厚生省、技術政策・医療ITのトップにトーマス・キーン氏を指名

厚生省(Department of Health and Human Services)は6月3日、省の技術政策高官及び医療ITの全国コーディネーターにトーマス・キーン氏(Thomas Keane)を指名したと発表した。キーン氏は、放射線科医で、厚生省での経験も有している。同氏が就任する次官補(技術政策担当)(Assistant Secretary for Technology Policy: ASTP)はバイデン政権下で創設された役職で、同職に就任するのはキーン氏が2人目となる。同氏はまた、第9代医療情報技術全国調整官(National Coordinator for Health Information Technology)も担う。厚生省のウェブサイトによれば、キーン氏は、ASTPの前身オフィスに所属していた経験と、厚生副長官上級顧問(Senior Advisor to the Deputy Secretary of HHS)を務めた経験がある。ASTPは創設されて1年未満であるが、その全ての任務が継続されるかどうかは不明であり、ロバート・ケネディ厚生長官(Robert F. Kennedy, Jr.)は、省全体の再編と、大規模な人員削減に着手している。 FedScoop “HHS names new technology policy, health IT leader” (06/04/25) HHS names new technology policy, health IT leader

商務省、AI安全研究所を改称

バイデン前政権下で、商務省(Department of Commerce)米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が創設したAI安全研究所(AI Safety Institute: AISI)は、人工知能(AI)システムに内在するリスクについて理解・定義し、その軽減を目的としたガイダンスを提供することに焦点を当てていた。しかし今般、大きな変更が実施され、名称も、「AI標準イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI)」に改称されることが明らかになった。ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)は6月3日、新たなCAISIは、商業AIシステムの可能性により焦点を当てながら、システムの安全性と脆弱性の評価にも引き続き取り組む形に更新されると発表した。CAISIは引き続きガイダンスの策定や、様々な安全策の試験と評価に焦点を当てていくものの、トランプ政権が好む緩い規制手法を顕著に支持することになるとみられる。 Nextgov “Commerce rebrands its AI Safety Institute” (06/04/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/06/commerce-rebrands-its-ai-safety-institute/405803/?oref=ng-homepage-river

先進製造税額控除は米国製造を再建  アトラス公共政策報告

先進製造生産税額控除(Advanced Manufacturing Production Tax Credit)(45X)は現在、2025年の予算調整プロセスの一環においてその行末が不透明となっているが、アトラス公共政策(Atlas Public Policy)が発表した報告書によれば、蓄電池やソーラーエネルギー部品、風力エネルギー部品、インバーター、重要鉱物の生産に関する先進製造生産税額控除により、これまでに合計483億ドルの投資が発表され、税額控除の対象となる運営施設に関連する雇用は6万2,700件に上るという。更に、この税額控除の対象となり得る計画中または建設中の施設に関する追跡可能な発表からは、1,372億ドルの投資と10万3,100件の雇用が特定された。そして報告書によれば、これらの施設を支える工場は圧倒的に共和党下院議員の選挙区内に位置している(全投資の77%)。 Atlas Public Policy “The Advanced Manufacturing Tax Credit is Rebuilding U.S. Manufacturing” (June 2025) The Advanced Manufacturing Tax Credit is Rebuilding U.S. Manufacturing 参考:https://www.axios.com/2025/06/04/ira-fight-red-state-factory-jeopardy

先進製造プログラム:戦略の整合と審査の改善が国家目標達成の助けに GAO報告

製造USAプログラム(Manufacturing USA Program)は、研究開発や労働力訓練を行う17の研究所を通じて、企業や学術機関などを結びつける取り組みで、商務省(Department of Commerce)、国防総省(Defense)、エネルギー省(Energy)が、同プログラムの調整を行い、研究所のスポンサーとなっている。政府説明責任局(Government Accountability Office)が今般発表した報告書によれば、特に国防総省とエネルギー省による一部の新規プロジェクトへの資金提供や会員申請に関する審査期間が長期かつ不確実であるなどの課題が特定された。GAOは、製造USAの戦略的計画の時間的枠組みを国家先進製造戦略(National Strategy for Advanced Manufacturing)の更新の時間枠組みと整合できるよう、一部の法定要件の修正を検討すること、国防総省とエネルギー省について、前述の審査時間の問題について情報を分析して改善点につなげることを勧告している。 Government Accountability Office “Advanced Manufacturing: Aligning Strategies and Improving Agency Reviews Could Help Institutes Achieve National Goals” (06/04/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107369

宇宙軍、BAE社にミサイル追跡衛星を発注 契約額は12億ドル

宇宙軍(Space Force)は6月2日、中軌道ミサイル警戒及び追跡プログラム(Medium Earth Orbit Missile Warning and Tracking program)の第2フェーズとして、10機の衛星を提供する企業にBAE社を選出したと発表した。契約金額は12億ドルとなる。同社は、宇宙軍による同プログラムの第2フェーズ「エポック2(Epoch 2)」で受注した最初の企業である。このプログラムは、中軌道(medium Earth orbit: MEO)を含む宇宙からの中国及びロシアのミサイル脅威を検知、追跡する能力を強化する計画の一部であり、宇宙軍は、新たなMEO衛星を2年ごとに打ち上げる計画である。エポック2の契約の下、BAEは最初の宇宙機を2029年に提供する。 Defense News “Space Force awards BAE $1.2B deal for missile-tracking satellites” (06/03/25) https://www.defensenews.com/space/2025/06/03/space-force-awards-bae-12b-deal-for-missile-tracking-satellites/

