トランプ大統領、大統領科学諮問委員会(PCAST)を復活させ、委員7名を指名​

トランプ大統領は就任してから33か月後、自身に科学技術政策について助言する財界リーダー・グループを選出した。具体的に、10月22日、大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)のメンバー(16名の予定)の最初の7名が発表された。学術機関出身者はわずか1名で、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)のバーギッタ・ウェーリー教授(化学)(Birgitta Whaley)である。ただし、今回指名された者のうち5名は博士号を有している。また、連邦政府での経験があるのはわずか1名であった。PCASTは、従来通り、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)の長官(ケビン・ドログマイヤー氏(Kevin Droegemeier))が議長を務める。OSTPの記者発表によれば、次の任命者の氏名は、第1回目会合の情報と共に、近い将来に発表される見通しである。​ ​ Science “Trump names seven to revived presidential science advisory panel” (10/22/19) ​

エネルギー省、技術商業化を推進する新たなプロジェクトを発表

エネルギー省(Department of Energy)は10月22日、「技術の商業化を加速させる慣行(Practices to Accelerate the Commercialization of Technologies: PACT)ラボ・コール(Laboratory Call)(通称PACTラボ・コール)」の一環として、12件のプロジェクトを選出したと発表した。PACTラボ・コールは、エネルギー省の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)が開発したもので、同省傘下の国立研究所で開発された研究を市場化へと進め、米国の競争力と国家安全保障の推進につなげるものである。選出された12プロジェクトは、合計約250万ドルの助成金を受け、100万ドル以上のコスト分担金と組み合わせる。選出されたPACTプロジェクトには、全ての国立研究所(17か所)、国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の1施設、6件の外部パートナーが関与する(合計参加機関数は24)。​ ​ Department of Energy “Department of Energy Announces New Projects to Promote Technology Commercialization” (10/22/19) ​

ペリー・エネルギー長官は12月1日で退任​

エネルギー省(Department of Energy)は10月21日、先週、トランプ大統領に辞意を表明していたリック・ペリー長官(Rick Perry)が12月1日付けで退任する意向であると発表した。同長官は最近、ウクライナにおける活動を巡り、トランプ大統領の弾劾調査に巻き込まれている。エネルギー省の高官は先週、議員宛ての書簡の中で、「ペリー長官はトランプ大統領の弾劾調査で召喚されていた文書を提出しない」と述べていた。​ ​ Reuters “U.S. Energy Secretary Perry to step down December 1: DOE” (10/21/19) ​

世界のソーラーPV市場は今後5年間に急成長する見込み​

国際エネルギー機関(International Energy Agency: IEA)が10月21日に発表した再生可能エネルギー市場予測報告「2019年再生可能エネルギー(Renewables 2019)」によれば、住宅や商業ビル、産業施設における太陽光発電(PV)システムの導入は今後5年間に急増する見込みで、電力の生産及び消費方法に変革がもたらされると予測されている。こうした応用は「分散型PV」と呼ばれており、IEAの今回の報告書の焦点となっている。報告書によれば、再生可能資源を基にした世界の発電能力は2019年から2024年の間に50%増加すると予測されている。これは1,200ギガワットの増加で、米国の現在の発電能力に相当する。この増加分の60%をソーラーPVが占めている。​ ​ International Energy Agency “Global solar PV market set for spectacular growth over next 5 years” (10/21/19) ​

DARPA、次世代の知的バイオ・インターフェースによって脊髄損傷を克服する可能性を模索​

脊髄損傷は、脳と身体の接続に混乱をもたらし、負傷兵士の重大な身体的機能の損失につながる要因となる。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は新たに「ブリッジング・ザ・ギャップ・プラス(Bridging the Gap Plus: BG+)」プログラムを開始する。これは、神経技術、人工知能、生物学的センサーを組み合わせ、負傷現場での治療を促進し、神経システムと連動して呼吸や動きなどの自然な機能を復活させることで、脊髄損傷の最悪の影響を克服する可能性を探るプログラムである。DARPAは本プログラムに5年を計画している。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “New Generation of Intelligent Bio-Interfaces Could Overcome Aspects of Spinal Cord Injury” (10/17/19) ​

