オバマ政権、ES細胞に関する連邦地裁の仮差し止め命令を受け控訴へ

オバマ政権は8月24日、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)の研究助成に関して政権が定めたガイドラインは違法であるとして仮差し止め命令を出した連邦地裁の裁定に控訴する意向であることを明らかにした。一方、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の担当官は裁定を受け、現在実施中の研究は継続できるが、仮命令が支持された場合、9月末までに予定されている22件の科学プロジェクトへの助成(5,400万ドル)が停止に追い込まれると述べた。司法省の担当官は、控訴の間は差し止め命令を解除することを裁判所に要請するとしている。 The New York Times “Stem Cell Ruling Will Be Appealed” (08/24/10)

米国のエネルギー消費総量は減少、再生可能エネルギー利用が加速化

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory:LLNL)が発表したエネルギー消費量のフローチャートによれば、2009年の米国のエネルギー消費量(試算)は94.6千兆BTUで、これは2008年の99.2千兆BTUから低下した。また、2009年は、石炭・石油の消費量が大幅に減少したのに対し、風力の消費量が大幅に増加している。LLNLのエネルギーシステム・アナリストは、「エネルギー消費量は経済活動レベルに追随する傾向があるが、経済活動レベルは昨年低下しており、省エネ効果が高い電化製品や自動車の導入によりエネルギー消費量がさらに削減された」との見解を述べている。 ScienceDaily “Americans Using Less Energy, More Renewables” (08/24/10)

バイデン副大統領、景気回復法がイノベーションにもたらした効果に関する報告書を発表

ジョー・バイデン副大統領(Joe Biden)は8月24日、新報告書「景気回復法:イノベーションを介した米国経済の変革」を発表した。同報告書によれば、景気回復法によって全米各地の科学技術イノベーションプロジェクトに1,000億ドルが投資され、これは経済を変革し雇用を創出しているだけでなく、科学技術の大幅な進展助長、消費者の経費削減や米国の競争力維持に貢献しているという。また、①2015年までに太陽光発電のコストを半減する、②2009年から2015年の間に、電気自動車用電池のコストを70%削減する、③2012年までに米国の再生可能エネルギー発電能力と再生可能製造能力を2倍にする、④5年間で個人のヒトゲノム解析のコストを1,000ドル未満にする、という4つの主要なイノベーション目標が順調に進んでいるという。 U.S. Department of Energy EERE News “Vice President Biden Releases Report on Recovery Act Impact on Innovation” (08/24/10)

連邦地裁判事、「NIHによるES細胞研究への助成は違法」との裁定

連邦地方裁判所のロイス・ランバース判事(Royce C. Lamberth)は8月23日、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)による新ガイドラインの下でのヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究助成は、ヒト受精卵を破壊する実験に公的資金を使うことを禁じた連邦法に違反するとして、これを禁止する仮差し止め命令を出した。新ガイドラインはオバマ政権による科学政策の中で注目を浴びていたものだけに、仮差し止めは政権やES細胞研究の支持派に打撃となっている一方、同研究の反対派は裁定に強い支持を表明している。 The Washington Post “NIH cannot fund embryonic stem cell research, judge rules” (08/24/10)

ホワイトハウスウェブサイトからクリーンエネルギー技術への投資額の記載消える

WhiteHouse.govウェブサイトのエネルギー・環境に関するページから、「クリーンエネルギー経済に移行するためのエネルギー研究開発に対し、向こう10年間で1,500億ドルを投資する」との記述が最近消された。現在ウェブサイトには、エネルギー・環境分野でこれまでに実現した案件のみが記載されている状況となっており、「1,500億ドル投資」という大統領府による約束の行方を案じさせるものとなっている。 The Breakthrough Institute “Unfulfilled Promises on Clean Energy Technology?” (08/19/10)

