Category:その他
2025年の石炭火力廃止、15年ぶりの低水準 発電所の稼働延期相次ぎ
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は4月13日、2025年に廃止された石炭火力の総発電設備容量が2.6ギガワット(GW)にとどまったと発表した。年初に予定されていた8.5GW分の発電設備廃止計画に対し、4.8GW分が延期となったことに加え、1.1GWは廃止計画そのものが中止となったことが背景にあり、2010年以来15年ぶりの低水準となった。例えば、エネルギー省(Department of Energy)は連邦電力法第202条(c)に基づき、ミシガン州のJ.H.キャンベル発電所など複数の石炭火力に対して送電網の信頼性確保を目的とした緊急稼働命令を発令したことが大きな要因で、実際に閉鎖されたのはユタ州のインターマウンテン電力プロジェクト(Intermountain Power Project、1,800メガワット)など4施設のみとなり、廃止された発電設備容量も2024年末時点の石炭火力容量の1.5%にとどまった。2026年には6.4GW分の閉鎖が予定されているが、規制判断や経済要因により計画変更の可能性がある。 EIA “U.S. coal-fired generating capacity retired in 2025 was the least in 15 years” (04/13/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/
エネルギー省、先進原子力研究に590万ドル助成
エネルギー省(Department of Energy)傘下の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は4月10日、革新的な原子力技術研究の支援に向け、米国大学が主導する11のプロジェクトに対し、総額590万ドルを助成すると発表した。統合革新的原子力研究(Consolidated Innovative Nuclear Research:CINR)の第2フェーズにおける継続助成で、原子力エネルギー再興の実現に向け、国内の優秀な研究者に必要な資源を提供することを狙いとしている。対象となったのは、既存の原子力大学プログラム(Nuclear Energy University Program:NEUP)を通じた質の高い研究実績を持つチームで、シンシナティ大学(University of Cincinnati)、ペンシルベニア州立大学(Pennsylvania State University)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)テキサスA&M大学(Texas A&M University College Station)などが選定された。2009年以降、NEUPによる助成金は10億ドルを超えており、原子力エネルギー分野の人材育成にも大きく寄与していると説明している。 Department of Energy “DOE’s Office of Nuclear Energy Awards $5.9M to Universities to Advance Nuclear Energy Research” (04/10/26) https://www.energy.gov/ne/articles/does-office-nuclear-energy-awards-59m-universities-advance-nuclear-energy-research
NNSA、プルトニウムピット生産計画の環境影響評価草案を公表
エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は4月10日、プルトニウムピット(核弾頭の中枢部分)生産に関するプログラム環境影響評価草案(Draft Programmatic Environmental Impact Statement: Draft PEIS)を公表した。国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)に基づく法的義務の履行に加え、NGOのサバンナ・リバー・サイト・ウォッチ(Savannah River Site Watch)との昨年1月の訴訟における和解合意を受けた対応で、複数の施設における生産に伴う環境影響及び関連廃棄物や輸送への影響を包括的に検証している。この発表に伴い、90日間の意見募集期間を設け、少なくとも5回の対面式公聴会を実施する予定で、NNSAはこれら公聴会や一般からの意見を反映させて最終的な環境影響評価(Final PEIS)を策定する。併せて決定記録(Record of Decision: ROD)を発行するとし、詳細はNEPA関連ウェブサイトや地元紙などを通じて随時公表する予定である。 Department of Energy “NNSA issues Notice of Availability for the Draft Programmatic Environmental Impact Statement for its plutonium pit production mission” (04/10/26) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-issues-notice-availability-draft-programmatic-environmental-impact-statement-its
IQM社、メリーランド大学内に初の量子技術センターを設立
