Category:その他
エネルギー省、重要鉱物供給網強化へ6,900万ドルを拠出
エネルギー省(Department of Energy)傘下の重要鉱物・エネルギー革新局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)と炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)は4月7日、国内の重要鉱物及び素材の生産・精製技術向上に向け、最大6,900万ドルの助成を行うと発表した。重要鉱物・材料アクセラレータープログラム(Critical Minerals and Materials Accelerator Program)の一環で、供給網における技術的障害を克服し、国内供給の安定化を図る。主にベンチスケール(工場生産までの試作スケール)から商業化へと技術の橋渡しを目指す産学官連携プロジェクトを対象としており、レアアースなどの生産効率向上、ガリウムやゲルマニウム、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)などの精製・合金化プロセスや、低コストなリチウム直接抽出技術の3分野を重点的に支援する。詳細に関しては16日にウェビナーを開催する予定で、意向表明書の提出締め切りは21日午後5時(東部時間)である。 Department of Energy “Energy Department Issues Funding Opportunity to Strengthen American Critical Minerals and Materials Supply Chain” (04/07/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/energy-department-issues-funding-opportunity-strengthen-american-critical-minerals
原子力エネルギー局、人材育成に約5,000万ドルを助成
エネルギー省(Department of Energy)傘下の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は4月7日、次世代の原子力エネルギー人材を育成し、安全基準の向上を図るため、大学主導の10プロジェクトに対し総額4,970万ドルを超える拠出すると発表した。ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)による地域社会との対話促進や、トレド大学(University of Toledo)による軽水炉関連の教育訓練パイプライン強化などへの支援ほか、サイバーセキュリティ教育や品質保証に関するカリキュラム開発、浮体式原子力発電所の実現可能性を検証する訓練センターの設置など、取り組みは多岐に亘る。同業界は今後25年間で需要が大幅に拡大する見通しであるが、労働者の高齢化による人手不足が課題で、この対応に向け「原子力炉安全訓練・人材育成プログラム(Nuclear Reactor Safety Training and Workforce Development Program)」も立ち上げ、最大1億ドルを投入する。なお、採択された大学に対して50パーセントのコスト分担を義務付けている。 Department of Energy “Office of Nuclear Energy Awards $49M to Enhance Nuclear Safety Training and Workforce Development” (04/07/26) https://www.energy.gov/ne/articles/office-nuclear-energy-awards-49m-enhance-nuclear-safety-training-and-workforce
ARPA-E、AI活用で触媒開発を加速
エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は4月7日、人工知能(AI)と自律型ラボを組み合わせて工業用触媒開発を加速させる「カタルケム-E(CATALCHEM-E)」プログラムに3,400万ドルを拠出すると発表した。AIによる予測とロボットを用いた実験を自動化するワークフローを構築し、通常10年かかる触媒の開発期間を約1年へ大幅に短縮する取り組みで、燃料や化学品の生産効率を飛躍的に高める12の事業を選定した。エタノールを燃料や特殊化学品用のアルコールに変換する触媒を開発するウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)、炭化水素の加工反応で希少金属を使用しない触媒を創出するエイムズ国立研究所(Ames National Laboratory)、バイオマスや廃棄物由来の液体を、水素を豊富に含む合成ガスへと変換する触媒の発見を目指すノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)などがAI自動実験設備を備えた触媒設計基盤を開発する。 ARPA-E “U.S. Department of Energy Announces $34 Million to Pair Artificial Intelligence with Autonomous Labs to Accelerate Catalyst Development” (04/07/26) https://arpa-e.energy.gov/news-and-events/news-and-insights/us-department-energy-announces-34-million-pair-artificial-intelligence-autonomous-labs-accelerate-catalyst-development-0
連邦研究資金の削減、マサチューセッツ州経済に打撃
