中小企業庁、「米国における製造業諮問委員会」立ち上げの意向を発表

中小企業庁(Small Business Administration:SBA)は、「米国における製造業諮問委員会(Manufacturing in America Advisory Committee)」を新たに立ち上げる意向を6月9日付連邦官報(Federal Register:FR)で発表した。本諮問委員会は、米国政府及び全米の中小製造業者の成長・サプライチェーンレジリエンス・イノベーションに関連するステークホルダーに戦略的指標・助言・勧告などを提供するもので、製造セクタのニーズ・問題・機会が確実に取り上げられるようにするための協力組織としての役割を果たす。同諮問委員会の今後2年間のミッションは、経済成長・雇用創出・重要な製造能力のオンショア化・国際競争力に重点を置くことになる。 State Science and Technology Institute “SBA is possibly ramping up manufacturing support with a new advisory committee” (06/12/25) https://ssti.org/blog/sba-possibly-ramping-manufacturing-support-new-advisory-committee

2025年第1四半期のVC投資、AI企業が主で大規模投資への移行傾向

州科学技術研究所(State Science and Technology Institute:SSTI)は、技術ベース経済開発(Technology-based Economic Development:TBED)の観点から2025年第1四半期のベンチャーキャピタル(VC)投資の評価を行い、投資レベルは上昇傾向にあるものの、全般的には大規模投資及びAI企業が主で、小規模投資から大規模投資への移行傾向にあることが明らかとなった。具体的に、カータ社(Carta)発表の報告書によると、シードラウンド投資前企業価値は前年比18%増である一方で、投資件数は28%減、投資総額は37%減であった。シリーズAラウンドも同様で、投資前企業価値は前年比9%増であったが投資件数は10%減であった。ピッチブック社(Pitchbook)発表の報告書では、AI・機械学習企業が同四半期のVC投資総額の71%超、投資件数の33%を占め、投資・企業価値の増加は大規模投資及び後期段階での契約が主であることを明らかにしている。さらに、同四半期のVC投資の26%はダウンラウンド(投資ラウンドにて前回の評価額よりも低い額で資金調達を行うこと)であったことも懸念材料として挙げられた。なお、AI・機械学習分野以外の企業については全体像が明確でないが、好調である可能性は低いと見られている。 State Science and Technology Institute “SSTI review of Q1 2025 VC investment sees pipeline problems brewing for regional TBED goals” (06/12/25) https://ssti.org/blog/ssti-review-q1-2025-vc-investment-sees-pipeline-problems-brewing-regional-tbed-goals

大統領府のAI及び暗号通貨担当官、米国技術の拡散と革新を優先するAI政策を支持

大統領府の人工知能及び暗号通貨担当官(Artificial Intelligence and Cryptocurrency Czar)のデイビッド・サックス氏(David Sacks)は6月10日、ワシントンDCで開催されたAWSサミット(AWS Summit)で講演し、AI開発に関しては、業界寄りの規制政策と米国技術の世界的な拡散によって米国は世界的なリードを維持することができると発言した。同氏は、トランプ大統領の「成長を支持する姿勢」と米国技術の世界的な進展の優先付けについて強調したうえで、米国の主要な敵対国として中国を挙げ、国家安全保障の観点から一部の輸出管理は必要であると述べた。また、「同時に米国のAI技術の世界的拡散を支える政策が必要である」と説明した。 NEXTGOV “Trump’s AI and Crypto Czar touts AI policy that prioritizes U.S. proliferation and innovation” (06/10/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/06/trumps-ai-and-crypto-czar-touts-ai-policy-prioritizes-us-proliferation-and-innovation/405961/?oref=ng-skybox-hp

