エネルギー省、石炭産業復活へ2,000億ドル投資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月8日、石炭産業の活性化と国内の重要鉱物供給網強化に向けた包括的な施策を発表した。石炭産業を活性化する大統領令を受け、クリス・ライト長官(Chris Wright)が、石炭技術の近代化と重要鉱物の国内生産拡大を目指す5つの主要施策を発表した。その中心となるのが、エネルギーインフラ再投資(Energy Infrastructure Reinvestment: EIR)プログラムを通じた2,000億ドルの低金利長期融資枠の設定で、石炭発電施設の新設や、既存設備の再開に伴うインフラ改修整備や効率化などに充てられるという。また1984年に設立され、バイデン政権下で活動を停止していた全米石炭評議会(National Coal Council)を復活させ、50名の有識者による石炭技術と市場に関する専門的な助言を受ける体制を整える。さらに、製鉄用石炭を重要物質と重要鉱物に指定するほか、特許を取得した石炭灰からの重要鉱物抽出技術の実用化を推進し、中国への依存度を減らしていくという。 Department of Energy “Energy Department Acts to Unleash American Coal by Strengthening Coal Technology and Securing Critical Mineral Supply Chains” (04/08/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-acts-unleash-american-coal-strengthening-coal-technology-and-securing

エネルギー省、次世代原子炉向け新型核燃料の供給を開始

エネルギー省(Department of Energy)は4月9日、国内の5つの原子炉開発企業に対し、高純度低濃縮ウラン(High-Assay Low-Enriched Uranium: HALEU)の供給を開始すると発表した。HALEUは、次世代原子炉の小型化や長期運転を可能にする新型核燃料であるが、現在、米国内での供給体制が整っておらず、短期的な燃料需要を満たすために条件付きで提供するという。同省は、今回の供給開始により米国の原子力技術革新を大きく前進させ、商業化に向け、原子力エネルギーの利用を拡大し、さらに国民へのコスト還元を目指すという。15社の申請から選ばれた5社は、トリソX社(TRISO-X)、カイロス・パワー社(Kairos Power)、ラディアント・インダストリーズ社(Radiant Industries)、ウェスチングハウス・エレクトリック社(Westinghouse Electric)、テラパワー社(TerraPower)で、一部企業には今秋にも供給が開始される。同省は今後も追加の企業へのHALEU供給を継続し、国内の原子力産業の活性化を進めていくという。 Department of Energy “U.S. Department of Energy to Distribute First Amounts of HALEU to U.S. Advanced Reactor Developers” (04/09/25) https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-distribute-first-amounts-haleu-us-advanced-reactor-developers

トランプ大統領、石炭火力発電所の環境規制を緩和

大統領府は4月8日、石炭火力発電所に対する環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の規制を2年間緩和すると発表した。トランプ大統領は、バイデン政権下で厳格化された水銀・大気有害物質基準(Mercury and Air Toxics Standards: MATS)の適用を一時的に緩和する大統領令に署名した。大統領は、この措置により、多くの石炭火力発電所の突然の閉鎖が回避され、電力供給の安定性が確保されると声明で述べた。現在、石炭火力は米国の電力供給の16%を占めており、エネルギー安全保障の観点から重要な電源とも言及し、バイデン政権下の厳格な基準は、多くの発電所にとって商業的に実現が困難であったと説明した。また、環境保護と経済発展の両立を掲げ、実現可能な環境基準の設定を目指すとし、この規制緩和により、数千人の雇用が守られ、電力網の安定性が確保されると強調している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Lifts Burdensome EPA Restrictions on Coal Plants” (04/08/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-lifts-burdensome-epa-restrictions-on-coal-plants/

トランプ大統領、州の環境規制を制限する大統領令に署名

大統領府は4月8日、州レベルでの過度な環境規制を制限し、国内エネルギー生産を保護する大統領令に署名したと発表した。司法長官に対し、国内エネルギー資源の利用を妨げる州法や政策のうち、違憲または連邦法に抵触するものを特定し、対策を講じるよう指示するもので、特に気候変動対策や環境・社会・ガバナンス(Environment, Social, Governance: ESG)イニシアチブ、環境正義、温室効果ガス排出、炭素税に関連する法規制が対象となる。大統領府は、ニューヨーク州やバーモント州による温室効果ガス排出に関する遡及的な規制や、カリフォルニア州の厳格な炭素排出規制を具体例として挙げ、こうした州の規制が全米のエネルギー価格高騰や供給不安を引き起こし、国民生活を脅かしているとの見方を示している。司法長官には、60日以内にこの大統領令に基づくエネルギー保護措置と追加的な提言について大統領に報告することが求められている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Protects American Energy from State Overreach” (04/08/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-protects-american-energy-from-state-overreach/

