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その他

米国ソーラープロジェクト、稼働予定計画の遅延が減少  EIA発表

エネルギー情報局(Energy Information Agency: EIA)は11月10日、2025年第3四半期には、計画されている太陽光発電容量の約20%に相当するプロジェクトが稼働計画の遅延を報告しており、この割合は前年同期の25%から減少したと発表した。これらの数値は、予備的月間発電機在庫管理(Preliminary Monthly Electric Generator Inventory)のデータを基に算出されたものである。太陽光発電は、電力機関や独立系電力生産者による大規模な太陽光発電プロジェクトに牽引される形で、米国内の新規発電容量源として急成長している。太陽光発電プロジェクトの稼働計画の遅延は、ここ数か月間で減少傾向にある。2024年には遅延報告件数が比較的多かったにも関わらず、同年におけるソーラー発電容量の追加は過去最大となった。 Energy Information Administration “Fewer U.S. solar projects are reporting delays in their expected online date” (11/10/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=66604

CSIS、法的枠組みの整備を提言 チップ追跡は逆効果  

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)は11月6日、人工知能(AI)覇権維持には、半導体への追跡機能搭載よりも制度的執行力の強化と国際的信頼の獲得が不可欠と発表した。報告書は、トム・コットン上院議員(Tom Cotton、アーカンソー州選出共和党)が提出した「チップ安全保障法(Chip Security Act)」について、チップ追跡は技術的課題が多いことに加え、情報を管理される懸念もあり、むしろ国際市場での信頼を損なうリスクがあると指摘している。過去のクリッパー・チップ(Clipper chip)事件や、最近のエヌビディア社(Nvidia)製チップを巡る中国の反発を教訓とし、過度な規制が同盟国を代替供給源へ向かわせる可能性があるとし、真の対策としてハードウェアへの介入ではなく、産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)の調査能力を拡充した同盟国との情報共有強化を強調した。さらにAI開発の主戦場がクラウドへ移行している現状を踏まえ、物理的規制からクラウドサービスへの監視強化への移行も提言している。 CSIS “The Architecture of AI Leadership: Enforcement, Innovation, and Global Trust” (11/06/25) https://www.csis.org/analysis/architecture-ai-leadership-enforcement-innovation-and-global-trust

DARPAとテキサス州、3D異種チップ集積製造を支援

IEEEスペクトラム誌(IEEE Spectrum)は11月10日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)とテキサス州が総額14億ドル規模を投じ、オースティンに世界初の3次元異種チップ集積(3D heterogeneous integration : 3DHI)に特化したパッケージング工場を建設すると報じた。旧半導体工場のテキサス電子研究所(Texas Institute for Electronics:TIE)を再利用し、シリコン、窒化ガリウムや炭化ケイ素といった異種材料を高精度で積層した2D集積の100倍の性能を持つ先進半導体を製造する。具体的には、位相配列レーダー(phased-array radar)や赤外線イメージング装置、小型電力コンバーターなど幅広い応用展開に向け、新興企業のサンドボックス・セミコンダクター社(Sandbox Semiconductor)の人工知能(AI)を活用し、異なる熱膨張率を持つ材料の精密接続も支援するほか、テキサス大学ダラス校(The University of Texas at Dallas)の熱伝導フィルムやマイクロ流体冷却技術の研究も支援する予定であるという。 IEEE Spectrum “DARPA and Texas Bet $1.4 Billion on a Unique Foundry” (11/10/25) https://spectrum.ieee.org/3d-heterogeneous-integration

大学院への留学生進学、26%減少 ビザ制限と移民政策で

インサイド・ハイヤー・エド社(Inside Higher Ed)は11月6日、9校の大学院を対象にした独自調査で2025年秋に大学院へ進学する留学生が前年比約26%減少したと報じた。ビザ発給の遅延や連邦政府の移民政策の厳格化が要因で、特に修士課程で影響が顕著だった。全米国際教育者協会(National Association of Foreign Student Advisers: NAFSA)は、コンピューターサイエンスを含む科学・技術・工学・数学(Science, Technology, Engineering and Mathematics : STEM)分野の大学院プログラムが特に影響を受けたと指摘し、個別大学ではノースウェスト・ミズーリ州立大学(Northwest Missouri State University)で78%、デポール大学(DePaul University)で63%減、ジョージタウン大学(Georgetown University)も20%減少した。国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)のデータでは修士課程の留学生が2%減少した一方で博士課程は2%増となった。財務影響も深刻でジョージタウン大学(Georgetown University)は学生の収入減少で予算1億ドルを削減した。 IHE “International Graduate Student Enrollment Drops” (11/06/25) https://www.insidehighered.com/news/students/graduate-students-and-postdocs/2025/11/06/international-graduate-student-enrollment

