Category:その他
大学学長の過半数が連邦政策の方向性に「強く懸念」 ACE調査
米国教育評議会(American Council on Education: ACE)が9月15日に発表した「2025年秋期パルスポイントアンケート調査結果(2025 Fall Term Pulse Point Survey)」によれば、大学学長のほぼ4分の3(74%)が、米政権が高等教育にもたらす影響について「強く懸念している」と表明している。また、大学上層部の65%が、移民制限やビザの取り消しについて「ある程度懸念している」または「強く懸念している」と回答し、77%が、学問の自由や大学の自主性に対する州や連邦政策の関与に同様の懸念を示している。更に、ワンビッグビューティフルビル法(One Big Beautiful Bill Act)の順守について、学長の21%が「強く懸念している」、31%が「ある程度懸念している」と回答した。調査は7月28日~8月8日に実施され、517名の大学上層部を対象に、2025-2026学年度における最大の懸念や、最近の行政・立法措置の影響、教育・学習における人工知能(AI)の導入計画について質問した。 American Council on Education “ACE Survey: Majority of College Presidents “Extremely Concerned” About Federal Policy Direction” (09/15/25) https://www.acenet.edu/News-Room/Pages/Pulse-Point-Presidents-Concerned-Fall-2025.aspx
トランプ政権、政府の後押しによる製造業支援を模索
情報筋及び一部の文書によれば、トランプ政権は、米国製造業の活性化を目的として、工場やインフラの建設を促進する計画を検討している。この計画の下、政権は、日本との貿易合意で設定された5,500億ドルの投資資金を利用し、半導体や製薬、重要鉱物、エネルギー、船舶、量子コンピューティングへ投資する意向である。プロジェクトの一部は、迅速な規制審査等の優遇措置を米政府から提供される可能性がある。このような大規模なプログラムを実践するには詳細の調整が必要となることから、交渉内容に通じる者は、計画が変更される可能性もあるとしている。今月初めに日米両政府が署名した覚書は、5,500億ドルの投資資金の使い方についてトランプ大統領に大幅な裁量を認めており、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)を議長とする委員会を設立して、プロジェクトを大統領へ勧告する仕組みとなっている。しかし、日本からの5,500億ドルの投資資金の正確な内容については議論の対象となっており、トランプ大統領が日本との合意について発表した後、赤沢亮正経済再生担当大臣が発表した5,500億ドルの投資誓約に関する見解はトランプ大統領のものとはやや異なっている。 Wall Street Journal “Trump’s Team Explores Government-Backed Manufacturing Boost” (09/18/25) https://www.wsj.com/politics/policy/trump-manufacturing-federal-land-ef3c02ba
「博士号から中国人民解放軍へ」 下院CCP委員会報告書
下院の中国共産党特別委員会(House Select Committee on the Chinese Communist Party)(「CCP委員会」)は9月19日、中国の防衛関連機関は、米国のビザ政策を通じて米国の高等教育を利用していると報じた。具体的に、CCP委員会は、メリーランド大学(University of Maryland)、イリノイ大学アーバナ-シャンペン校(University of Illinois Urbana-Champaign)、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)など6大学を対象に、各大学における中国人学生の在籍状況と研究活動について調査を行った。その結果、①バイデン前政権は、軍事関連の研究を行う中国人を禁止する大統領令10043号の執行を怠った、②中国軍や防衛研究大学と関係のある中国人の博士課程プログラムに米国納税者の公的資金が充当されている、③米国の大学は毎年、中国軍や国防産業基盤と結びつきのある数千人の中国人の入学を許可している、などの懸念点が明らかになったという。また、こうした急務の脅威に対処する措置として、ビザ審査関連の法規を強化して、米国の重要な研究へのアクセスを阻止し、技術移転リスクを大幅に削減すること、適格性に関する明確な制限や審査基準の強化と報告要件の義務付けを行い、重要技術への中国のアクセスを制限すること等を勧告している。 The Select Committee on the CCP “From Ph.D. to PLA” (09/19/25) https://selectcommitteeontheccp.house.gov/media/reports/from-phd-to-pla
商務省、事業体リストへの追加・修正を発表
