ODNI、スタートアップの技術保護に関するガイドライン発表

国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence: ODNI)は9月4日、国際的なピッチコンテスト参加による技術流出を防ぐための新たな指針を発表した。国家防諜安全保障センター(National Counterintelligence and Security Center: NCSC)とカナダの安全保障情報局(Canadian Security Intelligence Service: CSIS)は、空軍特別捜査局(Air Force Office of Special Investigations: AFOSI)および経済安全保障・新興技術室(Office of Economic Security and Emerging Technology: OESET)と共同で、中国政府や中国共産党と関連する団体が主催する国際ピッチイベントに参加するリスクを警告している。NCSCは、国際的なピッチコンテストはイノベーションを育む場であるべきで、欧米の技術や人材の狩り場であってはならないとコメントを発表し、欧米の技術系スタートアップ企業に対して、こうしたイベント参加に伴うリスクと対策方法、事件の報告先などの詳細な情報を提供すると説明している。 ODNI “U.S. and Canadian Intelligence Partners Issue Guidance to Protect Western Tech Startups from Exploitation in International Pitch Competitions” (09/04/25) https://www.dni.gov/index.php/newsroom/press-releases/press-releases-2025/4106-pr-28-25

NSFの量子技術の全国リソース構築計画、設計段階へ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月4日、量子技術の発展を加速するための全国規模のリソース「国立量子仮想研究所(National Quantum Virtual Laboratory: NSF NQVL)」を設計するため、4つのチームを選定したと発表した。高等教育機関やエネルギー省(Department of Energy)、国防総省(Department of Defense)、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)などから構成される4チームに対して総額1,600万ドルを投資し、研究者らが専門的なリソースへ国内のどこからでもアクセスすることができるようにする一元化された量子コンピュータや量子アルゴリズムの実験や改良に使用する量子コンピュータ「デジタルツイン(Digital twin、入力に応じて変化し応答する動的シミュレーション)」を作成する。各チームには今後2年間で400万ドルを提供する予定で、イオンキュー社(IonQ)やエヌビディア社(NVIDIA)などの民間企業も参加し、量子技術の商業化を支援する。 NSF “NSF National Quantum Virtual Laboratory speeds into the design phase” (09/04/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-national-quantum-virtual-laboratory-speeds-design-phase

税制変更で大幅減 2025年上半期のバイオ燃料輸入

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は9月4日、2025年上半期のバイオディーゼルおよび再生可能ディーゼルの輸入量が前年同期比で大幅に減少し、2012年以来最低水準となったと発表した。2024年まで輸入燃料に適用されていた1ガロン当たり1ドルの混合燃料業者への税額控除(Blender’s tax credit: BTC)がインフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)により、2025年から国内生産のみが対象となる45Zクリーン燃料生産税額控除(Section 45Z Clean Fuel Production Credit)に変更されたことによる。バイオディーゼルの輸入は日量2,000バレル、再生可能ディーゼルは日量5,000バレルまで激減し、バイオ燃料混合比率をめぐる採算悪化や先行きに関する不透明感を背景に国内消費自体が減少したことも輸入減に拍車をかけた。業界大手のネステ社(Neste)も米国向けの輸出割合を減らす中、同局は、既存の再生可能燃料基準(Renewable Fuel Standard: RFS)遵守で国内消費は持ち直すが、税制変更の影響で輸入量の低迷が続く見通しを示している。 EIA “U.S. biodiesel and renewable diesel imports fall sharply in 2025 after tax credit change” (09/04/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=66045

CSET、中国の軍民融合について報告

中国における人工知能(AI)関連の軍事能力開発は、米国内で大きな関心を集めつつある。安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology:CSET)は、中国人民解放軍(People’s Liberation Army: PLA)が2023年1月から2024年12月に発表したAI関連の防衛契約2857件の新規データセットの分析を行った。その分析結果によれば、中国の伝統的な国防企業がAI関連の軍事調達を先導している一方、一部の非伝統的な業者や研究機関が台頭し、これらの組織も重要な役割を担っているようである。CSETは、「中国のAI関連の国防産業基盤の多様化は米国にいくつかの課題を呈している」とした上で、①中国の特定の伝統的な防衛企業を対象とした重要技術や資金へのアクセス制限によって中国の軍事現代化を制限する米国の取り組みが複雑になる、②データセット上に見られる非伝統的な業者や研究機関の大半は米国の制裁の対象ではなく、民生・防衛技術の境が曖昧になる中、米国はイノベーションに必要な開放性の維持と国家安全保障リスクの軽減の間で難しい選択を迫られると指摘する。 CSET “Pulling Back the Curtain on China’s Military-Civil Fusion” (September 2025) Pulling Back the Curtain on China’s Military-Civil Fusion

米国ソーラー製造業は拡大継続

トランプ政権が再生可能エネルギーを敵視しているにもかかわらず、米国内でソーラー発電用部品を製造する企業は、引き続き税政策及び関税の恩恵を受ける立場にある。ファースト・ソーラー社(First Solar)などの大手製造企業は拡大を続ける一方、より小規模な企業も機会を見出している。その一例に、テキサス州に拠点を置くT1エナジー社(T1 Energy)があり、同社は8月、ニューヨーク州のコーニング社(Corning Inc.)と提携し、ほぼ全ての部品が米国内で生産されるよう供給網を構築することに取り組む。T1社の台頭は、ソーラー発電の増大する需要に対応しつつ、税額控除と関税を活用する多くの企業によるトレンドの一部である。7月に法制化されたワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)では製造事業者に関する税額控除はほとんど変更されず、2030年の段階的終了が維持された。この点は、その他のクリーンエネルギーを対象とした税額控除の早急な段階的終了とは対照的である。更に、目まぐるしく変わるトランプ政権の関税措置も、企業が米国を拠点とする供給網の開発を望む要因となっている。 Inside Climate News “Despite Everything, US Solar Manufacturing Continues to Power Up” (08/27/25) Despite Everything, US Solar Manufacturing Continues to Power Up

