アリゾナ大学発ベンチャー、経済効果は5億8,500万ドル​

アリゾナ大学(University of Arizona)のテック・ローンチ・アリゾナ(Tech Launch Arizona)(同大学研究発の発明の商業化を担当)は、「アリゾナ大学発ベンチャーの経済効果(The Economic Impact of UArizona Startups)」と題する報告書を発表した。2016年度から2018年度に立ち上げられた大学発ベンチャー企業の経済効果を分析したもので、それによれば、この期間にアリゾナ大学で合計71のベンチャー企業が始動し、①5億8,570万ドルの経済効果、②5,236人の雇用創出、③2,540万ドルの税収(州・地方)、④支出1ドルにつき14.24ドルの給与所得を創出、したという。​ ​ University of Arizona “UArizona Startups Create $585M Economic Impact” (12/10/19) ​

トランプ大統領、5G担当の特別代表(国際通信政策担当)を指名

トランプ大統領は、ロバート・ブレア氏(Robert Blair)を、国際通信政策担当特別代表(Special Representative for International Telecommunications Policy)に指名した。ブレア氏は同代表として、セキュアで信頼性の高いグローバル通信システムの推進を目的とした米国の取り組みの戦略的優先付け作業を主導する。また、ラリー・クドロー大統領補佐官(経済担当)(Larry Kudlow, Assistant to the President for Economy Policy)が主導する政権の5Gの取り組みを支援する。しかし、ブレア氏には、通信分野での経歴があるわけではない。今年1月に、現行政管理予算局(OMB)局長兼首席補佐官代行(acting chief of staff)のミック・マルバニー氏(Mick Mulvaney)の上級アドバイザー(国家安全保障問題担当)として大統領府入りしており、ブレア氏のこの国防歳出分野での経験が今回の新たなポジションの主たる理由のようである。​ ​ White House “Statement from the Press Secretary” (12/23/19) ​ Light Reading “Meet Trump’s New 5G Czar” (12/24/19) ​

1億3,000万ドルの資金を基にデューク大学の医薬品発見を加速する新会社設立

デューク大学(Duke University)と、医療ケア投資会社のディアフィールド・マネジメント社(Deerfield Management Company)は12月18日、大型のトランスレーショナル研究における協力を発表した。具体的に、ディアフィールド・マネジメント社が初期資金として提供する最高1億3,000万ドル(10年間)を基に、フォー・ポインツ・イノベーション社(Four Points Innovation)と呼ばれる会社が新設される。ディアフィールド社はまた、様々な分野でデューク大学の革新的な医薬品研究を支援するため、開発の専門知識を提供する。フォー・ポインツ・イノベーション社は、医薬品発見の臨床前段階から開発までを通じて、デューク大学のR&Dプロジェクトを支援する。2020年3月(予定)から、デューク大学の研究者はプロジェクト案を提出することができ、フォー・ポインツ・イノベーション社の委員会がこれらの提案を検討する。​ ​ Duke University “New Company Formed with $130 Million to Accelerate Duke’s Drug Discovery” (12/18/19) ​

NIST、2018年商務省傘下の研究所の技術移転報告を発表​

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、商務省(Department of Commerce)の「2018年技術移転に関する年間報告(2018 Annual Report on Technology Transfer)」を発表した。同報告書は、商務省傘下の3つの研究所(NIST、国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)、米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)の通信科学研究所(Institute for Telecommunication Sciences: ITS))による技術移転努力の成果をまとめたもので、過去5年間で複数の技術移転活動が増加したことを示している。2018年度、商務省の研究者は、534件の共同研究開発契約(cooperative research and development agreement: CRADA)に参加(前年度より120件増)し、商務省の研究所は77件の新しい発明を開示し、56件の特許出願を行い、28件の特許を取得した。現在、67件の特許ライセンスが稼働中で、そのうち37件は収入をもたらしている。さらに、商務省の研究者は合計3,220件の科学的・技術的論文をピアレビュー専門誌に出版した。​ ​ National Institute of Standards and Technology “NIST Publishes 2018 Department of Commerce Laboratories Technology Transfer Report” (12/31/19) ​

サンディア国立研究所の新所長指名

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)の次期所長として、ジェームズ・ピーリー博士(James S. Peery)が指名された。同氏は、2019年末に退任する現所長のステファン・ヤンガー博士の後任として、第16代所長に就任する。ピーリー氏は、1990年にサンディア国立研究所でキャリアを開始した。その後ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)へ移り、再びサンディア国立研究所へ戻った後、再度同研究所を去り、現在は、オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)の所長補佐(全国安全保障科学)(Associate Laboratory Director of National Security Sciences)を務めている。​ ​ Sandia National Laboratories “New Sandia Labs Director named” (12/2/19) ​

