Day: October 13, 2026
米国主導科学構想への欧州諸国支持に懸念の声
欧州の科学専門メディア、サイエンス・ビジネス(Science|Business)は10月8日、欧州諸国が米国主導の新たな国際科学政策構想への賛同を表明したことを受け、ドイツ研究振興協会(German Research Foundation: DFG)などから懸念の声が上がっていると報じた。同構想「科学の黄金時代に向けた京都ビジョン(Kyoto Vision for a Golden Age of Science)」が、7月に大統領府の主要政策文書に類似した内容であるとし、特に大学機関を「旧態依然とした機関」と評したことや、研究資金を新たな研究施設に振り向けるよう促す内容を批判しているという。また、欧州独自の研究開発アジェンダが米国の政策方針に左右されるリスク指摘に対し、独研究担当省庁などが公式声明を発表し、米国との連携強化が国際的なイノベーション創出において不可欠と強調するなど、支持の正当性を釈明する事態に発展している。専門家らは研究の自由や欧州独自の科学技術戦略の自立性が損なわれかねないとして、枠組みの慎重な運用を求める意見が相次いでいると記事は伝えている。 Science/Business “Concern after Europeans endorse US science agenda” (10/08/26) https://sciencebusiness.net/news/international-news/concern-after-europeans-endorse-us-science-agenda
NASA、地球低軌道における商業用宇宙ステーション移行へ向けた産業界の提案を募集
航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は10月9日、地球の低軌道(Low Earth Orbit)における商業用宇宙基地の建設計画加速に向け、民間企業を対象とした最終提案依頼書(Request for Proposals: RFP)に基づく事業計画の公募を開始したと発表した。詳細設計や軌道上での試験評価、運用サービス提供に向けた段階的な競争入札となる予定で、提案書提出の締め切りを12月8日に設定した。契約締結は2027年春を予定しており、国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)の運用終了を見据えた取り組みとなっている。NASAは低軌道における民間運用移行に向け、今年に入り「イグニッション(Ignition)」イベント開催や定期道場での輸送に関する情報募集を2回に分けて行うなど、民間との連携を段階的に進めている。ISS退役後は宇宙開発におけるこれまでの主導的な立場から役割を転換し、民間による新世代の宇宙基盤構築を支援していく構えで、低軌道経済圏の確立と継続的な宇宙研究の基盤確保に向け取り組んでいくという。 NASA “NASA Seeks US Industry Plans for Commercial Space Stations” (10/09/26) NASA Seeks US Industry Plans for Commercial Space Stations
大統領府、新設「超知能部隊」に広範な権限を付与
政治専門メディアのポリティコ(Politico)は10月6日、人工知能(AI)による脅威対策や政府調達を統括する連邦政府幹部で構成された新組織「超知能部隊(Super Intelligence Force)」に、政府が広範な統括・指令権限を付与すると報じた。ポリティコが独自入手した憲章(Charter)によると、人工知能(AI)技術に関連する国家安全保障上のリスク対応や、連邦機関におけるAI調達・運用の統括、セキュリティ侵害検証などの権限を担う同部隊に対し、120日間の活動期間を必要に応じて延長するほか、他の政府機関への機能移管を可能にする権限を付与する内容で、特に生物安全保障や水供給への脅威について焦点を当てた最先端技術の利活用とリスク管理の両立を視野に入れた内容となっている。AI分野における国際的な競争力と安全性確保を同時に追求する狙いもあり、急速な技術変化に向け同部隊を通じた国家主導かつ迅速な意思決定体制を構築し、統一的な方針と安全基準のもとでAI導入を進める体制確立に向け政府道筋が整いつつあると伝えている。 Politico “Read the charter for the White House’s ‘Super Intelligence Force’” (10/07/26) https://www.politico.com/news/2026/10/06/white-house-super-intelligence-ai-charter-01109011
地熱開発の許認可プロセス改善が急務 GAO提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は10月8日、内務省(Department of Interior)土地管理局(Bureau of Land Management)に対し、許認可プロセスの迅速化や審査手続きの改善を図るよう求める報告書を一般公開した。用地確保、リース売却、許可に関する同局データを分析し、職員からの聞き取り調査や22の事業者に対しアンケート調査を行った結果、環境影響評価の長期化や行政手続きの煩雑さが開発のボトルネックになっていることが判明したという。地熱開発における同局の採掘承認許可は、2019年の7件から2024には68件に増加するなど、連邦所有地における地熱エネルギーの開発需要が急速に高まっているものの、地熱資源の許認可手続きに関するハンドブックが完成しておらず、申請提出後の状況把握が困難かつ未処理件数の把握もできていないという。こうした状況から、GAOは同局に対し、地熱資源ハンドブックを完成させて一般公開すること、また、申請に関する包括的な可視化システムの構築を勧告している。 GAO “Geothermal Energy: Bureau of Land Management Should Improve Permitting Process as Development Demand Grows on Federal Lands” (10/08/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108040
米国製造業への投資拡大 CEA報告
大統領府は10月10日、トランプ政権の経済政策が米国製造業の生産拠点回帰や技術フロンティア開拓を牽引しているとする大統領経済諮問委員会(Council of Economic Advisers: CEA)の報告書を発表した。製造業における工場活動が4年ぶりの高水準を記録するなど、製造業部門への政策影響を評価した。これによると、国内自動車生産の50%拡大に向けたステランティス社(Stellantis)による130億ドル投資をはじめ、マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology)によるメモリー増産向け2,500億ドル投資、アップル社(Apple)による半導体調達拡大に向けた6,000億ドル投資、さらにバイオ製造向けGSK社の300億ドル投資やギリアド・サイエンシズ社(Gilead Sciences)による110億ドルなど、戦略分野への民間投資の急速な拡大が顕著となった。こうした投資誘致により、雇用の質が向上し、国内供給網の強化も着実に進んでいるとし、航空宇宙や鉄鋼生産、エネルギー分野など重要産業への政府支援が国の産業復興を後押ししていると報告している。 The White House “The State of American Manufacturing” (10/10/26) https://www.whitehouse.gov/research/2026/10/the-state-of-american-manufacturing/