Category:レポート
GAO、ARPA-Eの採択基準に関する報告書を発表
政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は、エネルギー省(Department of Energy: DOE)エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)の助成事業採択基準やその他の検討事項について調査するよう議会から要請を受け、その結果を報告書「ARPA-Eにとり、申請者の過去の資金調達情報は有益である(Advanced Research Projects Agency-Energy Could Benefit from Information on Applicants’ Prior Funding)」として提出した。それによれば、ARPA-Eは第三次募集から申請者に対して、「民間投資機関が提案プロジェクトへの資金提供を行わない理由」について説明するよう義務付けた。しかしその回答のためのガイダンスが提供されていないことなどから、回答は概ね限定的な内容となっている。また、ARRA-Eでは申請者の過去の民間資金調達状況を迅速に調査する上で有効なベンチャーキャピタル・データの活用も行われておらず、こうしたことからGAOは、ARPA-Eに対して、①過去の資金調達源の説明に関するサンプル回答をガイダンスとして提供すること、②申請者には「提案プロジェクトへの投資を行わない理由」を説明した民間投資家による書簡の提出を義務付けること、③ベンチャーキャピタル・データを活用すること、を勧告している。 GAO “Advanced Research Projects Agency-Energy Could Benefit from Information on Applicants’ Prior Funding” (1/13/12)
「ナノ原料が健康や環境に及ぼす影響はまだ不明であり、さらなる研究が必要」との報告
米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書によれば、過去約10年間でナノ技術やその商業化に膨大な投資が行われているものの、ナノ原料が環境や健康、安全性に及ぼす影響については理解が不十分であり、潜在的リスクを管理及び防止する努力の一助となるような研究計画の調整が必要であるという。報告書には、ナノ原料の潜在的リスクに対処するために必要な研究・科学的インフラを構築する戦略的手法が示されている。また、人間の健康及び環境を保護を優先事項とし、新たな課題に柔軟に対処できる研究戦略の構築が必要であるとした上で、今後5年以内に対処すべき研究分野として、①放出されるナノ原料、それに暴露する人口や環境の特定化及び数量化、②潜在的な危険性や暴露に影響するプロセスについての理解、など4件を挙げている。 National Academies “Health and Environmental Effects of Nanomaterials Remain Uncertain; Cohesive Research Plan Needed to Help Avoid Potential Risks From Rapidly Evolving Technology” (1/25/12)
エネルギー省、「年間エネルギー見通し2012」のリファレンス・ケースを公表
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は1月23日、「2012年年間エネルギー見通し(Annual Energy Outlook 2012:AEO2012)」のリファレンス・ケース(Reference case)を公表した(正式なAEO2012は晩春に公表予定)。2035年までの米国エネルギー市場見通しを示したもので、それによれば、国内の石油・天然ガス・再生可能エネルギーの生産増及びエネルギー効率の向上により、輸入エネルギー源への依存が減少する見通しとなっている。具体的には、①国内の原油生産は2007年の日量510万バレルから2010年には同550万バレルへと増加し、2020年までに同670万バレルに増加する、②国内原油生産の増加、バイオ燃料利用の増加、輸送部門の需要の緩やかな増加により、液体燃料消費に占める純輸入石油の割合は、2010年の49%から2035年には36%へ減少する、③米国は2016年までに液化天然ガスの純輸出国となり、2021年までに天然ガスの総合的な純輸出国となる、などの見通しが示されている。 Energy Information Administration “EIA projects that increased oil, natural gas and renewable energy production and energy efficiency improvements will reduce U.S. reliance on imported energy sources” (1/23/12)
気候変動が魚類・野生生物・植物にもたらす影響への対応を示す国家戦略草案発表
オバマ政権は1月19日、州政府や原住民部族、連邦機関のパートナーとの協力によって作成された「魚類・野生生物・植物の気候順応国家戦略(National Fish, Wildlife and Plants Climate Adaptation Strategy)」草案を発表した。同戦略は、意思決定者や資源管理者向けに、気候変動が種やエコシステム、そしてそれらに依存する人々や経済にもたらす影響を削減するための取り組みの一助となることを目的としたものである。草案には、①気候変動が米国における8つの主要エコシステム(魚類、野生生物など)にもたらす影響(現行及び予測)の概要、②魚類や野生生物、植物及びコミュニティの気候変動に関する脆弱性の削減及び回復力強化に関する目標や戦略、行動、③農業、エネルギー、輸送、その他の部門による協調的戦略及び行動などが盛り込まれている。草案に対するパブコメは3月5日まで受け付けている。 NOAA News “National Strategy Proposed to Respond to Climate Change’s Impacts on Fish, Wildlife, Plants” (1/19/12)
2011年のベンチャーキャピタル投資額は前年比22%増
プライスウォーターハウス・クーパー社(PricewaterhouseCoopers LLP)と全米ベンチャーキャピタル協会(National Venture Capital Association: NVCA)がトムソン・ロイター社(Thomson Reuters)のデータに基づいて作成した「マネーツリー報告(MoneyTree Report)」によれば、2011年におけるベンチャーキャピタル投資額は284億ドル(3,673件)に上り、金額にして前年比22%増、件数にして同4%増となったことが分かった。2011年のベンチャーキャピタル投資額は過去10年間で3番目に高い額で、クリーン技術やインターネット特定部門を含め、あらゆる業界部門で2桁増となり、開発段階別で見ても投資額はシード段階への投資を除き、全ての段階で増加した。初めてベンチャーキャピタル資金を調達した企業の調達額及び件数も増加している。 National Venture Capital Association “Venture Capital Investments Q4-2011 – MoneyTree Results” (1/20/12)
