「国防イノベーションユニットの独立性は維持」 国防総省CTO発言

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のダグ・ベック長官(Doug Beck)が突然退任し、同長官代理を務めることになった国防総省(Department of Defense)のエミル・マイケル国防次官(研究工学担当)(Emil Michael, Undersecretary of Defense for Research and Engineering)は8月27日、自身がDIUの監督を恒久的に行う意図はなく、国防総省は正式な長官を探していると発言した。更に同国防次官は、「DIUは、独自のミッションを持ち、法律に基づいて設立された独立組織である」と述べた。国防総省のシリコンバレーの技術企業向け拠点としてDIUが2015年に設立された際、DIU長官の報告先は省内の研究工学部門のトップであった。しかし、この構造はDIUの影響力を妨げるとの指摘があったことから、翌年には国防長官へ直接報告する形となった。DIUは2018年に再び研究・工学部門の傘下となった後、2023年に再び国防長官へ直接報告する体制となった。マイケル氏が正式なDIU長官に就任することは現時点ではないかもしれないが、国防総省は同次官の役割を拡大しており、8月20日には、従来は独立組織であった最高デジタルAI局(Chief Digital and AI Office)が今後は研究・工学部門の傘下になると発表している。 Defense News “Pentagon CTO says Defense Innovation Unit will remain independent” (08/27/25) https://www.defensenews.com/pentagon/2025/08/27/pentagon-cto-says-defense-innovation-unit-will-remain-independent/

トランプ政権、メリーランド州沖の洋上風力発電(2.2GW)の認可を取り消しへ

内務省(Department of the Interior)は8月22日に裁判所へ提出した文書の中で、USウィンド社(US Wind)がメリーランド州とデラウェア州沖で進める2.2ギガワットのメリーランド・オフショア・ウィンド(Maryland Offshore Wind)プロジェクトに関する建設・運用計画の承認を取り消す意向を表明した。これは、サウス・べサニー地域の不動産所有者で弁護士のエドワード・ビンツ氏(Edward Bintz)が2月に「バイデン政権が本建設・運用計画を承認したことは、沿岸域管理法(Coastal Zone Management Act)に違反する」として提訴した訴訟で、ドケット(裁判記録文書)として提出されたもの。文書によれば、内務省は外縁大陸棚法(Outer Continental Shelf Lands Act)の下、建設・運用計画の承認判断を再評価し、9月12日までに差し戻しを求める意向であるという。 Utility Dive “Trump administration to revoke approval for 2.2-GW Maryland Offshore Wind” (08/27/25) https://www.utilitydive.com/news/trump-maryland-offshore-wind-revoke-approval-ocean-city/758717/

DARPA、ロバスト量子センサー(RoQS)プログラムの第1フェーズを開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「ロバスト量子センサー(Robust Quantum Sensors: RoQS)」プログラムの第1フェーズを正式に開始した。これは、現在はラボの段階にある量子センシングを、地上や海上、上空、更には宇宙での実用化へと進展させる画期的な取り組みである。RoQSプログラムは、干渉を排除し、動きに耐え、あらゆる領域で信頼性が高く最先端の性能を提供できる本質的にロバスト(頑強)なセンサーの開発を目指し、実地での展開における長期的な障害を打破し、ラボから任務への移行を加速させ、ナビゲーションや脅威の検知、状況認識における新たな能力を開拓することを目標としている。第1フェーズは、センサー開発と性能統合研究の2つの技術分野で実施され、第2フェーズでは実際に量子センサーが国防総省(Department of Defense)のプラットフォームに統合される。 DARPA “From fragile to field-ready: RoQS program launches first phase” (08/27/25) https://www.darpa.mil/news/2025/roqs-launches-first-phase

