Day: October 16, 2026

ハーバード大学、スタートアップ向けの新ライセンスモデル「ExpressPath」を発表

ハーバード大学(Harvard University)の技術開発局(Office of Technology Development:OTD)は10月15日、大学研究成果の事業化を加速・効率化することを目的とした新しいライセンスモデル「ExpressPath」を発表した。本プログラムは、①工学・技術(Engineering & Technology)、②ソフトウェア、③医療機器の3技術分野を対象とし、他大学の実績に基づいて換算された市場基準の適正な財務条件(ロイヤリティ等)と簡素化されたライセンス標準契約書を利用するものである。条件や契約書はOTDウェブサイトに掲載されており、スタートアップや投資家が事前に閲覧・検討することが可能で、従来半年以上を要し数万ドルの法務コストが発生していたライセンス交渉期間を大幅に短縮し、数週間程度での契約締結を可能にする。ハーバード大学は、本プログラムがライセンス手続きにおける不確実性を減らし、商業化への明確な道を示すことで、研究者や投資家が有望なイノベーションを効果的・迅速に進めることができるとしている。OTDは本プログラムの構築にあたり、全米の他大学における数百件のライセンス契約事例を分析したほか、マサチューセッツ州経済開発・ベンチャー支援を担当するMassVenturesなどの外部ステークホルダーとの協働を通じて条件の適正性を検証した。同大学は今後数か月以内に、企業による大学ラボへの研究出資手続きを簡素化・明確化する取り組みも開始する予定である。 Harvard University, “Harvard Announces New Licensing Model to Help Startups Launch Faster” (10/15/26) https://otd.harvard.edu/news/harvard-announces-new-licensing-model-to-help-startups-launch-faster/

国防総省、脳損傷評価基準策定に向け専門知識の募集開始

国防総省(Department of Defense)は10月16日、爆発や爆風などの環境下で任務にあたる戦闘員の軽度外傷性脳損傷(mild-Traumatic Brain Injuries: mTBI)による影響に関する調査に向けた基準策定に向け、専門知識や専門家などに関する情報を募集していると発表した。脳損傷に関する正確な判定とリスク評価の標準化基準を策定するため、防護具メーカーからの意見も募集している。爆傷については幅広い定義を採用し、爆風による過圧、打撲、損傷、火傷、有毒ガスや放射線による人体への影響なども含めた。評価基準については、爆風による圧力の分析からその持続時間などを含んだ複合的な要因分析まで、段階的な基準設定を想定している。2019年の研究では、TBIと判断された退役軍人の自殺傾向が脳損傷のない自殺者の2倍以上に達したほか、イラン戦争などミサイルやドローン攻撃による頭部損傷割合が高くなっていることが背景にあり、こうした基準策定により、生存性の高い安全な戦闘基盤や防護システムのほか、健康被害評価開発につなげる計画である。 Defense News “Pentagon seeks expertise to develop brain injury assessment standards” (10/16/26) https://www.defensenews.com/news/your-military/2026/10/15/pentagon-seeks-expertise-to-develop-brain-injury-assessment-standards/

