風力発電、大統領令で危機に直面

トランプ大統領は、連邦地にある風力発電についてリースと許認可を停止するとの大統領令を発令した。陸上の風力発電は99%が私有地にあって連邦政府の措置の対象外であるため、同大統領令は、陸上プロジェクトに関しては限定的な影響しかない可能性がある。しかし、洋上風力発電プロジェクトは、大統領令によって米国海域でのリースと許認可が停止されるため、大きな危機に直面している。米国最大の再生可能エネルギーである風力発電は、全米の電力の10%を供給しているが、その伸びは最近鈍化している。トランプ大統領の措置は、最近承認されたアイダホ州のラバ・リッジ(Lava Ridge)風力発電所を標的にしたものであるが、他のプロジェクトにも影響を与える可能性がある。 Axios “What Trump’s wind order can and can’t do” (01/22/25)

トランプ大統領、多額のAI投資を発表

1月21日、トランプ大統領は米国のAI分野を発展させてOpenAIの新しい大型データセンターを設立するための多額の民間投資を発表した。OpenAI、ソフトバンク社、オラクル社(Oracle)、アラブ首長国連邦のMGXは、スターゲート(Stargate)と名付けられた共同ベンチャーで、当初1,000億ドル(4年間で5,000億ドルに増加する可能性)を投資し、10万人以上の雇用を創出することが期待されている。プロジェクトはテキサス州で始まり、他の州へ拡大する見込み。今回の発表は、トランプ大統領がバイデン政権時代のAIに関する規制を取り消す大統領令を発表したことを受けたもので、ホワイトハウスでのイベントにはソフトバンク社の孫正義CEO、OpenAIのサム・アルトマンCEO、オラクル創業者のラリー・エリソン氏らが出席した。 Axios “Trump announces billions in private sector AI investment” (01/21/25)

科学・工学・保健分野の大学院在籍者が増加、短期ビザ保有者が牽引

2023年「理工系大学院生・ポスドク調査」(Survey of Graduate Students and Postdoctorates in Science and Engineering: GSS)によると、科学・工学・保健(Science, Engineering, and Health: SEH)分野の大学院在籍者数は、2022年から2023年にかけて増加を続けた。SEHの修士課程と博士課程に在籍する学生数の合計は、2022年の79万8,534人から2023年には81万8,095人へと2.4%増加した。2023年のSHEのフルタイムの修士課程在籍者数は32万9,971人であったのに対し、フルタイムの博士号登録者数は26万8,617人であった。博士研究員(ポスドク)数は、2022年から2023年の間に4.9%増加し、6万2,750人から6万5,850人になった。特にフルタイムの修士課程と博士課程では、短期滞在ビザの保有者が在籍者数の増加に大きく寄与し、うち女性は男性をわずかに上回る伸びを示した。 National Center for Science and Engineering Statistics “Graduate Enrollment and Postdoctoral Appointments in Science, Engineering, and Health Rise, Driven Largely by Increases in the Number of Women and Temporary Visa Holders” (01/21/25)

トランプ大統領、政府効率化省設立の大統領令に署名

1月20日、トランプ大統領は、政府の効率性と生産性の向上を目指し、連邦政府の技術とソフトウェアを近代化するために、政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)を設立する大統領令に署名した。イーロン・マスク氏がこの取り組みを主導し、オバマ元大統領が最初に設立した技術チーム「米国デジタルサービス(U.S. Digital Service: USDS)」を活用する。この法的な裏付けのないチームは新たに「米国DOGEサービス(United States DOGE Service)」と名付けられ、政府全体のソフトウェアやネットワークインフラ、ITシステムの改善に注力する。各政府機関には、この取り組みを支えるDOGEチームが設置される。さらに、政府の人員や規制を縮小する可能性も含まれている。 Nextgov/FCW “Trump signs order setting up DOGE with a focus on government tech” (01/20/25)

FERC、PJMの迅速接続計画を承認も容量不足懸念残る

INDUSTRYDIVEは2月12日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)がPJMインターコネクション(PJM Interconnection)の迅速な発電所接続計画を承認し、2026年以降の電力不足に備える電力供給拡大を支援すると報じた。PJMの「信頼性のあるリソース・イニシアチブ(Reliability Resource Initiative)」は最大50の発電プロジェクトを迅速に審査し、通常より18ヶ月早く、約10GWの電力を稼働させる見込みである。一部のFERC委員は供給不足の解消に対する懸念を示したが、計画全体は合理的と評価された。また、FERCは余剰接続サービス(Surplus Interconnection Service: SIS)規則の改訂も承認し、2026/2027年に26GWの追加電力が期待されている。しかし、再生可能エネルギー開発者や環境団体は計画に反対しているという。 TechTarget “FERC approves PJM’s fast-track power plant interconnection plan” (02/12/25)