NSF、バージニア州アレクサンドリアの特許商標庁のビルへ移転の可能性

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は現在、バージニア州アレクサンドリアにある本部の移転先を探しているところであるが、連邦省庁のオフィス賃貸を管理する一般調達局(General Services Administration)による事前入札告知と、3名の不動産専門家によれば、米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)が昨年退去したスペース(同じくバージニア州アレクサンドリア)に移転する可能性が高いようである。GSAの事前入札告知によれば、NSFの移転先として、24万~28万平方フィートで即入居可能な場所を求めており、NSFの現行のスペース(66万1,000平方フィート)やUSPTOが退去したスペース(2つのビルで各38万2,000平方フィート)よりも狭く、2025年11月末までの入居を希望し、賃貸期間は4年間となっている。GSAによるオフィス賃貸期間は平均14年間であり、今回の賃貸条件が4年間と極めて短期間である理由は不明である。住宅・都市開発省(Department of Housing and Urban Development)は6月、同省本部をワシントンDCからNSF本部(バージニア州アレクサンドリア)に移転すると発表し、NSFは移転先を探している。 Washington Business Journal “National Science Foundation poised to relocate to PTO space in Alexandria” (08/27/25) https://www.bizjournals.com/washington/news/2025/08/26/alexandria-nsf-headquarters-gsa-solicitation-hud.html?ana=giftarticle&utm_campaign=giftarticle&csrc=6452&gift_article_id=42291

国防イノベーションユニットの長官が退任、国防総省のCTOが長官代理に

ポリティコ(Politico)は8月25日、国防総省(Department of Defense)の省内技術キューベータである国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のダグ・ベック長官(Doug Beck)が同日突如退任したと報じた。同長官は国防総省に残っていたバイデン前政権の有力者の一人であった。ベック氏はアップル社(Apple)の元副社長で、2023年にDIU長官に就任し、シリコンバレーとの関係構築等で重要な役割を担った。退任の理由は明らかにされていない。また、ディフェンス・ニュース(Defense News)は翌8月26日、国防次官(研究工学担当)(Undersecretary of Defense for Research and Engineering)のエミル・マイケル氏(Emil Michael)がDIU長官代理を務め、次期国防次官補(重要技術担当)(assistant secretary of defense for critical technologies)のマイケル・ドッド氏(Michael Dodd)がDIU副長官代理を務める予定であると報じた。DIUは近年、国防技術のエコシステムでより重要な役割を担うようになり、ロイド・オースティン国防長官(Lloyd Austin)(当時)はDIUが直接国防長官へ報告するよう体制を変更をしたが、新たなリーダーシップの下でDIUが国防総省内でどのような位置づけになるかは不明である。 Defense News “Pentagon CTO to oversee Defense Innovation Unit following Beck’s exit” (08/26/25) https://www.defensenews.com/pentagon/2025/08/26/pentagon-cto-to-oversee-defense-innovation-unit-following-becks-exit/ Politico “Pentagon’s tech innovation head abruptly steps down” (08/25/25) https://www.politico.com/news/2025/08/25/pentagons-tech-innovation-head-abruptly-steps-down-00523534

トランプ政権、NOAAの気候・気象関連の削減を推進

サイエンス誌(Science)の8月25日の報道によれば、トランプ政権は、商務省(Department of Commerce)傘下の米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)の今年度の研究部門の支出について、議会によって義務付けられた水準から約1億ドル(14%)削減する計画であるという。これらの削減は、気象、海洋、気候に関する基礎科学に打撃となる。NOAAの高官は職員に向けて、これらは、2026年度にNOAAの研究部門を廃止するという大統領府の提案の「前払い金」のようなものであると説明した。NOAAは2026年度予算で次世代静止気象衛星が大幅に削減される等、既にその「前払い金」支払いは開始されていると、サイエンス誌は指摘する。大統領府によるNOAAの2026年度予算案については連邦議会の主要な歳出委員会が強く反対しているにもかかわらず、政権はNOAAの予算削減を強行している。「本件は、政権がNOAAに対して抱く敵意を軽視してはならないことを示す」と、NOAAの元高官は述べる。 Science “Trump administration pushes ahead with NOAA climate and weather cuts” (08/25/25) https://www.science.org/content/article/trump-administration-pushes-ahead-noaa-climate-and-weather-cuts

