カリフォルニア州政府機関、ゼロ排出自動車の導入加速に関する勧告

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事(Gavin Newsom)が6月に州政府機関に対して、ゼロ排出自動車の利用を拡大する方法について勧告を行うよう求めた州知事令を発令したことを受け、カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board)、カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)など6つの州政府機関は8月20日、その勧告報告書を発表した。報告書は、6つの分野(民間投資、インセンティブ、インフラ、燃料価格、規制、調達)で優先的な勧告を概説している。主要な勧告には、①消費者向けの還付金を実施し、低所得消費者や中小企業によるクリーン自動車へのアクセスを高める、②連邦政府が廃止した消費者向けのクリーン自動車税額控除を補填する、等がある。 DailyEnergyInsider “California agencies issue report on accelerating move to clean vehicles” (08/21/25) California agencies issue report on accelerating move to clean vehicles

エネルギー省傘下の国立研究所がディープシークを研究

中国発の人工知能(AI)モデル「ディープシーク(DeepSeek)」は、エネルギー省(Department of Energy)内で広範に使用することは認められていない。しかし、同省の副最高情報責任官(deputy CIO)であるブリジット・カーパー氏(Bridget Carper)が8月19日に行われたイベントで発言したところによれば、エネルギー省傘下の2つの国立研究所(研究所名は明かされていない)で行われたディープシーク・モデルの研究の結果、一部の特性には前向きな効果があることが確認され、使用が許可される可能性があるという。ディープシークについては、議会において政府での使用を制限する動きがあったり、エネルギー省など複数の連邦機関で予防的使用禁止措置が行われたりなどしている。カーパー氏によれば、国立研究所でのディープシークの研究は、適切に管理・承認され、全面的に文書化される形で行われているという。 Fedscoop “Department of Energy national labs studied DeepSeek, and ‘positives’ may be approved” (08/19/25) Department of Energy national labs studied DeepSeek, and ‘positives’ may be approved

GAO、輸出入銀行による軍民両用物資の輸出管理について報告

輸出入銀行(Export-Import Bank)のミッションは、融資や融資保証、保険を通じて、米国の輸出を促進し、米国の雇用を支援することである。連邦議会は1994年に、米国による防衛物資及びサービスの輸出促進に関する権限を輸出入銀行に付与しており(ただしそれらの軍民両用物資が非致死的で主として民生使用であると判断した場合に限る)、輸出入銀行は同銀行が融資等を通じて輸出支援した軍民両用物資を監視し、それらが主として民生目的で使用されていることを確実にする必要がある。また、政府説明責任局(Government Accountability Office)は、輸出入銀行が融資した軍民両用使用の輸出の最終使用について、毎年報告することが義務付けられている。GAOが8月20日に発表した報告書によれば、輸出入銀行は2024年度に新たな軍民両用物資の輸出に融資を行っておらず、2025年8月現在、輸出入銀行は同物資の最終使用について監視を行っていないという(該当する融資が全額返済されているため)。 Government Accountability Office “Export-Import Bank: Monitoring of Exports with Dual Military and Civilian Uses as of 2025” (08//20/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108524

内務省、エネルギー生産及び安全性の強化を目的とした混合採取方針を更新

内務省(Department of the Interior)は8月20日、ワンビッグビューティフルビル法(One Big Beautiful Bill Act)に整合する形で、原油と天然ガスの混合採取に関する規則を更新することを発表した。混合採取とは、2つ以上の供給源から生産される石油または天然ガスを一つのストリームにして測定・処理することである。内務省は、「これらの更新により、官僚的手続きが排除され、米国エネルギーの生産が容易になると同時に、安全で効率的な生産が行われるようになる。米国資源の長期的な価値を最大限にすることで、納税者や部族、エネルギー未来を保護できる」とする。 Department of the Interior “Interior Department Updates Commingling Policy to Strengthen Energy Production and Safety” (08/20/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-department-updates-commingling-policy-strengthen-energy-production-and

NSF、国家安全保障関連の有望なイノベーションと人材パイプラインへ投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月20日、国家安全保障を目的とした新興技術の移転を加速させるパイロット・イニシアチブを発表した。本イニシアチブを通じて、国内の具体的な地域に焦点を当てながら、有望な研究を特定・進展させ、関連する人材パイプラインを策定する。本件は複数年のイニシアチブで、ノーブルリーチ財団(NobleReach Foundation)のサイエンス・トゥ・ベンチャー(Science to Venture)プラットフォームを通じて行われ、2つのNSFイノベーション部隊(NSF Innovation I-Corps)ハブが参画する。NSFは、ポートフォリオ分析や高い可能性を持つ大学技術向けのロードマップの作成、実証された商業化手法を制度化するツールキット及びトレイナー訓練カリキュラムの開発など幅広い支援に投資する。2年間に亘り、国家安全保障に関連する12~20件のプロジェクトが、マイルストーン方式の開発計画に基づいて推進され、再現可能な枠組みやラボから市場化へのエコシステム全般で拡張可能な人工知能(AI)活用型資源がもたらされると期待されている。 National Science Foundation “NSF invests in promising innovations and associated talent pipelines for national security” (08/20/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-invests-promising-innovations-associated-talent

米国における新規発電容量の半分はソーラー EIA報告

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の8月20日の発表によれば、米国内の開発事業者は2025年上半期に12ギガワット(GW)の実用規模の新規ソーラー発電容量を追加し、下半期には新たに21GWを追加する計画であるという。これらが計画通りに実施されると、開発事業者が今年稼働開始を計画する発電容量全体(64GW)の半分以上をソーラー発電が占めることになる。残りの新規発電容量は、蓄電池、風力、天然ガス発電所によるものとなる。今年、64GWが稼働開始となった場合、新たな発電容量としては過去最高となる。これまでに新規発電容量の追加が最も多かったのは2002年で、開発事業者は58GWを追加し、そのうちの57GWは天然ガス発電であった。2025年上半期に追加されたソーラー発電容量の約27%(3.2GW)はテキサス州が占める。同州は昨年、ユーティリティ規模のソーラー発電容量がカリフォルニア州を上回り、同発電容量が全国で最大の州となった。 US Energy Information Administration “U.S. developers report half of new electric generating capacity will come from solar” (08/20/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=65964

