Category:その他
ゴールデンドーム、発表から1年経過も進展なし
ポリティコ誌(Politico)は2月2日、トランプ大統領が掲げるミサイル防衛システム構築計画「ゴールデンドーム(Golden Dome)」が、発表から1年が経過したにもかかわらず、具体的な進展が見られていないと報じた。大統領は3年以内に国土を守るミサイル防衛シールドを構築すると公約していたが、国防総省(Department of Defense)はセンサーや迎撃ミサイルの広範なネットワーク展開を開始していない。議会が昨年夏の予算調整法で承認した230億ドルの予算も大統領府からの最終承認が得られず、防衛業界も本格的な作業に着手できずにいるという。宇宙軍は2028年に宇宙での迎撃ミサイルテスト実施を計画しているが、技術的・論理的なハードルは高く、一部では「プロジェクト全体が危機にある」と指摘する声が上がっていることに加え、カナダやグリーンランドといった主要同盟国からの協力も貿易戦争の影響で停滞しており、計画実現への道筋は不透明な状況が続いていると記事は伝えている。 Politico “Trump’s Golden Dome, a year in, is struggling to take shape” (02/02/26) https://www.politico.com/news/2026/02/02/trump-golden-dome-missile-defense-00759943
独シーメンス・エナジー社、10億ドル投資 AI需要で施設拡張
ニューヨーク・タイムズ紙(New York Times)は2月3日、独シーメンス・エナジー社(Siemens Energy)が人工知能(AI)ブームによる電力需要の長期継続を見込み、米国に10億ドル規模の電気設備製造施設の拡張・新設に資金を投入すると発表したと報じた。同社は「AIモデルの訓練には電力が必要で、その需要は継続する」とし、データセンター建設ラッシュに伴う電力インフラ需要の高まりに対応する構えを示した。主にフロリダ州やノースカロライナ州など複数州の既存工場拡張と、ミシシッピ州での配電盤製造新工場建設に充てられ、約1,500人の雇用創出を見込んでいる。電力設備への需要急増により、変圧器から天然ガスを電気に変えるために必要な巨大タービンまで、発電から送電するための部品は需要が非常に高く、納期も数年に及ぶ中、同社株価は過去1年で160%以上上昇した。同社はまた、2020年代末まで天然ガスタービンの需要も堅調に推移すると予測し、米国への本格参入を加速させている。 New York Times “Siemens Energy Bets $1 Billion That A.I. Power Demand Will Last” (02/03/26) https://www.nytimes.com/2026/02/03/business/energy-environment/siemens-energy-ai-power-demand.html
ロッキード・マーティンと富士通、軍民両用技術開発で提携強化
HPCワイヤー(HPCwire)は2月2日、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)と富士通(Fujitsu Limited)が軍民両用(デュアルユース)技術の開発加速に向けた新たな覚書(MOU)に署名したと報じた。今回の連携は、ロッキード社が2025年5月に富士通をSPY-7サブアレイスイート電源供給装置のサプライヤーに選定した契約を拡張するもので、日本の防衛産業基盤強化に向けた戦略的協力関係構築に向けた取り組みとなっている。両社は統合システムの専門知識と世界最先端の技術・商用規模を活用し、量子コンピューティング、高度センシングとリアルタイムデータ融合によるエッジコンピューティング、人工知能・機械学習(AI/ML)、先進マイクロエレクトロニクス、マルチドメイン次世代ネットワークソリューションの技術基盤強化を目指していくという。 HPCwire “Lockheed Martin and Fujitsu to Accelerate Dual-Use Tech Development” (02/02/26) Lockheed Martin and Fujitsu to Accelerate Dual-Use Tech Development
トランプ政権、風力・太陽光予算2億5,000万ドルを承認
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は1月23日、エネルギー省(Department of Energy)の風力・太陽光発電プログラムへ3億2,000万ドルを拠出する歳出法案をトランプ大統領が承認したと報じた。当初、これらのプログラムへの予算をゼロとする要求であったが、これによりエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)全体の予算は31億ドルとなり、太陽光発電予算は前年の4,190万ドルから2億2,000万ドルに、風力発電予算は2,980万ドルから1億ドルに増額されることとなった。トランプ政権は昨年11月にEEREを廃止する組織改編案を発表し、組織図にも記載されなくなったが、具体的な廃止への動きはまだ取られていないという。また今回の動きについて、記事は、議会が予算編成権を行使して政権に対抗した一例とも分析している。さらに議会報告書には、この法案に関して政府の優先事項を実現していないなどの理由で政府が交付金を打ち切ったり再交渉したりすることができないとも記された。 Utility Dive “Trump signs bill increasing DOE’s wind and solar spending by $250M” (01/23/26) https://www.utilitydive.com/news/department-energy-appropriations-solar-wind-trump/810278/
