Day: October 1, 2026
CSET、AIチップの流出を防ぐ位置検証システムを評価
安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は9月14日、米国による先端AI半導体チップの輸出規制をすり抜ける密輸対策として、チップの所在地を特定する「位置検証(Location Verification)」技術の有効性と導入課題を分析した調査報告書を公表した。敵対国にAIチップが不正流用されている事実を踏まえ、国の輸出管理リスク対策として、通信応答時間に基づく「ピン値(応答速度)ベース位置検証(Ping-based location verification: PLV)」と現地検査の組み合わせが最も費用対効果に優れていると提言した。その一方で、オフライン状態の識別不能や位置情報の隠蔽など高度偽装リスクなどによる技術的限界も指摘し、産業界が位置情報検証システムの検証を行うなど、商務省(Department of Commerce)の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)の認定を受けた第三者機関などによるインフラ管理委託を提言している。また、実効性確保に向け、取締当局の増員の必要性についても強調した。 CSET “Tracking AI Chips” (09/14/26) Tracking AI Chips
OMBはネットワーク接続端末のセキュリティ確保を GAO提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月30日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)に対し、ネットワーク機器のセキュリティ確保に向けた最新の指針策定と監督実施を迅速に行うよう提言する報告書を公表した。今年7月の水インフラ施設へのサイバー攻撃などを受け、連邦機関が保有するモノのインターネット(IoT)や制御技術(Operational technology: OT)端末の安全性確保に向けた調査を実施し、OMBの必要要件であるデバイスのインベントリ(資産目録)を作成とその維持、必要情報の詳細記載など網羅できていたのは対象22機関のうち、7機関にとどまったことが明らかになった。多くの機関が技術的な制約や優先課題との調整などを理由に挙げた一方で、GAOは、OMB による2026年度向け運用指針が出されていないことが要因と指摘した。システムに接続されているデバイスの数と種類を把握できず、攻撃からシステムを保護できないとし、OMBに対し、優先事項と期限を明記したガイドライン提示を求めている。 GAO “Internet of Things: OMB Action Needed to Ensure Agencies Secure Their Networked Devices” (09/30/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108937
陸軍、軍事用ヒト型ロボ技術開発で5社を選出
陸軍は9月29日、民間のヒューマノイド(ヒト型ロボット)技術を軍事応用するための技術コンペ「エックステックヒューマノイド(xTechHumanoid)」で9月11日に5社を選定したと発表した。過酷な任務における兵士任務を代替し、戦闘力を維持しつつ、現場の負担を軽減することを目的とした技術コンペで、最新技術の適用可能性を評価した。103件の応募から選ばれたのは、ロボット用小型電源システムを開発するACESグループ社(ACES Group)、耐衝撃アクチュエータやAI制御を備えたヒューマノイド「アレックス(Alex)」を開発したIHMCロボティックス社(IHMC Robotics)のほか、移動式発電システム技術のハイドロプレーン社(Hydroplane Limited)や、高感度指先触覚センサーを開発するラス・ラボ社(Ras Labs)、コマンド変換ソフトを手掛けたベロシティ・エクスプロラーションズ社(Velocity Explorations)で、今月9~10日にバージニア州クアンティコ海兵隊基地で開催された実証試験を経て選出された。 Department of Defense “Robotics Competition Winners Advance Military Exploration of Humanoid Capabilities” (09/29/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4613847/robotics-competition-winners-advance-military-exploration-of-humanoid-capabilit/
海軍、次世代艦上戦闘機開発にボーイング社を選定
海軍は9月29日、200億ドル超規模の次世代艦上戦闘機「F/A-XX」開発に関する契約をボーイング社(Boeing)と締結したと発表した。国防総省(Department of Defense)の次世代制空権(Next Generation Air Dominance: NGAD)計画に基づくもので、地上・耐空性・システム試験及び複数の試験機を調達する。協調型戦闘機(Collaborative Combat Aircraft: CCA)などの無人機や有人機との高度相互運用性を備える空母艦載機F/A-XXは、F/A-18E/F スーパーホーネット(Super Hornet)や EA-18G グラウラー(Growlers)の後継となる第6世代艦上戦闘機で、空母作戦領域の拡大に向け、長航続距離機能を備えるほか、遠距離打撃力や生存性を飛躍的に高める同軍の中核機種として位置付けられている。2030年代の運用開始を目指し、F-35C と並行して運用していく計画で、同軍は、紛争空域制圧に向け作戦範囲を拡大しつつ、戦闘員に決定的な戦闘優位性をもたらす取り組みとして、開発投資の重要性について強調した。 Department of Defense “Department of War and U.S. Navy Award Contract for F/A-XX Program” (09/29/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4614331/department-of-war-and-us-navy-award-contract-for-fa-xx-program/
ARPA-H、臨床試験加速プログラム「SURPASS」を開始