戦略的医薬品有効成分の備蓄を通じて米医薬品供給網を強化 大統領令

トランプ大統領は1期目に、医薬品の有効成分(Active Pharmaceutical Ingredients: API)を備蓄する「戦略的医薬品有効成分(API)備蓄(Strategic Active Pharmaceutical Ingredients Reserve: SAPIR)」を設置したが、8月13日になって、最も重要な医薬品のAPIをSAPIRに確保することを指示する大統領令に署名した。具体的に大統領令では、厚生省(Department of Health and Human Services)の準備・対応担当次官室(Office of the Assistant Secretary for Preparedness and Response: ASPR)に対して、30日以内に米国民の健康と安全保障上の利益にとって特に重要な約26の医薬品リストを作成すること、120日以内に既存のSAPIRレポジトリを整備し、APIの備蓄と維持管理をできる体制を整えること、また、6か月分のAPIをSAPIRに補充すること等を指示した。大統領府は、「医薬品の原薬であるAPIは、完成医薬品に比べて一般的に低コストで保存期間も長いことから、API備蓄は有意義である」と説明している。 White House “ENSURING AMERICAN PHARMACEUTICAL SUPPLY CHAIN RESILIENCE BY FILLING THE STRATEGIC ACTIVE PHARMACEUTICAL INGREDIENTS RESERVE” (08/13/25) https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/08/ensuring-american-pharmaceutical-supply-chain-resilience-by-filling-the-strategic-active-pharmaceutical-ingredients-reserve/

グーグル、カイロス・パワー、TVAが原子力発電で提携

HPCwireは8月20日、グーグル社(Google)がカイロス・パワー社(Kairos Power)およびテネシー川流域開発公社(Tennessee Valley Authority: TVA)と連携し、テネシー州オークリッジに建設予定の先進原子炉「ヘルメス2(Hermes 2)」から得られる電力で、同州とアラバマ州のデータセンターを運用すると報じた。先進原子炉から電力購入契約(PPA)する国内初の契約で、ヘルメス2の出力は28メガワット(MW)から50MWに拡大し、2030年に稼働開始予定という。今回のカイロス社とTVAによるPPAに基づき、グーグル社は500MW規模の新たな原子力電源を2035年までに確保する計画で、今回の取り組みがデジタル経済を支える堅固で脱炭素な電源確保に値すると強調している。TVAは、エネルギー安全保障が国家安全保障の基盤であり、今回の協力がAI時代の電力供給強化につながるとし、カイロス社もヘルメス2が商用原子炉普及への重要な一歩と位置付けている。 HPCwire ” Google to Power Tennessee and Alabama Data Centers with Nuclear Energy” (08/20/25) Google to Power Tennessee and Alabama Data Centers with Nuclear Energy

アリゾナ州、再生可能エネルギー基準を撤廃へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月20日、アリゾナ州公益事業委員会(Arizona Corporation Commission: ACC)が2025年までに電力会社に小売販売電力の15%を再生可能エネルギーで賄うことを義務付ける再生可能エネルギー基準(Renewable Energy Standard and Tariff: REST)の撤廃手続きの開始を全会一致で承認したと報じた。アリゾナ・パブリック・サービス社(Arizona Public Service: APS)が2024年時点で19%、ツーソン・エレクトリック・パワー社(Tucson Electric Power: TEP)が29%と主要電力会社がすでに目標に到達したことから、ACCが同基準の導入により約23億ドルのコスト増が生じると指摘する一方で、消費者団体やクリーンエネルギー推進派は急速な電力需要や投資環境維持の観点から基準維持を訴えている。APS社が2050年ゼロカーボン目標からカーボンニュートラルへ転換したことが議論の背景にあり、ACCは今後、公聴会開催を予定しており、撤廃手続きに関する意見公募の提出を11月14日まで受け付けている。 Utility Dive “Arizona regulators begin process to repeal state’s renewable standard” (08/20/25) https://www.utilitydive.com/news/arizona-regulators-begin-process-to-repeal-states-renewable-standard/758107/

カリフォルニア州VPP、コスト削減も予算削減で運営停止危機

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月20日、カリフォルニア州の仮想発電所(VPP)プログラムが2025年から2028年に最大2億600万ドルのコスト削減の可能性があるにもかかわらず、資金不足により運営停止の危機に直面していると報じた。ギャビン・ニューサム州知事(Gavin Newsom、民主党)が6月、デマンド・サイド・グリッド・サポート(Demand Side Grid Support: DSGS)プログラムから1,800万ドルを削減する州予算を承認したことが背景にあり、業界団体は年末までに資金が枯渇すると訴えている。同プログラムは、ガス火力発電の利用減少により大幅なコスト削減を実現できるとし、2023 年から同州エネルギー委員会(California Energy Commission :CEC)により運営され、電力需給逼迫時に家庭用蓄電池からの電力供給を行う見返りに顧客に補償を提供している。7月の試験では2時間に亘り、500MW以上の電力を供給した実績があり、再生可能エネルギー団体連合は、事業継続に向けた資金確保を州議会に求めている。 Utility Dive “California’s virtual power plant could save $206M by 2028: Brattle” (08/20/25) https://www.utilitydive.com/news/californias-virtual-power-plant-could-save-206m-by-2028-brattle/758145/