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レポート

NSB、NSFのメリットレビュー基準について報告書を発表

米国科学審議会(National Science Board:NSB)は、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)は全ての提案に対して行っているメリットレビュー基準(知的メリットとより広範なインパクト)が引き続き適正なものであるかどうかを審議してきたが、その結果を報告書「NSFのメリットレビュー基準:そのレビューと改正(National Science Foundation’s Merit Review Criteria: Review and Revisions)」として発表した。報告書は2つのメリットレビュー基準の変更は勧告しなかったが、これらの基準についてより良い定義を行うよう提言している。 National Science Foundation “National Science Board Releases Report on NSF’s Merit Review Criteria” (1/10/12)

2012年度研究開発予算、基礎研究とエネルギー・環境分野で増加ながら、全体的には減少

米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)の研究開発予算・政策プログラム(R&D Budget and Policy Program)の分析によれば、2012年度予算(オバマ大統領が12月23日に署名)で、基礎・応用研究、エネルギー・環境研究向け予算は大幅に増加したものの、全体的な研究開発支出は1.3%の減少となったという。予算削減の中心は軍事で、軍事関連の研究開発費は全体で前年比3.2%(25億ドル)減となっている。一方、非軍事部門の研究開発は同0.5%(2億9,300万ドル)の微増となる。このうち、エネルギー省(Department of Energy)、国立科学財団(National Science Foundation)、商務省(Department of Commerce)、環境保護庁(Environmental Protection Agency)で大幅増となり、国立衛生研究所(National Institutes of Health)は実質横ばいとなる。 AAAS “AAAS Analysis: 2012 R&D Gains for Basic Research, Energy, and Environment; Overall Investment Down” (1/9/12)

商務省、「競争力報告書」を発表

商務省(Department of Commerce)は1月6日、包括的報告書「米国の競争力及びイノベーション能力(The Competitiveness and Innovative Capacity of the United States)」を発表した。これは昨年1月に法制化された米国競争再承認法(America COMPETES Reauthorization Act of 2010)において商務省に作成が義務付けられたもので、基礎研究や教育、インフラ、製造支援など様々な分野及び政策選択肢を網羅する内容となっている。報告書は、重要なファインディングとして、①前世紀において、研究、教育、インフラにおける連邦投資は米国の経済的競争力や事業拡大、雇用創出の重要な要素であった、②適切な投資が行われず、包括的戦略が立てられなかった分野は米国の競争的位置付けを損ないつつある、③厳しい予算環境においては、これらの支柱への支援の優先付けが将来の米国経済にとり急務であり、連邦投資に優れたリターンをもたらすものである、の3点を挙げている。 Commerce.Gov “The Commerce Department Release the COMPETES Report: A Roadmap for Strengthening U.S. Competitiveness” (1/6/12)

気候・地球環境の変化に関する10ヵ年連邦政府プログラム草案の評価報告発表

米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、連邦省庁における気候及び地球環境の変化に関する研究取り組みを策定及び調整することを目的とした10ヵ年計画「米国地球変動研究プログラム(U.S. Global Change Research Program: USGCRP)」草案の評価を行い、報告書として発表した。報告書は、「USGCRPがその対象を気候変動だけでなく気候関連の地球的環境も含めるよう拡大を提案していることは適切かつ重要なステップである」としたが、草案は必ずしもそれに伴う重要な課題(予算問題の深刻化や目標達成方法など)を認識しておらず、このような課題にどのように対処するのか明確な戦略も示していないと述べた。報告書はまた、USGCRP計画を強化する策として、①過去の重要な達成事項に関してより明確な要旨を提示する、②プログラムの優先案件の設定などに明確なプロセスを確立する、などを提案している。 National Academies “New Report Reviews 10-Year Plan for Federal Program On Climate and Global Environmental Change Research” (1/5/12)

IEE、電力省エネプログラムの結果・予算に関する報告書を発表

電力効率研究所(Institute for Electric Efficiency: IEE)が発表した報告書「2010-2011年公共料金納付者が資金を提供する電力省エネプログラムの影響・予算・支出(Summary of Ratepayer-Funded Electric Efficiency Impacts, Budgets and Expenditures (2010-2011))」によれば、米国における公共料金納付者の資金提供によって行われている省エネプログラムや需要対応プログラムにより、2010年にはほぼ1,000万世帯分の電力(約1億1,200万メガワット時)が節約されたという。これは2009年に比べ21%の増加となる。IEEでは、これらのプログラムによる省エネ合計額は今後も2桁成長を続けると予測している。また、2010年における効率プログラムの支出は48億ドルに達し、その88%を電力ユーティリティが占めているという。 Institute for Electric Efficiency “Electric Utility Efficiency Program Results, Budgets Steadily Growing, New Report Shows” (January 2012)