ハーバード大学、米国経済は競争力を失いつつあると報告
ハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School: HBS)が9,750名の卒業生を対象に行ったアンケート調査の結果をまとめた報告書「繁栄の危機(Prosperity at Risk)」が1月18日に発表された。それによれば、回答者の71%が、「今後、米国の競争力は弱くなり、米国企業は高賃金や福利厚生を提供する能力が低下するであろう」と予測している。前回の不況で大幅な解雇を行った企業の雇用回復は遅く、「事業を米国から海外へ移転する可能性が高い」と考える回答者も多い。事業を海外へ移転した回答者のうち、71%が「低賃金」をその理由として指摘した。更に、先進経済国と比較して米国の不利な点として、複雑な税制、非効率的な政治制度、幼稚園から高校までの教育の弱さが挙げられた。 Chicago Tribune “Harvard survey: U.S. economy losing competitive edge” (1/18/12)
NSF、2012年科学工学指標を発表
米国科学審議会(National Science Board:NSB)は1月17日、米国及び世界における科学・工学・技術労働力・教育への取り組みについて総合的にまとめた「2012年科学工学指標(Science and Engineering Indicators 2012)」を発表した。それによれば、米国は科学技術の研究開発努力で依然として世界的リーダーであるものの、他地域との差はわずかであり、知識集約型経済への投資を積極的に行っているアジアに直に追い抜かれる可能性があるという。報告書によれば、1999年から2009年の間に、世界の研究開発に占める米国の割合は38%から31%へ低下したのに対し、アジア地域のそれは24%から35%へ上昇した。国立科学財団(National Science Foundation: NSF)のスブラ・スレシュ長官(Subra Suresh)は、「報告書は、これまでの『世界において米国の科学技術力は優越している』という前提について見直す必要があることを明示している」と述べた。 National Science Foundation “New Report Outlines Trends in U.S. Global Competitiveness in Science and Technology” (1/17/12)
加州バイオ医療企業CEOの8割が成長鈍化の要因としてFDAを挙げる
カリフォルニア医療研究所(California Healthcare Institute)、ベイバイオ(BayBio)、PwC社がカリフォルニア州内のバイオ医療企業の最高経営責任者(CEO)を対象に調査を行った結果、回答者の8割が「食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の煩雑な規制承認プロセスは企業の成長を鈍化させており、米国医療技術部門の成長にとって最大の脅威の一つとなっている」と考えていることが分かった。更に、回答者の75%が「FDAの面倒なプロセスのために、バイオ医療分野における米国のリーダーシップは危機にさらされており、5年以内に他国が米国と同様のエコシステムを再現するかもしれない」と述べている(本件は、報告書の予備結果として発表されたもので、最終的な報告書は2月に公表される予定)。 Mass Device “Survey: 8 in 10 California CEOs blame FDA for slowing growth” (1/10/12)
雇用評議会が報告書「更新へのロードマップ」を大統領に提出
大統領雇用・競争力評議会(President’s Council on Jobs and Competitiveness、通称「雇用評議会(Jobs Council)」)は1月16日、「更新へのロードマップ(Road Map to Renewal)」を公表した。雇用評議会は、オバマ大統領が1年前に、短期的な雇用創出と長期的な米国の競争力強化について勧告を行うよう求めて発足させたもので、これまでに「短期的に雇用創出を促進するアイデア」(6月)、「2~5年間で雇用創出と米国競争力を加速させる方法」(10月)について報告書を作成している。今回の報告書では米国の繁栄及び競争力に影響するより広範な要素について考察、勧告しており、①未来への投資(Invest in Our Future)、②強さの強化(Build on Our Strengths)、③勝利への行動(Play to Win)を、米国が今世紀において競争力を更新し続けるためのマントラとしている。そして、教育、イノベーション、エネルギー、製造業、規制、税制改革の分野で具体的な勧告を行っている。 Jobs Council “Jobs Council Releases “Road Map to Renewal” Year-End Report to the President” (1/16/12)
連邦政府、海洋課題への対処を示した行動計画草案を公開
連邦政府は1月12日、海洋や海岸、五大湖の資源が直面する急務の課題に対処することを目的として作成された国家海洋政策の行動計画草案「国家海洋政策実施計画草案(Draft National Ocean Policy Implementation Plan)」を公開した。草案では、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)を中心とする国家海洋評議会(National Ocean Council)が海洋や海岸、五大湖の健全性を向上させるための行動について記述されており、これに対するコメントを求めている。この中では優先案件として、①科学的情報を提供し、漁業、再生可能エネルギー、農業、バイオなどにおける持続可能な資源利用を支援する、②地方の意思決定者や海洋利用者、関係者、国民に向け、連邦政府が有するデータや情報へのオープンアクセスを提供する、③地域の優先案件を支援するグラントやパートナーシップ機会を特定かつ有用化する、などが挙げられている。 National Science Foundation “Federal Government Releases Action Plan to Address Ocean Challenges” (1/12/12)