トランプ政権、政治的な政策高官向けに「スケジュールG」を新設

トランプ大統領は7月17日、政策関連の役割に従事し、キャリア公務員ではない連邦職員の新たな分類として「スケジュールG(Schedule G)」を確立する大統領令に署名した。大統領府の発表によれば、スケジュールGは、「政権の政策を実践する推進力を高め、現行の連邦人事採用分類における溝を埋める」ものであるという。大統領府は、「現行の人事分類では、政策立案や政策推進の役割に従事する非キャリア職員(政権任命職員)の任命が不可能である」としている。しかし、研究者や学術関係者は、新たなスケジュールGは既存のスケジュールC(機密職もしくは政策判断職の政治的任命)と重複していると分析しており、その有用性に疑問を呈している。ある専門家は、「大統領は既にスケジュールCを通じて数多くの任命をすることが可能である。本件は、スケジュールCの一般的な給与よりも高い給与で政府のより上級レベルの任命を行うための方策かもしれない」と述べる。大統領府の発表によれば、スケジュールCは、「機密もしくは政策判断の役割」を、スケジュールGは「政策立案もしくは政策推進の役割」を担い、いずれも通常は政権の交代に伴い、変更の対象となる。 FEDSCOOP “Trump White House launches ‘Schedule G’ for political policy officials” (07/17/25) Trump White House launches ‘Schedule G’ for political policy officials

トランプ大統領、EPAの化学剤製造事業者向け規制を軽減

トランプ大統領は7月17日、国家安全保障関連の重要部門に影響するバイデン前政権による厳しい規制に2年間の規制軽減を提供する4件の布告(proclamation)に署名した。布告の対象は、石炭発電所、タコナイト鉄鉱石処理施設、半導体や先端製造、国家防衛システム等に関連する化学剤製造事業者で、重要産業内にあるこれらの施設は、順守要件(その一部は達成不可能な場合もある)を満たすための大幅な費用を負担することなく、国家安全保障を支援するための事業を滞りなく継続できるよう規制免除措置を付与する。トランプ大統領は、過度に制限的な環境規制は、米国エネルギーの信頼性、経済的活力、国家安全保障を損なうと考えている。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Grants Regulatory Relief from Burdensome EPA Restrictions to Promote American Security” (07/17/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-grants-regulatory-relief-from-burdensome-epa-restrictions-to-promote-american-security/

エネルギー省、先進原子力燃料供給の構築と海外依存の終結を目指す

エネルギー省(Department of Energy)は7月16日、国内の原子力燃料供給チェーンの強化を目的とした新たなパイロット・プログラムを立ち上げ、公募(Request for Application)を開始した。原子力燃料生産ラインを構築・運営する能力を持つ適格の米企業を募集している。このプログラムは、原子力燃料としての濃縮ウラン及び重要マテリアルにおける海外依存をなくすと共に、米国原子力活性化に向けた民間投資に門戸を開くものとなる。米国には現在、予想される原子力燃料の需要に対応する国内資源が十分になく、本公募を通じて米国内に原子力燃料生産基盤を構築することを目指す。なお、エネルギー省は2025年6月に、国立研究所以外の拠点において先端原子炉設計の試験を迅速に行うことを目的として、原子炉パイロット・プログラムを開始している。同プログラムからは、今夏後半には少なくとも3件の先進原子炉設計が選出される見込みである。 Department of Energy “Energy Department Announces Pilot Program to Build Advanced U.S. Nuclear Fuel Lines and End Foreign Dependence” (07/16/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-pilot-program-build-advanced-us-nuclear-fuel-lines-and-end

SEIA、循環経済の達成を目指し、初となるロードマップを発表

太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は7月17日、米国のソーラー及び貯蔵業界全体で循環経済手法を実践するための新たなロードマップを発表した。発表された「ソーラー及び貯蔵業界における循環経済実践のためのビジョン(A Vision for Implementing the Circular Economy in the Solar and Storage Industry)」は、業界が無駄を削減し、サプライチェーンを強化し、クリーンエネルギー製品の寿命を延長し、雇用創出と経済成長を促進する方法について詳述している。ロードマップには、業界が関係機関や連邦・州・地方自治体とのパートナーシップを通じて取り組む行動計画として、①ソーラー及び貯蔵設備のリサイクル、廃棄、再使用に関する全国基準の策定、②回収された原材料の需要を創出するため、製造事業者に支援と技術援助を提供、③循環経済を実践する上での障害の解決策を提供するため、既存及び新規の研究開発活動への支援、などが挙げられている。 SEIA “As Solar and Storage Dominate New Grid Additions, Industry Releases First-of-its-Kind Roadmap for Achieving a Circular Economy” (07/17/25) As Solar and Storage Dominate New Grid Additions, Industry Releases First-of-its-Kind Roadmap for Achieving a Circular Economy 

