Category:レポート
NSFが先端コンピューティング・インフラ計画を発表
国立科学財団(National Science Foundation: NSF)は、先端コンピューティング・インフラストラクチャー(Advanced Computing Infrastructure: ACI)のビジョンと戦略をまとめた報告書を発表した。報告書は、先端コンピューティング技術、ハードウェア、ソフトウェアにおけるNSF助成受益コミュニティ全体の位置付け及び支援を目的としたもので、ACIを「21世紀の科学技術枠組みに向けたNSFのサイバーインフラの主要要素」としている。報告書でNSFは、「コンピュータやデータ主導型の科学工学において先端基礎研究やその応用を促進するため、先端コンピューティングインフラやプログラム、その他のリソースの包括的ポートフォリオを創出及び導入するリーダーとなる」ことをビジョンとして示し、これを達成するための戦略を記述している。 The Computing Community Consortium Blog “NSF Issues Advanced Computing Infrastructure Plan” (2/23/12)
GAO、エネルギー省科学局の研究優先付けに関する報告書を発表
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は議会の要請を受け、①エネルギー省科学局(Office of Science)による研究優先付け及びその確立方法、さらに、②研究努力を確立及び実践する上で、重複や断片化の可能性を特定・緩和することを目的とした他省庁との調整手法、について調査報告を行った。それによれば、①については、「科学局は6つの主要学際研究部門ごと及び全体において、研究の優先付けを確立しているものの、これらのプログラムの明確な順位付けは行っていない。科学局は現在、エネルギー長官の関心(クリーンエネルギー技術開発の育成)に沿った形で研究の優先付けを行っている」としている。②については、「科学局はエネルギー省内のその他の部門や、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)や米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)など基礎研究への助成を行っているその他の連邦機関と調整するため、様々な公式・非公式のメカニズムを活用している」と分析している。 GAO “The Department of Energy’s Office of Science Uses a Multilayered Process for Prioritizing Research” (2/24/12)
省エネ照明の普及増加傾向が明らかに
エネルギー省(Department of Energy: DOE)が最近発表した報告書「2010年米国照明市場の特性評価(2010 U.S. Lighting Market Characterization)」には、多くの有望な傾向が示されている。その中で最も重要と考えられる傾向は、「よりエネルギー効率の高い照明への移行」であろう。同報告書は、類似報告書「2001年米国照明市場目録(2001 U.S. lighting market inventory)」の更新版で、この10年間の傾向として、①省エネ照明の推進、②省エネ照明への需要増、の2点が挙げられている。この期間に最も成長したのは、住宅部門で、これは世帯数の増加に因るところが大きい。 CleanTechnica.Com “DOE Report Shows Shift to Energy-Efficient Lighting” (2/22/12)
オバマ政権、「米国先端製造戦略計画」を発表
米国科学技術評議会(National Science and Technology Council)は、「米国先端製造戦略計画(National Strategic Plan for Advanced Manufacturing)」を発表した。これは、大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)が2011年6月に発表した「先端製造における米国のリーダーシップを確実にするための大統領への報告(Report to the President on Ensuring American Leadership in Advanced Manufacturing)」に基づいて作成されたもので、先端製造が米国の経済や国家安全保障にもたらす根本的な重要性についてまとめている。また、本件に関する連邦政策の目標として、①中小規模の製造事業者を中心とした投資の加速、②技能需要により呼応した教育・研修制度の確立、③連邦政府による先端製造研究開発投資の最適化、④先端製造研究開発における官民投資の全体的な増加、⑤先端製造関係者による全国及び地域的なパートナーシップの育成、の5点を挙げている。 White House ” Advanced Manufacturing: Cornerstone of an Economy Built to Last” (2/22/12)
無線ブロードバンドが公共の安全性と雇用創出にもたらす恩恵を強調する新たな報告書発表
2月21日、経済諮問委員会(Council of Economic Advisers: CEA)は新報告書を発表した。これは、無線放送に利用可能なスペクトラムを今後10年間で倍増すると同時に全国的に相互運用可能な無線ネットワークを導入するという大統領目標の経済的影響について解説したもので、無線ブロードバンドが公共の安全性並びに雇用、成長、投資にもたらす好影響について取りまとめたものである。 White House “New Report Highlights Wireless Broadband Benefits for Public Safety and Job Creation” (2/21/12)
低炭素世界に向けた計画発表