ブレイクスルー科学のために量子コンピューティングのR&Dを加速させることを目的として、戦略的同盟「量子情報エッジ」が始動

急務の科学的課題を解決し、次世代情報技術における米国のリーダーシップを維持することを意図した量子コンピューティング・システムの最先端を進展させるため、国立研究所、大学、業界による全国的な同盟が始動する。エネルギー省(Department of Energy)傘下のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)とサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)の主導により、12月20日、戦略的同盟「量子情報エッジ(Quantum Information Edge)」がスタートした。同盟には、メリーランド大学(University of Maryland)、デューク大学(Duke University)などの大学も含まれる。これらのパートナーシップは、コンピュータ科学、マテリアル科学、物理学、数学、工学といった分野で世界有数の幅広い専門性と能力を結集させ、量子システムの実用的な進展に取り組む他、最も影響力のある科学的応用の特定、労働力の育成支援などにも取り組む。​ ​ Berkeley Lab “The Quantum Information Edge Launches to Accelerate Quantum Computing R&D for Breakthrough Science” (12/20/19) ​

米国のグローバル・イノベーション・パワーハウスとしての地位が低下

ラックス・リサーチ社(Lux Research)が発表した報告書「アジアにおけるイノベーションの現状:アジアの革新的エコシステムを形成する鍵となる産業とプレイヤー(State of Innovation in Asia: Key Industries and Players Shaping Asia’s Innovative Ecosystem)」によれば、近年、研究開発(R&D)支出、ベンチャー・キャピタル資本、学術出版、特許という点で、アジアがブームを牽引しているという。報告書は同社独自の手法を用いて分析し、国際的なイノベーションを先導している国を判断したもので、今後の展開として、①中国と韓国はそれぞれの頑強で多様なイノベーション・ポートフォリオを活用し、地域的及び国際的なイノベーション国としての立場を強化、②日本のイノベーションの現状は縮小し続け、いずれは特殊な存在の中で隅の方にいる姿へと変革、③シンガポールは世界のR&Dハブの頂点としての立場を強化、といった点が予想されている。​ ​ PR Newswire “U.S. Losing Ground as Global Innovation Powerhouse; China and South Korea Take Top Spots” (12/19/19) ​

2020年度の最終歳出法案は、米国研究に好ましい形に​

民主党議員と共和党議員の間で3ヶ月にわたって行き詰っていた2020年度の歳出法案交渉がまとまり、米国の研究機関の多くは予算の健全な増加を見た。12月16日、2020年度(9月30日締め)の各連邦機関の予算の詳細が公表された。議会は、科学が関係するほぼ全ての機関において、明白な増加を容認した。一例として、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)には7%(26億ドル以上)増の417億ドルが充当される。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、2.5%(2億300万ドル)増の82億8,000万ドル、エネルギー省(Department of Energy)の科学局(Office of Science)の予算は6.3%(4億1,500万ドル)増の70億ドル、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)の宇宙科学は3.4%(2億3,300万ドル)増の71億4,000万ドルとなった。同法案は、トランプ大統領が12月20日に署名し、成立した。 ​ Science “Final 2020 spending bill is kind to U.S. research” (12/16/19) ​

OMB、連邦データ戦略で連邦機関が来年実施すべき行動項目を4件追加​

トランプ政権の行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は12月23日、連邦データ戦略(Federal Data Strategy)の最終計画案を公表した。行動項目は4項目増えて合計20項目となった。その中には、①連邦機関は6か月をかけて自組織の労働力のデータ・リテラシー及びデータ・スキルの評価を完了する、②これらの評価で特定されたスキルのギャップを是正するための行動計画をその後6か月をかけて策定する、などが含まれる。OMBは6月に本件の草案を発表し、その後寄せられたパブコメを基に、新たに4項目を追加した最終計画案を発表した。OMBは、「米国民に質の高いサービスを提供するために、連邦データを十分に活用する戦略を確実にする上で、関係機関から寄せられた見解は重要である」と述べている。新たに追加された項目は、①保有データを公開及び更新する、②連邦最高データ担当官評議会(Federal Chief Data Officer Council)を立ち上げる、③データ品質測定及び報告ガイダンスを策定する、④データ標準デポジトリを策定する、の4つ。​ ​ Federal News Network “OMB adds 4 new action items for agencies to meet next year in finalized Federal Data Strategy” (12/23/19) ​

運輸省、ドローンの遠隔IDに関する規則案を発表

運輸省(Department of Transportation)傘下の連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は12月31日、無人航空システム(UAS:「ドローン」)を国内の上空に統合するための安全策として、ドローンが遠隔で認識可能とすることを義務付ける規則提案を連邦広報(Federal Register)で告示した。イレーン・チャオ運輸長官(Elaine Chao)は、「遠隔ID技術により、FAA、法規取り締まり、連邦安全保障機関は、上空を飛行しているドローンを特定することができ、安全性と安全保障が強化されるだろう」と、述べた。FAAは、本提案に対するパブコメを2020年3月20日まで受け付ける。​ ​ Department of Transpiration “U.S. Department of Transportation Issues Proposed Rule on Remote ID for Drones” (12/31/19) ​