ES細胞研究助成が中間選挙の議題の焦点に?

連邦地方裁判所のロイス・ランバース判事(Royce C. Lamberth)が8月23日に、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)によるヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究への助成は違法であるとして仮差し止め命令を発令したことを受けて、司法省(Department of Justice)は翌24日に控訴に踏み切ったが、ES細胞研究助成が11月に迫った中間選挙で議論の一つとなる可能性があるという。今年3月に、廃棄されたヒト胚から抽出されたES細胞を使う研究に連邦助成を認める法案を提出したダイアナ・デゲット下院議員(Diana DegGette、コロラド州選出民主党)は、「ランバース判事の裁定を覆すためにも、議会はES細胞研究への連邦支援を認める法案を可決・成立させなければならない」との声明を発表する一方、「今回の裁定が、中間選挙における保守基盤の強化につながる可能性がある」と、ES細胞研究を巡る議論について研究を行うアメリカン大学(American University)のマシュー・ニスベット教授(Matthew Nisbet)は述べている。 US News and World Report “Justice Department Appeals Stem Cell Research Ruling” (09/01/10)

商務省、輸出規制対象製品リストの一元化を開始

商務省(Department of Commerce)は今週、政府による輸出規制の対象となる二種類の輸出製品リストを一元化する作業を開始した。リストの一元化により、輸出業者のライセンス手続きが簡素化されるとともに、複雑な規制による混乱が解消されると期待されている。一元化作業は、①単一リスト、②それを運営管理する単一担当機関、③単一の取り締まり機関、④規制対象製品を管理する単一のコンピュータ・システム、というオバマ大統領が発表した「4つの単一化」の一環として位置づけられている。リストの一元化は議会の承認を必要としておらず、商務省のケビン・ウルフ輸出管理担当次官補(Kevin Wolf)は、「商務省、国務省、国防総省は来年末までに輸出製品リストの一元化作業を終える予定である」としている。 The Journal of Commerce “Commerce Department Begins Merging Export Lists” (08/31/10)

競争力評議会、中小製造業活性化の手段として高性能コンピューティング(HPC)を推進

競争力評議会(Council on Competitiveness)は8月31日、「SME/OEM向けモデリングおよびシミュレーションの中西部パイロットプログラムに関するサミット&ワークショップ(SME/OEM Midwest Pilot for Modeling and Simulation Summit & Workshop)」と題する会議を開催し、米国製造業のイノベーションと生産性の強化を目的として、中小企業に高性能コンピューティング(high performance computing:HPC)を活用してもらえるようなパイロット・プロジェクトの実施について協議を行った。この会議に参加した官民の代表者らは、中小企業がグローバル市場でより競争力をつけるための手段としてHPCを活用する手法や、中小企業によるHPC利用の障害、中西部パイロット・プログラム立ち上げに向けたステップなどについて意見を交わした。 HPCwire “Council on Competitiveness Promotes HPC to Energize manufacturing” (08/31/10)

NIHがPay.govと提携し、技術移転費用のオンライン支払いを可能に

従来、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)と食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が所有する特許のライセンス供与を受ける場合、企業や大学などの被許諾者は銀行小切手を使って政府にライセンス料支払いを行っていたが、8月31日よりPay.govを通じたオンライン支払いが可能になった。これにより手続きに要する時間が大幅に短縮されると同時に運営コストの削減が期待されている。NIHの技術移転局(Office of Technology Transfer:OTT)の担当官は、「Pay.govにより、民間セクターへの技術移転が加速し、NIHやFDAの研究所における発見の商業化が可能になる。被許諾者は長年このようなサービスを求めていた」と述べている。Pay.govは政府機関へのオンライン支払いを行うウェブベースのアプリケーションで、財務省(Department of Treasury)が運営管理している。 NIH News “NIH teams with Pay.gov to speed tech-transfer payments” (08/31/10)

フューチャージェン同盟、フューチャージェン2.0支持を表明

石炭および電力会社で構成されるフューチャージェン同盟(FutureGen Alliance)は8月31日、クリーンコール発電所建設という本来の計画(フューチャージェン・プロジェクト)を連邦政府が全面的に変更したことを受けて、この新たな温室効果ガス排出削減計画を支持することを決定したと発表した。連邦政府は8月初頭、本来の計画を破棄し、現在閉鎖されているアメレン社(Ameren Corp.)の石炭火力発電所を改良し、パイプラインネットワークによって二酸化炭素を貯蔵するという新計画(フューチャージェン2.0)および本件への10億ドル支援を発表しており、新計画では、酸素燃焼技術(oxy-combustion technology)が初めて商業規模で導入されることになる。フューチャージェン同盟では政府の変更を受けて脱退する団体もあり、支持を求める調整に苦労したという。 Wall Street Journal “Clean-Coal Group Backs New Carbon Capture And Storage Project” (08/31/10)

