米国が現在の科学・技術・工学・数学(STEM)分野での卓越性を維持するためには、今後10年間でSTEM専門職を現行予測よりも約100万人増やす必要があるというのが経済学者の間のコンセンサスであるが、これを達成するためには、STEM分野の学士卒業生を現行水準よりも約34%増やす必要がある。一見すると大変な作業のように見えるが、これは現在のSTEM専攻学生が専攻を続けるよう維持率を高めることで実現可能である(具体的には、現在、STEM分野を専攻する意向で大学に入学した学生が実際にSTEM分野の学位を取得して卒業する割合は40%であるが、これを50%に高めることで目標の75%を達成できる試算)。大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)が作成した報告書「卓越への取り組み:STEM分野の学位を取得する大学卒業生を100万人増加する(Engage to Excel: Producing One Million Additional College Graduates with Degrees in Science, Technology, Engineering, and Mathematics)」は、STEM専攻学生を維持することは、STEM専門職を増加する上で、低コストかつ最速の政策選択肢であると結論づけている。そしてこれを実現するための方策として、①大学における最初の2年間のSTEM教育を向上させる、②全ての学生に卓越のために必要なツールを提供する、③STEM学位取得のための道を多様化する、といった点を勧告している。報告書はまた、STEM教育に関する大統領評議会(Presidential Council on STEM Education)を発足させるよう要請している。
White House “ENGAGE TO EXCEL: PRODUCING ONE MILLION ADDITIONAL COLLEGE GRADUATES WITH DEGREES IN SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS” (2/7/12)