NIH、中国の千人計画に懸念​

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の外部研究プログラムのディレクター、マイケル・ラウア氏(Michael Lauer)は9月26日、サイエンス誌(Science)とのインタビューで、中国政府が「千人計画(Thousand Talents Program)」を通じてNIHが資金を提供する研究の恩恵を2つの方法で不適切に搾取している件について説明した。一つは、科学者にNIHの調査部門のメンバーになることを奨励し、ピアレビューを通じてグラント申請書の情報を入手すること、もう一つは、NIHの資金を受けている研究者に、中国でいわゆる「影のラボ(shadow lab)」を設置するよう招待するというやり方である。ラウア氏は、「外国政府の影響に関するNIHの調査は、中国の機関とのやり取りがある人物に限られたものではない」としているが、本問題へのNIHの対応を説明する際には、中国政府による千人計画にしばしば言及していた。​ ​ Science “NIH reveals its formula for tracking foreign influences” (9/27/19) ​

IMD、世界デジタル競争力ランキングを発表:成功の鍵は柔軟性と順応力​

IMDは、2019年の「世界デジタル競争力ランキング(World Digital Competitiveness ranking: WDCR)」を発表した。上位5カ国は前年と変わらず、米国、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、スイスであった。上位10か国では、オランダ(9位→6位)、香港(11位→8位)、韓国(14位→10位)が順位を上げ、ノルウェー(6位→9位)とカナダ(8位→11位)が順位を落とした。日本は前年の22位から今年は23位へ順位を一つ落とした。WDCRは、63か国を対象に、ビジネスや政府、広範な社会に経済的変革をもたらす主要な動力としてのデジタル技術を採用及び活用する能力及び準備体制を測定したものである。「知識の創出」は上位5カ国の共通のテーマとなっているが、デジタル競争力への手法は各国によって異なり、米国とスウェーデンは、知識創出、技術開発への支援的環境の創出、イノベーション導入への準備に関してバランスの取れた手法を取っているが、シンガポール、デンマーク、スイスは、1、2件の要素に重点的に取り組んでいる。​ ​ IMD “Flexibility and Adaptability Key to Digital Success: USA top, Asia grows in strength in IMD World Digital Competitiveness ranking” (September 2019) ​

製造USAが年間報告を発表​

製造USA(Manufacturing USA)は9月18日、「2018年年次報告(2018 Annual Report)」を発表し、米国内で技術と労働力開発を行う14の製造USA研究所におけるイノベーションについて報告した。報告書によれば、商務(Commerce)、国防(Defense)、エネルギー(Energy)の各省がスポンサーする14件の製造USA研究所は2018年に、①広範な産業部門を対象に重要優先案件に関する主要な応用研究開発共同プロジェクトを475件以上実施、②加盟機関は1,973件に上り50%増加(加盟機関の63%は製造企業でそのうち70%は中小企業)、③労働力に関する取り組みを通じて、20万人以上の労働者、学生、教育者を支援、④1億8,300万ドルの連邦資金を基に3億400万ドルの州及び民間投資を引き出し、したことが明らかになっている。​ ​ Manufacturing USA “Manufacturing USA Annual Report: Delivering Value for the Nation” (9/18/19) ​

中小企業庁、ハイテク中小企業に重点を置いたアクセラレータに300万ドルを助成​

中小企業庁(Small Business Administration: SBA)は、今年で5回目となる「成長アクセラレータ基金(Growth Accelerator Fund)コンペ」を実施した。国内で最も革新的かつ有望な中小企業アクセラレータ及びインキュベーターに5万ドル(各自)の賞金が贈られるコンペである。2019年のコンペは、中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer: STTR)を申請する可能性があるハイテク・アントレプレナーを対象としたアクセラレータに重点が置かれた。選出された受益者は、39の州及び準州で活動する60件のアクセラレータ及びインキュベータで、その重点先は広範な産業と部門に及んでいる。総額300万ドルが受益者へ贈られた。​ ​ Small Business Administration “$3 Million for High Tech, Small Business Focused Accelerators in 2019” (September 2019) ​

演算集約型アプリケーションのためのネットワーク・スタックの改革

コンピューティングの性能とネットワーキングの性能は急速に向上しているが、ネットワークとサーバーをつなぐハードウェア、ネットワーク・スタックはそのペースに追いついていない。現在のネットワーク・インターフェース・ハードウェアは、ネットワークからプロセッシング・ハードウェアへのデータ取り込みの障害となっている。また、サーバー・メモリー技術の問題などその他の要素も、ネットワーク・スタックにボトルネックを作り出すネットワーク・サブシステムにつながっている。マルチプロセッサとそれらをつなぐネットワーク・リンクの間のボトルネックに対処することは、分散型コンピューティングにとり増大的に重要となっている。分散型アプリケーションを加速し、性能のギャップを是正するため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は「ファスト・ネットワーク・インターフェース・カード(Fast Network Interface Cards: FastNICs)」を開始する。FastNICは、分散型アプリケーションの性能を100倍高める新規のネットワーキング手法を模索する。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “Reinventing the Network Stack for Compute-Intensive Applications” (9/26/19) ​