大学や研究者、NIHに利益相反規則を緩和するよう要請

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は今年5月、利益相反関係の報告や公開に関する規則の改正を提案したが、これに対してバイオ医療研究関係者から多くの懸念が表明されている。関係者らは、改革が必要な点には同意しているが、NIHによる提案(例として、企業からの収入の報告義務が従来の年間1万ドルから同5,000ドルに低下、業務に関連する利益相反関係は全て所属機関に報告するよう義務付けなど)は範囲が広すぎるため、これを縮小するよう求めている。またNIHは、利益相反に関して研究機関にウェブサイト上での公開を求めているが、研究関係者は政府が中央データベースを設けるべきであると考えている。 ScienceInsider “Universities, Scientists Urge NIH to Narrow Conflicts Rule” (08/20/10)

ビンガマン上院議員、「11月前に主要法案が可決されることはない」との見通し

ジェフ・ビンガマン上院議員(Jeff Bingaman、ニューメキシコ州選出民主党)は、メキシコ湾岸の原油流出問題への対応が盛り込まれたエネルギー法案を含め、主要な法案が選挙月の11月以前に可決されることは疑わしいと発言した。ハリー・リード上院多数党院内総務(Harry Reid、ネバダ州選出)は、夏休み明けに再びエネルギー法案を取り上げたいとの意向を示しているが、ビンガマン議員はリード院内総務の計画に懐疑的であり、いずれにしても法案通過に必要な60票を確保することはできないであろうと述べた。また、大統領府のエネルギー・気候問題担当のトップアドバイザーは8月8日、「選挙後のレームダック期間の間に、上院で可決されたエネルギー法案と、下院で可決されたキャップ・アンド・トレード法案を両院協議会にかけた後、法制化できる可能性は依然としてある」と述べているが、ビンガマン議員はこの見方にも否定的であった。 POLITICO “Bingaman: No bills before November” (08/13/10)

米国各市の市長、気候変動対策に関する合意に署名

米国市長会議(U.S. Conference of Mayors)がカリフォルニア州サンフランシスコで開催され、全米の各自治体から市長参加の元、環境に優しい代替エネルギー開発・導入に関する話し合いが行われた。また、同会議において、グリーン代替エネルギーを推進し、気候保護への取り組みを行うという内容の合意への署名も行われている。 UPI.com “U.S. goes local for green energy plans” (08/17/10)

エネルギー省、海洋エネルギー研究を行う海洋再生可能エネルギーセンター設置を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月3日、フロリダ州ボカ・ラトンにあるフロリダ・アトランティック大学(Florida Atlantic University)を海洋エネルギーの研究開発を目的としたセンターとして指定したと発表した。この新たな南西部米国海洋再生可能エネルギーセンター(Southwest National Marine Renewable Energy Center)は、太平洋側北西部とハワイにあるセンターに続くものである。今回の指定により、エネルギー省は海流および海洋熱エネルギーから再生可能エネルギーを生成する技術の研究開発費用として同新センターに25万ドルを交付する。同センターは業界のパートナーと協力し、海洋が秘める膨大なエネルギーの可能性を活用する有望な次世代水力技術の調査、改良、作成、試験を行うことになる。 Department of Energy EERE News “DOE Designates New National Marine Renewable Energy Center for Ocean Energy Research” (08/03/10)

エネルギー省、製造事業への融資保証を通じてクリーンエネルギーのプロジェクトと雇用に道を開く

スティーブン・チュウ・エネルギー長官(Steven Chu)は8月12日、再生可能エネルギー製造事業に関し新たな融資保証プログラムを発表した。今回発表された「商業技術製造のシステムおよびコンポーネント(Commercial Technology Manufacturing Systems and Components)」プログラムは、景気回復法(American Recovery and Reinvestment Act)のセクション1705「融資保証プログラム」の下で行われる。本プログラムは、温室効果ガスの排気を削減する再生可能エネルギー技術の導入促進と米国内のグリーン製造部門の雇用増加を目的とするものである。 Department of Energy “Department of Energy Paves Way for Additional Clean Energy Projects and Jobs Through Manufacturing Solicitation” (08/12/10)