オバマ大統領、輸出規制改革に踏み切る

オバマ大統領は8月31日に公開されるビデオメッセージにおいて、軍事転用が可能な製品の輸出制度の緩和を発表する。現行の輸出規制制度は、広範かつ煩雑すぎるとして企業から批判を受けていたもので、オバマ大統領による輸出規制改革を業界は概ね歓迎している。改革の中心となるのは、現在商務省と国務省が別々に管理しているライセンスシステムで、直接的に軍事利用が可能な品目についてのみ管理を厳重にし、軍事性が低いものについては制約が緩和されるという。改革にはライセンス業務を一元化する新局の創設も含まれているが、本件を含め新たな変更には議会の承認が必要とされている。 Bloomberg “Obama to Revamp U.S. Export Controls by Easing Restrictions on Some Sales” (08/30/10)

USPTOによるグリーンテック対象の特許パイロットプログラム、利用件数が予想を大きく下回る

米国特許商標局(U.S. Patent and Trademark Office:USPTO)は昨年12月、環境技術セクターにおけるイノベーション活動を奨励することを目的とし、同技術関連の特許請願については査定が迅速に行われるよう優先権を与えるという「グリーンテクノロジー・パイロット・プログラム(Green Technology Pilot Program)」を開始した。USPTOでは、本件に該当する特許請願のうち最初の3,000件について請願プロセスの迅速化が適用されるとしているが、8月26日時点で申請件数は1,477件と初期の予想を大きく下回っている。USPTOは5月に迅速化の条件を緩和したが、迅速化を求める申請の劇的な増加は見られていない。 CNET News “Green-tech patent program off target pace” (08/27/10)

NSF、イヤマーク分を他のプログラムに流用という異例の策を取る

連邦議会が連邦歳出法において、特定用途向けの予算(イヤマーク)を割り当てた場合、連邦機関は基本的にそれに従う以外に選択肢はない。しかし国立科学財団(National Science Foundation:NSF)は、そのイヤマークを既存の競争的グラントプログラムの追加予算として利用するという異例の策を取ったことが判明した。これは、ハリー・リード上院院内総務(Harry Reid、ネバダ州選出民主党)が盛り込んだ300万ドル分のイヤマークで、元々、優秀な中学・高校生のためにネバダ州立大学内に設立された公立学校、デイビッドソン・アカデミー(Davidson Academy)の拡大を目的としてNSF予算の一部として盛り込まれていたものであった。しかしNSFはその300万ドルを、国内大学間の数学研究ネットワークの新設・拡大を目指す既存プログラムの交付金の一部として利用することを決定しており、結果として、このプログラムの採択機関にデイビッドソン・アカデミーは含まれておらず、「若手数学優秀者のための研究所」というリード議員の本来の支援目的に叶うものではなくなっている。 Science Magazine “NSF Turns math Earmark on Its Ear to Fund New Institute” (08/27/10) (購読者のみ閲覧可能)

大統領府主催イノベーション会議の成果報告書、ケース財団より発表

2010年春、大統領府の国内政策評議会(Domestic Policy Council)および科学技術政策局(Office of Science Technology Policy:OSTP)の共催により、賞金やオープングラントメイキング(新種の公開式グラント)を通じたイノベーションの推進を討議する会議が開催されたが、この会議における検討内容をまとめた報告書「イノベーション促進(Promoting Innovation)」が、ケース財団(Case Foundation)より8月23日発表された。報告書では、賞金コンテスト等の事例や、アイデアやイノベーションをクラウドソーシングすることの落とし穴などについても記載されている。 The Case Foundation “Promoting Innovation: Prizes, Challenges and Open Grantmaking” (08/24/10)

米国製造業強化を目指すDARPA

米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:DARPA)は、「iFAB」と呼ばれる新しい製造プログラムを始動させた。このプログラムの目標は、歩兵戦闘車の様々なモデルや改良版の製造をサポートするための製造能力を早急に設計・整備することで、具体的には、戦車や爆弾機器のCADファイルやスペックを米軍に送るだけで、米軍がそれを汎用製造施設で生産する能力を有することが目指されている。また、DARPAは、陸軍地上戦闘車(Army’s Ground Combat Vehicle:GCV)のプロトタイプ設計のオープンソース化の促進も進めており、米国製造業基盤の復活を意図した取り組みが進められている。 Technology Review “How DARPA Plans to Reinvent U.S. Manufacturing” (08/25/10)