NIHの首席副所長、タバック氏が辞任

サイエンス誌(Science)は2月12日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)を長年務めた同研究所の首席副所長、ローレンス・タバック氏(Lawrence Tabak)が2月11日付で辞任したと報じた。2010年からNIHで所長に次ぐリーダーとして15年以上に亘り重要な役割を果たしてきた同氏の突然の離任は、生物医学研究コミュニティに衝撃を与え、NIH内外で失望の声が上がっている。歯科・糖鎖生物学者のタバック氏は、NIHの政策改革や課題に取り組んできており、特にNIHが国内の非営利団体を通じて中国の武漢ウイルス研究所に助成金を提供していた件では、保守派や共和党議員の非難に対し、研究対象のウイルスとは遠縁であると強く否定したりするなど、複雑な問題にも対応した。退任の背景には、トランプ政権下での新任管理者選任や組織内の混乱が影響していると見られている。 Science “In further signs of NIH turmoil, top official suddenly retires” (02/12/25)

エネルギー長官、研究開発ポートフォリオの見直しを伝達

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月11日、エネルギー長官のクリス・ライト氏(Chris Wright)が研究開発(R&D)ポートフォリオの包括的な見直しを行い、技術的進歩を優先事項とする就任後初の声明を発表したと伝えた。核融合、高性能コンピューティング、量子コンピューティング、AIなど先進技術を推進し、プロジェクトのマイルストーンを厳格に実施していく方針である。また、基礎科学の進歩や米国の製造競争力強化を図るため、化石燃料、先進原子力、地熱、水力発電などのエネルギー技術を優先するとした。一方で、風力や太陽光には触れず、ネットゼロ政策を批判し、エネルギーコストの上昇やシステム全体の信頼性を脅かすと主張した。また、原子力エネルギーの迅速な展開を強調し、エネルギー省(Department of Energy)の科学局首席補佐官にクリスチャン・ニュートン氏(Christian Newton)を任命する人事についても発表した。 AIP “New Energy Secretary Orders R&D Portfolio Review” (02/11/25)

共和党下院議員 AI特別委員会設立に向け訴え

FEDSCOOPは2月11日、ジェイ・オバーノルテ下院議員(Jay Obernolte、カリフォルニア州選出共和党)が、AI特別委員会(AI select committee)の設立を目指していると報じた。オバーノルテ氏は、AI技術の進展に対応するため、議会内にAIに特化した委員会が必要であると強調している。同議員は、下院AIタスクフォース(House AI Task Force)の共同議長を務めた経験があり、同タスクフォースは昨年12月に最終報告書を発表したのち解散した。このため、オバーノルテ議員は、同特別委員会の設立について、同タスクフォースに続く次の論理的なステップであるとも述べた。現在、特別委員会の具体的な構成や役割については議論が進行中であり、同議員はこの委員会がAI関連の立法を推進するための「核」となることを期待しており、議会内でのAI技術に関する取り組みを強化するため、特別委員会の設立が重要であると語っている。 FEDSCOOP “California Republican looks to codify NAIRR, establish select committee on AI” (02/11/25)

トランプ大統領、情報諮問委員会のメンバーを発表

大統領府は2月11日、国家の重要な安全保障課題に対処するための新たな情報諮問委員会(President’s Intelligence Advisory Board: PIAB)のメンバーを発表した。大統領府のホームページで、アメリカ・ファースト(米国第一主義)の政策を推進するために、信頼できる愛国者を選出したと表明し、デビン・ヌネス氏(Devin Nunes)が議長を筆頭に、スコット・グレイブ氏(Scott Glabe)やアマリリス・フォックス・ケネディ氏(Amaryllis Fox Kennedy)、ブラッド・ウェンストラップ氏(Brad Wenstrup)などの専門家を紹介している。また、ウェイン・バーマン氏(Wayne Berman)、ラインス・プリーバス氏(Reince Priebus)、ロバート・オブライエン氏(Robert O’Brien)、ジョシュア・ローベル氏(Joshua Lobel)、サンダー・ガーバー氏(Sander R. Gerber)なども名を連ねており、大統領はこれらのメンバーの幅広い経験と知性がインテリジェンス・コミュニティの信頼性回復に貢献するだろうと言及している。 THE WHITE HOUSE “President Trump Announces the President’s Intelligence Advisory Board” (02/11/25)

バンス副大統領、パリAIサミットで米AI政策の自由化を強調

NEXTGOV/FCWは2月11日、バンス副大統領(JD Vance)がパリAIサミットにおいて、米国の人工知能(AI)政策における自由化とイノベーション推進を強調したと報じた。バンス氏は、現行規制がAI発展を妨げているとし、労働者の失業の軽減、革新を促す規制緩和、同盟国との技術協力、AIのイデオロギー的バイアス排除の四つの柱を掲げた。欧州連合(EU)の厳しいAI規制に対抗する姿勢も示し、米国企業に対する外国の監視に対して「容認しない」と強調した。業界アナリストの間では自由化推進に対する意見が分かれており、Rストリート研究所(R Street Institute)のアダム・ティエラー氏(Adam Thierer)は、米政府が前向きなAIビジョンを持っていると評価する一方で、CDTのアレクサンドラ・リーブ・ギヴンズ氏(Alexandra Reeve Givens)は基本的な安全対策の重要性を主張した。バンス氏の発言は、EUの規制モデルに対抗する形で、米国がAI分野でのリーダーシップを維持する姿勢を鮮明にしている。 NEXTGOV/FCW “Vance calls for more open AI policy at Paris summit” (02/11/25)