フィンランドの量子コンピューター会社、IQMクオンタム・コンピューターズ社(IQM Quantum Computers)は4月9日、メリーランド大学(University of Maryland)のディスカバリー地区(Discovery District)に同社初となる量子技術センター(U.S. Quantum Technology Center)を開設すると発表した。メリーランド州が主導する10億ドル規模の5年に亘る官民連携事業「量子首都構想(Capital of Quantum: CoQ)」へ参画し、最先端量子技術の商業化を加速する。超伝導量子コンピュータ技術で業界を先導する同社は、新拠点の設立により、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology)やNASAゴダード宇宙飛行センター(NASA Goddard)、陸軍研究所(Army Research Laboratory: DEVCOM)などの連邦研究機関や学術機関、地元スタートアップ企業との連携が可能になる。さらに、同州は全米屈指の量子科学者の集積地であることから、同社は強固な人材パイプラインを活かして現地の研究チームを構築していく方針を示している。 IQM “IQM announces first U.S. quantum technology center in the University of Maryland’s Discovery District, joining the capital of quantum ecosystem” (04/09/26) IQM announces first U.S. quantum technology center in the University of Maryland’s …
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ガスタービン価格、2027年に195%高騰へ AI需要増と供給不足で
ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)は4月1日、ガスタービンの価格が2027年末までに2019年比195%増の1キロワット(kW)あたり600ドルに達する見通しと発表した。人工知能(AI)の利用が急拡大する中、必要量110ギガワット(GW)に対する製造能力が最大70GWにとどまるなど、データセンターの電力需要急増に対する製造能力の不足が背景にあり、深刻な需給不均衡が生じている。GEベルノバ社(GE Vernova)などが生産拡大を急ぐものの、専門労働力の不足や高温工程に必要な精密部品製造のボトルネック解消が課題となっていることに加え、電力研究所(Electric Power Research Institute)はホルムズ海峡の航行制限が輸送コストや部品価格の上昇につながると指摘した。大型機器の納入に約5年、小型タービンは18~36カ月かかる事態となっており、エンタジー・ルイジアナ社(Entergy Louisiana)など開発業者は、プロジェクト実現に向けた調達戦略の抜本的な見直しを行なっている。 Wood Mackenzie “Gas turbine prices soar 195% as market faces supply-demand crisis” (04/01/26) https://www.woodmac.com/press-releases/gas-turbine-prices-soar-195-as-market-faces-supply-demand-crisis/ 参考記事: Utility Dive “Gas turbine supply crunch set to raise prices 195% by 2027: WoodMac” (04/09/26) https://www.utilitydive.com/news/gas-turbine-supply-crunch-set-to-raise-prices-195-by-2027-woodmac/816904/
トランプ政権、NSF予算を54%削減 新たに南極研究やメタサイエンスを支援
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は4月9日、トランプ政権が2027年度の米国科学財団(National Science Foundation: NSF)予算を大幅に削減し、前年度比54%減とすると報じた。これにより2027年度の助成交付件数は2,100件となる予定で、2025年度の5,800件に比べて半分以下に減少する。工学部門(Engineering Directorate)や生物科学部門はそれぞれ75%、72%削減され、人工知能や量子情報科学といった重要分野も削減対象となる。数理・物理科学部門は67%、コンピューター・情報科学・工学部門は63%、技術・イノベーション連携部門は43%削減となり、社会・行動・経済科学局(Social, Behavioral, and Economic Sciences Directorate)については廃止される。これら各部門の活動に携わる研究者数も大幅に激減する見通しである。一方で、南極研究用砕氷船開発向けに新たに9億ドルを支援するほか、エネルギー省(Department of Energy)関連事業、研究効率を探求するメタサイエンス(metascience)専門の新規オフィス設立が予算に盛り込まれている。 AIP “Trump Proposes Deep Research Cuts, New Icebreaker for NSF” (04/09/26) https://www.aip.org/fyi/trump-proposes-deep-research-cuts-new-icebreaker-for-nsf
連邦機関のAIリスク管理期限超過、一部で対応に遅れ
フェッドスクープ(FedScoop)は4月9日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)はハイリスク人工知能(AI)の利用事例に対して、事前試験や人による監視等の管理策を求めている一方で、一部の連邦機関ではこの期限を超過するなど実施状況が不透明であると報じた。退役軍人省(Department of Veterans Affairs)や航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などは対策完了や計画内容公開に至ったが、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や司法省(Department of Justice)などの状況が確認できていないという。未対応の場合、運用が停止されるが、一部機関は対象AIをハイリスクから除外するよう再分類するなど、監視をすり抜ける対策を講じているという。1年以上の準備期間があったことから、こうした運用回避のための「免除」規定の乱用を含め、専門家は管理体制の不備が税金浪費や国民への悪影響を招くと指摘している。 FedScoop “AI risk management deadline hits federal agencies. Not all were ready.” (04/09/26) AI risk management deadline hits federal agencies. Not all were ready.
