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その他

エネルギー省、高純度低濃縮ウラン(HALEU)輸送容器の開発に1,100万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は12月8日、高純度低濃縮ウラン(high-assay low-enriched uranium: HALEU)の新規または改良版の輸送容器の開発及びを原子力規制員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)による認可取得を目的として、米企業5社に1,100万ドルの助成金を発表した。資金は、業界主導で行われる輸送容器の設計、改良、NRCの認可取得を支援する。これらは、国内の原子炉開発業者により適した長期的かつ経済的なHALEU輸送能力を確立し、米国の原子力供給網を強化する一助となると期待されている。今回、認可取得が可能な新たな容器設計の開発に4社(プロジェクト期間は最長3年)、NRCの認証取得を目的とした既存の容器設計の改良に1社(同2年)が選出された。 Department of Energy “Energy Department Announces $11 Million in Awards to Develop HALEU Transportation Packages” (12/8/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-11-million-awards-develop-haleu-transportation-packages

トランプ政権、H-1Bビザ審査で「検閲」関与者を排除へ

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は12月6日、トランプ政権がソーシャルメディアの投稿管理に関与する技術者のH-1Bビザ取得を制限する新たな指針を発表したと報じた。これを受け国務省(Department of State)は、米国人への検閲業務を行う同ビザ申請者への審査強化を在外公館に指示した。審査では、履歴書やリンクトイン(LinkedIn)のプロフィールを確認し、誤情報対策、事実確認、投稿監視業務、信頼・安全部門での職歴を調査する。トランプ大統領は主要プラットフォームから自身のアカウントを停止された経験から、オンラインでの投稿管理を「言論の自由への脅威」と批判してきたことが背景にあるが、スタンフォード大学のイブリン・ドウエク准教授(Evelyn Douek)は「政権の望む形でIT企業に監視業務を行わせるための圧力手段」と指摘している。同ビザは年間約6万5,000件が発給され、アマゾン社(Amazon)やグーグル社(Google)、メタ社(Meta)などの大手IT企業が利用しており、インドからの出身者が大勢を占めているという。 The Wasington Post “Tech workers face new H1-B scrutiny as Trump targets ‘censorship’” (12/06/25) https://www.washingtonpost.com/business/2025/12/06/trump-censorship-h1b-visas/

トランプ大統領、エヌビディア社の対中AI半導体輸出を許可

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は12月8日、トランプ大統領がエヌビディア社(Nvidia)に対し、高性能人工知能(AI)半導体「H200」の中国向け輸出を許可したと報じた。最先端の「ブラックウェル(Blackwell)」や未発売の「ルービン(Rubin)」は輸出対象から除外される。トランプ大統領は自身のソーシャルメディアへ「承認された顧客」への販売を認め、売上の25%を米国が徴収すると投稿、エヌビディア社のジェンスン・ファンCEO(Jensen Huang)による輸出規制緩和に向けたトランプ政権への積極的なロビー活動が奏功した形となった。これにより、技術流出を懸念し、輸出規制を強化したバイデン前政権の方針から大きく転換することになり、超党派議員からは懸念の声が上がっている。一方、財務公開文書によると、トランプ大統領による同社株の保有が昨年末時点で61万5,000ドルから130万ドル相当を保有していることが明らかになった。大統領は、同CEOの国への貢献を評価し、「素晴らしい人物」と称賛している。 The Wasington Post “Trump says Nvidia can sell more advanced AI chips to China” (12/09/25) https://www.washingtonpost.com/technology/2025/12/09/nvidia-trump-china-h200/

