スタンフォード大学の「人間中心のAI研究所(HAI)」、国家研究クラウドの創設を提案​

スタンフォード大学(Stanford University)の「人間中心のAI研究所(Human-centered Artificial Intelligence: HAI)」は3月29日、「国家研究クラウド:米国イノベーションの継続を確実に(National Research Cloud: Ensuring the Continuation of American Innovation)」と題する記事を発表した。記事は、「米国はこれまでの所、AI研究のリーダー的存在であり続けているものの、基礎研究への政府投資の減少、コンピューター資源と大規模なデータセットへのアクセスの欠落により、世界における米国の位置づけは脅かされている。現在のAIは、大規模な機械学習モデルを訓練及び導入するために、大規模なコンピュータ計算、データ、専門性を必要としているが、そのための資源を有しているのはほんの一握りの企業である」としている。その上で、HAIは、「米国政府主導で、学術機関、政府、産業によるタスクフォースを設立し、国家研究クラウド(National Research Cloud)の立ち上げに取り組む」ことを要請している。HAIはこの取り組みを昨年開始し、大統領と議会宛ての書簡に22の有力大学の学長などから署名を得る努力をした。HAIは、「我々は現在、世界が直面しているパンダミックへの対応に焦点を当てるべきであり、この合同書簡を今発表することは控えるが、その一方でこのイニシアチブを前進させることは重要である」と発表している。​ ​ Human-centered Artificial Intelligence, Stanford University “National Research Cloud: Ensuring the Continuation of American Innovation” (3/29/20) ​ ​ ​

炭素捕獲・貯蔵市場は2026年までに60億ドルに到達するとの予測​

グローバル・マーケット・インサイツ社(Global Market Insights)の報告によれば、世界の炭素捕獲・貯蔵(carbon capture and storage: CSS)市場の収入(revenue)は、2026年までに60億ドルを超える見通しである。報告によれば、様々な産業において化石燃料利用が増加しており、環境への炭素排出が急増していることは、CSS技術の導入が今後増える要因となるという。また、温室効果ガス排出の削減へ向けた厳しい政府規制と、炭素排出を最小限にするためのCCS技術への需要増加により、世界のCCS業界の規模は拡大すると考えられている。​ ​ Environmental Leader “Carbon Capture and Storage Market to Reach $6 Billion by 2026” (4/1/20) ​

ケルビン・ドログマイヤー博士、NSF長官代理に就任

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のケルビン・ドログマイヤー長官(Kelvin Droegemeier)は、3月31日付けで米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の長官代理に指名された。ドログマイヤー長官は過去に米国科学審議会(National Science Board: NSB)のメンバー(任期6年)を2期務めた経験がある。フランス・コルドバ前NSF長官(France Córdova)は、「ドログマイヤー氏は、大統領府の科学顧問及びOSTP長官として比類なき経験がある。(中略)彼のリーダーシップの下、NSFは進展し続けるだろう」と述べた。​ ​ National Science Foundation “Dr. Kelvin Droegemeier Named Acting National Science Foundation Director” (4/1/20) ​

米国民は新型コロナウィルス対策に関するデータの提供に懸念​

調査会社のオリバー・ワイマン・フォーラム社(Oliver Wyman Forum)が発表した調査結果によれば、多くの米国民は、アプリ・メーカーや政府が新型コロナウィルスのパンデミック対策として、自分のデータを収集することを望んでいない。同社の調査結果(3月21日~27日に実施)によれば、54%の米国民が、公衆衛生の監視という点から、最近医療機関を訪問したか否かといった健康状況のデータを共有することに前向きである。しかし、過半数の回答者が「可(OK)」と回答したデータの種類はこれのみで、回答者の約3分の1が、航空渡航のパターンに関するデータもしくは特定の層を対象とした体温測定など公に入手可能な生体認証データを共有することは「受け入れる」としたものの、無線位置データを追跡して社会的距離(周囲の人と距離を保つこと)の慣行やコロナウィルス感染の可能性の評価に利用することを望む回答者はそれほど多くない。また、それらのデータを提供する先についても、回答者は選択的な姿勢を示している。​ ​ Axios “Exclusive: Americans wary of giving up data to fight coronavirus” (4/3/20) ​

人工知能に関する国家安全保障委員会(NSCAI)、初となる四半期勧告を議会へ提出​

人工知能に関する国家安全保障委員会(National Security Commission on Artificial Intelligence: NSCAI)は、4月1日、人工知能(AI)と国家安全保障について、初となる四半期勧告を大統領及び議会へ提出した。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受けて対面式の会合が制限されていることから、オンライン上でのレビュー・プロセスを経て検討が行われ、勧告が承認された。NSCAIは、行政府及び立法府に向けて43件の勧告を承認した。勧告は、「直近の注意が必要である/行動の機が熟している/AI及び国家安全保障問題の根幹である」とNSCAIが認めた分野に重点が置かれた内容で、「AI関連の研究開発」「国家安保障応用」「労働力と訓練」「ハードウェア」「5Gネットワーク」など広範囲に及ぶ。​ ​ National Security Commission on Artificial Intelligence “NSCAI Submits First Quarter Recommendations to Congress” (4/1/20) ​

