ヌースケール社の小型モジュール原子炉が原子力規制委員会のフェーズ4審査をクリア​

ヌースケール・パワー社(NuScale Power)は、米国原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)が、同社の小型モジュラー原子炉(small modular reactor: SMR)の設計認証申請(design certification application: DCA)の審査のフェーズ4を完了したと発表した。ヌースケール社のSMRの設計審査は現在、フェーズ5及び6に入っている。ヌースケール社の技術は、NRCの設計認証審査を受けている世界で初めてかつ唯一のSMR技術である。同社は、この達成は、エネルギー省(Department of Energy: DOE)との官民パートナーシップと、議会からの支援の成果であると述べている。審査が予定通りに進めば、NRCは最終的な安全評価報告を2020年9月に発表する計画である。​ ​ Green Car Congress “NuScale’s SMR design clears Phase 4 of Nuclear Regulatory Commission’s review process” (12/16/19) ​

ボーイング社、737マックス型の生産を一時停止へ​

ボーイング社(Boeing)は12月16日、同社の主力旅客機である737マックス型(737 Max)の生産を一時停止すると発表した。2日間にわたって役員会が行われた後での決定で、同機2機の墜落によって346名の乗客が死亡するという、同社の103年に及ぶ歴史史上最悪の危機の結末となる。ボーイング社は、737機マックス型は年内に再飛行できると繰り返し示唆していた。同社は米国最大の製造輸出企業であり、今回の決定は米経済全般に影響を及ぼす可能性がある。主力機である737の新モデル開発は、エアバス社(Airbus)との競争から2011年に開始されたが、2件の墜落事故を受け、検察当局、規制当局、そして2つの議会委員会が、ボーイング社は安全リスク管理を軽視していたのではないかと調査している。​ ​ New York Times “Boeing to Temporarily Shut Down 737 Max Production” (12/16/19) ​

石油評議会、「炭素捕獲の助成は不十分」との見解​

エネルギー長官の諮問グループである全国石油評議会(National Petroleum Council)の報告によれば、米国は、気候変動が加速しているこの時代において、温室化効果ガスの排出を防止し、化石燃料を実行可能なものとして維持するための炭素捕獲プロジェクトを強化するには、巨額の政府プログラムを実施し、既存の税インセンティブの規模を2倍以上にする必要があるという。米国政府は、数年にわたり、米国の石油・天然ガス・石炭の豊富な資源への需要を維持しつつ、炭素排出を削減する手段として、炭素捕獲を追求してきたが、国連が「気候変動の最悪の結果を避けるために必要」としている水準の能力を得るためには、最終的に毎年数百億ドルの支出が必要となる見込みである。現在、世界で稼働している炭素捕獲施設はわずか19か所で、その多くは米国内で税クレジットの対象となっているが、NPCの報告書は、これらのクレジットを大幅に拡大することを勧告している。​ ​ Houston Chronicle “Carbon capture subsidies don’t go far enough, oil council warns” (12/12/19) ​

ロサンゼルス市、水素を燃料とする発電所の建設を目指す

ロサンゼルス市のユタ地域にあるインターマウンテン発電所(Intermountain Power Plant)は、市内の電力供給の約5分の1を生産しており、2025年に閉鎖予定となっている。同市の水・電力省(Department of Water and Power: DWP)のスタッフは12月10日、同発電所を気候汚染源である天然ガス発電所に置換する必要があると述べた。更に、同施設は最終的に、天然ガスではなく再生可能水素を燃焼する発電所となるという。これはいまだかつて存在したことがない発電所となる。気候変動対策活動家からの圧力を受け、DWPは、インターマウンテン発電所を、石炭火力発電所から天然ガス発電所へ、そして水素をクリーン燃焼する発電所へと変革するための詳細なスケジュールを発表した。DWPの上層部は、2025年に新しい発電所が開設する際には、30%の水素と70%の天然ガスによる混合燃焼が可能なタービンを導入することにコミットし、その比率は2045年(州政府によって、気候に優しい電力の100%供給が義務付けられている年)までに100%水素へと移行する計画を発表した。​ ​ Los Angeles Times “Los Angeles wants to build a hydrogen-fueled power plant. It’s never been done before” (12/10/19) ​