懸念する科学者グループ(USC)、よりクリーンなバイオ燃料に関する米国ロードマップを作成

米国政府は2013年までにとうもろこしの茎や木片、その他の非食用廃棄物を使った国内産燃料の生産量を10億ガロンにするという目標を掲げているが、国内にセルロース性エタノール工場はまだ存在していないのが現状である。そのような中、非営利啓蒙団体である、懸念する科学者グループ(Union of Concerned Scientists:USC)が、同目標を実現するためのロードマップを盛り込んだ報告書「10億ガロンのチャレンジ(The Billion Gallon Challenge)」を発表した。USCは、セルロース性バイオ燃料の生産能力を年間10億ガロンに押し上げるために、税クレジットや融資保証を行うことでセルロース性バイオ燃料を商業規模に拡大するよう勧告している。報告書はまた、現行のバイオ燃料向け税クレジットが失効するのに伴い、これに代わる策としてバイオ燃料の成果に応じた「バイオ燃料パフォーマンス税クレジット」を採用するよう提案している。 Environmental Leader “USC Creates U.S. Roadmap for Cleaner Biofuels” (08/26/10)

米国輸出入銀行、インドの石炭発電所建設への融資を決定

米国輸出入銀行(U.S. Export-Import Bank)は、インドのリライアンス・パワー社(Reliance Power Ltd.)によるインドでの石炭火力発電所建設に9,000万ドルの融資を行うことを決定した。この発電所建設計画は当初、環境保護団体から広く批判され、「米国輸出入銀行は二酸化炭素を排出し地球温暖化に寄与するプロジェクトに融資すべきではない」との声も上がっていた。米国輸出入銀行は去る6月に融資却下の決定をしていたが、今回それが覆された。 NASDAQ “US Export-Import Bank Clears Loan To India Power Plant” (08/25/10)

NSF、教育機関におけるブロードバンドアクセスおよびコネクティビティー強化に向け助成金を交付

国立科学財団(National Science Foundation:NSF)は、「研究インフラの向上:キャンパス間およびキャンパス内のサイバーコネクティビティー(Research Infrastructure Improvement Inter-Campus and Intra-Campus Cyber Connectivity:RII C2)プログラム」を通じ、17の州およびその教育機関に合計2,000万ドルの助成金を交付することを決定した。本事業は、科学インフラが未整備で、歴史的に連邦政府の研究助成金受給額が少ない州を支援することを目的とした取り組みの一環である。予算は「2009年米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)」から拠出され、学術研究支援を目指し、教育機関におけるブロードバンドアクセスの強化とサイバーインフラの活用の促進が行われる。 National Science Foundation “ARRA Funds Bolster Broadband Access and Improve Connectivity among Institutions to Strengthen Scientific Collaborations ” (08/25/10)

DARPA、自律ロボットの開発に向けた新プログラム立ち上げ

米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:DARPA)は、既存の機械よりも格段の自律性を持つロボットの開発を狙いとした新プログラム、「自律ロボット操作(Autonomous Robotic Manipulation:ARM)」を開始した。DARPAは設立早期から危険な軍事任務を行うロボットの開発に投資してきたが、依然としてかなりの人的操作が必要されているという。ARMプロジェクトにおいて開発されるロボットは、基本的にロボットが自ら行動し、操作者による高度な監督のみを必要とするものになるという。 InformationWeek “DARPA Developing Autonomous Robots” (08/25/10)

ペンシルバニア州立大学を中心とする研究チーム、省エネビルの設計研究で助成金を獲得

ペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)を中心とするチームが、エネルギー・イノベーション・ハブ(Energy Innovation Hub)の設立を目的として、エネルギー省から今後5年間で最高1億2,200万ドルの補助金を受けることが決定した。エネルギー・イノベーション・ハブでは、省エネビルのコンポーネントやシステムおよびモデルの研究開発・実証が、産学官連携で行われることになる。エネルギー省は、エネルギー・イノベーション・ハブプログラムより、原子炉のモデリングとシミュレーション(5月)、太陽光からの燃料開発(7月)の2回の助成をこれまでに行っており、本件は本年度で3件目の助成となる。 Department of Energy “Penn State to Lead Philadelphia-Based Team that will Pioneer New Energy-Efficient Building Designs” (08/24/10)