フェルミ研、新研究棟「ヘレン・エドワーズ工学研究センター」で落成式

フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory: Fermilab)は12月5日、新たな最先端研究棟「ヘレン・エドワーズ工学研究センター(Helen Edwards Engineering Research Center)」の落成式を行ったと発表した。2022年に完成した新研究棟は、同研究所のウィルソン・ホール(Wilson Hall)に隣接し、深部地下ニュートリノ実験(Deep Underground Neutrino Experiment: DUNE)などの最先端研究を推進する8万平方フィートの実験室・オフィス棟で、テバトロン(Tevatron)の設計・運用に携わり、1995年にトップクォーク(最も重い素粒子)、2000年にタウニュートリノ(第3世代のニュートリノ)を発見した加速器物理学者のヘレン・エドワーズ氏の名にちなんで名付けられた。同研究所のキム暫定所長(Young-Kee Kim)は、「先見の名を持つエドワード氏の功績が、素粒子物理学における今日の米国のリーダーシップにつながっている」と同氏のこれまでの功績を称えている。 Fermilab “Fermilab dedicates new state-of-the-art building honoring scientist Helen Edwards” (12/05/25) Fermilab dedicates new state-of-the-art building honoring scientist Helen Edwards

ネクステラ社、データセンター向け電力ハブを大規模展開へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は12月9日、電力大手ネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)が2035年までに最大30ギガワット(GW)のデータセンター向け電力供給ハブを開発すると報じた。ガス火力発電を中心とした全米11州における約20GWの発電事業の一環で、ベイシン・エレクトリック・パワー・コーポラティブ社(Basin Electric Power Cooperative)と共同し、ノースダコタ州における1.45GW規模のガス複合発電所の開発も検討、地域送電機関のサウスウエスト・パワープール(Southwest Power Pool)に系統連系に関する調査を申請している。これに先立ち、7月にガス生産会社のコムストック・リソーシズ社(Comstock Resources)とも提携し、テキサス州中部で最大約8GWのガス火力発電所建設を計画していることに加え、エナジー・キャピタル・パートナー社(Energy Capital Partners)傘下の天然ガス供給会社、シンメトリー・エナジー・ソリューションズ社(Symmetry Energy Solutions)との買収にも合意し、天然ガス供給網強化を急いでいる。 Utility Dive “NextEra aims to build up to 30 GW in data center power supply hubs by 2035” (12/09/25) https://www.utilitydive.com/news/nextera-basin-electric-data-center/807405/

クリーンエネルギー購入契約、過去最高の20.4GW

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は12月9日、2025年1−9月の大口需要家のクリーンエネルギー購入契約が約20.4ギガワット(GW)に達したと報じた。クリーンエネルギー購入者協会(Clean Energy Buyers Association: CEBA)の調べによると、うち3.4GWは「クリーン・ファーム(clean firm)」によるもので、クリーンエネルギーの大規模需要家はこの技術への関心を高めている。電力需要の急増により、一部地域で大口需要家に対し消費電力を自己供給する規制の導入が検討されていることが背景にあり、CEBAは送配電網の強化などの課題解決に取り組む姿勢を示しているが、クリーンエネルギー購入契約は過去最高を更新する勢いという。そこで、水力、地熱、原子力、長期エネルギー貯蔵、CO2回収・貯留機能を備えた火力発電などで構成されたクリーン・ファームは、低コストかつ信頼性が高く、排出量ゼロで、需要に応じ安定した電力供給が可能であることから、注目が集まっていると記事は伝えている。 Utility Dive “Corporate buyers contracted for 20.4 GW of ‘clean’ energy so far this year: CEBA” (12/09/25) https://www.utilitydive.com/news/ceba-clean-energy-corporate-procurement/807392/

