Category:その他
国防総省、10億ドルを供給業者に直接投資 固体ロケットモーター供給網確保
国防総省(Department of Defense)は1月13日、L3ハリス・テクノロジーズ社(L3Harris Technologies)との連携を通じて、米国の固体ロケットモーターの生産能力拡大において重要な投資条件を概説した双方合意の意向書に署名したことを発表した。これは、供給業者との直接的な連携としては初の形式で、国防総省は、今回の取引の一環として独立企業となる予定のL3ハリス社のミサイル・ソリューション事業(Missile Solutions business)に10億ドルの転換優先株式投資を行うことを約束した。この連携により、国防総省とL3ハリス社は、固体ロケットモーターについて複数年の調達枠組み合意について交渉できる体制が整う(議会の承認及び予算措置が前提)。2026年下半期には新会社の新規株式公開が計画されており、米政府はこの独自の投資枠組みから恩恵を得る機会を得る。 Department of Defense “Department of War Announces $1 Billion Direct-to-Supplier Investment to Secure the U.S. Solid Rocket Motor Supply Chain” (01/13/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4376463/department-of-war-announces-1-billion-direct-to-supplier-investment-to-secure-t/
ARPA-H、臨床エージェント型AIで心血管疾患管理に変革を目指す
医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は1月13日、「エージェント型AIによる心疾患ケアの変革(Agentic AI Enabled Cardiovascular Care Transformation: ADVOCATE)」プログラムの下、新たな資金提供公募を発表した。本プログラムは、米国内で最も致死性の高い慢性疾患に24時間体制の特別ケアを提供する、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の認可を受けた初のエージェント型人工知能(AI)技術の開発を目指す。この技術は臨床者の延長(clinician extender)として機能し、患者に常時対応し、患者の心臓の状態を注視し、パーソナライズされた情報や措置へのアクセスを提供する。これらは全て重度の心臓病を抱える患者が健康に長生きできるよう支援するものである。 ARPA-H “ARPA-H to revolutionize cardiovascular disease management with clinical agentic AI” (01/13/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-revolutionize-cardiovascular-disease-management-clinical-agentic-ai
PNNL、電力系統貯蔵ローンチパッドを開始 エネルギー貯蔵試験
パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)内の研究拠点「電力系統貯蔵ローンチパッド(Grid Storage Launchpad: GSL)」は1月13日、GSLで独自に行えるエネルギー貯蔵システムの試験を希望するバッテリー企業の申し込み受付を開始した。国の電力系統に接続するには、少なくとも100キロワット(kW)の容量を備えたエネルギー貯蔵システムが必要であるが、これらのシステムは物理的に大きく、開発と試験には数百万ドルの費用を要する場合もある。GSLは、より手頃な費用で厳格な試験を独自に行える選択肢を提供するもので、新たなバッテリー技術が想定される電力系統の運用下で機能するかどうかを試験できる。 Pacific Northwest National Laboratory “Grid Storage Launchpad Opens Doors for Grid-Scale Battery Testing” (01/13/26) https://www.pnnl.gov/news-media/grid-storage-launchpad-opens-doors-grid-scale-battery-testing
連邦地裁、レボリューション風力計画再開を容認
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は1月13日、連邦地裁がレボリューション・ウィンド(Revolution Wind)プロジェクトの建設凍結に対する内務省(Department of Interior)の命令を差し止めたと報じた。ワシントンDCのロイス・C・ランバース判事(Royce C. Lamberth)はレボリューション側の主張を認め、差し止めなしでは回復不能な損害が生じると判断した。国家安全保障リスクを理由とし、12月22日に事業を凍結されたオーステッド社(Ørsted)らは、政権と交渉を続け解決策を模索していたが、莫大な損害を抱え、訴訟に踏み切る形となった。ドミニオン・エナジー・バージニア(Dominion Energy Virginia)社の2.6GWコースタル・バージニア・オフショア・ウィンド(Coastal Virginia Offshore Wind: CVOW)プロジェクトなど、他の4件も同様の訴訟に踏み切っており、ジェフリーズ証券(Jefferies)やクリアビュー・エナジー・パートナーズ(Clearview Energy Partners)らのアナリストは、CVOWの建設再開を予想している。 Utility Dive “Judge grants (another) injunction to offshore developer amid Trump’s war on wind” (01/13/26) https://www.utilitydive.com/news/judge-grants-another-injunction-to-offshore-developer-amid-trumps-war-on/809474/