トランプ氏、ハーバード大学に10億ドル要求 NYタイムズ報道に反発
アース・テクニカ(Ars Technica)は2月4日、トランプ大統領がハーバード大学(Harvard University)に10億ドルの支払いを求める意向であると報じた。ニューヨーク・タイムズ紙(New York Times)による政府が同大学との最終交渉において支払い請求を撤回したという報道に反発したもので、大統領は同日、トゥルース・ソーシャル(Truth Social)で報道を「完全に間違っている」と批判した。同紙が「月刊コラムのように“和解間近”と繰り返し報道」し、「政権は裁判敗訴後も同大学に支払い請求をちらつかせた」と報じたと指摘し、これに乗じる形で今回の請求に至ったとみられると記事は伝えている。大統領は反ユダヤ主義が横行したと主張して同大学への研究資金22億ドルを凍結し、将来的な資金交付も停止するとし、雇用や入学選抜への介入を要求していた。これに抵抗した同大学は訴訟に勝利し資金を回復したが、今回の政府の動きについて法廷で追及する材料を同大学へ提供する形になった可能性が高いと記事は伝えている。 Ars Technica “Upset at reports that he’d given up, Trump now wants $1B from Harvard” (02/04/26) https://arstechnica.com/tech-policy/2026/02/upset-at-reports-that-hed-given-up-trump-now-wants-1b-from-harvard/
国防総省、一方向攻撃ドローン飛行評価に25社を選出
国防総省(Department of Defense)は2月3日、低コストかつ一方向攻撃ドローンの迅速配備を目指すドローン優位性プログラム(Drone Dominance Program: DDP)のフェーズIに参加する25社を選出した。2月18日から「ガウントレット(Gauntlet)」と呼ばれる飛行評価をフォート・ベニングで開始し、3月上旬に約1億5,000万ドルのプロトタイプ発注を行う計画で、納入についてはその後5ヶ月間で行う。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は昨年7月の覚書で「ドローン覇権はプロセス競争であり、官僚的な手続きを排除して即戦力ドローンを大量調達する」と強調しており、ユニット価格を低下させつつ生産量を増大し、運用能力を向上させる全4フェーズに亘る同プログラムに対し総額11億ドルを投じている。また2027年までに数十万機の同ドローンを戦闘配備する計画で、国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)などが実行を担うとし、戦闘員を評価の中心に据え、数カ月単位の競争サイクルを実現していく意向を示している。 Department of Defense “War Department Announces Vendors Invited to Compete in Phase I of the Drone Dominance Program” (02/03/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4396462/war-department-announces-vendors-invited-to-compete-in-phase-i-of-the-drone-dom/
エネルギー省、送電容量拡大へ250万ドル投資
エネルギー省(Department of Energy)は2月3日、送電網の容量拡大と信頼性向上及び電力コスト低減加速に向け、総額250万ドルを投じる「送電加速助成(Transmission Acceleration Grants: TAG)」プログラムの支援対象を決定したと発表した。既存インフラを最大限に活用し、供給能力の強化を図ることが目的で、革新的な代替送電技術を用いて広域的な電力融通の枠組みを構築するジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)と、データセンター需要急増に対応するための設備更新調査を実施するペンシルベニア州公共事業委員会(Pennsylvania Public Utility Commission)を選出した。電力局(Office of Electricity)は電力の信頼性と手頃な価格設定が将来の国家競争力を左右すると強調しており、同プログラムの運営会社であるテックワークス社(TechWerx)を通じ、平均4年かかる連邦政府の認可プロセスの改革や地域の送電計画策定を強力に支援していく方針であるという。 Department of Energy “Energy Department Awards $2.5M to Accelerate Transmission, Lower Energy Costs, and Maintain a Reliable and Resilient Grid” (02/03/26) https://www.energy.gov/oe/articles/energy-department-awards-25m-accelerate-transmission-lower-energy-costs-and-maintain-0