MIT研究者、「シェールガス市場の発展により、将来の研究開発活動が削減される可能性がある」と指摘

米国のシェール・ガス市場がここ数年で急成長している中、同市場の成長が再生可能エネルギーに及ぼす影響を指摘する報告書が発表された。マサチューセッツ工科大学(MIT)の「地球変動科学・政策合同プログラム(Joint Program on the Science and Policy of Global Change)」のヘンリー・ジャコビー共同名誉所長(Henry Jacoby, co-director emeritus)がその他の研究者と共に、エネルギー・環境政策経済学誌(Economics of Energy and Environmental Policy)創刊号で発表した「シェールガスが米国エネルギー・環境政策に及ぼす影響(The Influence of Shale Gas on U.S. Energy and Environmental Policy)」がそれである。ジャコビー所長らは、米国における今後のエネルギー事情をシェールガスが存在する場合と存在しない場合について、幾つかの政策シナリオに基づいて予想分析している。それによれば、シェールガスの存在により、天然ガス価格は低下し、経済は刺激され、温室効果ガス削減で大きな柔軟性がもたらされるが、その一方でシェールガスの成功により再生可能エネルギーの発展が抑制されることになると指摘している。 MIT news “A shale gas revolution?” (1/3/12)

MIT研究者、米国の自動車燃費の実質的向上はわずかとする研究結果を発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の経済学者、クリストファー・クニッテル氏(Christopher Knittel)がアメリカン・エコノミック・レビュー(American Economic Review)に発表した研究報告書「ステロイド依存の自動車(Automobiles on Steroids)」によれば、ここ数十年の技術革新により自動車の燃費は向上したものの、自動車自体がより大きくパワフルになっているため、実際の1ガロン当たりの走行距離(以下「マイレージ」)の向上はわずかとなっているという。具体的には、1980年から2006年の間に、米国で販売された車の平均マイレージは15%強増加した一方、同期間に車の平均的重量は26%、馬力は107%増加しており、マイレージの増加率を大きく上回っている。一方、全ての条件が同じであった場合、車のマイレージは1980年から2006年の間に60%増加したという。これが現実のマイレージに反映されていない理由は、消費者が大きくて馬力のある車を望み、自動車メーカーがそれらを製造するためである。クニッテル氏は、こうした消費者の心理は理解できるとした上で、排出ガス削減のための最も論理的な方法は、ガソリン税の引き上げであると述べている。 MIT News “The case of the missing gas mileage” (1/4/12)

NIH助成を受けた臨床試験の多数において終了後2年以内に研究結果が発表されず

イエール大学医学部(Yale School of Medicine)の研究者が、ClinicalTrials.gov内に登録されている国立衛生研究所(NIH)の助成を受けて行われた臨床試験のサンプル(2005年9月30日までに登録され、2008年12月31日までに試験を終了しているもの)を対象に行った調査によれば、試験終了から30ヶ月以内にその結果がピアレビューのバイオ医療誌に掲載されたのは半数以下であるという。英国医師会誌(British Medical Journal)の1月号で発表されたこの結果について、筆頭著者でイエール大学医学准教授のジョセフ・ロス氏(Joseph Roll)は、「臨床試験結果の情報が普及されなければ、研究や研究結果の意味が損なわれる。試験結果が発表されていないのには、多くの理由があるかもしれないが、研究結果へのアクセスをタイムリーに提供するための手段は他にもある」と述べている。 Medical press “Many NIH-funded clinical trials go unpublished over two years after completion” (1/4/12)

エタノール生産用の農地増加は見られず

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)の報告書「2007年米国における主な土地利用(Major Uses of Land in the United States 2007)」によれば、米国の農地面積は2002年から2007年の間に減少しており、従来指摘されていたような「エタノール生産の増加は専用農地の増加につながる」との見方が裏付けられていないことが示された。報告書によれば農地面積は2007年までに3,400万エーカー減少し、1945年以来の最低水準となったという。全ての用地に農地が占める割合は18%で、規模としては森林(30%)、草原(27%)に次いで3番目となっている。 DomesticFuel.com “USDA Report Shows No Cropland Growth for Ethanol” (12/22/11)

MIT研究者、エネルギー・イノベーションに関する報告書発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)を拠点とする研究者チームがエネルギーイノベーションをもたらす手法について3年間に及ぶ研究を行い、その結果が新著「エネルギーイノベーションの解放(Unlocking Energy Innovation)」として発表された。本書は、廉価で信頼性の高いエネルギーへの需要が増大する中、これへの対応の一助となり、炭素排出を減少させ、エネルギー供給に関する不安を緩和するエネルギー・イノベーションを加速させる一連の政策及び投資戦略について詳述している。「イノベーションは何もない所から生まれない。生産的なエコシステム(官民研究所、様々な規模の企業、金融仲介業者、様々な金融機関、学校など)を作ることによって生まれる」と著書の一人は述べる。イノベーション技術がエネルギーインフラで位置づけを確立するには4つの段階があり、最初の「新技術の選択肢の発見」と最終段階の「既に商業化された技術の微調整」は比較的管理されているものの、中間の「プロトタイプから市場での実行可能性への開発」「初期導入」については、管理が十分でないと指摘している。 MIT News “How to kick-start new energy technologies” (12/22/11)