NIST、フロリダ州で崩落した集合住宅の技術的調査を実施へ

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は6月30日、フロリダ州で6月24日に部分崩落したシャンプレイン・タワー・サウス・コンドミニアム(Champlain Towers South Condominium)について、崩落の原因を探る技術的調査を開始すると発表した。2002年に可決された「国家建設安全規約法(National Construction Safety Teams: NCST)」により、建造物の不具合の結果として大幅な人命喪失につながった、もしくはその危険性が極めて高いことが示される場合、NIST長官は専門家チームを派遣し、調査を行うことができる。これらの調査は、最終的に米国内の建造物の安全性と構造的完全性を強化することが狙いである。NISTのチームは、①建造物崩落につながる可能性が高い技術的原因を判断、②必要に応じて建造物の基準や規制、慣行の具体的な改善策を勧告、③建造物の構造的安全性強化につながる研究やその他の適切な措置を勧告、に取り組む。 National Institute of Standards and Technology “NIST Will Conduct Technical Investigation Into the Collapse of the Champlain Towers South Condominium” (6/30/21)

バイデン大統領、米経済における競争の推進に関する大統領令

バイデン大統領は7月9日、米経済における競争を推進することを目的とした大統領令(Executive Order)に署名し、現在バイデン政権下で進行中の経済ブームを強化する姿勢を示した。競争を推進することで、米国世帯が直面する物価を下げ、労働者の賃金を引き上げ、イノベーションと更なる経済成長へつなげるという。バイデン大統領はこの大統領令を通じて、企業の合併吸収傾向を鈍化させ、競争を強化し、米国の消費者や労働者、農家、中小企業に確固たる恩恵をもたらすための断固たる行動を取るとしており、10機関以上の連邦機関による72件のイニシアチブを通じて、米国経済全体で最も急務となっている競争上の問題への対策に早急に取り組むことになる。 White House “FACT SHEET: Executive Order on Promoting Competition in the American Economy” (7/9/21)

エネルギー省、気候モデリングの向上を目的とした大気研究に1,560万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は7月8日、大気中の雲とそれらを形成するエアロゾルの間の相互のやり取りや特性、形成について研究する新たな研究プロジェクトに1,560万ドルを提供した。これらのプロジェクトは、地球システムのモデリングの最も困難な側面についてより良い理解を得る助けとなり、気象や気候パターンを正確に予測する能力の向上につながるものである。受益プロジェクトは、科学局(Office of Science)内の生物・環境研究局(Office of Biological and Environmental research: BER)による「大気システム研究プログラム(Atmospheric System Research Program: ASR)」の下、資金提供公募を通じて競争的にピアレビュー選出された。 Department of Energy “DOE Awards $15.6 Million for Atmospheric Research to Improve Climate Modeling” (7/8/21)

先端原子炉建設費用の低減を狙いとした米国主導のイニシアチブ

エネルギー省(Department of Energy)は、GE日立ニュークリア・エナジー社(GE Hitachi Nuclear Energy: GEH)と提携し、他業界における3つの建設技術を原子炉設計に応用し、先端原子炉を市場化するための経済性を向上させる方法を実証するプロジェクトに580万ドルを提供する。この先端建設技術(Advanced Construction Technology: ACT)イニシアチブは、費用とスケジュールの超過を緩和することを狙いとしている。垂直軸工事(Vertical shaft construction)などの他業界で成功している建設技術は、原子力エネルギー分野ではまだ試験されておらず、これらを活用することで原子力建設の費用を10%以上削減できる可能性があるという。建設費用とスケジュールの超過は長年、新たな原子炉建設の足かせとなっており、「先端建設技術を活用することで、先端原子力の導入ペースを上げ、費用を低減させることができる」と、エネルギー省の原子力エネルギー次官補代理(Acting Assistant Secretary for Nuclear Energy)は述べる。GEHのBWRX-300小型モジュール原子炉(SMR)は現在、米国とカナダで原子力規制当局の審査を受けている段階で、同社の幹部は、「この資金提供は、SMRの商業化に大きな恩恵をもたらし、その他の先端原子炉の道を開く」と述べている。 World Nuclear News “US-led initiative aims to lower advanced nuclear construction costs” (7/8/21)

商務省、中国やその他の敵対国を支援する企業34社を貿易ブラックリストに追加

商務省(Department of Commerce)は、中国の人権侵害助長、同国軍への支援、イラン及びロシアへの輸出規制違反を犯しているとして、34社をエンティティ・リスト(Entity List)(いわゆる貿易ブラックリスト)に追加した。同リストに記載された企業は、連邦政府の許可を得ずに事業取引を行うことを禁じられる。商務省によれば、34社のうち、14社は中国を拠点とし、新疆ウイグル自治区におけるイスラム教徒やその他の少数派民族に対する抑圧や大量拘禁、ハイテク偵察活動を援助し、5社は中国軍の近代化プログラムを直接支援したとしてリストに追加された。その他、イランやロシアへ援助を提供している企業がリストに追加された。こうした措置は、海外の敵対者と取引をする企業を取り締まろうとするバイデン政権の新たな動きである。 Politico “Commerce adds 34 firms to trade blacklist for assisting China, other adversaries” (7/9/21)

