DARPA、宇宙環境の変化について72時間予測を目指すSEEプログラムを立ち上げ

地球上における1時間ごとの気象予測モデルは正確さを増しているが、膨大な宇宙の特定箇所における環境状況の予測という点で、地球上の気象予測に匹敵する予測システムは存在しない。軍事及び商業宇宙事業にとり、宇宙の環境状況及びその潜在的な影響を追跡するための新たなツールが求められている中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「宇宙環境探査(Space Environment Exploitation: SEE)」プログラムを開始する。SEEプログラムは、地球近傍の宇宙環境における混乱や摂動(最小100キロの規模)を1時間ごとかつ72時間先までを正確に予測することを狙いとする。SEEプログラムが成功すれば、宇宙計画者及び事業者は、宇宙環境の状況について、現在の天候予測のようなタイムリーな更新情報や警報を得られるようになる。 Defense Advanced Research Project Agency “Seeking 72-hour Space Environment Forecasts with Updates on the Hour” (7/17/18)

米国アカデミー、「オープン科学」への進展を迅速化するための勧告と枠組みを提示

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、報告書「設計によるオープン科学(Open Science by Design)」を発表した。それによれば、科学研究へのオープンなアクセスの提供に関して、これまでに大幅な進展が見られているものの、対処すべき様々な様々な課題が存在しているという。これらの課題には、科学出版の経済性、研究事業における文化的障害が含まれる。報告書はそうした上で、学術コミュニティやその他の研究関係機関によって調整された行動と、研究プロセス全般におけるオープン性を育成するための「設計によるオープン科学」枠組みの利用を勧告している。 National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine “Report Proposes Recommendations and New Framework to Speed Progress Toward Open Science” (7/17/18)

NSF、バイオベースの半導体創出を支援

現在の能力をはるかに上回るデータ貯蔵の世界的なニーズに対処するため、連邦機関と技術研究コンソーシアムが、「情報の処理及び貯蔵技術のための半導体合成生物学(Semiconductor Synthetic Biology for Information Processing and Storage Technologies: SemiSynBio)」プログラムを通じて、新たな研究に1,200万ドルを投資する。SemiSynBioは、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と半導体研究コーポレーション(Semiconductor Research Corporation: SRC)によるパートナーシップで、生物学、物理学、化学、コンピュータ科学、マテリアル科学、工学の交差する分野で未来の情報貯蔵システムのための土台作りを模索する。今年は8件のプロジェクトが選出され、DNAを用いたデータの貯蔵や遺伝回路設計の自動化、バイオエレクトロニクスの創出など、様々な応用の可能性に取り組む。 National Science Foundation “New NSF awards support the creation of bio-based semiconductors” (7/16/18)

エネルギー省、費用と環境への影響低減を目的とした先端風力研究開発事業を公募

エネルギー省(Department of Energy)の風力エネルギー技術局(Wind Energy Technologies Office)は、「費用と環境への影響低減を目的とした先端風力研究開発(Advanced Wind R&D to Reduce Costs and Environmental Impacts)」と題する資金提供公募(Funding Opportunity Announcement: FOA)を公表した。本FOAを通じて、陸上ベース及びオフショアの風力タービンの環境順守費用及び環境影響の低減につながる技術的及び運営上のソリューションの促進を狙いとした取り組みに、最高600万ドルが提供される。 Department of Energy “DOE Releases Funding Announcement to Support Advanced Wind R&D to Reduce Costs and Environmental Impacts” (7/18/18)

エネルギー省、中小企業研究開発グラントに9,500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月16日、全米26州にある80の中小企業に95件のグラントとして合計9,500万ドルを提供すると発表した。今回発表された資金提供は、中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)を通じて行われるもので、フェーズIIの研究開発が対象である。フェーズIIのアワードの中央値は、2年間で100万ドルである。今回は、国防核不拡散局(Office of Defense Nuclear Nonproliferation)、電気伝送・エネルギー信頼性局(Office of Electricity Delivery and Energy Reliability)などを通じて資金提供が行われる。 Department of Energy “Department of Energy Announces $95 Million in Small Business Research and Development Grants” (7/16/18)