アマーストインディ(AmherstINDY)は3月24日、連邦政府による研究開発資金の削減がマサチューセッツ州経済に少なくとも10年間に亘り悪影響を及ぼす可能性があるとするマサチューセッツ大学ドナヒュー研究所(University of Massachusetts Donahue Institute)の報告書について紹介した。学術・医療分野の基礎研究や開発初期段階と民間部門とのイノベーション経済の共生関係について触れており、同州の研究開発エコシステムは37万6,000人の直接雇用を生み出しているという。波及効果を含めると州全体で100万人超の雇用と3,470億ドルの経済活動に加え、州・地方税収も130億ドル以上であるが、政府優先事項の変化により大学や研究病院への支援が減少しているという。同州は人口1,000人当たり52人が研究開発分野に籍を置き全国最高を誇るが、2014年から2024年の同分野の成長率は29%と全国平均を下回った。今年初めには75カ国からのビザ発給が停止されるなど外国人研究者の流動性にも懸念が生じ、競合国へ人材が流出する恐れがあると伝えている。 AmherstINDY “Federal Funding Cuts Could Hurt Massachusetts Economy for More Than a Decade” (03/24/26) Federal Funding Cuts Could Hurt Massachusetts Economy for More Than a Decade
陸軍、グレイストーンズ・グループ社とAI技術開発で連携
陸軍唯一の基礎研究機関である陸軍研究所(U.S. Army Combat Capabilities Development Command, Army Research Laboratory: DEVCOM ARL)は3月25日、グレイストーンズ・グループ社(Greystones Group)と共同研究開発合意(Cooperative Research and Development Agreement: CRADA)を締結したと発表した。現場への人工知能(AI)技術実装を加速させることが目的で、軍事訓練などに用いる実働・仮想・構成的ツールキット(Live, Virtual and Constructive Toolkit: LVC Toolkit)の機能向上を進める。具体的には、同社の基盤を活用して各種システムを一元管理し、統合データカタログなどのデータファブリックを共同開発する。また、独自の対話型AI支援ツールやエージェント型ワークフローの開発も模索しており、自然言語(日常でやりとりする言語)でのやりとりや、自律的な作業の自動化に加え、複雑な内容や状況を理解・分析し、判断材料を提供できる意思決定支援技術を構築していくという。 US Army “Army’s fundamental research lab partnering with industry to advance AI” (04/03/26) https://www.army.mil/article/291335/armys_fundamental_research_lab_partnering_with_industry_to_advance_ai
FCC、ドローン商業化と生産加速に向けた規制改革案の意見募集を開始
大手法律事務所のピルズベリー・ウィンスロップ・ショー・ピットマン(Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLP)が発行するピルズベリー・インサイト(Pillsbury Insights)は4月3日、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)によるドローン普及に向けた生産加速のための新たな規制改革案に関するパブリックコメント募集について伝えた。外国製システムへの依存を減らして国内産業を育成する狙いがあり、昨年6月に発令された大統領令に基づく措置と紹介している。無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems: UAS)及び対UAS(Counter-UAS)を対象とした周波数帯域へのアクセス拡大や、新技術・システムの研究開発・試験を行うための特定電波の一時的な使用を許可する制度の改革などに関する提案を求めており、FCCは規制障壁を取り除くことで、国内の技術エコシステム確立を目指すという。製造業者から投資家まで幅広い意見を募るとし、提出期限を5月1日、これに基づく反論や見解などの提出期限を同5月18日に設定している。 Pillsbury Insights “Drone in the USA: FCC Seeks Comment on New Flight Plan for UAS and C-UAS Commercialization in the United States ” (04/03/26) https://www.pillsburylaw.com/en/news-and-insights/drones-united-states-uas-c-uas-commercialization.html
宇宙軍予算が倍増 ミサイル防衛を強化