米国は世界最強の粒子衝突器の開発を開始すべき 米国アカデミー報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が今般発表した報告書「素粒子物理学(Elementary Particle Physics)」は、物質やエネルギー、空間、時間に関する理解を深めることを目的として、粒子物理学分野の野心的で包括的な長期ビジョンを示している。具体的には、米国が今後40年以内にミューオン衝突型加速器を構築することを狙いとした国家的な研究開発プログラムを開始するよう要請し、粒子物理学に関する新たな手法を追求し続ける必要があることを強調している。報告書は、米国は今後数十年間に粒子物理学の研究開発を先導し続ける好位置にあり、その現在の世界的な立場は、科学的協力やマテリアル資源、専門的な労働力、連邦機関による長期的な支援によるものであるとしている。また、科学的最前線を維持するには、研究全般への持続的な投資と、加速器科学技術、先進機器、コンピューティングのあらゆる側面、その他の学問分野の新興技術、そして中核的な粒子物理学研究プログラムの資金が必要であると提言している。 National Academies “New Report Lays Out Long-Term Vision for Particle Physics, Says U.S. Should Begin Development of the World’s Most Powerful Particle Collider” (06/11/25) https://www.nationalacademies.org/news/2025/06/new-report-lays-out-long-term-vision-for-particle-physics-says-u-s-should-begin-development-of-the-worlds-most-powerful-particle-collider

サイバーセキュリティのネットワーク監視プログラムは更なる指針と措置を GAO報告

国土安全保障省(Department of Homeland Security)は2012年、政府のネットワーク及びシステムのサイバーセキュリティ強化を目的として、継続的診断及び軽減(Continuous Diagnostics and Mitigation: CDM)プログラムを創設した。同プログラムは、①安全でないコンフィギュレーションまたは既知の脆弱性に晒されるリスクを軽減する、②連邦のサイバーセキュリティ応答能力を向上させる、など、4つの目標を掲げている。政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が6月11日に発表した報告書によれば、そのうち2つの目標を達成しているものの、ネットワークセキュリティ及びデータ保護管理に関する指針が不足しているという。GAOは、国土安全保障省及び4つの目標を管理するサイバー・インフラ安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)に対して、①ネットワークセキュリティとデータ保護能力の実践に関する指針を発表すること、②データ品質の問題に対処することなど4点を勧告している。 Government Accountability Office “Cybersecurity: Network Monitoring Program Needs Further Guidance and Actions” (06/11/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107470

兵器システム開発の新規プログラムは速度と革新に即した構造が必要 GAO報告

国防総省(Department of Defense)による主要な兵器開発システムは継続的な費用増に直面しており、革新的な技術を迅速に実現することに苦戦している。同省は、「MTAパスウェイ(MTA pathway)」と呼ばれる合理化プロセスを使い、一部の兵器のより迅速な開発と実現に取り組んでいるが、MTAパスウェイ上のプログラムでも遅延に直面している。こうした中、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、兵器システム年間評価(Weapon Systems Annual Assessment)報告を発表し、国防総省の上層部が、新規プログラムができるだけ早い段階で優れた製品開発慣行を取り入れることを確実にするよう勧告している。これにより、遅延の原因となる厳格な要件や開発手法に縛られることを防ぐことが可能になるという。 Government Accountability Office “Weapon Systems Annual Assessment: DOD Leaders Should Ensure That Newer Programs Are Structured for Speed and Innovation” (06/11/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107569

NIST、「ゼロトラスト・アーキテクチャの実践」ガイダンスを発表

サイバーセキュリティに関する伝統的な手法は、全ての電子的資産を一つの建物に保管し、それらとインターネットの間にファイアーウォールを構築するというものであったが、現在は、こうした資産へのアクセスを継続的に評価・検証するゼロトラスト手法が主流となっている。しかし適切なゼロトラスト・アーキテクチャを構築及び実践することは複雑な作業となり得る。このため、今般、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は「ゼロトラスト・アーキテクチャの実践(Implementing a Zero Trust Architecture)」ガイダンスを発表し、この中で、市販の商業技術を使った19件のゼロトラスト・アーキテクチャ事例を提示し、組織が独自のアーキテクチャを構築できるよう起点を提供している。 NIST “NIST Offers 19 Ways to Build Zero Trust Architectures” (06/11/25) https://www.nist.gov/news-events/news/2025/06/nist-offers-19-ways-build-zero-trust-architectures

