米国における再生可能発電は2008年から倍増

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の発表によれば、米国内における再生可能資源による発電は、2018年に過去最高となる7億4,200万メガワット(MWh)に達し、2008年の3億8,200万MWhのほぼ2倍となった。再生可能資源は米国内における電力発電の17.6%を占めた(2018年)。2008年~2018年における再生可能発電の増加のほぼ90%は風力とソーラーによる発電で、風力発電は2008年の5,500万MWhから2018年の2億7,500万MWhに増加し、ソーラー発電も2008年の200万MWhから2018年には9,600万MWhに増加した。風力とソーラー発電の増加は主に同期間に発電能力が増加したことが要因である。また再生可能技術の成長(特に風力とソーラー)は、連邦・州政府の政策と費用の低減が原動力となっている。​ ​ Energy Information Administration “U.S. renewable electricity generation has doubled since 2008” (3/19/19) ​

大統領府、2019年大統領経済報告を発表​

3月19日、大統領経済報告(Economic Report of the President)が大統領府から発表された。経済報告は、①減税と雇用法の影響の評価、②規制緩和:規制費用の負担削減、③全ての米国民に労働力機会を拡大、④医療ケア市場における選択と競争の実現、⑤米国エネルギーのパワーの解放、⑥均衡のとれた金融規制構図の構築、⑦人工知能による技術変化に順応しつつサイバー脅威を緩和、⑧市場対社会主義、⑨米国における貧困の軽減と自給自足の強化、⑩一年間のレビューと今後、の全10章で構成されている。大統領府が発表した要旨によれば、トランプ政権発足以来、米経済は2年連続して予測を上回る成長を遂げ、近年のトレンドを大きく超えているという。大統領経済報告は各章を通して、近年のトレンドからかけ離れたこれらの成長は、偶然の産物ではなく、トランプ政権の入念な措置を反映したものであるとしている。​ ​ White House “A Summary of the 2019 Economic Report of the President” (3/19/19) ​

DARPA、R&Dの加速を目的としたソーシャル・メディアのプラットフォームを立ち上げ​

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、新規のソーシャル・メディア・プラットフォームを介して、ソーシャル・ネットワークの威力を研究開発(R&D)に適用させ、米国の技術開発の速度を速めようとしている。2018年に学術機関専用に実施された試験段階を経て、最近、公共プラットフォームとしてスタートした「Polyplexus」は、科学的証拠へのアクセスを高め、仮説の開発や研究プロポーザルの提出、研究スポンサーの関与を加速させることを狙いとしている。Polyplexusは、①公共の情報フィード(ユーザーは興味深い研究を宣伝し、その他の研究と結び付けることができる)、②新規のアイデアと統合させるプライベート・ツール、③インキュベーター環境、の3つの要素で構成されている。DARPAの防衛科学局(Defense Sciences Office)は今後18か月間に、Polyplexusインキュベーターを通じて、1年間のシード段階の取り組みに最高30件の資金提供を行う計画である。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Launches Social Media Platform to Accelerate R&D” (3/19/19) ​

農村州へのNIH研究資金は地域に重要な影響をもたらす

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の助成を受けた研究が、農村の州にもたらす影響について調べた報告書「NIHの助成を受けた研究が農村州にどのような影響を及ぼすか(How NIH-Funded Research Benefits Rural States)」(ユナイテッド・フォー・メディカル・リサーチ(United for Medical Research: UMR)発行)によれば、一般的に農村地方で人口と経済が他よりも小規模な州では、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の助成を受けた研究が大きな影響を及ぼしているという。本報告書の対象は、アラバマ、アーカンソー、ケンタッキーなど7州。本報告書によれば、NIH助成を受けた研究は、人々の健康増進だけでなく、地域経済の押し上げという重要な二次的効果ももたらしている。​ ​ United for Medical Research “NIH RESEARCH FUNDING AND RURAL STATES: New report finds significant impact where least expected” (3/15/19) ​

学術機関の科学工学への連邦による義務的歳出は2%増加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「2017年度大学及び非営利組織への連邦科学工学支援調査(FY 2017 Survey of Federal Science and Engineering Support to Universities, Colleges, and Nonprofit Institutions)」を基に作成されたインフォブリーフ(InfoBrief)によれば、連邦政府は2017年度に、高等教育機関の科学工学(S&E)を支援するため、324億ドルの義務的歳出(obligation)を行った。これは2016年度の316億ドルから2%の増加である。このうち、大学の研究開発(R&D)への義務的歳出は前年度比4%増の298億ドルであった。一方、歴史的に黒人が多い大学(historically black colleges and universities: HBCU)への連邦S&E支援は、3年連続減少し、2017年度は3億800万ドルで、前年度から17%減少したほか、HBCUのR&Dへの連邦支援は9%減少した。​ ​ National Science Foundation “Federal Science and Engineering Obligations to Academic Institutions Increase 2%; Support to HBCUs Declines 17%” (3/19/19) ​