商務省(Department of Commerce)産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)は9月16日、輸出管理規則(Export Administration Regulations: EAR)を改正し、事業体リスト(Entity List)に32の事業体を追加したと発表した。これらの事業体は、輸出の宛先国別に、中国(23件)、インド(1件)、イラン(1件)シンガポール(1件)、台湾(1件、トルコ(3件)、アラブ首長国連邦(2件)となっている。BISはこの他、ロシアを相手先国とする1団体について登録されていた2つの住所の削除や、その他の誤記の修正を発表した。今回の規則で事業体リストに追加された団体には、中国科学院(Chinese Academy of Sciences)傘下の国家授時センター(National Time Service Center)と宇宙航空情報研究所(Aerospace Information Research Institute)等が含まれる。 Federal Register “Additions and Revisions to the Entity List” (09/16/25) https://www.federalregister.gov/documents/2025/09/16/2025-17893/additions-and-revisions-to-the-entity-list 参考:https://www.aip.org/fyi/the-week-of-sept-22-2025
国立研究所における解雇と希望退職
AIPは9月22日、複数の国立研究所における解雇と希望退職の状況について報じた。パシフィックノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)では、一部の人員に対して希望退職募集が行われた後、先週には解雇が行われた。PNNLは当初、90件の希望退職応募を予定していたが、その数に満たなかったという。また、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)とアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory:ANL)でも先月、希望退職募集が行われた。アルゴンヌ国立研究所は、最大60件の希望退職応募を受理することを期待していたという。フェルミ国立加速器研究所は応募予定数を明確にしていないが、情報筋によれば200件前後とみられている。更に、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)は10月までに400名の解雇を計画していると報じられている。国立研究所全体でより深刻な雇用喪失が懸念されていたが、まだそれは発生していないようである。 FYI “National labs see layoffs and voluntary separations” (09/22/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-sept-22-2025
大統領府、量子に関する行政措置を策定中
2名の情報筋の話によれば、大統領府は、連邦政府内で量子技術に焦点を当てた行政措置を策定中であるという。情報筋によれば、今年の初夏以来、量子情報科学・技術及びポスト量子への移行に焦点を当てたおよそ2件の行政措置が現在策定中であるという。また、別の情報筋によれば、1~3件の行政措置が行われる見通しであるという。行政措置の詳細は不明であるが、情報筋によれば、行政措置の中核はポスト量子暗号となる見込みである。2期目のトランプ政権は、量子技術を政権の技術政策計画に取り入れることを優先付けており、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のマイケル・クラツィオス長官(Michael Kratsious)は、大統領府は米国の量子技術イノベーションを人工知能(AI)と同じような型式で進展させていく計画であると述べている。 Nextgov “White House in process of crafting quantum executive action” (09/19/25) https://www.nextgov.com/emerging-tech/2025/09/white-house-process-crafting-quantum-executive-action/408231/?oref=ng-homepage-river
DIUと米海兵隊、プロジェクトGIのフェーズ1に一人称視点プラットフォームを選出
カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトン海兵隊基地で8日間に亘って行なわれた飛行実証を経て、米海兵隊(USMC)評価者は、オーテリオン(Auterion)、モダールAI(ModalAI)、ネロス(Neros)、ノクターナル(Nokturnal)の各社による一人称視点(First Person View: FPV)プラットフォーム及びクラケン・キネティクス社(Kraken Kinetics)によるコンポーネント1件を選出し、プロジェクトG.I.(Project G.I.)のFPV戦術的キネティク(運動力学)効果フェーズ(FPV tactical kinetic effects Phase)から次の段階へと進めることを発表した。選出されたFPVプラットフォーム及びコンポーネントは今後、国防承認法(National Defense Authorization Act)の準拠検証及びサイバーセキュリティ審査を受ける。これらの検証プロセスが今後数か月で完了すると、これらのプラットフォーム及びコンポーネントは、ブルーUASリスト(Blue UAS List)及びブルーUAS枠組(Blue UAS Framework)に追加される。これにより、戦争省(Department of War)が調達・利用できるFPVが倍増し、光ファイバー等、現在は利用が不可能な能力が新たに追加されることが期待されている。 Defense Innovation Unit “DIU, USMC Selects First Person View Platforms for Project G.I. Phase One” (09/18/25) https://www.diu.mil/latest/diu-usmc-selects-first-person-view-platforms-for-project-g-i-phase-one
