原子力発電所の閉鎖は気候対策努力の数年分の後退につながる

現在、米国内にある原発の多くは、安価な天然ガスとの競争を強いられ、深刻な財政問題に直面しており、近い将来に国内の原発の半分以上が閉鎖する可能性があると言われ、懸念が高まっている。理想的には、原子炉が60年というライフスパンを通じて炭素ゼロのエネルギーを生成し続けることが望ましいが、安価な天然ガスとの厳しい競争から、早期に閉鎖される原発が増えている。米国では、2013年以来、6つの原子炉が失われ、6つの原子炉が閉鎖寸前となった。原発を運用し続けることは新たな再生可能エネルギーを構築するより高価であるとの意見もみられるものの、事態はそれほどシンプルではない。原発を閉鎖することで、ゼロ炭素発電に向けた過去の取り組みは後退すると予測され、具体的に、2030年までに原発の20%(予測より少ない)が閉鎖しただけでも、クリーン・エネルギー成長の取り組みは4.5年分後退すると考えられる。 Third Way “Nuclear Closures Undo Years’ Worth of Climate Progress” (April 2018)

報告書「未来の仕事:21世紀における機械と技能と米国リーダーシップ」

外交問題評議会(Council on Foreign Relations)は、独立作業部会(Independent Task Force)による報告書、「未来の仕事:21世紀における機械と技能と米国リーダーシップ(The Work Ahead: Machines, Skills, and U.S. Leadership in the Twenty-First Century)」を発表した。報告書は、「技術の変化が加速しつつある中、現在の米国が直面している問題は、全ての米国民のために、仕事と機会と経済安全保障のリンクを再構築することである」としている。そして、「米国は、新たな仕事の機会やより良いキャリア・パス、より高い収入を創出する一方、高度な有技能者と適合性のある労働力を開発する必要がある」として、一連の勧告を提示している。 Council on Foreign Relations “The Work Ahead” (April 2018)

「5Gへの世界的レースで中国が僅差でリード」との報告

グローバル通信研究機関のアナリシス・メイソン社(Analysys Mason)が発表した報告によれば、世界的な5Gへの競争は、中国がわずかの差でリードしており、韓国と米国がそれに続いているという。また、レコン・アナリティクス社(Recon Analytics)による別の調査では、4Gにおける米国のリーダーシップは大幅な経済的効果をもたらしたという。アナリシス・メイソン社は、世界10カ国における5G準備体制をランク付けしており、1位は中国、次いで韓国、米国、日本となっている。中国が僅差でリードしている要因として、積極的な政府の政策と業界の活気が挙げられている。レコン・アナリティクス社のロジャー・エントナー氏(Roger Entner)は、「ワイヤレス世代の競争で世界的なリーダーシップを失った国では、雇用が削減され、イノベーションは海外へ輸出される。反対に、4Gでリーダーシップを得た米国のように、ワイヤレス世代の競争でリードすると大幅な経済的恩恵がもたらされる」と指摘している。 CTIA “China Holds Narrow Lead in Global Race to 5G, Report Finds” (4/16/18)

米エネルギー省とインドの原子力庁がニュートリノ物理の協力合意に署名

米エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)とインド原子庁のセカー・バズ長官(Sekhar Basu, Atomic Energy Secretary)は4月16日、両国間における世界有数の科学技術プロジェクトの協力を拡大することを目的とした合意書に署名した。これによって、エネルギー省のフェルミ国立加速器研究所(Fermilab)で行われている、「長基線ニュートリノ施設(Long-Baseline Neutrino Facility: LBNF)/ディープ・アンダーグラウンド・ニュートリノ実験(Deep Underground Neutrino Experiment: DUNE))」と、インドのニュートリノ観測所(Neutrino Observatory: INO)で行われている最先端のニュートリノ科学プロジェクトを共同で進展させる道が開かれる。ペリー長官は、「フェルミ国立加速器研究所のLBNF/DUNEプロジェクトは、国際的なパートナーとの協力によって進められており、エネルギー省、米政権、科学分野における米国のリーダーシップにとって重要である。ニュートリノ科学分野におけるインドとの協力を拡大でき、この有望な研究分野での発見を期待している」と述べた。 Department of Energy “U.S. Department of Energy and Indian Department of Atomic Energy Sign Agreement for Neutrino Physics Collaboration” (4/16/18)

国土安全保障省の科学技術総局、「モバイル安全保障研究開発プログラム・ガイド第2巻」を公表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate)は4月13日、「2018年モバイル安全保障研究開発(R&D)プログラム・ガイド(2018 Mobile Security Research and Development Program Guide)」を発表した。ガイドには、技術プロジェクト、目標、目的、それらとDHS及び連邦のモバイル安全保障戦略ならびに優先事項との調整について記述されている。モバイル安全保障R&Dプログラムは、セキュアなモバイル技術の導入を抑止する技術、運用、政策面の課題に対処するために発足したもので、その目標は、①モバイル労働力が国土安全保障のミッションを支援できるようにする、②効果的かつ効率的でセキュアなモバイル技術を通じてミッションの成功を実現する、ためにR&Dを適用することである。 newswise “DHS S&T Announces Release of Mobile Security R&D Program Guide Vol. 2” (4/9/18)

