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レポート

NSF、企業による知的財産権保護の利用状況に関する調査報告書を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と国勢調査局(U.S. Census Bureau)は、「企業研究開発及びイノベーション調査(Business R&D and Innovation Survey: BRDIS)」を元に、米国に拠点を置く企業に対して、2008年における様々な種別の知的財産権保護の重要性について調査を行った(具体的には、企業は、特許(utility patents)、意匠(design patents)、商標、著作権、企業秘密、マスクワーク(mask works:半導体製品向けの著作権保護)について、「非常に重要」「重要」「ある程度重要」「重要でない」のいずれかを回答する)。今回発表された調査報告書は、これらの結果について、業界別、知的財産権の種別、研究開発活動を伴う企業と伴わない企業、などについてまとめている。それによれば、全体的には、商標や企業秘密、著作権を「重要な知的財産権保護種別」と回答する企業の方が、特許やマスクワークを「重要」と回答する企業よりも多かった。また、研究開発活動を伴う企業と伴わない企業の間では、いずれの知的財産権種別においても、その重要性に大きな違いが見られたという。 NSF “Business Use of Intellectual Property Protection Documented in NSF Survey” (February 2012)

燃料電池及び水素の世界的売上は2012年に7億8,500万ドルに

パイク研究所(Pike Research)が発表した白書「燃料電池及び水素業界:2012年以降に注目される10の傾向(The Fuel Cell and Hydrogen Industries: Ten Trends to Watch in 2012 and Beyond)」によれば、燃料電池及び、燃料電池や内燃機関向け水素の世界的売上は2012年に7億8,500万ドルに達する見込みであるという。報告書は、2012年の売上予測の他に、水素及び燃料電池業界の鍵となる傾向を10点挙げており、①バッテリー式電気自動車の限界が見られる中、燃料電池式電気自動車への関心が再度高まる、②住宅用熱電併給(residential combined heat and power: resCHP)市場が急成長する、などが提示されている。なお、白書によれば、燃料電池式電気自動車への関心は、水素インフラへのコミットメントが強い欧州の方が米国よりも高いとされている。 Green Car Congress “Pike forecasts worldwide revenue from fuel cells and hydrogen will reach $785M million in 2012; interest in fuel cell vehicles re-emerges” (2/15/12)

国家核安全保障局(NNSA)と国立研究所の関係悪化を指摘する新報告書

米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書によれば、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の3つの国立研究所(ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories: SNL))の科学者や工学者は、研究開発及び米国の核兵器備蓄管理というコアミッションに専念しているものの、NNSAと研究所の間に関係悪化が見られ、科学的研究や工学の品質が損なわれる危険性があるという。報告書によれば、かつての安全保障や安全性に関する懸念から発した監督が行き過ぎとなり、信頼関係の断絶につながっているという。本報告書はNRCが議会の要請を受けて、上記3つの国立研究所における科学的研究・工学の品質をレビューを二段階に分けて行うもので、その第一弾となる。NNSAと研究所の信頼関係断絶はLANLで最も顕著であるという。 National Academies “Strained Relations Between NNSA and National Security Laboratories Threatens Quality of Science and Engineering Work, Says New Report” (2/15/12)

炭素捕獲・隔離(CCS)における排出削減効果定量化手法を示した報告書発表

気候・エネルギー・ソリューション・センター(Center for Climate and Energy Solutions: C2ES)は2月14日、炭素捕獲・隔離(carbon capture and storage: CCS)による二酸化炭素排出削減効果を計算する包括的枠組みを示した報告書「炭素捕獲・隔離事業のための温室効果ガス会計枠組み(Greenhouse Gas Accounting Framework for Carbon Capture and Storage Projects)」を発表した。同報告書は、CCSの3つの段階(捕獲、移送、注入及び貯蔵)におけるそれぞれの排出削減を計算する手法について詳述したもので、政策決定者や事業開発者に対し、CCS事業の排出削減効果を定量化する手段を提供することを目的としている。グローバルCCS研究所(Global CCS Institute)によれば、現在世界で15の大型CCSプロジェクトが実施或いは建設段階にあり、それらの二酸化炭素貯蔵能力は合計で年間3,500万トンを超えるという。 Center for Climate and Energy Solutions “NEW REPORT OFFERS COMPREHENSIVE APPROACH TO ACCOUNT FOR CO2 REDUCTIONS FROM CARBON CAPTURE AND STORAGE” (2/14/12)

「エネルギー省の融資保証プログラムは監督の強化が必要」との報告

エネルギー省による代替エネルギープロジェクトへの融資保証プログラムに関して、2月10日に発表された監査報告書によれば、今後のリスクを縮小するため、同プログラムはより厳しい金融監督と受益者に対するより厳しい成果基準の設定が必要であるという。この報告書は昨年、エネルギー省から融資保証を受けたソリンドラ社(Solyndora)がその後破綻し、オバマ大統領が10月に同プログラムを見直すよう命令したことを受けて実施されたもので、元金融会社幹部で財務省高官を務めたハーバート・アリソン氏(Herbert M. Allison Jr.)が作成した。報告書では、これまでにエネルギー省の2つのプログラムの下で実施された30社に対する合計243億ドルの融資保証のうち、最高30億ドルが回収できない可能性があるという。議会はこれらのプログラムを設置するにあたり、損失の可能性として100億ドルを用意していた。大統領府報道官はこの報告書を受けて、「損失予測は議会の予想を下回っており、全体としては十分な成果を示す融資ポートフォリオであることを正当化するものである」と述べている。 New York Times “Energy Loan Oversight Is Needed, Audit Finds” (2/10/12)