NSF、「NSF 2026アイデア・マシン」を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、数多くの研究プロポーザルを科学者から受理しているが、「何か重要なものを見逃しているのではないか」との思いを依然として抱いている。こうしたことから今秋、一般市民が参加する「NSF 2026アイデア・マシン(NSF 2026 Idea Machine)」と題するコンテストを開催することになった。具体的に、8月31日に、オンラインコンテストへの応募受付が開始され、個人科学者から専門職協会、高校生など、だれでもが、「NSFが今後助成すべきアイデア」を提出することができる。課題が大きければ大きいほどよく、NSFは「単一プロジェクトではなく、大きなテーマの下で多くのコミュニティとNSFの全ての部門が関与するものが望ましい」としている。唯一の制約は、「そのアイデアは、NSFが支援できる内容のものであること」で、つまり、癌の治療や火星への宇宙飛行士派遣といったプロポーザルは受け付けられない。その後、複数の審査プロセスを経て来夏にコンテストの勝者が発表される予定である。 Science “NSF wants to know what you think it should fund” (7/13/18)

ARPA-E長官候補に対し関係者から懸念

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は、2009年以来、科学工学分野で博士号を有する人物が長官として先導してきたが、トランプ大統領は、弁護士兼エネルギー投資家にその長官職を任せようとしている。ホワイトハウスは7月10日、トランプ大統領が、テキサス州を拠点とする投資アドバイザーのレーン・ジェナトウスキー氏(Lane Genatowski)をARPA-Eの次期長官に指名する意向であることを発表した。この発表は、トランプ大統領の下でのARPA-Eの方向性や、ジェナトウスキー氏の経歴は、核融合や電池など多様な分野の最新事情に関する議論が行われる小規模な機関を主導するのに適切か、という点で周囲の懸念を招いている。 Science “Trump’s pick to lead energy technology program puzzles observers” (7/13/18)

エネルギー省、大学における化石エネルギー研究支援を目的として280万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy: FE)は、マイノリティー派向けの大学を含む米国大学における化石エネルギー研究を支援するため、7件のプロジェクトに合計約280万ドルの投資を行うと発表した。「大学石炭研究を含む米国大学での化石エネルギー研究及び歴史的に黒人系大学及びその他の少数派機関による研究の支援(Support of Fossil Energy Research at U.S. Colleges and Universities Including University Coal Research (UCR) and Research by Historically Black Colleges and Universities and Other Minority Institutions)」と題する資金提供公募(funding opportunity announcement: FOA)の下で選出されたこれらのプロジェクトでは、発電所の環境制御の最適化を通じたエネルギー処理のための費用と要件の最小限化や、ロボティクス技術の統合を通じた効率性強化への取り組みなどが行われる。 Department of Energy “Energy Department Invests $2.8M to Support Fossil Energy Research at Universities” (7/13/18)

「サステイナブル・エナジー・フォー・オール」、冷蔵アクセスの課題に関する報告書を発表

「サステイナブル・エナジー・フォー・オール(Sustainable Energy for All: SEforALL)は7月16日、「凍りつくような見通し:全ての人に持続可能な冷蔵を提供(Chilling Prospects: Providing Sustainable Cooling for All)」と題する報告書を発表した。これは、冷蔵へのアクセスに関して世界的に増大しつつあるリスクの定量化と機会の評価を示した初の報告書である。報告書によれば、世界で11億人以上が、冷蔵へのアクセスがないことで、直接的なリスクに直面するという。冷蔵は、数百万人が貧困から脱却し、子供たちの健康やワクチンの安定性ならびに食品の影響を維持し、経済を生産的にする能力を下支えするものである。報告書は、「こうした冷蔵へのアクセス格差を是正することは、多くの国の経済成長及び発展にとって必須である(特に脆弱な人口にとって)」とした上で、政府や企業、関係機関向けに具体的な策を勧告している。 Sustainable Energy For All “New Chilling Prospects report shows lack of cooling access threatens health, prosperity and the climate” (7/16/18)

アップル社、米中貿易摩擦の中、3億ドルの中国クリーンエネルギーファンドを立ち上げ

米国と中国の貿易摩擦が高まる中、アップル社(Apple Inc.)は、自社のサプライヤー企業10社と共に、自社の世界最大の海外市場である中国で3億ドルのクリーンエネルギーファンドを立ち上げる予定である。アップル社の発表によれば、「中国クリーンエネルギーファンド(China Clan Energy Fund)」を通じて、パートナー企業と共に、4年間で中国に合計1ギガワット以上の再生可能エネルギーをもたらすクリーンエネルギー開発プロジェクトに投資するという。これらの投資は、参加するサプライヤー企業10社の事業の電力として使用される。アップル社は近年、中国政府及び消費者との関係強化に努力しているが、最近の米中貿易論争は同社を困難な立場に追い込んでいる。 Wall Street Journal “Apple Sets $300 Million Clean Energy Fund for China Amid Trade Tensions” (7/12/18)