輸入関税が送電開発に影響 電力料金上昇の懸念も

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月26日、トランプ政権による鉄鋼・アルミニウム・銅への50%輸入関税が電力会社の送電網整備コストを大幅に押し上げ、送電開発の遅延を招く恐れがあると報じた。格付け機関モーニングスター社(Morningstar DBRS)によると、送電計画コストの20~30%を占める資材費の高騰により、送電網開発が減速または規模縮小される恐れがあるという。特に送電塔用の構造用鋼材、アルミニウム導体、銅配線など電力セクターに不可欠な輸入資材が関税の対象となっており、変圧器に使用される特殊鋼材の国内供給不足も深刻化している。2019年から2024年にかけて電気料金が平均23%上昇する中、州の公益事業委員会は関税による追加コストから利用者を保護するために、料金回収期間の延長や料金上限設定などの対応を取ることが予想されるとも指摘した。また、電力会社は資本プロジェクトの価格上昇への対応に追加の短期融資を求める必要があり、規制の遅れによるコスト回収の遅延という信用リスクにも直面しているという。 Utility Dive “Import tariffs could slow transmission development, drive up utility costs: Morningstar” (08/26/25) https://www.utilitydive.com/news/import-tariffs-transmission-development-utility-costs-morningstar/758601/

グリーンレーン、EVトラック用第2充電回廊の実証実験に成功

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月26日、ダイムラー・トラック社(Daimler Truck)、ネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)、ブラックロック社(BlackRock)の合弁会社であるグリーンレーン社(Greenlane)が、南カリフォルニアからアリゾナ州を結ぶ第2の電気トラック用長距離充電回廊における実証実験に成功したと報じた。ウィンドローズ・テクノロジー社(Windrose Technology)のEVトラックR700を使った第2回廊における実証実験では、総重量7万4,420ポンドで300マイルの一充電走行距離に成功し、到着時にバッテリー残量12%を確保した。これを受け、ウィンドローズ社は2026年に2,000台、2027年には世界で1万台の電気トラック製造を計画している。カリフォルニア州コルトンのグリーンレーン社既存の旗艦ステーションを活用し、40基の高速充電器と41のレーンを設置したこの第2回廊は、中型・大型車両向けの商用EV充電回廊網開発を計画する複数ルートのうちの1つで、州間高速道路10号線を経由する。 Utility Dive “Greenlane announces second long-haul electric truck charging corridor” (08/26/25) https://www.utilitydive.com/news/greenlane-daimler-truck-second-electric-vehicle-charging-corridor-trucks/758627/

ネクステラ、デュアン・アーノルド原発再稼働へ FERCの承認取得

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月26日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission : FERC)がネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)のデュアン・アーノルド原子力発電所(Duane Arnold)の再稼働に必要な免除を承認したと報じた。同発電所の太陽光発電接続契約と原発の既存契約を統合して元の容量619MWを確保するには、相互接続契約が解除される2026年10月29日までに商業運転を開始する必要があり、中西部独立系統運用機関(Midcontinent Independent System Operator: MISO)規則に基づく免除を受ける必要があった。同社は厳しい経営状況下にあったアイオワ州にある約600メガワット(MW)の同発電所を2020年に閉鎖も、2029年末までの再稼働を目指しており、今年1月にも原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)へ同発電所の運転ライセンスの再認可を申請している。再稼働に向け5,000万から1億ドルを投じる予定で、現在、潜在的顧客と電力購入に関する協議を進めているという。 Utility Dive “FERC approves NextEra waiver needed for Duane Arnold nuclear plant restart” (08/26/25) https://www.utilitydive.com/news/ferc-nextera-waiver-duane-arnold-nuclear/758590/