情報先端研究プロジェクト活動(IARPA)、無人航空機の画像改良を目的としたUG2+コンペを発表​

国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)の情報先端研究プロジェクト活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は3月15日、無人航空機(unmanned aerial vehicle)、グライダー(glider)、地上(ground)のデータによるコンピュータ画像データセットを活用する「UG2+賞金コンペ(UG2+ Prize Challenge)」を発表した。本コンペは昨年に引き続き行われるもので、今回が2回目となる。今回のコンペは、画像の復元及びアルゴリズムの強化によって、小型UAVによって収集された画像の分析を進展させることを狙いとしている。IARPAのプログラム・マネジャーは、「昨年の賞金コンペによって、本件が活動的な研究分野であることが示されたが、問題はまだ解決していない。第2回コンペは、アナリストが日々受信する膨大な量の画像の処理と理解を補助するために必要な技法の進展に、コミュニティを更に関与させることを狙いとしている」と述べている。​ ​ Office of the Director of National Intelligence “IARPA Announces the UG2+ Prize Challenge to Improve UAV-Captured Imagery” (3/15/19) ​

エネルギー省とインテル社、初のエクサスケール・スパコンを構築へ​

インテル社(Intel Corporation)とエネルギー省(Department of Energy)は、1エクサフロップ(exaFLOP)の性能を持つ米国初のスパコンを構築する。本システムは、「オーロラ(Aurora)」との名称が付けられ、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)内で開発される。契約額は5億ドル以上で、2021年にインテル社と請負のクレイ・コンピューティング社(Cray Computing)によって同国立研究所に設置される。オーロラ・システムは、エクサフロップの性能に加え、従来型の高性能コンピューティングと人工知能の両方を扱うことができる能力が装備され、研究者はエクサスケールで科学的問題に取り組めるツールを得ることになる。​ ​ Department of Energy “U.S. Department of Energy and Intel to Build First Exascale Supercomputer” (3/18/19) ​

米国民の4人に3人が完全自動運転車を引き続き懸念

大きなニュースとなった自動運転車による歩行者死亡事故が発生してから約1年が経つが、アメリカ自動車協会(American Automobile Association: AAA)が毎年行っている自動運転車に関するアンケート調査の結果によれば、今回の調査(2019年1月に1,008人を対象に電話で実施)では回答者の71%が「完全自動運転車に乗る事に不安がある」としており、消費者の全体的な心理はここ1年間でほとんど変わっていないことが明らかになった。事故が発生する前、この割合は63%であった。AAAは、消費者が完全自動運転車により慣れ親しむようにするには、自動運転車技術への認識と、それらの技術が現在の車で作動している現実との間のギャップを埋めることが鍵であると考えている。また、4つの先端ドライバー補助システム(advanced driver assistance systems: ADAS)技術(走行車線維持支援、自動緊急ブレーキなど)のいずれかを利用しているドライバーの間では、それらを利用していないドライバーよりもこうした機能への信頼が高いことから、「経験は自動運転車技術への消費者心理に大きく影響している」という。​ ​ American Automobile Association “Three in Four Americans Remain Afraid of Fully Self-Driving Vehicles” (3/14/19) ​

メリーランド州技術開発公社(TEDCO)、2018年に16億ドルの経済効果と7,746人の雇用創出​に貢献

最近発表された独立調査報告によれば、メリーランド州の技術開発公社(Technology Development Corporation: TEDCO)の中核プログラムは、2018年に、州内で7,743人の雇用創出と、16億ドル以上の経済活動に貢献した。独立調査を行ったのは、ボルチモア大学(University of Baltimore)ジェイコブ・フランス研究所(Jacob France Institute)のリチャード・クリンチ氏(Richard Clinch)と、テコノミー・パートナーズ社(TEConomy Partners)のミッチ・ホロウィッツ氏(Mitch Horowitz)。報告書によれば、TEDCOによる雇用創出は、2015年の4,358人から2018年の7,746人に増加し、経済効果も2015年の10億ドルから2018年の16億ドルに急増した。報告書はまた、2023年にはTEDCOの経済効果は24億ドルに大幅増加し、雇用創出数は1万1,812人となると予測している。 Technology Development Corporation “TEDCO Generates $1.6 Billion in Economic Benefits to the State of Maryland and Supports 7,746 Maryland Jobs, According to New Independent Study” (3/6/19)

NIHと有力科学者、胎児の遺伝子編集にモラトリアムを要請

先般、中国の科学者が、遺伝子編集の倫理面に関する世界的コンセンサスを無視する形で、CRISPRと呼ばれる遺伝子工学技法を使って胚の遺伝子を編集し、その結果、双子が生まれた。この行為への直接的な反応として、世界7カ国の科学者及び倫理学者は3月13日、人間の赤ん坊の遺伝的特質を変更することを意図した遺伝子編集実験にモラトリアムの実施を呼びかける論文をネイチャー誌(Nature)に発表した。論文は、CRISPRシステムの主要な発明者2名が共同執筆者となっており、モラトリアムと、CRISPR技術の応用を監督する国際統治機関の設立を要請している(ただし、CRSPR技術のパイオニアであるジェニファー・ドウドナ氏(Jennifer Doudona)は本論文に署名していない)。また、この論文が発表されたのと同じ3月13日に、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ長官(Francis Collins)が、モラトリアムと統治機関設立の呼び掛けを支持する声明を発表した。​ ​ Washington Post “NIH and top scientists call for moratorium on gene-edited babies” (3/13/19) ​ ​