ウェブサイト移行のお知らせ

本日9月1日より、新しいウェブサイトアドレスへの移行を完了いたしました。ウェブサイト移行に伴い、これまでお送りしていたメールアラートの本文も全て日本語表記になっております。また、旧ブログウェブサイトは8月31日を持ちましてアップデートを終了とさせていただきましたので、今後は以下のウェブサイトをご参照くださいませ。 新ウェブサイトアドレス:http://mc-designs.net/nedo/ ID: NEDO (すべて大文字です) Password: washington (すべて小文字です) 新ウェブサイトにはこれまでお送りさせていただいたニュースも引き続き掲載しております。 これからもNEDOワシントン事務所様のお役に立つニュースを配信できるよう邁進していきますので、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

BARDA、バイオテロおよび抗生物質耐性に対応する医薬品開発に資金提供へ

厚生省(Department of Health and Human Services:HHS)の、ハイリスクハイリターン研究に対するファンディングエージェンシーであるバイオメディカル先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)は8月30日、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くアカオゲン社(Achaogen Inc.)に、複数の機能を持つ抗生物質(2種類のバイオテロおよび抗生物質に耐性を示しつつある感染症に対応する)の開発費用として、2年間で2,700万ドルの資金を提供すると発表した。契約は最長3年まで更新することが可能で、提供資金額は最大6,400万ドルとなる。本件は、緊急医療問題発生に備えて医療対抗策(医薬品、ワクチン、医療機器、サプライ品)を開発するという連邦政府の新戦略に沿った取組みとなっている。 HHS.gov “BARDA funds drug development for biothreats, antibiotic resistance” (08/30/10)

NIH、内部研究者によるES細胞研究の即時停止を命令

連邦地裁判事が8月23日に、「NIHの資金がES細胞研究に利用されることを認めた連邦政府の政策は違法である」として仮差し止め命令を出したことを受け、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は8月30日、NIHの研究所内で進行中のES細胞の研究を即時停止するよう命令した。これは、NIH親機関の厚生省(Department of Health and Human Services:HHS)が、「仮差し止め命令はNIH内部におけるES細胞研究に適用される」と判断したためである。フランシス・コリンズNIH所長(Francis Collins)は、「外部の研究者は現在進行中の研究を継続することができる」との解釈を示しているが、その解釈は楽観的すぎるのではないかと懸念するバイオ医療研究関係者もいる。 ScienceInsider “NIH Orders Immediate Shutdown of Intramural Human Embryonic Stem Cell Research” (08/30/10)

米国アカデミー、米空軍におけるSTEM労働力ニーズ分析報告書発表

米国アカデミー(National Academies)から報告書『米空軍における将来のSTEM労働力のニーズおよびそのための戦略の分析(Examination of the U.S. Air Force’s Science, Technology, Engineering, and Mathematics (STEM) Workforce Needs in the Future and Its Strategy to Meet Those Needs)』が出版された。従来、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の学生にとり、空軍は理想的な就職先となっていたが、軍の縮小や進行中の軍事任務、予算に対する圧力などから、必要な技術スキルを有する人材の確保が新たな試練となっている。本報告書は、空軍における近年の人材確保の状況やプロセスにおける失敗を分析した結果、「空軍における技術的能力の低下が根本的な問題となっている」とし、本問題に関するキーファインディングと勧告をまとめている。 The National Academies Press “Examination of the U.S. Air Force’s Science, Technology, Engineering, and Mathematics (STEM) Workforce Needs in the Future and Its Strategy to Meet Those Needs” (08/10)

連邦政府、中小企業への調達率で「B」評価を受ける

中小企業庁(Small Business Administration:SBA)が発表した報告書によると、連邦政府は中小企業への調達率において「B」の評価を得た。米国では、政府調達全体の23%を中小企業に委託することが政府目標として掲げられているが、2009年度は21.89%(968億ドル)が中小企業に委託されるに留まった。しかし、中小企業への調達が全体に占める割合は2008年度より上昇している。SBAによる評価で最高の「A」を受けた省庁は、農務省、教育省、エネルギー省など10省庁、そして、最低の「F」を受けたのは行政管理予算局(OMB)、米国国際開発庁(USAID)、国立科学財団(NSF)の3省庁となっている。 Federal Computer “Government receives a B in small-business contracting” (08/27/10)