ITC、インドなどからの太陽電池輸入で不利益判定

国際貿易委員会(International Trade Commission: ITC)は10月14日、インド、インドネシア、ラオスから輸入される結晶シリコン太陽電池(組み立て品を含む)が、国内製造産業に損害を与えているとの認定結果を下したと発表した。商務省(Department of Commerce)が9月に下した外国政府による補助金支援を受けた不当廉売との判断に続くもので、今回のITC決定を受け、同省は3国に対し、11月2日にもアンチダンピング関税・相殺関税命令を発令する見通しである。米国太陽光発電製造貿易連盟(Alliance for American Solar Manufacturing and Trade)は、3カ国の間接マージンは非常に大きいと指摘し、特にインドについては123%のダンピングマージン、126%の相殺関税率となっていることを明らかにした。中国による関税回避に向けたマレーシアやタイ、カンボジア、ベトナムでの事業実態を受けた2023年の調査が背景にあり、今後、エチオピアからの輸入にも注視し、中国系企業による不当な市場流入や公正価格を下回る価格での提供阻止に向け対応していくという。 USITC “Crystalline Silicon Photovoltaic Cells, Whether or Not Assembled Into Modules, from India, Indonesia, and Laos Injure U.S. Industry, Says USITC [UPDATED]” (10/14/26) https://www.usitc.gov/press_room/news_release/2026/er1014_69351.htm 参照:Utility Dive “Solar imports from India, Indonesia, Laos injured US manufacturers: ITC” (10/15/26) https://www.utilitydive.com/news/itc-material-injury-solar-imports-india-indonesia-laos/833127/

米国科学アカデミー、科学的証拠に関する独立査読プロセスを開始

米国科学アカデミー(National Academy of Sciences: NAS)は10月15日、「科学的証拠に関する参考資料マニュアル(Reference Manual on Scientific Evidence)」第4版における気候科学の章作成過程に関する独立査読実施に向け、ワイリー・レイン法律事務所(Wiley Rein LLP)を選定したと発表した。これに伴い、独立委員会を設置し、法廷での判断や政策決定の指針など国からの要請を受けたあらゆる科学分野における調査、検証、報告などの査定実務を行っていく。気候科学の妥当性や内容を検証するものではなく、どのNAS政策と手続きが適用されたのか、また実際の設計、計画通りの実施についてなどプロセスを評価し、公表していく方針で、厳正な外部評価の手順と包括的な検証を導入することで、評価手続きの妥当性や客観性を厳密に検証していく姿勢を示した。 NAS “NAS Initiates Independent Process Review of Chapter in Reference Manual on Scientific Evidence” (10/15/26) https://www.nationalacademies.org/news/nas-initiates-independent-process-review-of-chapter-in-reference-manual-on-scientific-evidence

宇宙軍、新部隊結成 特殊作戦部隊と連携強化

宇宙軍(United States Space Force: USSF)は10月15日、特殊作戦部隊(Special Operations Command: SOC)に対する支援構成部隊として、「宇宙軍特殊作戦構成部隊司令部(SPACEFOR-SOC)」を発足したと発表した。特殊作戦部隊(United States Special Operations Command: USSOCOM)傘下の軍種構成部隊としての位置付けで、フロリダ州マクディル空軍基地に司令部を設置する。宇宙領域で培った宇宙軍能力を特殊作戦事業と共有するため、今回新たに部隊を編成し、宇宙軍のピーター・ノルスキー大佐(Peter Norsky)が同部隊の指揮にあたる。新たな枠組みの元で、最新の宇宙資産をあらゆる戦闘領域で活用した訓練・装備・計画提示などの一連の取り組みを継続的に行っていく計画で、11月2日に正式な発足式典を行う予定となっている。 USSF “Space Force activates SPACEFOR-SOC as service component command to Special Operations Command” (10/14/26) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4625108/space-force-activates-spacefor-soc-as-service-component-command-to-special-oper/

DIU、戦闘型無人水上艇プロジェクト第2期を開始

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は10月15日、戦闘型多目的無人水上艇(Suitable Warfighting Adaptive Payloads: SWAP-USV)開発計画における第2期技術提案募集を開始した。沿海区域や外洋域などでの多様な作戦要求に適応する、低コストかつ拡張性の高い、量産向け海上対空兵器を募集しており、前線展開に向け120日以内の実戦配備を想定している。特に紛争海域における空中脅威の探知、追跡から撃破に焦点を当てており、費用対効果を向上させつつ実績のある商用技術を組み込んだ自律型無人水上艇の設計・実証を推進する。具体的な仕様としては、最低200海里の航続距離と最低10ノットの巡航速度性能を搭載し、ノイズ耐性センサーのほか脅威を360度検知・追跡・識別してオペレーターにリアルタイムで状況認識を提供できる能力に加え、対空兵器を搭載した過酷な環境にも対応する持続的な自律型運用システムを求めている。応募締め切りは11月29日(東部時間)とし、採択後30日以内の実証試験を予定している。 DIU “Suitable Warfighting Adaptive Payloads (SWAP)-USV Sprint 2” (10/15/26) https://www.diu.mil/work-with-us/submit-solution/PROJ00721

