国家安全保障局(NSA)、サイバーセキュリティー・ツール「GHIDRA」をオープンソース化

国家安全保障局(National Security Agency: NSA)は、先端のハッキング・ツール(攻撃及び防衛の双方を目的とする)を開発し、3月5日にサンフランシスコで行われたRSAセキュリティ会議で、そのツール「Ghidra」を正式発表した。NSAはこれをオープン・ソースとすることを決定している。Ghidraはリバース・エンジニア・プラットフォームであり、これを使って機器をハッキングすることはできない。コンパイルされて組み込まれたソフトウェアを「逆コンパイル」するものである。リバース・エンジニアリングは、発見したソフトウェアを逆方向に突き詰めていくことができるため、マルウェアソフトがどのように機能するか、どのような能力があるのか、だれが記述したのかを理解することができ、マルウェア・アナリストや脅威情報研究者にとっては重要なプロセスとなっている。​ ​ Wired “The NSA Makes Ghidra, a Powerful Cybersecurity Tool, Open Source” (3/5/19) ​

中国、AI研究で米国を上回る見込み​

中国政府は2017年、「2030年までに人工知能(AI)で世界のリーダーとなる」という計画を発表した。これを受けて、セマンティック・スカラー(Semantic Scholar)プロジェクトが、2018年末までに発表された200万点以上の学術AI論文を分析した。その分析によれば、発表されているAI論文の点数で、中国は既に米国を抜いている。中国は今年、「最も引用された論文の50%」で米国を上回る勢いであり、来年には、「最も引用された論文の10%」、2025年までには「最も引用された論文の1%」の分野で米国を上回る位置づけにある。引用件数は、影響の遅行指標であることから、現在の中国発のAI研究の影響は過少評価されている可能性もあるという。​ ​ Medium “China to Overtake US in AI Research” (3/19/19) ​

元上院議員のバーチ・バイ氏が逝去​

元上院議員のバーチ・バイ氏(Birch Bayh)(インディアナ州選出民主党)が3月14日、逝去した。91歳であった。バイ氏は、上院議員を3期務め、その間、憲法修正第25条と26条の主要考案者の一人となった他、高等教育における女性の割当制度の廃止を義務付ける憲法修正(Title IX)の共同執筆者でもあった。1980年の選挙で共和党のダン・クエール氏(Dan Quayle)に敗れたが、その時のレイムダック・セッション(選挙後から退任までの消化期間)の間にボブ・ドール議員(Bob Dole、カンザス州選出共和党)と共に、学術機関における発見を市場化するための一助として機能する「バイ・ドール法(Bayh-Dole Act)」を成立させた。​ ​ Politico “Former Indiana Sen. Birch Bayh dies at 91” (3/14/19) ​

エネルギー省、炭素捕獲システムのための初期段階の工学設計研究に3,000万ドルを拠出

エネルギー省(Department of Energy)は3月14日、二酸化炭素捕獲システムの初期段階工学設計(front-end engineering design: FEED)研究を目的としたコスト分担型研究開発(R&D)に最高3,000万ドルを提供すると発表した。このプロジェクトは、化石エネルギー局(Office of Fossil Energy)の炭素捕獲プログラム(Carbon Capture program)から資金を受け、石炭と天然ガスの両方の発電所における二酸化炭素のFEED研究を支援するものである。エネルギー省の支援を受けて行われ、現在テキサス州ヒューストン市近くで稼働しているペトラ・ノバ・プロジェクト(Petra Nova Project)は年間100万トン以上の二酸化炭素を捕獲し、炭素捕獲活用及び貯蔵(carbon capture, utilization and storage: CCUS)技術として成功している。今回のFEED研究の資金提供公募(FOA)で受益するプロジェクトが次なる商業的CCUSプロジェクトとなることが期待されている。​ ​ Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $30 Million for Front-End Engineering Design Studies for Carbon Capture Systems” (3/14/19) ​

GAO、「エネルギー省は下請け企業に対する監督強化のための取り組みが必要」と報告​

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「エネルギー省の契約:下請け企業の監督を強化するための行動が必要(Department of Energy Contracting: Actions Needed to Strengthen Subcontract Oversight)」と題する報告書を発表した。2016年度は、エネルギー省及び国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の主要発注契約24件に28の事業体が参加し、その契約総額は236億ドルに達した。そして、これらの受注企業はその約30%(69億ドル)を数千件の下請け企業へ発注した。GAOがこれらの契約・下請けデータを点検したところ、受注企業と下請け企業間の複雑な所有関係が認められ、所有権の変更を追跡することや、参加機関間の関係を理解することは困難であった。また、エネルギー省とNNSAは、受注企業が下請け企業の発生費用の監査を必ずしも実施していない。こうしたことからGAOは、6つの勧告を行っており、これには、「エネルギー省は、地方オフィスが受注企業をモニターし、義務付けられている下請け企業の監査を適宜行うことを確実にするための手順を開発すること」などが含まれている。​ ​ Government Accountability Office “Department of Energy Contracting: Actions Needed to Strengthen Subcontract Oversight” (3/12/19) ​

