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バイオ

オバマ政権、ES細胞に関する連邦地裁の仮差し止め命令を受け控訴へ

オバマ政権は8月24日、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)の研究助成に関して政権が定めたガイドラインは違法であるとして仮差し止め命令を出した連邦地裁の裁定に控訴する意向であることを明らかにした。一方、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の担当官は裁定を受け、現在実施中の研究は継続できるが、仮命令が支持された場合、9月末までに予定されている22件の科学プロジェクトへの助成(5,400万ドル)が停止に追い込まれると述べた。司法省の担当官は、控訴の間は差し止め命令を解除することを裁判所に要請するとしている。 The New York Times “Stem Cell Ruling Will Be Appealed” (08/24/10)

連邦地裁判事、「NIHによるES細胞研究への助成は違法」との裁定

連邦地方裁判所のロイス・ランバース判事(Royce C. Lamberth)は8月23日、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)による新ガイドラインの下でのヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究助成は、ヒト受精卵を破壊する実験に公的資金を使うことを禁じた連邦法に違反するとして、これを禁止する仮差し止め命令を出した。新ガイドラインはオバマ政権による科学政策の中で注目を浴びていたものだけに、仮差し止めは政権やES細胞研究の支持派に打撃となっている一方、同研究の反対派は裁定に強い支持を表明している。 The Washington Post “NIH cannot fund embryonic stem cell research, judge rules” (08/24/10)

カリフォルニア州、UCバークレー校の遺伝子テスト計画を中止

カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)は今年5月、新入・転入生を対象に、DNAを提出させ、3種類の遺伝子変異を分析するというプログラムへの参加を呼びかけていたが、カリフォルニア州公衆衛生省(California Department of Public Health:CDPH)は8月11日、同プログラムに参加した生徒が受ける遺伝子情報には臨床試験が含まれていることから、臨床的状況以外で生徒に結果を提供することはできないとの見解を示した。CDPHは、「大学は遺伝子分析に対して医師による見解を得る必要がある」「生徒に結果を提供するためには分析は臨床の認証を受けた研究所で行われなくてはならない」としており、バークレー校の担当者は、これを受けて、プログラムの内容を変更する意向を見せている。 Nature, “State halts UC Berkeley’s gene testing plans” (08/12/10)

より高性能な生物医薬品の開発競争始まる

生物医薬品の後発医薬品版といえる「バイオシミラー(Biosimilar))」の簡素化手続きが3月に法制化され、この機会を活用しようとする生物医薬品会社は多い。しかしこうした企業の中には、バイオシミラーを越え、同じ種類の生物医薬品ではあるが同一ではなく、本来の医薬品を上回る利点を兼ね備えた「バイオベター(Bio-better)」の開発を狙っている企業もある。バイオベターにはバイオシミラーのような簡素化された規制手続きは整備されていないが、既に治療および商業効果を示した生物医薬品に基づいて作られることから、新規医薬品に比べリスクが少ないと考えられている。 The Wall Street Journal “A Race To Develop Better-Performing Biopharmaceuticals” (08/10/10)

FDA、世界初の幹細胞を使った臨床試験にゴーサイン

ゲロン・コーポレーション(Geron Corporation)は7月30日、同社とカリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)が生成した幹細胞を使った、脊髄損傷患者の治療を目的とする臨床試験の実施に向け、医薬食品局(FDA:Food and Drug Administration)より最終承認が下りたと発表した。本件は2009年1月にFDA承認が出され、世界初の幹細胞による臨床試験として注目されたが、その後マウス実験でシスト(嚢胞)が見つかったため、保留となっていた。今回、この問題が解決したため最終的な承認となった。 New York Times “F.D.A. Clears Way for Embryonic Stem Cell Trial Using Patients” (07/30/10)

バームスNCI長官、機能不全問題と癌研究の科学的障害の克服に優先的に取り組む構え

国立癌研究所(NCI:National Cancer Institute)のハロルド・バームス新長官(Harold Varmus)は就任初日の7月12日、NCI職員向けに演説を行った。新長官はこの中で、NCIの全プログラムの見直しやNCI内の機能不全問題への対処に意欲を示した他、「我々は癌を人類の疾病として管理することに成功していない。その理由の一部は明確であるが、その他の不明な鍵となる問題についても、専門家達との会合を通じ、癌研究の進展を阻む一連の大きな問題を明らかにしていきたい」と語った。 ScienceInsider “Varmus Targets ‘Dysfunction,’ Scientific Barriers in Cancer Research” (07/13/10)

GAO、消費者向け遺伝子検査業界規制強化を提言

行政監査局(Government Accountability Office:GAO)はおとり捜査の結果、Navigenics社、23andMe社などの遺伝子検査会社4社が提供する遺伝子検査が消費者を惑わすものであるとした調査結果を公表し、遺伝子産業界に衝撃を与えている。GAOによる今回の調査結果は既に食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)、連邦取引員会(Federal Trade Commission:FTC)に送付されており、遺伝子産業ビジネスに対する政府監視が今後強化される予兆であるとした見方が強まっている。 Mercury News, “Navigenics, 23andMe slammed in government report” (7/22/2010)

合成生物学に対する規制を求める声、高まる

ハーバード大学のジョージ・チャーチ教授(George Church)とゲノム研究者のクレイグ・ベンター氏(Craig Venter)は7月8日に行なわれた大統領バイオ倫理問題諮問委員会の会合で、急成長する合成生物学業界に対して政府による何らかの規制が必要であるとの認識を示した。科学者がバクテリアやその他の有機体に特定の遺伝子配列を加えて操作することができるようになり、炭素ゼロの燃料や画期的な医療技術につながる可能性がある一方、こうした技術は危険なウィルスや薬物耐性のあるバクテリアの生成などテロや犯罪を含めた危険につながる可能性があり、連邦政府による監督が必要であるとの見解が示された。 Bloomberg News “Regulation of synthetic biology industry urged” (07/09/10)