スペースニュース(SpaceNews)は4月4日、2027年度国防予算案における宇宙軍(United States Space Force: USSF)の予算が前年度から400億ドル増の約710億ドルとなる見込みと報じた。極超音速兵器などの脅威に対し、宇宙から追跡及び迎撃する最新鋭のミサイル防衛システム「ゴールデンドーム(Golden Dome for America)」構想をはじめとする衛星プログラムの研究開発や調達、産業基盤の再構築などに充てられる予定で、国防総省(Department of Defense)の軌道上のミサイル防衛能力に重点を置く内容を示す形となった。政府が3日に発表した1兆5,000億ドル規模の同予算案は過去最大規模で、同軍の要求額のうち約170億ドルが同構想に計上されるが、通常予算から捻出されるのはわずか約4億ドルで、政府はこの上限を回避するために今回、財政調整措置を用いた従来とは異なる資金調達を予定している。同軍の既存プログラム展開を2、3年以内に実現するための支援策であるが、実現可能性が問われており、予算の議会通過は不透明な情勢と記事は伝えている。 SpaceNews “Space Force budget would more than double in Trump’s $1.5 trillion defense plan” (04/04/26) Space Force budget would more than double in Trump’s $1.5 trillion defense plan
NSFとNIHによる助成交付、大幅遅延
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は4月6日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による助成交付が、例年に比べて大幅に遅延していると伝えた。助成に特化した監視団体のグラント・ウィットネス(Grant Witness)によると、NSFが本年度に交付した助成はわずか613件で、2021年度から2024年度の同時期と比較しても約20%の水準にとどまっているという。また、交付総額も同様に過去の約3分の1という低水準となった。この傾向はNSFの全管轄部門で顕著で、特に、専門家による本格的査読を経て決定される、新規の助成や競争を伴う継続助成の件数の落ち込みが著しい。NIHにおいても同様の傾向が確認されており、過去同時期に約1万8,000件であった交付件数が本年度は約1万件に減少し、交付総額も同程度落ち込んだ。両機関の現在の交付状況は、数千件の助成が取り消され、例年より交付数が少なかった2025年度と比較しても、さらに遅れをとっている状況である。 AIP “NSF, NIH lagging in awarding grants” (04/06/26) https://www.aip.org/newsletter/0000019d-63b7-d6ed-a3ff-6fbfe7f6000e
EPA、石油・天然ガス規制を改定 25億ドルのコストを削減へ
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月6日、大気浄化法(Clean Air Act)に基づく石油・天然ガス規制(通称OOOOb/c)の改定を発表した。製造施設の保安管理作業時に認められているフレア燃焼処理(余剰ガスを燃焼して無害化する)の期間を従来の24時間から最大72時間に延長し、悪天候などの不可抗力による緊急事態には、さらなる猶予を与える措置を導入する。国内のエネルギー生産促進に向け、バイデン前政権時代の2024年に導入された同規制を改定するとし、EPAは今後15年間で、業界の法令遵守費用を推計25億ドル削減できると説明した。また、特定の燃焼装置におけるガスの低位発熱量への継続的なモニタリングも撤廃する。これにより、不必要な検査を年間最大14万1,000件、15年間で約190万件削減できるという。なお、今回の改定に伴う排出量の増加はないとし、EPAは環境保護と経済成長を両立させながら、今後もさらなる規制の見直しを進めていくとしている。 EPA “EPA Continues to Unleash Domestic Energy with Revisions to Burdensome, Unworkable Biden-era Oil and Natural Gas Regulations, Saving Americans Billions in Energy Costs” (04/06/26) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-continues-unleash-domestic-energy-revisions-burdensome-unworkable-biden-era-oil
JIATF 401、対無人機システム調達に6億ドル超拠出
国防総省(Department of Defense)は4月6日、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が対無人航空機システム(Counter-UAS)調達に向け、6億ドル以上を拠出すると発表した。このうち3.5億ドルをエピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)に充て、中央軍(US Central Command)などの緊急要件に対応する。また、2026年FIFAワールドカップ開催に向け、9州11都市のスタジアムなどにおけるセキュリティ対策に1億ドルを割り当てる。対ドローン技術を投入し、W杯終了後はこれらのシステムを軍基地や重要インフラに組み込む予定である。さらに、国内の重要インフラを最優先に防衛・保護する「国内シールド(Domestic Shield)」構想に1.58億ドルを投じる。一連の対応について、同タスクフォースは進化する脅威へ迅速に対処していくと説明しており、省庁間連携についても通常数年かかるプロセスを数カ月で実行していると強調している。 Department of Defense “Joint Task Force Commits Over $600 Million to Procure New Counter-UAS Capability” (04/06/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4452647/joint-task-force-commits-over-600-million-to-procure-new-counter-uas-capability/