons-new-ai-acceleration-strategy/410685/?oref=ng-homepage-river
DIUとDAWG、「自動車両オーケストレーター」賞金コンペを開始
自動システムが国防総省(Department of Defense)内で分散型かつ複数領域の戦力へと成熟しつつある中、戦場指揮官の意図を、音声やテキスト、触覚による入力から機械による実行へと変換する技術レイヤーで構成され、様々な自動化を管理・調整する「自動車両オーケストレーター(Autonomous Vehicle Orchestrator)」の必要性が高まっている。この必要性を支援するため、国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)、国防自動戦闘グループ(Defense Autonomous Warfare Group: DAWG)、米海軍(United States Navy)は、賞金1億ドルのコンペを開始する。艦隊レベルで自動システムを理解し、タスクを割り当て、調整する頑強かつ拡張可能で、車両種別に依存しない能力の確立を目指し、市場化が可能なソリューションのプロトタイプ作成に取り組む。コンペは、反復的なスプリント(課題)を通じて次第に複雑な問題に対応していく形で行われ、各スプリントを完了した場合のみ、次のスプリントへ進むことができる。 Defense Innovation Unit “DIU and DAWG Launch Autonomous Vehicle Orchestrator Prize Challenge” (01/13/26) https://www.diu.mil/latest/diu-and-dawg-launch-autonomous-vehicle-orchestrator-prize-challenge
国防総省、AI加速戦略を発表 米軍のAI覇権を目指す
国防総省(Department of Defense)は1月12日、軍事的な人工知能(AI)の展開における米国の優位性を拡大し、世界で比類なき米国のAI活用型戦闘能力を確立することを目指す「人工知能加速戦略(Artificial Intelligence Acceleration Strategy)」を発表した。この加速戦略の元で、実験の促進、従来の官僚的障壁の排除、あらゆる任務分野での最先端のAI能力の統合によって、米軍のAI覇権につなげるという。具体的に、国防総省は、あらゆる領域で「AIファースト」の戦闘部隊となるため、①戦闘、②インテリジェンス、③組織運営の3つの基本原則に重点を置き、合計7つの先導的プロジェクト(Pace-Setting Projects)を通じて米軍のAI導入を加速させる。 Department of Defense “War Department Launches AI Acceleration Strategy to Secure American Military AI Dominance” (01/12/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4376420/war-department-launches-ai-acceleration-strategy-to-secure-american-military-ai/