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)は9月30日、低コストで臨床試験を加速させるプログラム「シミュレーション強化リアルタイム基盤適応型シームレス試験(Simulation-augmented, Real-time Platform Adaptive Seamless Trials: SURPASS)」を開始すると発表した。20億ドル以上の費用と約10年かかる従来の臨床試験は90%以上が承認に至らず、規制当局の承認にも時間がかかる上、収益性の低さが課題になっていることから、最先端計算モデルやリアルタイム分析、自動化技術活用により、医薬品などの開発期間短縮とコスト削減を目指す。また、医療機関以外の施設を治験拠点化する3つの関連事業も始動する計画も併せて示した。新薬の迅速な提供により患者の負担軽減を図るとし、ロバート・ケネディ・ジュニア長官(Robert F. Kennedy, Jr.)は、重複や遅延を排除した医療システムを構築し、医療イノベーションの世界的地位を維持すると意欲を示している。 ARPA-H “HHS launches SURPASS and new efforts to accelerate faster, smarter clinical trials” (09/30/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/hhs-launches-surpass-and-new-efforts-accelerate-faster-smarter-clinical-trials
CMEI、国立研究所の鉱業技術強化17事業に2,950万ドル
エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)は9月30日、鉱業技術向上と重要鉱物の国内供給網(サプライチェーン)強化に向け、17の国立研究所事業に対し総額2,950万ドルを拠出すると発表した。エネルギー資源の最大化を目指す大統領令に基づく取り組みで、重要鉱物の海外依存低減と自国でのエネルギー確保を目的とする。主に音響や電磁エネルギー、画像処理技術を活用したレアアースの粉砕選別技術や、低品位廃棄物からの銅、ニッケル、コバルト回収技術、回転充填床や人工知能(AI)を活用した原子力センサーや非破壊鉱石特性評価に加え、次世代マイクロ波粉砕技術、高密度光ファイバー・センサーを通じた地下での流体・反応挙動をリアルタイムで把握し抽出コストを削減する技術や地層改質による鉱物回収技術を開発する。同局は、国立研究所の革新力を結集することで、重要鉱物技術の世界的指導権を維持すると強調した。 Department of Energy “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Announces $29.5 Million for National Laboratory Mining Projects” (09/30/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-announces-295-million-national
エネルギー省、先端技術事業化支援プログラムの募集開始
エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)は9月30日、傘下国立研究所の先端技術事業化を支援する「エネルギー アイコア(Energy I-Corps)」プログラムの2027年春期資金提供機会に向けた応募受付を開始した。民間市場におけるニーズ特定やビジネスモデル構築に向けた取り組みで、プログラムへの参画拡大に向けたパイプライン構築・仕組みづくりに10~20万ドル、技術の事業化に向けビジネスモデルを構築する2カ月の集中カリキュラム型プログラムに10万ドル、さらに同研修を通じた技術商用化支援に1年間で10万ドルを支援する。同省は、これまで850名以上の研究者が参加した同プログラムを通じて開発された技術がその後2億3,400万ドルを超える追加資金を獲得するなど、エコシステム拡大に貢献している取り組みと説明した。応募締め切りは10月30日午後3時(東部時間)で、同省はエネルギー安全保障やイノベーション強化に貢献する革新的な技術提案を幅広く呼びかけている。 Department of Energy “Energy I-Corps Spring 2027 Lab Call Now Open to DOE Innovators” (09/30/26) https://www.energy.gov/technologycommercialization/articles/energy-i-corps-spring-2027-lab-call-now-open-doe-innovators
大統領府、AIから「超知能(SI)」へ表記変更
大統領府は9月29日、「人工知能(Artificial Intelligence: AI)」の名称を「スーパー・インテリジェンス(Super Intelligence: SI、超知能)」とする大統領令を発表した。政府機関に対し、公文書、プレスリリース、政策文書、また非正式文書におけるこれまでの「AI」表記を改め、「SI」と表現するよう指示するもので、技術の急速な進展を背景に、政府は単なる人間の模倣にとどまらないSI を通じた人間の可能性を追求していく考えを示した。さらに、今回の名称変更により、同分野の政府取り組みを広く世間に認識させる狙いもあり、政府は大統領科学技術担当補佐官(Assistant to the President for Science and Technology: APST)に対し、「SI」の政府共通定義も策定するよう併せて指示した。国内技術開発とその応用範囲の拡大に向け、トランプ政権はジェネシス・ミッション(Genesis Mission)を通じて科学や医療分野における SI 活用にこれまで50億ドル以上を投入しており、米国の技術覇権維持に向け、イノベーション創出をさらに加速していく構えを示している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Inaugurates The Era of Super Intelligence” (09/29/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/09/fact-sheet-president-donald-j-trump-inaugurates-the-era-of-super-intelligence/