宇宙軍、宇宙アクセス資源配分の判断に関する原則を発表

米宇宙軍(U.S. Space Force)は7月16日、商業宇宙戦略(Commercial Space Strategy)の付属文書1「宇宙アクセス資源配分に関する判断の原則(Annex 1 Principles for Space Access Resourcing Decisions)」を発表した。付属文書は、政府資源に対する商業宇宙部門からの要請をどのように検討・優先付けするか、また政府の投資判断をどのように行うかについて詳述している。付属文書は、「国家安全保障を目的とした宇宙アクセスを確実にする(Assure space access for national security)」「頑強かつ革新的で競争的な商業宇宙アクセス産業を育成する(Foster a robust, innovative, and competitive commercial space access industry)」など9つの原則で構成されており、宇宙軍の「確実な宇宙アクセス事業(Assured Access to Space Enterprise)」プログラムによる調達戦略や投資の優先付け、資産の配分など様々な資源配分判断に関する意思決定のガイドとなるものである。 United States Space Force “Space Force releases Principles for Space Access Resourcing Decisions” (07/16/25) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4246866/space-force-releases-principles-for-space-access-resourcing-decisions/

NSF主導の国家AI研究資源パイロットにボルテージ・パーク社が参加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、研究者や教育者向けに最先端AI資源として重要なツールや資源へのアクセスを拡大し、米国のAIイノベーションや国家競争力などを促進する変革的な官民イニシアチブ、「国家人工知能研究資源(National Artificial Intelligence Research Resource: NAIRR)」パイロット事業の支援として、ボルテージ・パーク社(Voltage Park)との新たなパートナーシップを発表した。AIインフラへのアクセス拡大を目指すボルテージ・パーク社は、高性能のクラウド・コンピューティング資源と専門家支援を提供し、米国内の研究者による画期的なAIイノベーションの追求を支援することになる。このパートナーシップの一環として、ボルテージ・パーク社は、NVIDIA H100 GPUの100万時間分を提供し、科学、工学、医療、気候などにおける多様なAI研究プロジェクトを可能にさせる。NAIRRパイロットは2024年に開始され、NSFが主導する2年間の概念証明事業で、本格的な国家インフラ開発への情報提供となることを意図している。 National Science Foundation “Voltage Park joins NSF-led National AI Research Resource pilot to expand access to advanced computing” (07/16/25) https://www.nsf.gov/news/voltage-park-joins-nsf-led-national-ai-research-resource

NSF、ラボから実践への技術移転に柔軟な経路を提供

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、ラボの革新的な新技術を実践へと転換するための柔軟な経路を提供する新プログラム「NSF実践への転換(NSF Translation to Practice: NSF TTP)」を発表した。3,000万ドルのプログラムで、実際の使用にヒントを得たトランスレーショナルな研究に投資を行い、特に、実践への効果的かつ効率的なトランスレーショナル研究を促進する分野横断型パートナーシップの育成に焦点を当てる。また、全ての米国民を対象とした起業教育を進展させる。このNSF TTPプログラムは、市場の洞察の入手や商業応用の始動などの機会を提供した「イノベーションのためのパートナーシップ(Partnerships for Innovation: PFI)」プログラムなど、従来のNSFイニシアチブの教訓を活用する形で行われ、発見やイノベーションの展開における様々な段階にあわせた3つのトラック(①模索(Explore (NSF TTP-E))、②転換(Translate (NSF TTP-T))、③パートナー(Partner (NSF TTP-P))を設けることで、よい柔軟な枠組みとする。 National Science Foundation “New NSF program offers flexible pathways to transition technologies from the laboratory to practice” (07/16/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/new-nsf-program-offers-flexible-pathways-transition