新規ガスタービンのNOx基準、当初案から約90%緩和
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は1月13日、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が新規ガスタービンなどの窒素酸化物(NOx)排出基準の最終規則を発表したと報じた。前政権案に比べ約90%緩和した基準で、最良排出削減システム(Best systems of emissions reduction: BSER)として大半のタービンへの規制を燃焼制御のみとし、年間稼働率45%超の大型タービンには燃焼制御と選択的触媒還元(Selective catalytic reduction: SCR)技術の併用を義務付けた。2024年12月13日以降に着工、改修、再構築された施設が対象で、2032年のNOx削減量は年間最大296トンにとどまる見込みである。削減効果も当初予測の2,659トンには及ばなかったが、経済影響分析では8年間で1億6,600万ドルの当初コスト見込みに対し、8,700万ドル削減という試算となった。一方、NOx削減による健康増進の経済的影響評価を行わず、喘息や早死リスク低減の経済効果に関する規制分析が除外された。環境団体らは公衆衛生軽視と反発し、訴訟の可能性を示唆している。 Utility Dive “EPA final rule on NOx limits emphasizes cost savings to turbine owners” (01/13/26) https://www.utilitydive.com/news/epa-nox-nitrogen-gas-power-plants-naqs/809444/
連邦地裁、民主党支持州のみの助成打ち切りは違憲と判断
アース・テクニカ(Ars Technica)は1月13日、トランプ大統領による「青い州(Blue states、民主党支持州)」のみを対象に環境関連補助金を打ち切った措置が、憲法修正第5条に違反するとの判決が下されたと報じた。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)のラッセル・ボート局長(Russell Vought)はソーシャルメディア上で民主党支持州への補助金打ち切りを示唆し、大統領自身もトゥルース・ソーシャル(Truth Social)で民主党系機関の削減検討を公にしていたことが背景にあり、連邦地方裁判所のアミット・メータ判事(Amit Mehta)は、2025年10月に打ち切られた総額75億ドル相当の315件の助成について、カマラ・ハリス元副大統領(Kamala Harris)に投票した州に拠点があったとし、政府が主張する「経済的実行可能性」やエネルギー目標との関連性がなく、受給者の平等な権利を侵害したと判断した。同判事は7件の補助金、計2,760万ドルの復活を命じた一方で、憲法修正第1条に基づく訴えに関しては、今回判決の影響を受けないとした。 Ars Technica “Judge: Trump violated Fifth Amendment by ending energy grants in only blue states” (01/13/26) https://arstechnica.com/tech-policy/2026/01/judge-trump-violated-fifth-amendment-by-ending-energy-grants-in-only-blue-states/
米国の温室効果ガス排出量、2025年は2.4%増加 減少基調から一転
調査会社のロジウム・グループ(Rhodium Group)は1月13日、2025年の米国における温室効果ガス排出量が前年比2.4%増加し、2年連続の減少傾向から反転する見通しと発表した。経済及びエネルギー活動に関する予備的データに基づいた排出量は、実質GDP成長率1.9%を上回るペースで増加すると予測し、経済活動と排出量の「デカップリング(decoupling)」も崩れたという。増加の主因は建物と電力部門で、冬季暖房需要により、建物部門の直接排出量は6.8%増加した。電力部門では天然ガス価格が58%上昇したことに加え、データセンターなどによる電力需要増を背景に石炭火力発電が13%増加し、排出量が3.8%上昇した。一方、運輸部門は記録的な交通量にもかかわらず、ハイブリッド車や電気自動車の普及により、排出量はほぼ横ばいであった。報告書は、2025年の排出量はコロナ禍前の2019年比で6%減、2005年比で18%減の水準にあると指摘しつつも、トランプ政権による政策変更により、今後数年間で影響が拡大する可能性があると分析している。 Rhodium Group “Preliminary US Greenhouse Gas Emissions Estimates for 2025” (01/13/26) Preliminary US Greenhouse Gas Emissions Estimates for 2025 参照記事:Axios “U.S. emissions rise could preview bigger spikes” (01/14/26) https://www.axios.com/2026/01/13/us-emissions-rise-rhodium