米国アカデミー、次世代のバイオメディカル及び行動科学者を育成するための改革策を勧告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、「バイオメディカル及び行動科学の次世代研究者(The Next Generation of Biomedical and Behavioral Sciences Researchers)」と題する報告書を発表し、次世代科学者育成のために米国のバイオメディカル研究システムを強化する大幅な改革を要請した。報告書は、早期のキャリア科学者のために学術機関内外に向けてキャリアの進路を開放すること、将来の研究エコシステムのために官民のステークホルダーの責任を拡大すること、その研究エコシステムへの政策的取り組み及び投資を拡充し、科学者たちが疾病治療及び健康増進のための新規かつ革新的な治療を想像することに意欲を持つようにすることを勧告している。 National Academies “Report Recommends Reforms to Support Careers of Young Biomedical and Behavioral Scientists, Proposes Solutions to Barriers That Have Slowed Change So Far” (4/12/18)

エネルギー省、中小企業の研究開発グラントとして9,900万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)は、エネルギー省が中小企業69社(26州)に82件のグラントを提供すると発表した。グラントの合計額は9,900万ドルで、エネルギー省の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)を通じて提供される。今回の選出はフェーズIIの研究開発が対象である。今回のグラントを提供する主な部署としては、先端科学コンピューティング局(Office of Advanced Scientific Computing)、基礎エネルギー科学局(Office of Basic Energy Sciences)、生物及び環境研究局(Office of Biological and Environmental Research)がある。 Department of Energy “Department of Energy Announces $99 Million for Small Business Research and Development Grants” (4/12/18)

MITとボーイング社が3D印刷の大規模学習を狙いとした教育的提携を発表

積層造形(3D印刷)は、製品の設計、製造、維持管理を変革する可能性があるが、3D印刷の基本原則や応用、ビジネスへの影響に関する知識が限定的となっている点が、広範かつ急速な普及の妨げとなっている。こうした中、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)とボーイング社(Boeing)は、社会人向けの新たなオンライン・コース「革新的設計と生産のための積層造形(Additive Manufacturing for Innovative Design and Production)」で提携する。9週間のオンライン・コースで、3D印刷が製品の設計や生産、サービスを変革する可能性や、3D印刷が生産ワークフローの再編及び製造コストの低減にもたらす影響について学習、研究する。業界のプロフェッショナル向けの内容となっており、従業員が3D印刷を実施できるようにするための重要なスキルを指導する。MITとボーイング社による3D印刷の教育面での提携は、航空業界を中心とする様々な業界で、3D印刷に関する大規模な学習が必要とされているとの認識から生じたものである。 Massachusetts Institute of Technology “MIT-Boeing educational collaboration aims to scale learning in additive manufacturing” (4/12/18)

GSA、連邦内の技術動向を俯瞰できるイニシアチブを発表

政府内の新興技術の動向を常に把握していることは容易ではない。こうした中、一般調達局(General Services Administration: GSA)は、人工知能やブロックチェーン、政府内で新興しているその他の技術を始動させるための最新の取り組みに関心を持つ連邦政府関係者をつなぐことを目的として、「新興技術チェック(Emerging Tech Check)」イニシアチブを発表した。これは、政府内の現在及び新興の技術プログラム/パイロット/リソースについて月間で報告するもので、報告には、進行中のプログラムの更新情報、チームが直面している課題の詳細、各プロジェクトで進化しつつある課題の詳細などが含まれる。報告はオンラインで公表され、連邦技術者、州及び地方の政府、民間部門の専門家が最新プロジェクトの動向について情報入手することが可能となる。 Nextgov “GSA Is Giving a Bird’s Eye View of Emerging Government Tech” (4/11/18)

都市における電気バス:よりクリーンな空気と低二酸化炭素の世界へ向けて

ブルームバーグ・ニュー・エネルギー・ファイナンス社(Bloomberg New Energy Finance: BNEF)が発表した報告書「都市における電気バス:よりクリーンな空気と低二酸化炭素の世界へ向けて(Electric Buses in Cities: Driving Towards Cleaner Air and Lower CO2)」は、電気バスの競争力(従来型のディーゼル・バスや圧縮天然ガス(CNG)方式のバスと比較して)についてまとめたものである。それによれば、電気バスは運用コストが大幅に低く、所有にかかるコスト全般で見た場合、既に従来型のバスよりも低い可能性があるという。しかしこうした運用コストの潜在的な節約にもかかわらず、電気自動車にはいくつかの課題がある。その最たるものは、初期費用の高さである。この問題に対処するため、現在様々なビジネス・モデルが登場しつつある。 Bloomberg New Energy Finance ” Electric Buses in Cities: Driving Towards Cleaner Air and Lower CO2” (4/10/18)