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エネルギー省、ゼロエミッション建築をめぐる国の定義を撤回

エネルギー省(Department of Energy)は12月3日、傘下の重要鉱物・エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation)がゼロエミッション建築における国の定義(National Definition of a Zero Emissions Building)を撤回したと発表した。開発事業者や投資家、建物所有者に対し法的効力のない連邦ガイダンスへの遵守圧力を取り除くことで、コスト低減と選択の自由の拡大を図る。2024年6月に公表されたガイダンスは、エネルギー効率や現地での排出量、そしてクリーン電源からの消費に関する任意基準を示し、実務上の参照点として扱われてきた経緯がある。そこで同局は「1億3,000万棟が関わるエネルギーシステムの相互作用を、国のガイダンスで複雑にすべきではない」とし、今後定義を使用しないと明言した。これに伴い、同省は州・地方政府機関や標準設定機関にも同様の対応を推奨し、定義については同省のウェブサイトや情報資料から削除し、当該定義に関する技術支援の提供も終了する。 Department of Energy “Energy Department Rescinds National Definition of “Zero Emissions” Buildings” (12/03/25) https://www.energy.gov/eere/articles/energy-department-rescinds-national-definition-zero-emissions-buildings

エネルギー省、先進軽水炉型SMR導入を支援

エネルギー省(Department of Energy)は12月2日、テネシー川流域開発公社社(Tennessee Valley Authority: TVA)とホルテック・ガバメント・サービス社(Holtec Government Services)に対し、最大8億ドルの連邦資金を投入して先進的な軽水炉型小型モジュール炉(SMR)を導入すると発表した。国内供給網強化に向け、2030年代初頭までの新規原子力発電導入、両社にそれぞれ4億ドルを充当する。これを受け、TVA社は日立GEベルノバ社(GE Vernova Hitachi)の小型軽水炉「BWRX-300」をテネシー州クリンチリバーの原子力施設へ導入するほか、インディアナ・ミシガン・パワー社(Indiana Michigan Power)やエレメンテル社(Elementl)による追加ユニットも導入する。ホルテック社はミシガン州パリセーズ原子力発電所(Palisades Nuclear Generating Station)に「SMR-300」を2基設置し、現代建設(Hyundai Engineering & Construction)などと協業する。政府は3月の9億ドル公募に続き、残り1億ドルを年末に追加配分し、設計・許認可・供給網の障壁を解消する。 Department of Energy “Energy Department Selects TVA and Holtec to Advance Deployment of U.S. Small Modular Reactors” (12/02/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-selects-tva-and-holtec-advance-deployment-us-small-modular-reactors

トランプ大統領、燃費規制の新基準を発表

大統領府は12月3日、トランプ大統領がバイデン前政権に設定された企業平均燃費基準(Corporate Average Fuel Economy: CAFE)を撤回し、新たな法的基準を設けると発表した。ガソリン・ディーゼル車の排ガス基準を見直すもので、この決定により今後5年間で総額1,090億ドルの節約が可能となると説明している。前政権の厳しい基準が事実上の電気自動車(EV)規制であったとし、特にガソリン車技術においては達成が不可能で、EVシフト加速、ひいては新車価格を約1,000ドル押し上げる結果となったという。政府は6月にカリフォルニア州のEV義務化を終了し、7月にはCAFE違反罰金をゼロとする労働者家族税制削減法(Working Families Tax Cuts Act)を成立させている。また環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)による2009年の危険認定(Endangerment Findings)撤回提案など、自動車産業を守る一連の取り組みを強化している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Announces the Reset of Corporate Average Fuel Economy (CAFE) Standards” (12/03/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/12/fact-sheet-president-donald-j-trump-announces-the-reset-of-corporate-average-fuel-economy-cafe-standards/