国際学会への参加見合わせが拡大 逮捕や国外追放懸念で

米国の高等教育に関する情報を提供するインサイド・ハイヤー・エド社(Inside Higher Ed)は11月4日、学者らの学会参加見合わせが広がっていると報じた。移民関税執行局(Immigration and Customs Enforcement : ICE)による取り締まりや渡航制限など、人権への懸念が理由で、倫理的抗議に基づく会議ボイコットが相次いでいるという。学者らは、米国の学術界が自国の政治的状況に無頓着で、特に南半球や人種的に差別の対象になりやすい研究者にとってはICEの存在が現実的なリスクであると指摘し、科学的中立性の損なわれた環境では協力できないと説明した。これを受け、国際攻撃性研究学会(International Society for Research on Aggression : ISRA)や北西部認知・記憶学会(Northwest Cognition & Memory conference : NOWCAM)などが2026年の開催地をカナダに変更し、オレゴン州で開催予定だった火山都市会議(Cities on Volcanoes conference)も2030年まで延期した。一方で、若手研究者の間ではキャリア確立の必要性から不参加への葛藤が広がっている。 IHE “Out of Caution or Protest, Foreign Scholars Skip U.S. Conferences” (11/04/25) https://www.insidehighered.com/news/faculty-issues/career-development/2025/11/04/cautious-or-protesting-foreign-scholars-skip-us#

AI活用に期待も支援不足が課題 エルゼビア社調べ

蘭大手出版社のエルゼビア社(Elsevier)は11月4日、世界の研究者の58%が人工知能(AI)ツールを業務で活用する一方、適切な訓練や支援体制の不足が課題となっていることを明らかにした。同社の113カ国の研究者3,200人を対象に実施した「未来の研究者(Researcher of the Future)」調査によると、今後2~3年で研究資金の増加を見込むのは33%(北米9%)で、研究に十分な時間を確保できているのは45%にとどまり、教育や事務作業の負担増加が研究活動を圧迫しているという。AI活用は前年の37%から58%へと急拡大したが、所属機関のAIガバナンス整備を評価する研究者は32%、また適切な訓練を受けたとの回答は27%にとどまった。地域別では中国の研究者の79%がAIによる研究時間の節約効果を認めたのに対し、米国では54%、英国では57%であった。研究者らはAI信頼性向上の要素として、参考文献の自動引用機能(59%)、最新の学術文献を含む訓練データ(55%)、事実の正確性と安全性を重視した訓練(55%)などを挙げている。 PR Newswire “Elsevier’s global survey of 3,000 researchers reveals less than half have time to do research but see AI as transformative if given right tools” (11/04/25) https://www.prnewswire.com/news-releases/elseviers-global-survey-of-3-000-researchers-reveals-less-than-half-have-time-to-do-research-but-see-ai-as-transformative-if-given-right-tools-302603067.html

エネルギー省CIOにダウン・ジマー氏を正式任命

NEXTGOV/FCWは11月7日、エネルギー省(Department of Energy)がダウン・ジマー氏(Dawn Zimmer)を最高情報責任者(Chief Information Officer: CIO)に任命したと報じた。同省ウェブサイトで同氏のCIO就任を確認したという。ジマー氏は2024年11月に同省の副CIOに就任し、大統領移行期間中はCIO代行を務め、その後も暫定的に同職に従事していた。第2期トランプ政権発足以来、同職への任命は3人目で、これまでライアン・リーデル氏(Ryan Riedel)やロス・グレイバー氏(Ross Graber)がCIOを務めたが、いずれも短期間で退任している。同氏はこれまでバージニア工科大学(Virginia Tech)でITエクゼクティブ・ディレクターを務め、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)や司法省(Department of Justice)でも役職などを歴任した。 NEXTGOV/FCW “Energy names its third permanent CIO since the start of Trump 2.0” (11/07/25) https://www.nextgov.com/people/2025/11/energy-names-its-third-permanent-cio-start-trump-20/409418/?oref=ng-home-top-story