大統領府、カリフォルニア州高速鉄道構築費40億ドルの支給取消を通知

連邦鉄道局(Federal Railroad Administration:FRA)のドリュー・フィーリー長官代行(Drew Feeley)は7月16日、カリフォルニア高速鉄道プロジェクトCEOのイアン・チョウドリ氏(Ian Choudri)に書簡を送付し、同州中央部のセントラルバレー(Central Valley)での鉄道構築費として割り当てられていた連邦資金40億ドルの支給取消を通知した。また、運輸省のショーン・ダフィ長官(Sean Duffy)は、FRAに対し、同プロジェクト関連の他の助成についても見直すよう要請し、運輸省は、これらの資金を回収する可能性について司法省からの助言を仰ぐとしている。カリフォルニア州のギャビン・ニューソム知事(Gavin Newsom)とチョウドリ氏は、大統領府による決定の合法性に疑問を呈している。チョウドリ氏は、プロジェクト資金提供は法的拘束力を持つ契約の下でのコミットメントとし、カリフォルニア高速鉄道公社(California High-Speed Rail Authority)は義務を充足していると主張した。これに対し、ダフィ運輸長官は、同州リーダーによる鉄道計画の管理は杜撰と批判している。高速鉄道計画は2020年完成予定であったが、予算超過・スケジュール遅延が著しく、6月に発表された現政権主導の調査結果は、同計画実現に向けて実行可能な道筋はないと結論付けている。これに対し、チョウドリ氏は、書簡を大統領府宛に2通送付しており、最新ではない不適切な情報に基づく同調査の評価結果は不正確且つ不適切と指摘し、結論は事実を偽って伝えるものと主張している。 Los Angeles Times “Trump administration pulls billions in funding for high-speed rail project; state leaders call decision ‘illegal’” (07/16/25) https://www.latimes.com/california/story/2025-07-16/trump-administration-cancels-funding-for-high-speed-rail-project

連邦政府所有地に構築する太陽・風力発電施設、今後は内務長官からの許可が要件に

内務省政策担当首席補佐官代理のグレゴリー・ウィッシャー氏(Gregory Wischer)は7月16日、同省職員にメモを送付し、内務省管轄下にある連邦政府所有地に構築する太陽・風力エネルギー施設について、今後はダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)からの許可が義務付けられると通知したことが内部文書によって明らかにされた。これにより、風力・太陽エネルギープロジェクトに対して更なる精査が行われ、全米において許可・建設が遅延・低迷する可能性が考えられる。この措置は、トランプ大統領から風力・太陽発電補助金削減要求を受けたことによるもので、風力・太陽エネルギー関連施設のあらゆる決定・活動・協議においてバーガム長官による審査が義務付けられることになるが、ウィッシャー氏は、様々な大統領令に準拠するために必要な措置としている。なお、連邦政府所有地は、現在、米国の再生可能電力の約4%に相当する8.9ギガワットを創出しているが、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory:NREL)が政権交代前の2025年1月に発表した調査結果によると、2035年までに全体の12.5%を提供する可能性があり、具体的に、太陽電力は5,750ギガワット、風力発電は875ギガワットを創出する技術的可能性があるとしている。 Politico “Trump administration taking new steps to block wind and solar projects, undisclosed memo says” (07/16/25) https://www.politico.com/news/2025/07/16/interior-requires-burgum-sign-off-for-solar-wind-projects-00458999

グーグル社、ペンシルバニア州のAIインフラに今後2年間で250億ドル超を投資

グーグル社(Google)は7月15日、デーブ・マコーミック上院議員(Dave McCormick、ペンシルバニア州選出)が開催した「ペンシルバニア州民エネルギー・イノベーションサミット(Pennsylvanian Energy and Innovation Summit)」において、ペンシルバニア州を拠点とするPJMインターコネクション社(PJM Interconnection)の電力網に、今後2年間で250億ドル超を投資することを明らかにした。グーグル社は、データセンター及びAIインフラを同州内に構築する計画である。主要クラウド提供企業は、AIデータセンター能力構築を競い合っており、グーグル社は、2025年に前年比40%以上の増加となる750億ドルの設備投資を行う計画である。 Utility DIVE “Google Cloud to pour more than $25B into AI infrastructure across PJM” (07/15/25) https://www.utilitydive.com/news/google-cloud-blackstone-aws-us-ai-data-center-buildouts/753202/