DIU、ブルーUAS準拠を支援する認定評価者を発表
国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、ブルーUAS(Blue UAS)を進展させる取り組み(5月16日発表)の一環として、国防承認法(National Defense Authorization Act: NDAA)に準拠するドローンのプラットフォーム及び関連部品の評価を実施する第三組織グループ、「認定評価者(Recognized Assessors)」を発表した。今回発表された認定評価者には、ダーク・ウルフ・ソリューションズ社(Dark Wolf Solutions, LLC)等6機関が含まれる。ブルーUAS認定評価者は、ブルーUASイニシアチブの下、無人プラットフォーム及び部品の準拠評価の拡大及び実行を支援し、商業ドローンプラットフォーム及び部品がDIUのブルーリスト(Blue List)に含まれる可能性について、タイムリーかつ確実な評価を実現する。 Defense Innovation Unit “Update: DIU Announces Recognized Assessors to Support Blue UAS NDAA Compliance Certification” (09/19/25) https://www.diu.mil/latest/diu-seeking-recognized-assessors-to-support-blue-uas-ndaa-compliance
NSF、第2回地域イノベーションエンジンコンペで次の段階へ進む15チームを選出
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、地域イノベーションエンジン(NSFエンジン、NSF Regional Innovation Engines: NSF Engine)プログラムで次の段階へ進む15の決勝進出チームを発表した。これらのチームの活動内容は、電力網の安全保障強化や、重要鉱物回収高の最大限化、量子コンピューティングの進展等、重要な技術・応用分野に及ぶ。これらの決勝進出チームの多くは、1年以上に亘って地域同盟の強化に取り組んでおり、大学や非営利組織、民間業界など様々な組織が主導している。約2年前に開始されたNSFエンジンプログラムは、成果を見せ始めた所で、現在までに9件のNSFエンジンへの初期投資1億3,500万ドルに対し、民間業界や慈善団体等から10億ドル以上のマッチング投資が行われ、公的資金投資に約10倍のリターンをもたらしている。現行のNSFエンジンプログラムの最終受賞者の発表は2026年初頭に行われる。 National Science Foundation “NSF selects 15 finalists to advance to the next round of its second Regional Innovation Engines competition” (09/19/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-selects-15-finalists-advance-next-round-its-second
NSFとUKRI(英国)、1,000万ドルの量子化学共同研究活動を開始
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と英国研究・イノベーション(United Kingdome Research and Innovation: UKRI)は、量子コンピューティング、超精密ナビゲーション、セキュアな通信の分野でブレイクスルーの可能性を高める8件の共同研究に投資することを発表した。NSFから4,700万ドル、UKRIの光学・物理科学研究評議会(Engineering and Physical Sciences Research Council)から420万ポンドが拠出される。各プロジェクトにおいて米英の研究者が協力し、十分に解明されていない科学分野(量子情報が化学反応や分子システムにどのように影響するか、その知見をどのように応用できるか等)に取り組む。NSFとUKRIは、本件以外にも、二国間協力を拡大する新たな資金提供機会を発表した。 National Science Foundation “NSF and UKRI launch $10M quantum chemistry collaborative research effort” (09/19/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-ukri-launch-10m-quantum-chemistry-collaborative-research