ダフィー運輸長官、カリフォルニア州の鉄道プロジェクトへの資金提供を取り消し

ショーン・ダフィー運輸長官(Sean P. Duffy)は8月26日、連邦鉄道局(Federal Railroad Administration: FRA)がカリフォルニア州の高速鉄道計画に関連する4件のプロジェクトへの資金提供を新たに取り消したと発表した。これにより、1億7,500万ドル以上の公的資金が節約されるという。「過去20年間、カリフォルニア州は高速鉄道の線路を1本も敷設できていない」とダフィー長官は指摘する。同長官は更に、FRAにカリフォルニア州高速鉄道プロジェクトに関連する全ての誓約済み助成金を見直すよう指示した。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Cancels California’s Additional Rail Fantasy Projects” (08/26/25) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-cancels-californias-additional-rail

連邦資金を受けたR&Dセンター(FFRDC)のR&D支出が310億ドル超(2024年度)

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の8月26日の発表によれば、「連邦資金を受けた研究開発センター(federally funded research and development centers: FFRDC)」(全国42か所)の2024年度のR&D支出額は317億ドルであった。これは前年度から24億ドルの増加となる。増加の一因は、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)による報告手法が改定されたことである。2024年度のFFRDCのR&D支出の98.5%(312億ドル)は連邦資金によるもので、これはFFRDCにとって一般的な支援水準である。非連邦の資金源には、非営利組織(5,270万ドル)、州・地方自治体(3,470万ドル)、その他(1億5,060万ドル)がある。FFRDCのR&D支出を拠出した連邦資金の内訳では、4省が92.0%を占めた。それらは、エネルギー省(Department of Energy, 全連邦資金の57.3%、179億ドル)、国防総省(Department of Defense, 同21.1%、66億ドル)、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration, 同9.6%、30億ドル)、厚生省(Department of Health and Human Services, 同4.0%、12億ドル)であった。 NCSES “R&D Spending at Federally Funded R&D Centers Surpassed $31 Billion in FY 2024” (08/26/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25351

エネルギー省、米国原子力産業に第2回高純度低濃縮ウラン(HALEU)供給へ

エネルギー省(Department of Energy)は8月26日、米国の原子力開発企業3社の短期的燃料ニーズに対応するため、高純度低濃縮ウラン(high-assay low-enriched uranium: HALEU)を供給する条件付き誓約を発表した。今回で2回目となるHALEUの割当を通じて、2件の先進原子炉設計の試験を支援し、国内の先進燃料生産ラインを始動させ、米国の原子力エネルギー復興の促進を目指す。現在、米国内の供給業者からHALEUを入手することはできない一方、多くの先進原子炉は現行技術より優れた性能を実現するためにこの燃料を必要としている。エネルギー省は、この溝を是正する一助として、原子力開発企業がエネルギー省の資源からHALEUマテリアル供給を要請するプロセスを創設した。エネルギー省は今年前半に初めて原子炉開発企業へのHALEUの割当を行った。 Department of Energy “U.S. Department of Energy to Distribute Next Round of HALEU to U.S. Nuclear Industry” (08/26/25) https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-distribute-next-round-haleu-us-nuclear-industry

トランプ大統領夫人、全国的な大統領AIチャレンジを開始

メラニア・トランプ大統領夫人(Melania Trump)は8月26日、「大統領人工知能チャレンジ(Presidential Artificial Intelligence (AI) Challenge)」の開始を発表し、全国の小中高生及び教育者に参加を呼び掛けた。大統領夫人は、「大統領AIチャレンジは、次世代の若者がこの重要な新技術に関する基礎的な理解を得られるよう育成する最初の一歩となる」と述べた。大統領夫人はAi.govに投稿した映像の中で、自身のオーディオブック制作におけるAIの経験を振り返り、AI技術の変革的な可能性と内在するリスクを強調した。本チャレンジは、コミュニティの課題に対処するAIベースの革新的なソリューションの創出を若者や教育者に意欲付けすると共に、AIへの関心及び能力の育成を目指すものとなる。 White House “First Lady Melania Trump Launches Nationwide Presidential AI Challenge” (08/26/25) https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/08/first-lady-melania-trump-launches-nationwide-presidential-ai-challenge/