テキサス州、30億ドルの認知症研究基金を承認

サイエンス誌(Science)は11月7日、テキサス州の有権者が同州の認知症予防研究所(Dementia Prevention and Research Institute of Texas: DPRIT)へ30億ドルの資金提供を承認したと報じた。同州の認知症患者50万人を支援する取り組みで、アルツハイマー病やパーキンソン病に関する研究に資金を10年間提供する。2009年に開始された癌予防研究所(Cancer Prevention and Research Institute of Texas: CPRIT)支援をモデルにしており、年間予算3億ドルがDPRITに支援されることになった。これを受け、同州の認知症研究者らは研究強化に向けた新たな人材採用を期待しており、特に南テキサスの罹患リスクが高い背景の究明に向け、遺伝・文化・食生活の相互作用を研究するという。また、高リスク集団支援のためのコミュニティセンター設立も視野に入れている。同研究所は、透明性を重視しつつ、医学部を持たない病院を含む幅広い機関が研究に参加できるよう支援していくという。 Science “Dementia researchers cheer Texas voters’ approval of $3 billion funding initiative” (11/07/25) https://www.science.org/content/article/dementia-researchers-cheer-texas-voters-approval-3-billion-funding-initiative

トランプ政権、コーネル大学と和解 6,000万ドルを確保

大統領府は11月7日、トランプ大統領がコーネル大学(Cornell University)と和解し、高等教育における人種差別の撤廃と公正性の回復を確保したと発表した。この合意により、同大学は連邦公民権法(Federal civil rights laws)を遵守し、入学審査や大学プログラムにおける違法な人種差別を終了させる。また連邦政府に対し3,000万ドルの制裁金を3年間の分割払いで支払うとともに、農業従事者に直接利益をもたらす研究プログラムに3,000万ドルを投資する。さらに反ユダヤ主義への対応に向け、年次調査を実施し、合意事項の完全遵守を証明する。今回の和解は、同大学における人種や国籍に基づく差別疑惑、多様性・公平性・包括性(DEI)基準を用いた教員採用、人種的アイデンティティに基づく奨学金制度などへの公的批判を受けて実現した。同政権は、これまでにコロンビア大学(Columbia University)から2億ドル超、ブラウン大学(Brown University)から5,000万ドルを確保し、和解を成立させている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Secures Major Settlement with Cornell University” (11/07/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/11/fact-sheet-president-donald-j-trump-secures-major-settlement-with-cornell-university/

スペースX社、20億ドル規模の衛星開発契約締結へ

ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)は10月31日、イーロン・マスク氏(Elon Musk)が率いるスペースX社(SpaceX)が国防総省(Department of Defense)と20億ドルの衛星開発契約を締結すると報じた。政府のゴールデン・ドーム計画(Golden Dome project)に基づくこの計画は、ミサイルや航空機を追跡できる最大600基の衛星群から成る、空中移動目標追尾(Air moving target indicator)システムの構築を目指すもので、同社は軍事通信を中継する「ミルネット(Milnet)」や地上車両追跡衛星システムなどの衛星ネットワークを率いることになる。既に7月に成立した税制・歳出法案に予算が含まれており、傘下のスターリンク(Starlink)インターネットサービス向けに1万基以上の衛星も打ち上げるなど宇宙軍(Space Force)や国家偵察局(National Reconnaissance Office)と開発を進めていた。一方で、同社による通信運用に懐疑的な声もあり、同省はヨーク・スペース・システムズ社(York Space Systems)などの新規企業の登用も進めている。 The Wall Street Journal “Elon Musk’s SpaceX Set to Win $2 Billion Pentagon Satellite Deal” (10/31/25) https://www.wsj.com/politics/national-security/elon-musks-spacex-set-to-win-2-billion-pentagon-satellite-deal-c0a51325