メイヨ・クリニック、自動運転車両を使ってコロナウィルスの試験サンプル及び医療用品配達へ​

メイヨ・クリニック(Mayo Clinic)は4月2日、ビープ社(Beep)及びフロリダ州のジャクソンビル輸送局(Jacksonville Transportation Authority: JTA)とパートナーシップを結び、医療機器と、病院のドライブスルー試験場で収集した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の試験サンプルを輸送する自動運転車両「ビープ」を導入すると発表した。自動運転車両は、歩行者及び交通網から隔離されたルートを走行し、メイヨ・クリニック、ビープ社、JTAの担当者はモバイル・コマンド・センターからビープの走行をモニターする。今回のパートナーシップは、規模は小さいものの、「COVID-19の被害を受けている地域で医療用品を配達するために自動運転車両を利用する」という世界的なトレンドに一致している。​ ​ Venture Beat ” Mayo Clinic starts using autonomous vehicles to deliver coronavirus tests and medical supplies” (4/2/20) ​

国立研究所、医療用品の3D印刷に注目

ほぼ全ての国立研究所が、医療サプライチェーンの厳しいニーズ緩和の一助として、3D印刷による医療機器のプロトタイプ開発に着手しているが、そうした努力はまだまだ全体的な傾向の改善に寄与していない。エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立研究所は、顔面マスクや顔面シールド、人工呼吸器生産の一助として積層製造を利用するよう官民の関係機関と協力し、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)や食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)、退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)は、医療用品向け3D印刷の覚書を交わすなどしている。一方、下院監督・改革委員会(House Committee on Oversight and Reform)のキャロライン・マロニー委員長(Carolyne, Maloney)(民主党、ニューヨーク州選出)が4月2日に公表した文書では全国的な医療機器不足の現状が指摘されている。公表されたのは、米連邦緊急事態管理局(Federal Emergency Management Agency: FEMA)の第III地域(Region III)(デラウェア、DC、メリーランド、ペンシルバニア、バージニア、ウェストバージニアを管轄)による文書で、それによれば、3月30日現在、第III地域における重要品の要請は広範囲に満たされていないという。具体的には、N95マスクは520万枚必要だが、入手したのはわずか44万5,000枚であるという。FEMAが指定する地域は合計10地域ある。​ ​ FCW “National Labs turn to 3D printing for medical supplies” (4/2/20) ​ ​

エネルギー省、オフショア風力資源の特性化と技術実証に2,000万ドルの投資を発表​

エネルギー省(Department of Energy)は4月1日、オフショア風力エネルギー資源の特性化及び技術の実証に2,000万ドルを投資する資金提供公募(FOA)を行った。このFOAは、エネルギー生産予測能力を向上させ、商業規模での開発がまだ行われていない革新的技術を実証することで、オフショア風力開発を支援する。エネルギー省は、資金、技術支援、革新的技術を開発するための政府調整を提供し、エネルギーと技術のリスク低減を助け、コスト効果の高い風力パワーの継続的な導入を実現することができる。​ ​ Department of Energy “Energy Department Announces $20 Million Investment in Offshore Wind Resource Characterization and Technology Demonstration” (4/1/20) ​

FDA、NIH、退役軍人省が新型コロナウィルス感染症対策のための防具の3D印刷加速で協力​

食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)、退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)、国立衛生研究所(National Institutes of Health :NIH)は、世界的な医療緊急事態への米国の対応を支えるため、個人防護器具及びその他の医療用品の3D印刷について、設計案を募集し、生産し、試験するという統一的な取り組みを公式化するため、覚書(Memorandum of Understanding: MOU)に署名した。また、これらの連邦機関は、非営利組織のアクセラレーター、アメリカ・メイクス(America Makes)と官民パートナーシップを結ぶ。アメリカ・メイクスは、当局承認済みで印刷待ちとなっている用品を必要としている医療機関と、それらを生産する能力を持つ製造事業者を結び付ける役割を担う。​ ​ Nextgov “FDA, NIH, VA Partner to Accelerate 3D-Printed Protective Gear for COVID-19 Response” (3/31/20) ​

エネルギー省、海洋エネルギーの基礎研究開発及びインフラ改良試験に最高2,200万ドルを発表​

エネルギー省(Department of Energy)の水力技術局(Water Power Technologies Office: WPTO)は3月31日、海洋エネルギー業界の進展のため、基礎研究開発(R&D)及び能力試験の拡大を支援することで、非連邦研究機関の専門性と知的資本を活用することを目的として、最高2,200万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を行った。「海洋エネルギーの基礎研究及びインフラ試験(Marine Energy Foundational Research and Testing Infrastructure)」と題するFOAで、①基礎R&D、②大西洋海洋エネルギーセンタ(Atlantic Marine Energy Center)の設立、③基礎研究ネットワーク・ファシリテーター(Foundational Research Network Facilitator)の募集、④潮エネルギー技術試験インフラ(Current Energy Technology Testing Infrastructure)の4つの主要トピックが提示されている。​ ​ Department of Energy “Energy Department Announces up to $22 Million for Marine Energy Foundational R&D and Testing Infrastructure Upgrades” (3/31/20) ​