「サイバーセキュリティ労働力:重要人員のニーズを効果的に特定するためにはポジションの正確な分類が必要」との報告​

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「サイバーセキュリティ労働力:重要人員のニーズを効果的に特定するためには当局が正確なポジション分類を行うことが必要(Cybersecurity Workforce: Agencies Need to Accurately Categorize Positions to Effectively Identify Critical Staffing Needs)」と題する報告書を発表した。連邦政府は重要なITシステムを守るために適格で十分な訓練を受けたサイバーセキュリティ労働力を必要としており、これらの労働力が十分に確保されていない点が、連邦システムの確保が「ハイリスク・リスト」の一つとなっている理由である。重要な労働力のニーズを特定するためには、連邦機関は自省内のIT及びサイバー関連のポジションを特定、分類することが求められるが、GAOが調査した機関の大半が多くのポジションで業務の誤分類を行っていた。例えば、24機関のうち22機関で、ITポジションの約19%に「非IT」のコードが割り当てられていた。こうしたことを受け、GAOは、当局がIT及びサイバー関連の労働力を追跡し、コード化する方法について改善策を提案している。​ ​ Government Accountability Office “Cybersecurity Workforce: Agencies Need to Accurately Categorize Positions to Effectively Identify Critical Staffing Needs” (3/12/19) ​

エネルギー省、風力エネルギー研究プロジェクトに600万ドルを提供​

エネルギー省(Department of Energy)は3月13日、陸上及びオフショアの風力エネルギーの環境規則遵守費用と環境への影響の削減につながる9件のプロジェクトに合計620万ドルを提供すると発表した。同省のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)の風力エネルギー技術局(Wind Energy Technologies Office)が資金を提供する。受益プロジェクトは、①抑制(野生生物への影響が理由となって風力タービンを停止させる必要がある)によるエネルギー損失と風力ファームがコウモリへ及ぼす環境的影響を最小限化するスマートな抑制戦略の進展(3件のプロジェクトに合計230万ドル)、②抑制の必要性を最小限化するためのコウモリ抑止技術の商業化に向けた進展(3件のプロジェクトに合計140万ドル)、③オフショア風力発電導入のための規制障壁緩和を目的とした建設前・後のモニタリング開発及び検証と緩和ソリューション(3件のプロジェクトに合計250万ドル)の3つに分けられる。​ ​ Department of Energy “Energy Department Awards $6 Million in Wind Energy Research Projects” (3/13/19) ​ ​

国立がん研究所の所長がFDA長官代理に​

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のアレックス・アザー長官(Alex Axar)は3月12日に行った議会公聴会で、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)のスコット・ゴッドリーブ長官(Scott Gottlieb)が1か月以内に退任した後、国立がん研究所(National Cancer Institute: NCI)のノーマン・シャープレス長官(Norman “Ned” Sharpless)がFDA長官代理を務めると発表した。シャープレス氏は2017年6月にNCI長官に任命された直後から、研究の現代化、臨床試験の多様化、社会的に恵まれていない人口層へのアウトリーチを、自身が取り組む代表的案件の一つとした他、NCIの労働力の開発と再訓練を実施した。情報筋によれば、ゴッドリーブ氏はシャープレス氏を、代理ではなく正規のFDA長官に指名することを勧告した。シャープレス氏がFDA長官代理を務めている間は、NCIのダグラス・ローウィ副長官(Douglas Lowy)がNCI長官代理を務める。​ ​ Politico “Cancer institute director named acting FDA commissioner” (3/12/19) ​

EPA、科学研究局の大型再編計画を発表 ​

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月7日、大型再編計画を発表した。これにより、二つの主要な科学局が統合される。EPAは、この再編は、官僚制度を削減し、効率性を高めることを意図したものであるとしているものの、「科学的プロセスにバイアスをかけようとしている」と環境保護団体は懸念している。再編計画では、EPAで最大の機関である研究開発局(Office of Research and Development: ORD)内の13の部門を8つに統合する。最も大きな点として、科学アドバイザー局(Office of the Science Advisor)と科学政策局(Office of Science Policy)を統合し、科学アドバイザー/政策/関与局(Office of Science Advisor, Policy, and Engagement)と呼ばれる新しい局を作る。また、複数のオフィスと国家環境研究センター(National Center for Environmental Research)が統合され、新たに「資源管理局(Office of Resource Management)」となる。​ ​ Washington Examiner “EPA announces major reorganization plan for science research office” (3/7/19) ​

NIHのグラント・データへのアクセス強化に関するニーズへの意見を模索​

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、RePORTやRePORTERなどを通じて、外部者がNIHのグラントに関するセンシティブではない情報(受益機関、主任研究者、資金提供レベル、研究要旨など)を入手できるようにしている。しかし、「NIH外部の研究者はグラント・プロセスに関する更に詳しい情報へのアクセスを得られるべきである」とする一部の主張を受け、NIHは、どのセンシティブなデータ分類について、法規を順守する形で共有されるべきかを検討しており、本件に関する「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。NIHは、これらのデータの安全確保、データへのアクセス方法、研究計画の要件、外部への情報出力について、関係者からの意見を模索している。​ ​ National Institutes of Health “Seeking Input on the Need to Enhance Access to NIH Grants Data” (3/4/19) ​