トランプ大統領、石炭産業復活へ包括的支援策を発表

大統領府(は4月8日、トランプ大統領が石炭産業の復活を目指す包括的な大統領令に署名したと発表した。同令は石炭を「鉱物」として指定し、国防生産法(Defense Production Act)に基づく支援を可能にし、連邦所有地での採掘促進や環境アセスメントの簡素化を図る方針を示すもので、前政権下で進められた脱石炭政策を撤廃する方針を示している。エネルギー省(Department of Energy)はこれを受け、石炭火力発電所の運転継続に向けた緊急措置の実施を検討し、同省融資局の数十億ドル規模の資金を石炭関連プロジェクトに投入する意向を示した。大統領は人工知能(AI)データセンターの電力需要増加対応には石炭火力発電の活用が不可欠と説明し、同産業支援により、エネルギー供給の増加、電力コストの低減、電力網の安定化、高賃金雇用の創出が期待できると説明した。また、石炭産業は数十万人の雇用を支え、年間数100億ドルの経済効果があると強調した。同時に、パリ協定からの離脱や、バイデン前政権の環境政策の撤回、グリーン・ニューディール(Green New Deal)の終了に加え、アラスカの資源についても触れ、エネルギー分野での規制緩和を進める方針も表明した。なお、米国の石炭火力発電の割合は2000年の約50%から昨年は16%まで低下したが、AIによる電力需要増加を受け、一部の電力会社は石炭火力発電所の閉鎖計画を延期する動きを見せている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Reinvigorates America’s Beautiful Clean Coal Industry” (04/08/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-reinvigorates-americas-beautiful-clean-coal-industry/

トランプ大統領、電力網の信頼性と安全性を強化する大統領令に署名

大統領府は4月8日、米国の電力網の信頼性と安全性を強化するための大統領令にトランプ大統領が署名したと発表した。エネルギー長官に対し、電力網の中断が予測される際の緊急命令の発行プロセスを迅速化することを求めるもので、全地域の電力システムにおける予備能力を分析するための統一的な方法の開発も指示した内容となっている。具体的には、地域ごとの電力需要や供給状況を分析し、どの発電資源がシステムの信頼性を維持するために不可欠であるかを特定するもので、重要な発電資源の電力網からの離脱や燃料源の変更により、全体の認定発電能力に悪影響を及ぼす場合には、それを防ぐ措置が講じられるというものである。トランプ大統領は、急速な技術革新やAIデータセンターの拡大が電力需要を押し上げている現状を踏まえ、電力網の健全性確保を選挙中から訴えていた。今回の大統領令は、米国のエネルギー独立性を確保することの重要性を前面に打ち出したものである。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Strengthens the Reliability and Security of the United States Electric Grid” (04/08/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-strengthens-the-reliability-and-security-of-the-united-states-electric-grid/

農務省 ワシントン本部を縮小し、全国に新たな拠点設置

ガバメント・エクゼクティブ(Government Executive)は4月7日、農務省(United States Department of Agriculture: USDA)がワシントンDCの本省を縮小し、全国に新たなオフィス拠点を設置する計画を進めていると報じた。この再編成により、数千人の本省職員が国内3拠点に再配置され、約9,000人の職員が解雇される可能性であるという。同省はワシントンDCにある本部ビルのうち1棟の売却を予定しているが、新拠点の所在地についてはまだ決定していない。また、業務の効率化を図るために、重複している業務や管理職層の削減に加え、リモート勤務も廃止する。50マイル以上離れた地域に住む職員に新拠点への移転を求めることに加え、森林局(U.S. Forest Service: USFS)も9つの地域局を3つに統合し、5つある研究局の一部を廃止する計画である。これにより154の国有林が統合され、森林火災部門は政府の別の部門に移管される予定である。農業研究局(Agricultural Research Service)の職員は、この再編成が生産性に与える影響を懸念している。 Government Executive “USDA to slash headquarters, other staff and relocate some to new ‘hubs’ around the country” (04/07/25) https://www.govexec.com/workforce/2025/04/usda-slash-headquarters-other-staff-and-relocate-some-new-hubs-around-country/404371/