シリコンバレー、不況から徐々に脱出

非営利組織のジョイントベンチャー・シリコンバレー(Joint Venture Silicon Valley)とシリコンバレー・コミュニティ財団(Silicon Valley Community Foundation)は2月7日、「2012年シリコンバレー指数(2012 Silicon Valley Index)」を発表した。サンタクララ郡やサンマテオ郡などにおける経済開発や労働力、住宅、教育など様々な部門の最新データや傾向をまとめた同報告書によれば、シリコンバレー地域は徐々に不況から脱出しつつあるという。その牽引役は技術系部門で、新企業が次々と誕生し、雇用が創出されている。しかしこうした成長も、公的部門の金融危機や住宅部門の問題などが足かせとなり、多くの住民がその恩恵を受けられずにいるという。 Joint Venture Silicon Valley “2012 Silicon Valley Index: Region mounting impressive recovery” (2/7/12)

極地域に関する米国民の知識は向上するものの、環境変化に対する懸念は変化なし

ニューハンプシャー大学(University of New Hampshire: UNH)のカーシー研究所(Carsey Institute)が国立科学財団(National Science Foundation: NSF)の支援を得て行った調査結果によれば、極地域の事実に関する米国民の知識は2006年から2010年の間に向上したものの、極地域における環境の変化に関する懸念は変化していないという。UNHの社会学教授でカーシー研究所の上級フェローであるローレンス・ハミルトン氏(Lawrence Hamilton)は、「極地域における環境の変化への認識が高まっていない理由の一つは、イデオロギー及び政治的分裂である」と述べている。研究者によれば、気候関連の質問への回答において、民主党員と共和党員の間で政治的不一致が見られたという。 Physorg.Com “Americans’ knowledge of polar regions up, but not their concern” (2/7/12)

合成生物学のガバナンス向上に向けたスコアカード発表

ウッドロー・ウィルソン・センター(Woodrow Wilson Center)の合成生物学プロジェクト(Synthetic Biology Project)は2月8日、合成生物学の研究開発におけるガバナンス向上に向けて行われている連邦政府及びそれ以外の取り組みを追跡することを目的として、ウェブベースの「合成生物学スコアカード(Synthetic Biology Scorecard)」を発表した。これは、「バイオ倫理問題に関する大統領研究委員会(Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues)」が2010年12月に発表した報告書「新たな方向性:合成生物学及び新興技術の倫理(New Directions: The Ethics of Synthetic Biology and Emerging Technologies)」で示した勧告の実践に向け、その進展状況をモニタリングするものである。スコアカードではまた、大統領委員会が示した目標達成に向け、幅広い関係者の参加を奨励するほか、勧告や取り組みに関するパブリックコメントを求めていくという。 Synthetic Biology Project “The Governance of Synthetic Biology” (2/8/12)

カリフォルニア州、2011年には電力の約5%を風力エネルギーから供給する見込み

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)の統計によれば、2010年における同州の電力の大半(42%)は天然ガスによるもので、次いで原子力と水力発電となっており、風力は4.7%となっている。一方、カリフォルニア風力エネルギー協会(California Wind Energy Association: CalWEA)が2月7日に発表したところによれば、2011年には921メガワットの風力発電能力が州内に導入されたことから、この割合が5%に達する見込みであるという。この5%というのは長年目標とされてきた数値であり、カリフォルニア州にとって節目となるとみられる。カリフォルニア州は、2020年までに電力の33%を再生可能源から調達するという野心的な目標を設定している。 PHYSORG.COM “California hits wind energy milestone: About 5 percent of power from wind” (2/7/12)

PCAST、STEM分野の大学卒業生100万人増加に向けた報告書を発表

米国が現在の科学・技術・工学・数学(STEM)分野での卓越性を維持するためには、今後10年間でSTEM専門職を現行予測よりも約100万人増やす必要があるというのが経済学者の間のコンセンサスであるが、これを達成するためには、STEM分野の学士卒業生を現行水準よりも約34%増やす必要がある。一見すると大変な作業のように見えるが、これは現在のSTEM専攻学生が専攻を続けるよう維持率を高めることで実現可能である(具体的には、現在、STEM分野を専攻する意向で大学に入学した学生が実際にSTEM分野の学位を取得して卒業する割合は40%であるが、これを50%に高めることで目標の75%を達成できる試算)。大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)が作成した報告書「卓越への取り組み:STEM分野の学位を取得する大学卒業生を100万人増加する(Engage to Excel: Producing One Million Additional College Graduates with Degrees in Science, Technology, Engineering, and Mathematics)」は、STEM専攻学生を維持することは、STEM専門職を増加する上で、低コストかつ最速の政策選択肢であると結論づけている。そしてこれを実現するための方策として、①大学における最初の2年間のSTEM教育を向上させる、②全ての学生に卓越のために必要なツールを提供する、③STEM学位取得のための道を多様化する、といった点を勧告している。報告書はまた、STEM教育に関する大統領評議会(Presidential Council on STEM Education)を発足させるよう要請している。 White House “ENGAGE TO EXCEL: PRODUCING ONE MILLION ADDITIONAL COLLEGE GRADUATES WITH DEGREES IN SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS” (2/7/12)