ダリオ・ギル・エネルギー次官、ジェネシス・ミッション部長に就任

HPCワイヤー(HPC Wire)は12月1日、エネルギー省(Department of Energy)の科学担当次官(Under Secretary for Science)で新たにジェネシス・ミッション部長(Director of the Genesis Mission)に任命されたダリオ・ギル氏(Dario Gil)が、同省及び国立研究所の関係者に宛てた書簡を発表した。同氏は書簡の中で、自身の経歴や、人工知能(AI)・量子・高性能コンピュータの進展における省の位置付け、今後十年間に科学的発見を加速させるために必要な国家的調整について述べた後、ジェネシス・ミッションの枠組みについて概説している。ギル氏は、「ジェネシス・ミッションは、エネルギー省傘下の17の国立研究所、産業、学術機関を総動員して、世界最高のスパコンやAIシステム、次世代量子コンピュータを国内で最も精巧な科学的設備と結び付ける統合的な科学・安全保障プラットフォームを構築する」とした上で、「我々は大幅な緊迫感を持って行動する。この緊迫感は、コンピュータ革命の速度とペース、そして最も強敵な競争相手で敵対者である中国の科学技術力と投資を真剣に受け止めなくてはならないという認識によって突き動かされている。これは、我々が勝たなくてはいけない競争であり、我々は勝利する」としている。 HPC Wire “DOE’s Darío Gil Details Priorities for the Genesis Mission and the Future of Scientific Computing” (12/1/25) DOE’s Darío Gil Details Priorities for the Genesis Mission and the Future of Scientific Computing

宇宙軍、宇宙配備型迎撃兵器(SBI)のプロトタイプ公募へ

宇宙システム司令部(Space Systems Command: SSC)が最近発表した公募前通知によれば、宇宙軍(Space Force)は12月初旬に、運動エネルギー方式で中間段階にあるミサイルを破壊する宇宙配備型迎撃兵器(space-based interceptors: SBIs)の公募を行う計画である。通知によれば、宇宙軍は、プロトタイプ作成に固定費用型の代替契約(Other Transaction Agreement)を複数締結する見通しで、2026年2月に契約を行う意向である。SBIは、米国本土への敵対的な攻撃から防御するミサイル防衛シールドを開発・構築するというトランプ大統領のゴールデンドーム(Golden Dome)イニシアチブの下で主要な能力の一つである。また、SSCは今後、賞金コンペを取り入れる可能性もあるという。 Defense Scoop “Space Force set to release solicitation for prototypes of space-based interceptors” (11/24/25) Space Force set to release solicitation for prototypes of space-based interceptors

上院議員、ISS後の米宇宙研究所の新設を要請

民主・共和両党の連邦上院議員が、中国との次なる宇宙競争で米国が主導権を握るための備えとして、国立宇宙研究所(National Institute for Space Research)の新設を主張している。この研究所は、新たに提出された「宇宙RACE法案(Space Research And Continuing Exploration (RACE) Act)」の中で提示されているもので、国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)が2030年に運用終了後、後継となる民間宇宙ステーションでの国家的研究を調整する役割を担うものとなる。元宇宙飛行士のマーク・ケリー上院議員(Mark Kelly, アリゾナ州選出民主党)は、「中国の天宮宇宙ステーション(Tiangong space station)がISS運用終了後の多国間研究を引き継ぐ可能性を削減するためにも、新たな研究所が必要である」と主張している。 Space.com “China’s rising influence in space prompts Senate to call for new US research institute in post-ISS era” (11/24/25) https://www.space.com/space-exploration/chinas-rising-influence-in-space-prompts-senate-to-call-for-new-us-research-institute-in-post-iss-era

NSCEB、米国科学の未来構想に関する討議文書を発表

新興バイオテクノロジーに関する国家安全保障委員会(National Security Commission on Emerging Biotechnology: NSCEB)は11月25日、「科学の未来:米国イノベーション加速のためのプレイブック(The Future of Science: A Playbook for Accelerating American Innovation)」と題する討議文書を発表した。NSCEBは今年4月に主要報告及び議会への行動計画(Action Plan for Congress)を発表しており、本文書はこれに続いて今後発表していく分析シリーズの第一弾となるものである。討議文書は、①連邦政府を科学技術のより良いパートナーにする、②自動化された科学的発見の実現、③米国全体における科学の促進、という3つの観点から、米国の科学事業を進展させる手法について論じている。 NSCEB “New NSCEB Paper Envisions the Future of Science, Modernizing the U.S. Scientific Enterprise” (11/25/25) New NSCEB Paper Envisions the Future of Science, Modernizing the U.S. Scientific Enterprise