次期エネルギー長官候補は元ロビイスト

トランプ大統領は当初、自身の政治サークル内は、「ヘドロをかき出すためにワシントン内部からはるかに遠い所から来たタフな奴らの集まりである」と発言していたが、最近は増大的に、トランプ政権の閣僚は元ロビイストの集まりとなりつつある。先週は、エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)が退任を発表し、次期長官候補としてダン・ブロイレット副長官(Dan Brouillette)が指名される見込みとなっている。同氏は、キャリアの大半を、金融サービス企業の自動車サービス連合会(United Services Automobile Association)の上級副社長や、フォード自動車(Ford Motor Company)の副社長として費やした。こうした傾向は、他の連邦機関にも共通しており、例えば、海軍特殊部隊出身で内務長官に就任したライアン・ジンキ氏(Ryan Zinke)、元オクラホマ州司法長官で環境保護省長官に就任したスコット・プリュイット氏(Scott Pruitt)、元海兵隊将軍(Marine Corps general)で国防長官に就任したジム・マティス氏(Jim Mattis)などは、いずれも政権から去り、後任にはロビイストが就任している。​ ​ New York Times “New Energy Secretary Fits Trend: Cabinet Dominated by Lobbyists” (10/1819) ​

NIH、BRAINイニシアチブで新たな助成を発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)がBRAINイニシアチブ(Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies Initiative)を発表してから5年の間に、科学者らは脳機能の根底にある神経回路を研究するための新たなツールを開発してきた。そして今般、NIHは、180件以上の新たなBRAINイニシアチブ・アワードを発表し、これらのプロジェクトへの継続的な支援を表明した。2019年の本プログラム予算額は4億2,400万ドル以上になる。今年のアワードには、神経回路の理解促進、「グリア」と呼ばれる非神経脳細胞に関する研究、複雑な神経科学データの分析及び保存、などの新プロジェクトが含まれている。​ ​ National Institutes of Health “New NIH BRAIN Initiative awards accelerate neuroscience discoveries” (10/18/19) ​

NIH、「オール・オブ・アス研究プログラム」のゲノム・センターに助成​

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の「オール・オブ・アス研究プログラム(All of Us Research Program)」は、最先端のDNAシーケンス技術の使用の評価に取り組む機関として、ハドソンアルファ・バイオテクノロジー研究所(HudsonAlpha Institute for Biotechnology)(アラバマ州ハンツビル)を選出した。対象となるDNAシーケンス技術は、いつの日か、多くの疾病(一般的な疾病、希少な疾病ともに)の診断と治療の向上につながることが期待されているものである。NIH傘下の国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)が本プロジェクトに1年間で700万ドルを提供する。この助成金を基に、ハドソンアルファ・バイオテクノロジー研究所は、ロングリードのゲノム全長シーケンス技術(long-read whole genome sequencing technologies)を用いて、異なる背景を持つ参加者の中から約6,000件の遺伝子データを生成する。ロングリード・シーケンスは、標準(ショートリード)のシーケンス技術よりもより大きなセグメントでDNAを分析するもので、これによって標準では検知されない可能性がある遺伝的変異が明らかになる。​ ​ National Institutes of Health “NIH funds new All of Us Research Program genome center to test advanced sequencing tools” (10/18/19) ​

エネルギー省、エネルギー部門のサイバーセキュリティ進展を目的とした助成を発表​

エネルギー省(Department of Energy)のサイバーセキュリティ/エネルギーセキュリティ/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)は10月18日、エネルギー送電システムの強化につながる次世代ツール及び技術の研究・開発・実証を支援するため、約700万ドルを提供すると発表した。国内エネルギーインフラの信頼性と対応力の強化につながる利点と可能性があるとして、3件のプロジェクトが選出された。選出プロジェクトは、エネルギー部門のユーザーに、彼らのサイバーセキュリティ状況を評価し、運用技術資産をセキュアにする助けとなるツールを提供する。​ ​ Department of Energy “DOE Announces Selections to Advance Energy Sector Cybersecurity” (10/18/19) ​

DARPA、仮想空中戦コンペに参加するチームを選出​

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「アルファドッグファイト・トライアル(AlphaDogfight Trial)」で競合する8チームを選出した。同トライアルは、シミュレーションによる仮想空中戦(口語的に「ドッグファイト」)で先端人工知能(AI)アルゴリズムを実証することを目的としたコンペで、AIデベロッパー及び、DARPAの「空中戦進化(Air Combat Evolution: ACE)」プログラムの下で予想されるアルゴリズム開発の公募に先駆け、潜在的なプロポーザル提案者の基盤を活性化及び拡大することを狙いとしている。オーロラ・フライト・サイエンス(Aurora Flight Sciences)、エピサイ(EpiSCI)、ジョージア・テック研究所(Georgia Tech Research Institute)、ヘロン・システムズ(Heron Systems)、ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)など、今回選出された8チームは、2019年11月から2020年3月の間に3回のトライアルに取り組む。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Picks Teams for Virtual Air Combat Competition” (10/21/19) ​