カリフォルニア州、世界最大の仮想発電所への資金を打ち切り

カリフォルニア州議会は、会期終了時に大規模なエネルギー関連法案を可決したが、その中には、一部の提唱者が「世界最大」とする仮想発電所を含む2つの電力網信頼性プログラムを継続するための資金が含まれていなかった。同州は今年初め、120億ドルの予算不足に直面し、州議員らがぎりぎりまで交渉を続ける中、両プログラムは数か月に亘って宙に浮いた状態であった。プログラム支援者は、需要側電力網支援(Demand Side Grid Support: DSGS)プログラムと、分散型予備電力資産(Distributed Electricity Backup Assets: DEBA)プログラムの資金売り切りは、電池や電気自動車、屋根上ソーラーパネル等、住宅・企業・施設で普及しつつあるエネルギー資源を活用して、システムの負荷に対応できるより柔軟な電力網へ向けた州の進展を損なうと主張する。DSGS及びDEBAプログラムは、電力網の信頼性向上と緊急時の停電回避を目的として2022年に立ち上げられ、州から約10億ドルの資金を受ける予定であった。 Utility Dive “California zeroes out funding for world’s ‘largest virtual power plant’” (09/16/25) https://www.utilitydive.com/news/california-zeroes-out-funding-for-largest-virtual-power-plant/760274/

NIH、科学者を対象とした利益相反データベースの創出を約束するも詳細は不明

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、連邦助成を受けた研究の透明性を高めることを目的として、利益相反となり得る、医療産業から科学者への支払いを追跡するデータベースを確立する意向である。先週、「米国を再び健康にする委員会(Make America Healthy Again Commission: MAHA)」が発表した報告書の中で、この新システムが簡単に言及された。これは、医師や看護婦などの医療ケア提供者への同様の支払いを追跡する米国オープン支払い(U.S. Open Payments)プログラムをモデルとする。科学コミュニティの一部の関係者はこのアイデアは透明性を高めるものとして前向きにとらえているものの、MAHA報告書は、このシステムがいつ開始されるのか、データベースはどのように機能するのか、どのような支払いが含まれるのか等について明確にしていない。 Science “NIH promises to create conflict-of-interest database for scientists, but offers few details” (09/17/25) https://www.science.org/content/article/nih-promises-create-conflict-interest-database-scientists-offers-few-details

米国アカデミー、温室効果ガス排出と米国の気候・健康・福利に関するエビデンス報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「人為的な温室効果ガスによってもたらされる人間の健康や福利への現行及び将来の害に関するエビデンス(証拠)は、科学的に異論の余地がない」とする報告書を発表した。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、最近になって、「温室効果ガス排出は公衆の衛生と福利の脅威となっている」との認識を撤回する意向を示しており、これに対し、本報告書は、①人的活動による温室効果ガスの排出は、大気中における同ガスの濃度を高めている、②観測精度の向上により、温室効果ガス排出は地表の温暖化と地球の気候変動につながっていることが疑いの余地なく確認されている、等を結論として挙げている。 National Academies “National Academies Publish New Report Reviewing Evidence for Greenhouse Gas Emissions and U.S. Climate, Health, and Welfare” (09/1725) https://www.nationalacademies.org/news/2025/09/national-academies-publish-new-report-reviewing-evidence-for-greenhouse-gas-emissions-and-u-s-climate-health-and-welfare

国防総省のサイバー空間作戦:約500組織が関与、一部重複の可能性 GAO報告

国防総省(Department of Defense)の攻撃的/防御的/その他のサイバー空間作戦は、米国及びその同盟国やパートナーを支援し、国防総省の情報ネットワークを保護するものであるが、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が9月17日に発表した報告書によれば、国防総省のサイバー空間作戦の労働力として、440件の組織、6万1,000名の人員、9,500件の契約事業者が含まれ、更に、約70の組織と3,400名の人員がその支援的役割を担っているという。GAOは、「これらの組織の機能の一部は重複している可能性がある」として、国防総省に対し、①各軍が提供している類似のサイバー空間訓練コースを統合できるか、②国防総省のサイバーセキュリティサービス提供事業者を統合することで、ミッションの効果と費用削減を強化する機会があるか、を評価するよう勧告している。 Government Accountability Office “DOD Cyberspace Operations: About 500 Organizations Have Roles, with Some Potential Overlap” (09/17/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107121