アンドゥリル社、自律型無人水中機を発表 大規模展開を視野に

ディフェンスニュース(DefenseNews)は4月7日、防衛企業アンドゥリル・インダストリーズ社(Anduril Industries)が、軍事・民間両用の自律型無人水中機「コッパーヘッド(Copperhead)」を発表したと報じた。同社は2種類の基本モデルを展開し、基本型は環境モニタリングや捜索救助、インフラ点検などの即応任務向けで、30ノット以上の速度で航行が可能であるという。搭載センサーには能動・受動型センサーや地磁気計測器を備え、様々なペイロードに対応する。武装型の「コッパーヘッド-M(Copperhead-M)」は、同社の大型無人潜水艇「ダイブ-LD(Dive-LD)」および「ダイブ-XL(Dive-XL)」から発射可能な魚雷型兵器で、量産を前提に設計されている。ダイブ-XLは小型コッパーヘッド-Mを数十基搭載可能で、複数の大型ミサイルも搭載できるといい、同社は、この組み合わせにより前例のない自律的な海軍力で、海域を制御することが可能になるとしている。 DefenseNews “Anduril unveils ‘Copperhead’ line of autonomous underwater vehicles” (04/07/25) https://www.defensenews.com/naval/2025/04/07/anduril-unveils-copperhead-line-of-autonomous-underwater-vehicles/

世界の発電量の4割超がクリーンエネルギーに エンバー報告

環境・エネルギー分野の英シンクタンク、エンバー社(Ember)は4月8日、2024年の世界の発電量に占める再生可能エネルギーと原子力を合わせたクリーンエネルギーの割合が40.9%に達したと発表した。伸びを牽引したのは太陽光発電で、3年間で発電量が倍増し、全体の6.9%を占めるまでに成長した。風力発電も8.1%に増加、水力発電は14%で横ばいだった。一方で猛暑による冷房需要の増加や人工知能(AI)、データセンター、電気自動車(EV)などの新技術による電力需要の拡大により、化石燃料による発電量も1.4%増加し、世界の電力部門排出量は1.6%増加し、過去最高となった。同社のフィル・マクドナルド氏(Phil MacDonald)は、太陽光発電はエネルギー転換の原動力と言及し、今後はクリーンエネルギーが需要の伸びを上回り、化石燃料は減少すると予測する。中国とインドの太陽光発電導入は目覚ましく、2024年増加分の半分以上を中国が占めるなど今後もクリーンエネルギーへの移行を主導していくとみられている。 Ember “World surpasses 40% clean power as renewables see record rise” (04/08/25) World surpasses 40% clean power as renewables see record rise

国土安全保障省、科学技術局の研究助成金を全面停止

NEXTGOV/FCWは4月8日、国土安全保障省(Department of Homeland Security:DHS)が、傘下の科学技術局(Science and Technology Directorate:S&T)の研究助成を全て停止すると報じた。同省のジュリー・ブリューワー科学技術局長代理(Julie Brewer)の署名入り内部文書によると、大学との共同研究プログラム「センター・オブ・エクセレンス(Centers of Excellence)」をはじめ、マイノリティ支援機関との協力協定など、総額1,760万ドルの助成金が打ち切られる。新たな優先任務として、国境の安全確保と管理、移民法執行、国際犯罪組織対策、合法的な貿易促進と渡航プロセスの迅速化の4分野が設定され、研究優先分野に関しては化学・生物兵器、爆発物や人工知能(AI)などの脅威への対応やサイバーセキュリティ、緊急対応、重要インフラの4分野が示された。これにより約500人の職員の半数程度が人員削減の対象となる可能性があるといい、トランプ政権による政府効率化を目的とした大規模な人員削減の一環とされている。 NEXTGOV/FCW “DHS cancels S&T grants under a new mission focus for the directorate” (04/08/25) https://www.nextgov.com/digital-government/2025/04/dhs-cancels-st-grants-under-new-mission-focus-directorate/404378/?oref=ng-homepage-river