バイデン大統領、トランプ前大統領による投資審査委員会の利用による対中政策を活用

比較的目立たない存在で、国家安全保障上の懸念からビジネス取引の審査を行う連邦の対米外国投資委員会(Committee on Foreign Investments in the United States: CFIUS)は、バイデン政権による中国との競争政策の一環として、その重要性が新たに認識されつつある。CFIUSは、同盟国で設置されている類似組織との間の情報共有の可能性を模索し、バイデン政権の優先事項により注意を払うようになっている(これには、サプライ・チェーンの確保も含まれる)。CFIUSは6月に、中国系投資家による韓国を拠点とする半導体メーカーのマグナチップ・セミコンダクター社(Magnachip Semiconductor Corp.)の買収計画について、その取引を審査するため、計画を保留するよう命令した。CFIUSの広範な活動範囲は、トランプ前政権時に付与された権限の強化と、中国に対するより鋭い焦点を示すもので、トランプ前政権はティックトック社(TikTok)のアプリ・ユーザーのデータ・プライバシー問題の審査や、中国による米国技術への投資の抑圧にCFIUSを利用していた。 Wall Street Journal “Biden Builds on Trump’s Use of Investment Review Panel to Take On China” (7/7/21)

企業75社以上が、クリーン電力基準の採択を求めて議会へ書簡を提出

アップル(Apple)、グーグル(Google)、リフト(Lyft)を含む米国企業75社以上が、議会に連邦クリーン電力基準を採択するよう要請する書簡に署名した。7月7日に回覧された書簡の中で、署名企業は、連邦政府が2029年末までに炭素ニュートラリティを80%達成し、2035年までに完全な排出フリーとすることを目標として掲げるよう要請した。持続可能性提唱団体によって編成された書簡の署名企業には、ゼネラル・モーターズ(General Motors)やテスラ(Tesla)の自動車メーカーも含まれる。書簡には、「クリーンな電力グリッドは、電力部門からの排出削減に加え、その他の部門でも排出削減の機会をもたらす上で重要である。輸送、建造物、産業部門の電気化は、米国が将来のネットゼロ排出を達成するための重要な経路である。連邦クリーン電力基準を実施することで、議会と大統領は頑強な経済回復を促し、数百万人の高賃金雇用を創出し、強力かつより公平・包含的な米国経済のために必要なインフラを構築できる」と記載されている。 The Hill “DOE Announces $27 Million To Accelerate Ocean Wave Energy Technology To Market” (7/6/21)

NIHのCOVID-19検査イニシアチブ、生徒が対面式授業を安全に再開するための研究プロジェクトに追加支援

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、社会的に脆弱で恵まれない層が住む地域で、生徒と教職員が安全に対面式授業を再開できるための方策を模索する追加のプロジェクト(5件)に資金を提供する。本件は、「社会的に恵まれない層を対象とした診断の早急な加速(NIH Rapid Acceleration of Diagnostics Underserved Populations: RADx-UP)」プログラムの一環として今年初めに実施された「学校の安全な再開に関する診断検査イニシアチブ(Safe Return to School Diagnostic Testing Initiative)」の2回目の助成となる。今回の助成では、カリフォルニア、アリゾナ、ハワイなど5州における5件のプロジェクトに2年間で最高1,500万ドルを提供する。今回の受益プロジェクトは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種対象でない12歳未満の生徒向けに検査体制を実施することに焦点を当てた研究に取り組む。 National Institutes of Health “NIH COVID-19 testing initiative funds additional research projects to safely return children to in-person school” (7/2/21)

BMW iベンチャーズ、持続可能技術に投資する新たなファンド(3億ドル)を発表

BMWグループ(BMW Group)のベンチャー・キャピタル部門であるBMW iベンチャーズ社(BMW i Ventures)は、輸送や製造、サプライ・チェーンの持続可能性を高める技術への投資を進展させるため、新たに3億ドルのファンドを設立した。同社は、企業の典型的なベンチャー・キャピタル・ファンドとしては機能せず、BMWから全面的な支援を受けつつ、同社とは独立した形で活動する。BMW iベンチャーが2016年にシリコン・バレーへ移転した時に発表された前回のファンドI(当時約5億2,500万ドル)は新規投資期間の終了間近で、今後の新たな投資はファンドIIを通じて行われる。ファンドIは、オートノマス及びデジタル自動車技術、顧客経験、先端生産に強い焦点が当てられていた。 Tech Crunch “BMW i Ventures announces new $300 million fund to invest in sustainable technology” (6/30/21)

エネルギー省、バイオ技術研究の進展につながるプロジェクトに4,550万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は6月30日、クリーンなバイオ燃料及びバイオ製品を作り出す自然の生物学的プロセスの理解と育成を狙いとした研究プロジェクトに、合計4,550万ドルを提供した。これらの研究は、バイオロジー(生物学)とバイオテクノロジーの境界を押し広げ、米国のエネルギー安全保障の強化ならびにクリーン・エネルギー経済構築の一助となる。科学局(Office of Science)内の生物・環境研究局(Office of Biological and Environmental Research: BER)が資金を拠出する。受益プロジェクトは、①植物バイオマスと合成ポリマーを価値のあるバイオ燃料及びバイオ製品へ転換するための微生物のリエンジニアリング(21件のプロジェクトに合計3,100万ドル)、②バイオ燃料及びバイオ製品の生成の進展を目的として、植物及び微生物を研究するための新たな画像能力の開発(7件のプロジェクトに合計1,450万ドル)、という2つのトピック分野で研究を行う。 Department of Energy “DOE Awards $45.5 Million for Projects to Advance Biotechnology Research” (6/30/21)