政府、科学・医療助成を大幅削減 多様性・若手支援に打撃

ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)は11月26日、トランプ政権が科学・医学分野への助成を大幅に削減したことで、多様性関連研究や若手科学者への支援が著しく減少していると報じた。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の両機関における2025年度助成は、前年比でそれぞれ22%、25%減少しており、NIHは複数年分の一括支払いなどで研究継続に対応するものの、研究の数と期間が共に短縮される結果を招いているという。また、助成削減により、がんや糖尿病、精神衛生といった幅広い分野で数千ものプロジェクトが資金を得られない事態に陥っており、特に多様性・公平性・包摂(DEI)に関連する研究への助成金は大幅に削減され、NSFの大学院生研究フェローシップも約3割減少した。この状況について、NIH・NSF関係者は「助成金の質の評価が困難になっている」「近視眼的で後退的な変更」と批判しており、米国が科学的リーダーシップを失う可能性を警告している。 The New York Times “The U.S. Is Funding Fewer Grants in Every Area of Science and Medicine” (11/26/25) https://www.nytimes.com/interactive/2025/12/02/upshot/trump-science-funding-cuts.html

科学技術分野97人の上院人事を刷新へ

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は12月8日、上院が科学技術分野97人の大統領指名人事の承認に向けた討議を進めていることを伝えた。これには、国防総省(Department of Defense)の研究開発担当副次官補や科学技術担当次官補ポストに加え、国務省(Department of State)の軍備管理・核不拡散・安定担当次官補ほか、国土安全保障省(Department of Homeland Security)の科学技術担当次官補、商務省(Department of Commerce)の海洋大気担当次官補ポストなどである。共和党は今年初めに複数の人事案を同時採決できるように上院の規則を改正し、民主党による承認遅延への対抗策を打ち出している。また、上院商業科学運輸委員会は8日、ジャレッド・アイザックマン氏(Jared Isaacman)の航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)長官指名採決を行っており、テッド・クルーズ委員長(Ted Cruz、テキサス州選出共和党)は年末までに議会本会議での承認を得たいとしている。 AIP “New batch of S&T nominees teed up” (12/08/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-dec-8-2025

米国、宇宙作戦で同盟国と連携 

国防総省(Department of Defense)は12月5日、10カ国による宇宙作戦連携イニシアティブ(Combined Space Operations: CSpO Initiative)の首脳会合が仏宇宙司令部(French Space Command)新本部で開催されたと発表した。宇宙での脅威に対抗するため、統合的な能力構築を急務とするもので、オーストラリアやカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ニュージーランド、ノルウェー、英国などの同盟国と連携する。具体的には、増加する軌道上の脅威や宇宙ビジネスへのアクセス確保に向け、各国の作戦の統合化と訓練の共通化を急ぐもので、米国代表団は、「地上の自由と権利を守るのと同様に、宇宙での利益も確保する」と宣言した。各国は責任ある宇宙利用を推進しながら、紛争抑止と敵の排除に向けた体制整備を急ぐ構えである。 Department of War “United States Defends Space Interests in Partnership with Allies: CSpO Initiative to Advance Coalition Spacepower” (12/05/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4351515/united-states-defends-space-interests-in-partnership-with-allies-cspo-initiativ/

サンディア国立研究所 革新的スパコン「スペクトラ」の運用開始

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)は12月8日、次世代コンピュータ構造設計の実証に向け、新型スパコン「スペクトラ(Spectra)」の運用を開始したと発表した。イスラエルのネクストシリコン社(NextSilicon)と共同開発した同スパコンは、通常のCPUやGPUと異なり、リアルタイムでタスク優先度を判断する専用チップ「マーベリック2(Maverick-2)」128個を搭載し、従来比で最大10倍の性能向上と消費電力を半減する設計となっている。この取り組みは、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の「先進シミュレーション・コンピューティング・プログラム(Advanced Simulation and Computing: ASC)」の一環で、より効率的で適応的な計算構造設計の可能性を探ることを目指すものである。同研究所はこれまでも核兵器の信頼性評価に必要な流体力学シミュレーションなどの実行効率を検証し、2018年にはアーム社(Arm)基盤の世界最速のスパコン「アストラ(Astra)」の導入で成功している。 Sandia National Laboratories “Not the largest supercomputer, but maybe the most interesting ” (12/08/25) https://newsreleases.sandia.gov/not-the-largest-supercomputer-but-maybe-the-most-interesting/