トランプ政権による試用期間中の職員の大量解雇は違法 連邦地方裁判所判決

連邦地方裁判所のウィリアム・アルサップ判事(William Alsup)は9月13日、トランプ政権が今年初めに実施した試用期間中の連邦職員の大量解雇は違法であるとの判決を下した。ただし、連邦機関は対象となる全ての職員を再雇用する必要はないとした。アルサップ判事は、「人事管理局(Office of Personnel Management)は政府全体で約2万5,000名の解雇を違法に要求した」と裁定し、「各連邦機関は独自に行動した」というトランプ政権側の主張を退けた。この判決の数か月前には、最高裁判所が、アルサップ判事による以前の解雇への仮差止命令を却下しているが、アルサップ判事は、最高裁の決定は曖昧で自身の最終命令を妨げるものではないと述べた。同判事は、通常であれば、自身の裁定に基づき、トランプ政権に対して解雇された全ての職員を復帰させるよう求める所であるが、最高裁はこうした救済を明確に却下しており、もはや手遅れの状態であると述べた。その代わりに、各連邦機関に対して、解雇された全ての職員に「個人的な業績に基づいて解雇されたわけではない」と記した書簡を11月14日までに送付するよう命じた。 Nextgov “Trump’s mass probationary firings were illegal, judge concludes, but he won’t order re-hirings” (09/15/25) https://www.nextgov.com/people/2025/09/trumps-mass-probationary-firings-were-illegal-judge-concludes-he-wont-order-re-hirings/408119/?oref=ng-homepage-river

サウジアラビアにおける中国デジタル・シルクロードへの米対抗策 CNAS提言

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は9月16日、「デジタル・シルクロードへの対抗(Countering the Digital Silk Road)」と題する報告書シリーズの第4弾としてサウジアラビアにおける中国のデジタル・シルクロードへの対抗策について発表した。デジタル・シルクロードは、世界中で重要なデジタルインフラを形成する中国のイニシアチブで今年10周年を迎える。CNASは、その影響を評価し、米国や同盟国がどのようにして説得力と一貫性のある代替策を提示できるかを模索する研究プロジェクトに取り組んでおり、これまでにインドネシア、ブラジル、ケニアについて報告している(10月にはその最終報告が発表される)。今回の報告書によれば、サウジアラビアはビジョン2030(Vision 2030)を通じて、これまでの長期的な石油経済国から世界的な技術パワーハウスへの転換を模索している。ビジョン2030の目標の最大70%はデータ及び人工知能(AI)に関するもので、その実現には海外のパートナーが必要となるため、米中両国は現在、サウジアラビアの優先的パートナーとなるべく競争している。報告書は、サウジアラビアは中国と成熟した関係を有していることから、米国の技術エコシステムとの完全な整合には抵抗するであろうが、米国や産業が中国のデジタル・シルクロードに対抗しつつ、米国の重要技術を保護できる相当な機会が存在すると結論している。 Center for a New American Security “How the U.S. Can Counter China’s Digital Silk Road in Saudi Arabia” (09/16/25) https://www.cnas.org/press/press-release/how-the-u-s-can-counter-chinas-digital-silk-road-in-saudi-arabia