韓国の李在明大統領、トランプ大統領に米国造船業の復活と協力を約束へ

韓国の李在明大統領は8月25日にトランプ大統領と初会談を行った。米国の対韓国貿易赤字は660億ドルと巨額で、同盟国との関係を貿易赤字で測定するトランプ大統領と韓国の関係は険しい。また、米政府は韓国からの米兵撤退等を検討している。そのような中、韓国の李大統領は、初の首脳会談で造船分野での協力を提案することで、米韓関係の強化を図ろうとした。トランプ大統領は、米国の造船業の再活性化を優先事項とし、中国との差を縮めるべく、中国に次いで世界2位の造船業を抱える韓国との協力の可能性を繰り返し示唆している。米韓両国が7月に関税に関する合意枠組みを発表した際、李大統領は、「取引には造船の協力に関する1,500億ドルの基金も含まれる」と述べている(詳細は不明)。米国の造船業は1980年代以来、低迷しており、現在の世界市場に占める割合は1%未満である。米国法における「バイアメリカ」条項と政治的制約により、米国が造船を同盟国に委託することは現時点では現実的ではないものの、緊密な協定を交わす同盟国との間の限定的な共同造船を容認しつつ、米国の所有権と運用を維持することを検討する可能性はあると、ある専門家は見ている。 Washington Post “South Korea promises Trump to ‘Make American Shipbuilding Great Again’” (08/24/25) https://www.washingtonpost.com/world/2025/08/24/south-korea-united-states-shipbuilding/

農務省、優良農地におけるソーラーパネルへの公的資金提供を阻止

ブルック・ロリンズ農務長官(Brooke L. Rollins)は8月18日、農務省(U.S. Department of Agriculture)は今後、生産性の高い農地におけるソーラーパネルへの公的資金の拠出を禁止し、海外の敵対者によって生産されたソーラーパネルが農務省のプロジェクトで使用されることは容認しないと発表した。「助成を受けたソーラーファームにより、農地はより高額で取得が容易でなくなり、農家は更なる困難に陥っている。過去30年間にテネシー州だけで120万エーカーの農地が失われ、2027年までに200万エーカーが失われる見込みである」と農務省は説明する。同省は、農村開発局(Rural Development)によるプログラム措置として次の2点を即時実行する。①風力及びソーラープロジェクトは、ビジネス・産業融資保証プログラム(Business and Industry (B&I) Guaranteed Loan Program)の適格プロジェクトとしない、②「米国農村エネルギー計画融資保証プログラム(Rural Energy for America Program Guaranteed Loan Program)は、風力・ソーラーエネルギー資源を利用する米国の農家、牧場主、生産者がそれぞれの施設に適切な規模の設備を導入することを確実にする。 U.S. Department of Agriculture “Secretary Rollins Blocks Taxpayer Dollars for Solar Panels on Prime Farmland” (08/19/25) https://www.usda.gov/about-usda/news/press-releases/2025/08/19/secretary-rollins-blocks-taxpayer-dollars-solar-panels-prime-farmland

トランプ政権、CHIPS法の20億ドルを重要鉱物向けに充当することを検討

2名の情報筋によれば、トランプ政権は、CHIPS法(CHIPS Act)から少なくとも20億ドルを重要鉱物プロジェクトに流用し、この戦略的分野に関するハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)の影響力を強化する計画を検討中であるという。この案は、半導体研究及び半導体工場建設向けに議会が割り当てた資金を使用するもので、新たな支出要請を回避できる。先月、国防総省(Department of Defense)によるレアアース企業のMPマテリアルズ社(MP Materials)への投資が発表された際、連邦政府による鉱物戦略の一貫性に疑問が投じられたことを受け、大統領府は重要鉱物の資金調達についてラトニック長官の役割を強化し、政府の方向性の一元化を推進していると、情報筋は述べる。 Reuters “Exclusive: Trump weighs using $2 billion in CHIPS Act funding for critical minerals, sources say” (08/21/25) https://www.reuters.com/world/us/trump-weighs-using-2-billion-chips-act-funding-critical-minerals-sources-say-2025-08-21/

エネルギー省、NIH、NSFが「最高水準科学」大統領令の理念実践計画を発表

大統領府は5月23日、「最高水準科学の復活(Restoring Gold Standard Science)」と題する大統領令14303号を発表し、最高水準科学の理念(①再現可能性、②透明性、③エラー・不確実性の伝達など9項目)の実践計画を8月22日までに大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)へ提出するよう連邦機関に指示した。これを受け、エネルギー省(Department of Energy)、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が実践計画を発表した。エネルギー省は、「大統領令に記された最高水準科学の原則は、省内の既存の分野や科学的活動の管理の多くに反映されている」とした上で、最高水準科学の理念との整合性を強化する実践計画、今後の変更、課題についてまとめている。NIHは、最高水準科学の原則に関するこれまでの主要な達成事項を概説し、今後のビジョンを提示している。またNSFは、最高水準科学の原則が、NSFが受理するプロポーザルの評価や資金提供等に関連する政策とプロセスにどのようにして反映されているかといった点や、今後1年間に予定している活動の更新や拡大、新規活動について概説している。 AIP FYI “DOE, NIH, and NSF have released their plans to implement President Trump’s Gold Standard Science executive order” (08/25/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-aug-25-2025 DOE: https://www.energy.gov/gold-standard-science NIH: https://www.nih.gov/sites/default/files/2025-08/2025-gss.pdf NSF: https://nsf-gov-resources.nsf.gov/files/NSF-GSS-Implementation-Plan-2025.pdf