トランプ大統領、2026年度に10万7,000件の連邦雇用を削減計画

トランプ政権は2026年度、非国防連邦機関で正味10万7,000件の雇用を削減する予定で、これは全体の7%以上に相当する。トランプ大統領が5月30日に発表した2026年度予算要求(拡大版)で、連邦機関はそれぞれの人員削減計画を概説した。計画には、連邦機関が独自に実施できる案と、議会の承認が必要な提案の双方が含まれている。予算要求によれば、教育省(Department of Education)の人員削減率が最も高く(38%)、次いで人事管理局(Office of Personnel Management)(29%)、一般調達局(General Services Administration)(29%)となっている。また、削減される局も多く、既に1万人を削減している厚生省(Department of Health and Human Services)は10の局を完全に廃止する他、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)はSTEM関与局(Science, Technology, Engineering and Mathematics Engagement office)を閉鎖し、科学局(Science office)を半減する計画である。 Nextgov “Trump is planning to slash 107,000 federal jobs next year. See where” (06/03/25) https://www.nextgov.com/people/2025/06/trump-planning-slash-107000-federal-jobs-next-year-see-where/405762/?oref=ng-homepage-river

NSF、NextG無線の資金提供機会を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月3日、NextG(次世代無線通信システム)の改良につながる研究及び技術開発を支援するため、新たな資金提供機会を発表した。業界やその他の政府機関、国際パートナーとの協力の下、「NSF垂直対応型インテリジェント・ネットワーク・システム(NSF Verticals-enabling Intelligent Network Systems: NSF VINES)」プログラムを通じて、ユーザー、エッジ、コア、クラウドに連続的にまたがる次世代先進インテリジェント・ネットワーク・システムの性能と機能の加速に最大1億ドルを投資する。NSF VINESプログラムの協力組織には、エリクソン社(Ericsson)、インテル社(Intel)、クワルコム社(Qualcomm)、国土安全保障省(Department of Homeland Security)、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)などの米企業及び米政府機関の他、フィンランド、インド、日本、スウェーデンの国際パートナーが含まれる。NSF VINESは、トラック1(使用に基づく基礎研究)とトラック2(垂直型の技術開発・実証・応用)の2つのトラックで提供される。 National Science Foundation “NSF announces new NextG wireless funding opportunity” (06/03/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-announces-new-nextg-wireless-funding-opportunity

連邦の大学S&E支援は490億ドル、非営利R&D支援は120億ドル(2023年度)

連邦機関による大学の科学工学(S&E)活動支援予算(拠出予定額)は、2023年度に490億ドルに達し、前年度(446億ドル)から9.7%増加した。連邦のS&E支援は、①研究及び実験的開発(R&D)、②R&Dプラント、③S&E学習向け施設及び設備、④S&Eフェローシップ/訓練/訓練グラント、⑤その他の一般的なS&E支援、の5つの要素で構成される。2023年度に最大シェアを占めたのはR&Dで、450億ドル(前年比9.0%増)であった。拠出元を連邦機関別で見ると、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)の282億ドルが全体の57.6%を占め、次いで、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の71億ドル(14.4%)、国防総省(Department of Defense)の58億ドル(11.8%)となった。一方、非営利組織のR&D及びR&Dプラント向けの連邦予算は2023年度に116億ドルに達した。最大の拠出機関は、厚生省(70億ドル、60.7%)であった。 NCSES “In FY 2023, Federal Science and Engineering Support for Higher Education Totaled $49 Billion; Federal R&D to Nonprofits Totaled $12 Billion” (06/02/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25341

エネルギー省、マイクログリッドのイノベーションに800万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity)は6月2日、コミュニティ・マイクログリッド支援パートナーシップ(Community Microgrid Assistance Partnership: C-MAP)プログラムを通じて、遠隔地域向けにマイクログリッドのイノベーションを加速させる14件のプロジェクトに800万ドル以上を提供すると発表した。受益プロジェクトは、35の町や村、20のパートナーによるもので、企業や非営利組織、アラスカ先住民公社(Alaska Native Corporations)、労働組合、電力提供事業者が含まれる。本件では、マイクログリッド・エネルギー・システムの支援を受けるコミュニティに550万ドルの直接資金が提供される他、エネルギー省の国立研究所や地元のパートナーを通じて260万ドル以上の技術専門性が提供される。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $8M for Microgrid Innovation” (06/03/25) https://www.energy.gov/oe/articles/us-department-energy-announces-8m-microgrid-innovation

メタ社、AIへのクリーン電力供給として原子力を活用

メタ社(Meta)は6月3日、電力会社大手のコンステレーション・エネルギー社(Constellation Energy)との間で、イリノイ州にある1.1ギガワットのクリントン・クリーン・エネルギー・センター(Clinton Clean Energy Center)(原子力発電所)に関する20年間の電力調達契約を交わしたと発表した。大手企業は、炭素ゼロエネルギーによるAIへの電力供給を目的として、大小様々な原子発電所に目を向けている。同発電所は2027年に運用終了予定であったが、今回の契約を受けて今世紀半ばまで運用される。2024年には、マイクロソフト社(Microsoft)とコンステレーション社との間で、ペンシルバニア州で閉鎖済み原子炉の運用を再開する契約が発表された。 AXIOS “Meta goes nuclear to power AI with clean electrons” (06/03/25) https://www.axios.com/2025/06/03/meta-nuclear-ai-constellation