DARPA、オンデマンド型で大気中からの飲料水供給を模索​

​資源が少ない、もしくは戦闘状態に配備されている兵士へ飲料水を提供することは、容易な業務ではない。物流チームによる水の配達は大きなリスクに直面し、犠牲が出る場合もある。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「大気からの水抽出(Atmospheric Water Extraction: AWE)」プログラムは、世界の極めて乾燥している地域を含め、配備されている軍事部隊に、現場の大気から、兵士の日常のニーズに合致するのに十分な飲料水を確保する技術を提供することで、物流のリスクを大幅に削減することを意図したものである。AWEプログラムには、①遠征トラック(Expeditionary Track。個人向けの飲料水を日常的に提供できる成果物を目指す)と、②安定化トラック(Stabilization Track。標準的な軍事車両で輸送でき、最高150名の組織の飲料水を支援できる技術を開発する)、という2つのトラックがある。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “Drinking Water, on Demand and from Air” (12/12/19) ​

エネルギー省、電気航空プログラムに5,500万ドルの資金提供計画を発表​

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は12月17日、低コストの電気航空エンジン技術及びパワートレイン・システムの開発を支援するため、2つのプログラムに最高5,500万ドルを提供する計画を発表した。対象となるプログラムは、「航空クラスの相乗的に冷却化された電気モーターと総合ドライブ(Aviation-class Synergistically Cooled Electric-motors with iNtegrated Drives: ASCEND)」と、「低炭素及び高効率の電気航空のためのレンジ・エクステンダー(Range Extenders for Electric Aviation with Low Carbon and High Efficiency: REEACH)」プログラムで、旅客機による排出の緩和を目標として、商業クラスの電気航空エネルギー技術ソリューションの開発を目指す。ASCENDプログラムには最高3,500万ドルが、REEACHプログラムには同2,000万ドルが用意されている。​ ​ Department of Energy “Department of Energy Announces $55 Million in Funding for Electric Aviation Programs” (12/17/19) ​

エネルギー省、H2@スケールの新市場に関する資金提供公募公示を計画

エネルギー省(Department of Energy)は、H2@スケール(H2@Scale)の新たな市場を構築するイノベーションを進展させるための資金提供公募(FOA)を公示する計画を通知(Notice of Intent: NOI)した。新しいH2@スケール市場のための革新的な研究開発(R&D)及び概念は、水素の機会拡大及びそれらを市場ソリューションに転換し、米国民に価値をもたらし、経済に付加価値を提供する上で鍵となるとしている。潜在的トピックとしては、①電解槽製造R&D、②圧縮貯蔵タンクのための先端炭素繊維、③大型アプリケーションのための燃料電池R&D、などが挙げられている。​ ​ Department of Energy “Energy Department Announces Notice of Intent to Issue a Funding Opportunity Announcement on H2@Scale New Markets” (12/16/19) ​

エネルギー省、SBIRとSTTRに4,000万ドルを助成​

エネルギー省(Department of Energy)のダン・ブルーレット長官(Dan Brouilette)長官は、2020年度の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)プログラム向けに資金提供公募(FOA)を行った。フェーズIリリース2のFOAで、エネルギー省内全般の研究開発プログラムに対処するイノベーションに、約4,000万ドルの資金が用意されている。​ ​ Department of Energy “Department of Energy Awards $40 Million for Small Business Innovation Research and Small Business Technology Transfer” (12/16/19) ​

エネルギー省のRAPID研究所、プロジェクトを公募

エネルギー省(Department of Energy)は12月13日、石油や天然ガス、パルプ・紙、化学製造におけるエネルギー生産性及びエネルギー効率を押し上げる革新的技術の開発を実現するため、モジュラー化学プロセス強化における障害に対処するプロジェクトに、最高300万ドルを提供すると発表した。エネルギー省の「プロセス強化導入の急速な進展(Rapid Advancement in Process Intensification Deployment: RAPID)製造研究所」が、最高6件の研究開発(R&D)プロジェクトに資金を提供する。RAPID製造研究所は、①プロセス強化技術を通じてエネルギー生産性を2倍にする、②プロセス・モジュールを強化し、資本コストを10倍削減し、エネルギー効率を20%向上させ、排出/廃棄を20%減少させる、など、研究所の目標を進展させる提案を募集している。​ ​ Department of Energy “DOE RAPID Institute Opens Call for Proposals” (12/13/19) ​

米国の応用・基礎研究への投資は他国よりも多いものの、実験的開発への投資は中国より少ない​

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の報告によれば、2017年における米国の研究開発(R&D)支出の合計は(4,830億ドル)で、中国のそれ(4,430億ドル)を上回っているが、中国における実験的開発への年間投資額は米国のそれを上回っている。中国の実験的開発への投資額は近年急増しており、2017年には3,700億ドル以上で、米国よりも約700億ドル多い。​ ​ National Science Foundation “The United States Invests More in Applied and Basic Research than Any Other Country but Invests Less in Experimental Development than China” (12/3/19) ​