ガソリン消費量、燃費向上で減少傾向
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は4月10日、2025年の国内ガソリン消費量が、燃費向上により前年比1%減、コロナ禍前の2019年比で4%減となる日量平均890万バレルになったと発表した。連邦道路局(Federal Highway Administration: FHWA)のデータでは、経済活動復活に伴う移動ニーズ拡大を背景に2025年の走行距離が前年比1.2%増加したものの、新型車やハイブリッド車の普及によりEIA推計で車両の平均燃費が同1.9%改善しており、これがガソリン消費量の減少につながったという。4月に公表された短期エネルギー見通し(Short-Term Energy Outlook: STEO)によると、この減少傾向は2026年~2027年も続くと予測されていることに加え、雇用や生産年齢人口の伸び悩みから、今後2年間の走行距離の増加ペース自体も鈍化すると見込まれる。なお、原油高により2027年末までガソリン価格の上昇が予想されるが、短期的な消費動向への影響は限定的であると分析している。 EIA “Increasing fuel efficiency leads to decreasing gasoline consumption” (04/10/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67426
世界初のマイクロ炉試験施設「DOME」が稼働開始
エネルギー省(Department of Energy)傘下の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は4月8日、民間企業が開発する燃料装荷型の次世代型超小型原子炉(マイクロ炉)の実験・実証を行う世界初の施設(Demonstration of Microreactor Experiments: DOME)が完成したと発表した。最大20メガワット(MW)の熱エネルギー出力が可能なマイクロ炉が対象で、既存の実験用原子炉の格納容器を再利用した高さ約30メートル、直径約24メートルのドーム型施設となっている。アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory:INL)内に位置し、国立原子炉技術革新センター(National Reactor Innovation Center:NRIC)が運営を担う。第一弾としてラディアント社(Radiant)による「カレイド実証ユニット(Kaleidos Demonstration Unit)」試験を開始しているが、今後の試験は公募によって選定する。マイクロ炉は工場で製造可能な小型で可搬型の原子炉で、緊急時の電力復旧や離島・僻地への安定供給のほか、データセンターの電源としての活用も期待されている。 Department of Energy “World’s First Microreactor Test Bed Now Open for Business” (04/08/26) https://www.energy.gov/ne/articles/worlds-first-microreactor-test-bed-now-open-business
米・ハンガリー、戦略的パートナーシップを強化
大統領府は4月9日、ハンガリーとエネルギー・技術・防衛分野における2国間連携を強化すると発表した。ハンガリーのエネルギー会社、MOLグループ(MOL Group)による5億ドル相当の原油購入のほか、最大200億ドル規模となる小型モジュール炉(SMR)約10基の導入・建設に向け、GEベルノバ社(GE Vernova)などが現地の電力会社MVM社と覚書を締結した。ウェスティングハウス社(Westinghouse)は既存のパクシュ1(Paks 1)原子力発電所の寿命延長に向けた協力も進める。またGEヘルスケア社(GE Healthcare)がセンメルワイス大学(Semmelweis University)と人工知能(AI)がん治療拠点を開設するほか、マイクロソフト社(Microsoft)はAI人材育成や同国政府のクラウドインフラを整備する。さらに7億ドル規模の高機動ロケット砲システム(High Mobility Artillery Rocket Systems: HIMARS)導入に加え、L3ハリス(L3 Harris)社による通信技術の統合や、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)と4iG社による衛星開発も計画されている。 The White House “Advancing the United States-Hungary Bilateral Partnership” (04/09/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/04/advancing-the-united-states-hungary-bilateral-partnership/