国防総省、イノベーションエコシステムを再編成
国防総省(Department of Defense)は1月12日、断片化した従来システムを統一し、必要な技術を現場に迅速に供給するイノベーション体制を構築すると発表した。これに伴い、国防イノベーション部(Defense Innovation Unit: DIU)と戦略能力局(Strategic Capabilities Office: SCO)を同省の野外活動部門に指定し、SCOは従来の報告ラインを維持しつつ、最高技術責任者(Chief Technology Officer: CTO)の運用指揮下に入る。また両機関に任期制を導入し、民間部門や現場部隊からの採用を促進する。新設した最高デジタル・人工知能(AI)責任者(Chief Digital and Artificial Intelligence Officer: CDAO)にはキャメロン・スタンレー氏(Cameron Stanley)の就任が決まった。これらを中核に国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)、戦略資本局(Office of Strategic Capital:OSC)などの6組織をCTOの管轄下とし、新設されたCTO行動グループ(CTO Action Group: CAG)が分野横断的革新の調整、技術の商業化プロセスにおける障害除去を担う。 Department of Defense “The War Department Overhauls Innovation Ecosystem to Accelerate Technology to the American Warfighter” (01/12/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4376441/the-war-department-overhauls-innovation-ecosystem-to-accelerate-technology-to-t/
次世代スパコン「ディスカバリー」、初の科学応用プログラムを公募
オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は1月12日、2028年に稼働予定の次世代スパコン「ディスカバリー(Discovery)」で実行する最初の科学アプリケーション開発に関する提案募集を開始したと発表した。エネルギー省(Department of Energy:)の「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」の中核を担うもので、人工知能(AI)やモデリング、シミュレーション分野での画期的な成果創出を目指す。現行のエクサスケール機「フロンティア(Frontier)」の5倍以上の性能向上を持ち、稼働初日から最大の科学的課題に挑むことができる技術の提供を求めており、公募はディスカバリー応用準備センター(Discovery Center for Accelerated Application Readiness: CAAR)プログラムを通じて3月16日まで行われる。5月初旬に採択プロジェクトを発表する予定で、選ばれたチームにはディスカバリーへのアクセス権に加え、ORNLやAMD社、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社(Hewlett Packard Enterprises)が技術支援を提供する。 ORNL “Call for Proposals Open to Develop Discovery Supercomputer’s First Science Applications” (01/12/26) Call for Proposals Open to Develop Discovery Supercomputer’s First Science Applications
ソフトバンク社とオープンAI社、SBエナジー社に10億ドル投資
HPCワイヤー(HPCwire)は1月12日、ソフトバンクグループ社(SoftBank Group)とオープンAI社(OpenAI)が、人工知能(AI)データセンター計画「スターゲイト(Stargate)」支援に向け、SBエナジー社(SB Energy)に10億ドルを投資すると報じた。両社は5億ドルずつ出資し、AIの計算需要へ対応する。オープンAI社は、計算能力の迅速な拡張に向け、テキサス州ミラム郡における1.2ギガワット(GW)のデータセンター建設と運営をSBエナジー社に選定した。3社はまた、オープンAI社のデータセンター設計とSBエナジー社のエネルギー供給の専門知識を組み合わせた新しい建設モデル開発において提携した。SBエナジー社は、この提携が米国のAIの未来を確保するものとし、支援に先立ち、データセンター建設管理会社のスタジオ151社(Studio 151)を買収している。同地域におけるプロジェクトは数千人の雇用を創出する見込みで、水の使用量を最小限に抑える設計や電力の安定供給に向け、新たな発電所の建設も計画中であるという。 HPCwire “SoftBank and OpenAI Invest $1B in SB Energy to Support Stargate AI Data Center Buildout” (01/12/26) SoftBank and OpenAI Invest $1B in SB Energy to Support Stargate AI Data Center Buildout