「米国における将来の鉱物資源ニーズへの対応」 米国アカデミー報告書

重要鉱物を中心に鉱物への需要は急速に高まっていることから、エネルギー安全保障や国家競争力を確実にし、技術イノベーションを支援するため、信頼できる調達源と対応力のある供給ネットワークの確立が求められている。米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が今般発表した報告書によれば、米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)内の鉱物資源プログラム(Mineral Resources Program: MRP)は、米国の鉱物資源課題への対処において、偏見のない科学及びデータといった情報を政府や民間業界、学術機関の意思決定者へ提供することで、重要な役割を果たしているという。報告書は、急激な予算の変動や鉱物資源(特に重要鉱物)への全国的な注目が高まる中、MRPは優れたリーダーシップとイノベーションを発揮し、鉱床科学や探査、分析で大幅な進展を遂げたとしている。その上で、MRPに、優先事項への積極的な取り組みの継続、重要鉱物の生産目標設定、潜在的な鉱物資源の全国マップ作成等を勧告している。 National Academies “Meeting Future U.S. Mineral Resource Needs” (September 2025) https://nap.nationalacademies.org/catalog/29068/meeting-future-us-mineral-resource-needs-the-role-of-the

EPA、再生可能燃料基準の補足規則を提案 小規模製油所免除措置への対応

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は9月16日、8月22日に発表された小規模製油所免除(small refinery exemption: SRE)決定を考慮し、提案されている2026~2027年の再生可能燃料基準(Renewable Fuel Standard: RFS)「セット2(Set 2)」の再生可能燃料量要件(renewable volume requirements: RVOs)を修正する補足的規則策定案通知(supplemental notice of proposed rulemaking: SNPRM)を発表した。このSNPRMは、RFSプログラムの目標(再生可能燃料の生産と使用の支援)と、経済的影響の考慮や法規の順守、パブコメの機会の提供との間でバランスを図ることを目的とする。SNPRMは具体的に、「セット2」の最終規則でRVOを設定する際に、2023年~2025年度におけるSREを2026~2027年度にどのように反映させるかを検討し、2つの手法を提案している。 Environmental Protection Agency “EPA Proposes Renewable Fuel Standards Supplemental Rule, Addresses Small Refinery Exemptions” (09/16/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-proposes-renewable-fuel-standards-supplemental-rule-addresses-small-refinery

連邦研究資金は2010~2022年に増加するも研究資金全体に占める割合は低下

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の9月16日の発表によれば、連邦政府による研究開発(R&D)資金の合計額は2022年に1,390億ドルに達し、2023年には1,410億ドルに達すると試算されている(2017年を基準とするインフレ調整済みの実質ドル)。また、2022年の連邦R&D資金1,390億ドルのうち、850億ドル(61%)が研究(基礎・応用)向けであった。連邦による研究資金は2010年の780億ドルから2022年の850億ドルに増加したものの、研究資金全体に占める連邦政府の割合は、1960年代半ばの63%が最高で、それ以来、継続的に低下しており、連邦資金が研究資金全体に占める割合は2010年の45%から2022年は34%となった。この低下の理由は、ビジネス部門による研究資金が相対的に大きく増加したためである。ビジネス部門による研究資金が全体に占める割合は、2010年の38%から2022年には50%に増加した。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federal Funding for Research Increased from 2010 to 2022, yet the Federal Government’s Share of Total Research Funding Declined” (09/16/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25337

国家核安全保障局、BWXT社とDUECEパイロットプラント契約

エネルギー省(Department of Energy)の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は9月16日、国内ウラン濃縮遠心分離実験(Domestic Uranium Enrichment Centrifuge Experiment: DUECE)のパイロットプラントの許認可・製造・開発・施設建設・運用について、BWXTエンリッチメント・オペレーションズ社(BWXT Enrichment Operations, LLC)を唯一の供給者とする契約を交わした。この取り組みを通じて、防衛用核燃料を提供するために、国内のウラン濃縮能力を構築するというNNSAのモジュール型拡張計画を推進する。パイロットプラントの対象範囲は、不定期納入・不定数量(Indefinite Delivery, Indefinite Quantity: IDIQ)契約手法(15億ドル相当)を通じ、個別のタスクオーダーを活用しながら決定される。 Department of Energy “NNSA selects BWXT for DUECE Pilot Plant Award” (09/16/25) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-selects-bwxt-duece-pilot-plant-award