バージニア州知事、2050年までに再生可能エネルギー100%の目標を設定​

バージニア州のラルフ・ノーサム知事(Ralph Northam)は9月17日、2050年までに州内で生産する電力の100%を炭素フリー資源から生産するという目標を定めた行政命令に署名したと発表した。同行政命令は、複数の州機関の指導者に、その目標に達するための計画を来夏までに策定するよう指示している。環境保護派やクリーン・エネルギー提唱団体は、ノーサム知事の動きを概ね称賛しているが、一部の者は、「行政命令は十分ではない。また、現在開発中の2件の大型天然ガス・インフラ・プロジェクトを州が承認したことは、本行政命令の目標と相反する」との見解を示している。​ ​ Washington Post “Virginia governor sets renewable energy goal: 100% by 2050” (9/17/19) ​

メイン州知事、メイン気候評議会のメンバーを指名​ ​

メイン州のジャネット・ミルズ知事(Janet Mills)は9月19日、メイン気候評議会(Maine Climate Council)のメンバーを発表した。同評議会は、再生可能エネルギー発電と温室効果ガス排出削減に関する州の新たな野心的な目標を達成するための戦略を勧告する。評議会は39名のメンバーで構成され、9月26日に初会合を行う。評議会は、知事イノベーション及び未来政策局(Governor’s Office of Policy Innovation and the Future)を指揮するハンナ・ピングリー氏(Hannah Pingree)と、州環境保護省(Maine Department of Environmental Protection)のジェリー・リード長官(Jerry Reid)が共同議長を務め、ミルズ政権から10名以上の上級メンバーが参加する。​ ​ Press Herald “Mills names members of new Maine council on climate change” (9/19/19) ​

GAO:電力グリッドが直面する深刻なサイバーセキュリティ・リスクへの対策が必要​

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「重要インフラ保護:電力グリッドが直面している深刻なサイバーセキュリティ・リスクに対処する行動が必要(Critical Infrastructure Protection: Actions Needed to Address Significant Cybersecurity Risks Facing the Electric Grid)」と題する報告書を発表した。報告書は、「米国の電力グリッドはサイバー攻撃にさらに脆弱になりつつある。最近行われた連邦評価は、サイバー攻撃が広範な停電をもたらす可能性があることを示しているが、その停電の規模は不確定である」としている。電力グリッド・インフラの各コンポーネントにおけるサイバーセキュリティ・リスクへの対処において、エネルギー省(Department of Energy)は重要な役割を果たしているが、必要とされる電力グリッドのサイバーセキュリティ計画を開発していない。こうしたことからGAOはエネルギー長官、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission)を対象に、電力グリッドのサイバーセキュリティ・リスクに対処する行動を具体的に勧告している。​ ​ Government Accountability Office “Critical Infrastructure Protection: Actions Needed to Address Significant Cybersecurity Risks Facing the Electric Grid” (9/25/19) ​

エネルギー省、ソーラー・プライズの勝者と2件の新たな革新的ソーラー・イニシアチブを発表​

エネルギー省(Department of Energy)のダニエル・シモンズ・エネルギー効率・再生可能エネルギー局担当次官補(Daniel Simmons、Assistant Secretary for Energy Efficiency and Renewable Energy)は9月24日、「米国製ソーラー・プライズ(American-Made Solar Prize)」の第一ラウンドの勝者(2件)を発表した。同プライズは、賞金300万ドルのコンペで、米国ソーラー製造業界の活性化を意図したものである。プライズの一環として、勝者にはエネルギー省国立研究所を利用するための資金として各50万ドルが贈られた。同プライズ・コンペの第二ラウンドで競う参加者と第三ラウンドの開始も発表された。また9月25日には、EEREのソーラー・エネルギー技術局(Energy Technologies Office: SETO)が主導する2つの新たなイニシアチブ(「全国地域社会ソーラー・パートナーシップ(National Community Solar Partnership)」と、「ソーラー地区杯(Solar District Cup)」)も発表された。​ ​ Department of Energy “Department of Energy Announces Winners of Solar Prize and Two New Innovative Solar Initiatives” (9/25/19) ​

モニツ元エネルギー長官、二酸化炭素排除技術報告を発表

元エネルギー長官(Energy Secretary)のアーネスト・モニツ氏(Ernest J.Moniz)が設立した非営利組織、エネルギー・フューチャーズ・イニシアチブ(Energy Futures Initiative)は、様々な二酸化炭素排除(carbon dioxide removal: CDR)技術を評価及び実証するための包括的な連邦研究・開発・実証イニシアチブの設計について、12か月間に及ぶ調査を行い、今般その結果をまとめた報告書「大気を清浄にする(Clearing the AIr)」を発表した。EFIは報告書の中で、ギガトン・スケールまたはそれに近いスケールで、生態系への影響が最小限で、科学ベースの気候目標を支える時間的枠組みで実施可能なCDR技術の画期的向上につながるRD&Dイニシアチブを提案している。モニツ氏は、この報告書を9月24日、ニューヨーク市気候ウィーク(NYC Climate Week)で発表した。​ ​ Energy Futures Initiative “Moniz to Unveil Carbon Dioxide Removal Technology Report at Climate Week NYC” (September 2019) ​