CSET、3月にORCAと共同開催したワークショップの内容を報告

安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology:CSET)は、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)からの支援を受けて3月26日にオープン・リサーチ・コミュニティ・アクセラレータ(Open Research Community Accelerator:ORCA)と共同開催したワークショップにおいて話し合われた内容をまとめた報告書「オープン科学・メタ科学・人工知能分野における機会(Opportunities in Open Science, Metascience, and Artificial Intelligence)」を発表した。本報告書は、当該分野の専門家・研究者・資金提供者合計35人が参加したワークショップの記録及び、ワークショップ参加者が特定した、メタ科学研究、オープンサイエンスモニタリング・インパクト評価、研究・科学目的のAIの交差点での取り組みに関する情報・指針提供のための明確なアジェンダの必要性について、ギャップを埋めることを目的としている。 Center for Security and Emerging Technology “Opportunities in Open Science, Metascience, and Artificial Intelligence” (06/25) Opportunities in Open Science, Metascience, and Artificial Intelligence

タレン・エナジー社、アマゾン社との原子力発電協力関係を拡大

タレン・エナジー社(Talen Energy)は6月11日、ペンシルベニア州サスケハナにある同社の原子力発電所から地域内のアマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Services:AWS)データセンターに無炭素エネルギーを提供するために、アマゾン社(Amazon)との現行原子力発電協力関係拡大を発表した。タレン社は、新規電力購入契約の下、サスケハナ近郊にあるAWS社データセンターのAI・クラウド技術を支援する同社事業に電力を供給すると共に、ペンシルベニア州内にある同社の他の事業施設にも送電能力を提供する。また、タレン社のペンシルバニア州内施設での小型モジュール原子炉(Small Modular Reactor:SMR)新設の可能性を検討し、原子力発電所のエネルギーアウトプット拡大を追求する。タレン社は、2042年までにアマゾン社に無炭素原子力1,920メガワットを提供するが、送電スケジュールを経時的に増加させて2032年までに最大量に到達する見込みである。 Talen Energy “Talen Energy Expands Nuclear Energy Relationship with Amazon” (06/11/25) https://ir.talenenergy.com/news-releases/news-release-details/talen-energy-expands-nuclear-energy-relationship-amazon

国務省、DEI関連研究プロジェクトをフルブライト奨学金受給対象から除外

国務省が資金を提供するフルブライト奨学金(Fulbright Foreign Scholarship)の最終候補としてノルウェーが選出した17人のうち、40%に相当する7人が国務省により却下された。例年であれば、国際教育研究所(Institute of International Education:IIE)が応募書類の一次審査を行い、受入国による2次審査を経たうえで、フルブライト奨学金委員会(Fulbright Foreign Scholarship Board:FFSB)が最終承認を行うというプロセスが取られていたが、今年、マルコ・ルビオ国務長官(Marco Rubio)が、国務省が最終判断を行うと通達していた。最終候補者審査において、多様性・公平性・包摂性(DEI)関連テーマを禁じた大統領令の定めに違反する提案書を除外することがルビオ長官より義務付けられたことで、国務省職員は、最終候補者の提案書にキーワード検索をかけ、大統領令違反の可能性のあるものを特定した。この新規過程で却下された提案書の大半が、DEI、ジェンダー、移民、気候変動に関連する内容であったという。 Inside Higher ED “For Fulbright Applicants, a DEI Disqualifier” (05/29/25) https://www.insidehighered.com/news/global/us-colleges-world/2025/05/29/fulbright-applicants-rejected-over-dei-research-proposals