連邦下院科学委員会のバビン委員長、NASAのアルテミス計画への支持を強調

連邦下院科学委員会(House Science Committee)のブライアン・バビン委員長(Brian Babin, テキサス州選出共和党)は先週、ジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)を視察した際、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)のアルテミス(Artemis)月面プログラムへの支持を強調した。同視察には、NASA長官代理を務めるショーン・ダフィー運輸長官(Sean Duffy)及び上院商務委員会(Senate Commerce Committee)のテッド・クルーズ委員長(Ted Cruz, テキサス州選出共和党)も参加した。ダフィー長官代理は、月及び火星における有人探査にNASAの焦点を当て、その他のプログラム(特に地球及び気候科学)から離れることに意欲を示している。トランプ政権の2026年度予算要求は、NASA予算全体で60億ドル(約4分の1)削減を提案しているが、有人探査向け予算は8%増額を提案している。一方、連邦下院科学委員会は有人探査予算についてこれを超える26%増を提案している。 AIP FYI “House Science Committee leader reiterates support for Artemis” (08/25/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-aug-25-2025

Airbnb社共同創立者でDOGEアソシエイトのジョー・ゲッビア氏が連邦デザイン局長に

エアビーアンドビー社(Airbnb)の共同創立者で政府効率化省(Department of Government Efficiency:DOGE)のアソシエイトであるジョー・ゲッビア氏(Joe Gebbia)は8月23日、新たに設置された連邦の最高デザイン責任官に選出されたと発表した。トランプ大統領の「デザインによる米国(America by Design)」イニシアチブの実践を責務とするという。同氏は、「私が受けた指示は、現在の連邦政府サービスを更新し、美的感覚に優れたデザインで、素晴らしいユーザー体験を提供し、新しいソフトウェアを活用するアップルストア(Apple Store)のような満足のいくものにすることである」と述べた。ゲッビア氏は、2月にDOGEに加わり、人事管理局(Office of Personnel Management)で連邦退職手続きの改善に取り組んできた。同氏は、最高デザイン責任官として省庁間の調整や解決策の実践等に取り組み、大統領首席補佐官へ報告する。また、DOGE同様に大統領令で設立された国家デザインスタジオ(National Design Studio)には、ボランティアの受け入れを行う臨時組織が置かれる。 Nextgov “Airbnb co-founder and DOGE associate to head new federal design office” (08/25/25) https://www.nextgov.com/people/2025/08/airbnb-co-founder-and-doge-associate-head-new-federal-design-office/407652/?oref=ng-homepage-river

トランプ政権、北東部沿岸のオフショア風力プロジェクトに作業停止命令

内務省(Department of the Interior)海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)は8月22日、オーステッド・ノースアメリカ社(Ørsted North America Inc.)に書簡を送り、同社の子会社であるレボルーションウィンド社(Revolution Wind, LLC)が大陸棚外縁部で進めているレボリューション風力プロジェクト(Revolution Wind Project)の活動を停止するよう命じた。書簡は、「BOEMが必要な審査を完了したと通知するまで、本プロジェクトの活動を再開することはできない」としている。BOEMは、国家安全保障の利益を保護する上で懸念があるとしているが具体的な点は示されていない。バイデン前政権は2023年に、ロードアイランド州とコネチカット州の35万世帯に電力供給する本プロジェクトを承認した。オーステッド社は、「本問題を速やかに解決するため、あらゆる選択肢を検討する」とし、その選択肢として、許認可当局との協議や法的な手続きの可能性等を挙げている。同社によれば、プロジェクトの80%は完了し、全ての洋上基盤と45基の風力タービン(全65基)が設置済みであるという。 Axios “Trump administration halts work on New England offshore wind project” (08/22/25) https://www.axios.com/2025/08/22/trump-halts-offshore-wind-orsted 参考:https://www.boem.gov/sites/default/files/documents/renewable-energy/Director%26%23039%3BsOrder-20250822.pdf?VersionId=VO3AWAHsV_kDvT048xf8dG7A.Rsj6HZJ