ノースウェスタン大学、連邦研究資金の復活に7,500万ドル支払い

ノースウェスタン大学(Northwestern University)は11月28日、4月以来凍結されている少なくとも7億9,000万ドルの連邦研究資金の復活を目的として、トランプ政権との合意文書に署名した。同大学は、今後3年間に7,500万ドルを連邦政府へ支払う他、匿名化した大学入学データの政府への提供、人種や肌の色などに基づく個人への優遇の廃止、外国からの寄付や契約に関する報告義務の順守継続に合意した。引き換えに、政府はノースウェスタン大学による連邦資金受給への申請について正当に検討することに同意した。また、同大学の反差別法順守状況に関して継続中であった調査を全て終了する。本合意の期限は2028年末となっている。 AIP “Northwestern agrees to pay $75 million to restore federal research funding” (12/1/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-dec-1-2025

科学技術政策局、科学研究加速に向けた政策立案で意見公募を開始

11月26日、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は、国の科学技術エコシステムを強化し、研究成果の社会実装を加速させるための連邦政策更新に向けて、広く情報提供を求める通知を連邦官報(Federal Register)において発表した。激化する国際競争やAI技術の急速な進展を背景に、資金提供メカニズムの改善や規制障壁の撤廃、地域革新の創出などにおける官民連携の新たなモデルや、基礎研究から市場化への移行プロセス及びリスクの高い革新的研究を支援する仕組みについて検討するため、2025年12月26日午後11時59分(東部標準時)まで意見を募集する。具体的には、メタサイエンス(Metascience、科学研究のプロセスを科学的な手法で研究する学問)の知見に基づいた科学的生産性の最大化や研究成果の実用化促進、また、官民、大学と地域企業、科学者と技術労働者といった多層的な連携強化策に加え、研究者の法令遵守負担を最小限に抑えた技術保護も焦点となっている。なお、集約された情報は行政部門の戦略策定に反映される予定である。 Federal Register “Notice of Request for Information; Accelerating the American Scientific Enterprise” (11/26/25) https://www.federalregister.gov/documents/2025/11/26/2025-21150/notice-of-request-for-information-accelerating-the-american-scientific-enterprise 参照記事:AIP “OSTP seeks input on accelerating science” (12/01/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-dec-1-2025

上院共和党、エネルギー省予算案を公表 インフラ資金活用で削減緩和

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は12月1日、上院共和党が2026年度のエネルギー省(Department of Energy)向け歳出法案を公表したと伝えた。同法案は、エネルギー研究開発プログラムの基本予算を削減する一方、2021年のインフラ投資・雇用法(Infrastructure Investment and Jobs Act)を通じて計上した未使用資金を再利用することで、その影響を緩和する内容となっている。具体的には、前年比3%減の80億ドルとなる科学局(Office of Science)の基本予算に対し、インフラ資金2億5,000万ドルを移管することで実質的な削減を相殺する仕組みとなっている。同法案は通常夏に発表されているが、ジョン・ケネディ上院議員(John Kennedy、ルイジアナ州選出共和党)が歳出削減に強く主張したため、発表が遅れた。歳出委員会の民主党トップであるパティ・マレー上院議員(Patty Murray、ワシントン州選出)は法案を党派的と批判しつつも、同局予算が確保された点を評価した。法案には、計画していた研究機関への間接経費率の上限設定を阻止する条項も盛り込まれている。 AIP “Senate releases DOE funding proposals after long delay” (12/01/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-dec-1-2025