トランプ政権、120億ドル規模の重要鉱物戦略備蓄計画を発表
アクシオス(Axios)は2月3日、トランプ政権が中国への依存軽減を目的とした120億ドル規模の重要鉱物戦略備蓄計画を発表したと報じた。「ボールト計画(Project Vault)」と呼ばれるこの官民連携備蓄事業は、全米各地に重要原材料を貯蔵し、市場混乱時でも製造業者が安定的にアクセスできる仕組みを構築するもので、これに伴い、輸出入銀行(Export-Import Bank)が最大100億ドルの融資を提供する。これは同銀行にとって過去最大の融資額で、民間も16億7,000万ドルを拠出する。計画にはボーイング社(Boeing)、GEベルノバ社(GE Vernova)、電池メーカーのクラリオス社(Clarios)などが参加の意向を示していることに加え、ゼネラルモーターズ社(GM)、ステランティス社(Stellantis)、グーグル社(Google)も関心を示しているという。これに先立ち、備蓄認可に向けた超党派の立法計画が1月に提出されるなどの動きも活発化しており、国務省(Department of State)も4日、多国間協調に向けた重要鉱物サミットを開催する予定である。 Axios “What to watch in new Trump $12 billion critical-minerals plan” (02/03/26) https://www.axios.com/2026/02/03/trump-minerals-plan-project-vault
トランプ政権、オフショア風力発電プロジェクトの停止を巡る5件の訴訟で全敗
内務省(Department of the Interior)が昨年12月にオフショア風力発電プロジェクトの建設中止命令を発表した件で、対象となった5件のオフショア風力発電プロジェクトは連邦政府を提訴した。これまでに、コースタル・バージニア・オフショア・ウィンド(Coastal Virginia Offshore Wind、2.6GW)、ビンヤード・ウィンド1(Vineyard Wind 1、800MW)、レボルーション・ウィンド(Revolution Wind、700MW)、エンパイア・ウィンド(Empire Wind、2GW)の4件のプロジェクトが、連邦地方裁判所で一時差止を獲得しており、2月2日には、5件目(かつ最後)のプロジェクトであるオルステッド・サンライズ・ウィンド( Ørsted’s Sunrise Wind、924MW)について一時差止の判決が下された。これら5社は法廷で、「連邦政府はオフショア風力発電建設を凍結する理由として挙げた国家安全保障のリスクに関する情報を明らかにしようとしない」と主張した。天然資源防衛評議会(Natural Resources Defense Council)は、今回の判決を称賛しつつ、「一時差止は一時的な解決策であり、問題が解決したわけではない」と発表している。 Utility Dive “Trump administration is now 0-5 in latest effort to halt offshore wind” (02/03/26) https://www.utilitydive.com/news/trump-burgum-offshore-wind-orsted-sunrise-wind/811178/
エネルギー省電力局、「ビヨンド・ザ・メーター・プライズ」を再開
エネルギー省(Department of Energy)電力局(Office of Electricity)は2月3日、「ビヨンド・ザ・メーター・プライズ(Beyond the Meter Prize)」コンペの再開を発表した。本件は、需要者側のエネルギー貯蔵システムの統合を競うコンペで、次世代のエネルギー貯蔵活用型ソリューションの開発を育成すると共に、効率的で手頃な費用のエネルギー未来への道を開くものとなる。コンペでは、340万ドルに拡大された賞金と、国立研究所との共同作業に利用可能な80万ドル相当のバウチャーが提供される。異なる事業体によって設計された消費者向けエネルギー資源の統合及び調整には、高費用と複雑な工学が伴い、これらの資産を共に最適化し、その潜在的な恩恵を最大限化するための機会を失うことにもつながりかねない。本プライズは、ビハインド・ザ・メーター周辺の技術とその他の資源の統合と相互運用を通じて手頃な価格性を強化する革新的なソリューションを模索する。 Department of Energy “DOE’s Office of Electricity Reopens Beyond the Meter Prize with New Goals, Larger Prize Pool” (02/03/26) https://www.energy.gov/oe/articles/does-office-electricity-reopens-beyond-meter-prize-new-goals-larger-prize-pool 参照:American-Made Program “Beyond the Meter: Energy Storage Integration Prize” https://www.herox.com/beyondthemeter