先般、中国の科学者が、遺伝子編集の倫理面に関する世界的コンセンサスを無視する形で、CRISPRと呼ばれる遺伝子工学技法を使って胚の遺伝子を編集し、その結果、双子が生まれた。この行為への直接的な反応として、世界7カ国の科学者及び倫理学者は3月13日、人間の赤ん坊の遺伝的特質を変更することを意図した遺伝子編集実験にモラトリアムの実施を呼びかける論文をネイチャー誌(Nature)に発表した。論文は、CRISPRシステムの主要な発明者2名が共同執筆者となっており、モラトリアムと、CRISPR技術の応用を監督する国際統治機関の設立を要請している(ただし、CRSPR技術のパイオニアであるジェニファー・ドウドナ氏(Jennifer Doudona)は本論文に署名していない)。また、この論文が発表されたのと同じ3月13日に、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ長官(Francis Collins)が、モラトリアムと統治機関設立の呼び掛けを支持する声明を発表した。
Washington Post “NIH and top scientists call for moratorium on gene-edited babies” (3/13/19)