カナダ・バンクーバーで行われたAAAS年次会議の中で、2月19日に行われたセッションにおいて、クリーンエネルギーが豊富な世界に向けた設計図として「分点設計図(Equinox ‘blueprint’)」報告書が発表された。これは昨年6月にカナダのオンタリオ州で行われたサミット会議「ウォータールー・グローバル科学イニシアチブ(Waterloo Global Science Initiative)」で得られたファインディングをまとめたものである。サミット参加者ら(科学者、政策専門家、若手環境指導者など)は、4日間に亘り、未来の低炭素世界のための方向性について議論し、状況を抜本的に変える電力技術の可能性について検討した上で、行動進路として、①再生可能エネルギーの大規模貯蔵(バナジウム系レドックスフロー電池を支持)、②地熱発電の強化(ベースロード発電として)、③先端原子力発電(ベースロード発電として)、④オフグリッドの電力アクセス(有機太陽電池を支持)、⑤輸送解決策を含めたスマートな都市化、の5つを選択している。 Nature.com “Energy summit unveils blueprint for change” (2/20/12)
EPAがダイオキシンに関する報告書を発表
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、ダイオキシンが癌以外の健康問題(免疫システムや生殖器系への悪影響など)の原因となる可能性について評価した報告書をようやく公表した。報告書は、「ダイオキシンの摂取量は、1日当たり体重1キログラムにつき0.7ピコグラム未満とすべきである」と勧告している。また、報告書に付随されているファクトシートでは、「現行のダイオキシンへの暴露は、甚大な健康リスクを呈していない」と記述している。環境団体はEPAの報告書を歓迎・評価している一方、業界団体の米国化学工業協会(American Chemistry Council)は、報告書が公表される以前から、「EPAによる評価は、食品の安全性に関して消費者を誤解、脅えさせる可能性がある」と批判していた。ダイオキシンと癌に関する再評価は後日発表される予定である。 Nature.com “US environment agency releases dioxin report” (2/18/12)
米国で科学分野における労働者の割合が減少
非営利団体の人口参照事務局(Population Reference Bureau: PRB)が2月17日に発表した国勢調査(Census)データ分析によると、米国の技術分野(建築からソフトウェア設計に至るまでの幅広い分野)における米国人労働者の割合は、2010年は4.9%で、2000年の5.3%から減少した。こうした知識労働者の割合は1950年以来、10年ごとの国勢調査で毎回増加していたが、今回初めての減少となった。技術分野における労働者数そのものは増加しているが、全体的な人口増加に伴い、その全体に占める割合が減少したのが原因である。減少の要因の一つとして、過去10年間における製造業の低下が挙げられている。また、データ分析では、技術系労働者の高齢化や、外国生まれの技術系労働者の増加が指摘された。 Wall Street Journal “Share of Workers in Scientific Fields Shrinks” (2/17/12)
2012年大統領経済報告書のプレビュー発表
大統領府は、経済諮問委員会(Council of Economic Advisers: CEA)が毎年作成する「大統領経済報告書(Economic Report of the President)」のプレビューを発表した。今年の報告書のテーマは、「回復、再均衡、そして再建(Recover, Rebalance, and Rebuild)」である。米国は2011年も大不況(Great Recession)からの回復を続け、将来においてより均衡が取れた持続可能な経済成長のためのより強い基盤を構築するため、進展を続けたと報告書では分析している。また、オバマ政権は発足直後から、急落する経済を好転させるべく大胆な策を講じており、2009年の米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)を通じて経済や金融の破綻を食い止め、人々に職を戻すべく努力し、様々な措置を通じて銀行制度を補強し、金融部門を安定化させたと結論づけている。 White House “A Preview of the 2012 Economic Report of the President” (2/17/12)
セベリウス厚生長官、医師や病院における医療情報技術の利用で目覚しい進展を発表
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のキャサリーン・セベリウス長官(Kathleen Sebelius)は2月17日、医療情報技術を利用する病院の数が過去2年間で2倍増となったことを発表した。米国病院協会(American Hospital Association)が作成した報告書によれば、電子医療記録(Electronic Health Records: EHR)を導入した病院の割合は、2009年の16%から2011年の35%へ増加したという。そして85%の病院が、2015年までにメディケア及びメディケイドによるEHRインセンティブ・プログラムを通じて得られるインセンティブ報酬を利用する計画であるという。セベリウス長官はまた、メディケア及びメディケイド・サービスセンター(Centers for Medicare & Medicaid Services: CMS)が発表したデータによれば、約2,000件の病院と4万1,000人以上の医師が、HERを中心とした医療情報技術の有益な活用を確実にすることを目的としたインセンティブ報酬を31億ドル受益していることも発表した。 HHS.Gov “HHS Secretary Kathleen Sebelius announces major progress in doctors, hospital use of health information technology” (2/17/12)