NSF、SIインフラ効率性向上に9チームを選定

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は10月14日、超知能(Super-Intelligence: SI)効率化技術の実用化に向け、9チームを選定したと発表した。データセンターや大規模計算基盤などのインフラにおける電力消費抑制と処理能力向上技術の導入に向け、2年間で最大350万ドルを投じる。技術の実用化により、大規模需要家への電力供給における制約を緩和し、新規モデルの早期市場投入につなげることが目的で、採択されたチームは実環境における効率化技術導入による成果測定や、業界標準の策定や成果物の精査のほか、改善度合いについてそれぞれ測定していく。改良されたSI技術の商業普及加速に向け、取り組みに際しては技術支援や専門家による指導を提供する方針で、1年以内に大規模展開を達成したチームには「ファストトラック」プログラムが適用されるという。 NSF “NSF announces teams selected to accelerate efficiency gains in U.S. super intelligence infrastructure” (10/14/26) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-announces-teams-selected-accelerate-efficiency-gains-us

エネルギー省、SI対応システム向け技術リソースを公開

エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)は10月15日、超知能(Super-Intelligence: SI)対応システム向けの初の技術リソース「ジェネシス・エージェント・スキル(Genesis Agent Skills)」をリリースしたと発表した。国立研究所の専門知識を全域で活用し、研究開発プロセスを加速させるためのコーディングツールで、各事業への高度AIエージェント機能導入に向けた技術基盤となっている。分野横断的な共有研究インフラ構築により、イノベーション加速を支援するとし、特にコーディングとソフトウェアエンジニアリングに焦点を当て、安全性評価・監視、データ管理、マルチエージェントシステムへの移行対応に向けた手順やリソースなども盛り込んだ。研究者はSIコーディングツールに対し平易な言葉で質問し、技術的なガイダンスやコードを確認することができるとし、同パッケージはギットラボ社(GitLab)を通じて無料で一般公開されている。 Department of Energy “‘Genesis Agent Skills’ Release to Support Innovation Across the Genesis Mission ” (10/15/26) https://www.energy.gov/science/articles/genesis-agent-skills-release-support-innovation-across-genesis-mission

エネルギー省、労働力強化に1,100万ドル超拠出

エネルギー省(Department of Energy)の先住民エネルギー政策・プログラム局(Office of Indian Energy Policy and Programs: IE)は10月15日、エネルギー分野の労働力強化及び次世代人材育成の推進に向けた8事業に1,100万ドル超を投じると発表した。炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)と連携する産学連携職業訓練(Partnerships for Academic-Industry Career Training: PACT)構想の一環で、うち230万ドルをIEが支援する2事業、ミネソタ州キャスレイクのリーチレイク部族大学(Leech Lake Tribal College)とニューメキシコ州クラウンポイントのナバホ工科大学(Navajo Technical University)に充てる。またアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska Fairbanks)はアラスカ職業技術施設(Alaska Vocational and Technical Center)と提携するとし、これら選定校は地理空間技術の資格認定プログラムの設立や、エネルギーインフラに関する検査、資産保全、品質保証などに高度専門スキル習得に向け取り組んでいく。 Department of Energy “Energy Department Invests Over $11 Million to Strengthen America’s Energy Workforce” (10/15/26) https://www.energy.gov/indianenergy/articles/energy-department-invests-over-11-million-strengthen-americas-energy