米国大学研究への海外脅威軽減に関する指針 国家防諜安全保障センター等が発表

国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)の国家防諜安全保障センター(National Counterintelligence and Security Center: NCSC)及び米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)等の連邦機関は、「学術の防御:基礎研究・知的財産・重要技術・米国研究システムの保護(Safeguarding Academia: Protecting Fundamental Research, Intellectual Property, Critical Technologies, and the U.S. Research Ecosystem)」文書を発表した。本文書は、海外の敵対者は米国学術機関のオープンで協調的な環境を悪用し、自らの利益を得ようとしていると警告した上で、台頭する安全保障脅威について解説し、学術機関が自らの研究や組織、スタッフ、学生をより良く保護するために実践できるリスク軽減戦略を示している。 Office of the Director of National Intelligence “NCSC and Partners Issue New Guidance to Help U.S. Colleges and Universities Mitigate Emerging Foreign …
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下院CCP委員会、中国のAI依存を維持し、先端能力開発を抑制する新たな枠組みを提案

下院の中国共産党特別委員会(House Select Committee on the Chinese Communist Party)は8月25日にハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)に書簡を送り、米国は、現行のAIハードウェア及びソフトウェアの支配を維持するため、輸出管理政策を用いて様々な目的のバランスを図る必要があると主張した。具体的には、中国による米国製ハードウェアへの依存と米国半導体企業の保護を確実にすると共に、中国のAI開発能力を抑制し続けることが必要であるとしている。その上で、商務省(Department of Commerce)及び産業安全保障局(Bureau of Industry and Security)に対して、中国による米国製ハードウェアの依存を維持し、中国の先端AI能力を抑制するという2つのバランスを図る確実かつ実用的な方策として、随時見直される技術基準(rolling technical threshold)に基づき、米国製AIチップの対中販売を制限するよう勧告した。「中国企業が、中国が国内生産できるものよりわずかに優れた米国製チップを購入できるようにすることで、中国の米国製ハードウェア基盤への依存を長期化すると共に、中国の最先端AIの開発を大幅に抑制することができる」と書簡は述べている。 Select Committee on the CCP “Moolenaar Proposes New Framework to Keep China Dependent on AI, Limit Their Advanced Capabilities” (08/26/25) https://selectcommitteeontheccp.house.gov/media/press-releases/moolenaar-proposes-new-framework-to-keep-china-dependent-on-ai-limit-their-advanced-capabilities

NSFによる非連邦職員の監督職の起用に関する精査 NSF監察官報告

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、人的資源管理戦略の一環として、政府間人事法(Intergovernmental Personnel Act: IPA)及び客員科学者・工学者・教育者プログラム(Visiting Scientist, Engineer, and Educator program)を通じて臨時の非連邦職員を雇用する。これらの人材は、IPAまたはローテーター(rotator)と呼ばれ、科学・工学の様々な分野から新鮮な見解をもたらし、NSFのミッションを支援する。NSFの監察官室(Office of Inspector General)は今般、NSFの労働力管理方針が、非連邦職員による監督業務・機能に関連する連邦指針に準拠しているかを判断する精査を実施した。それによれば、NSFの方針は、連邦指針に準拠しておらず、人事管理局(Office of Personnel Management)の指針で禁止している監督機能(職員の年次業務評価や職員の報酬決定など)をIPAが遂行することを容認しているという。NSFは、監察官室の見解に同意し、是正計画を策定すると述べている。 NSF Office of Inspector General “Review of NSF’s Use of Non-Federal Employees in Supervisory Positions” (08/22/25) https://www.oversight.gov/sites/default/files/documents/reports/2025-08/OIG%20Report%20NO.%2025-09-005%20Review%20of%20NSF%27s%20Use%20of%20Non-Fed%20Employees%20in%20Supervisory%20Positions%20-%20public%20%281%29.pdf 参考:https://www.aip.org/fyi/the-week-of-sept-1-2025

連邦下院共和党も2026年度のNIH予算維持を支持

連邦議会の上院歳出委員会と同様、下院歳出委員会(House Committee on Appropriations)も、トランプ大統領による国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の予算の大幅削減案を拒否している。同委員会の小委員会が9月2日に発表した歳出法案によれば、2026年度のNIHの基本予算は約470億ドルとなっており、実質的に今年度と同じ水準である。ただし、法案は、NIH内の独立局である医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)の予算を今年度の15億ドルから2026年度は9億4,500万ドルに削減した他、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の予算も19%削減している。そして、一部の病原体の実験や胎児組織に関する研究への資金拠出を禁止した。トランプ大統領は、NIHの予算を40%削減し、現在の27ある研究所・センターのうち3件を廃止し、残りを8つの研究所に統合することを提案していた。 Science “House Republicans add to support for maintaining NIH budget in 2026” (09/02/25) https://www.science.org/content/article/house-republicans-add-support-maintaining-nih-budget-2026

政策の混乱、電力需要への対応に影響 ACP報告

アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は9月3日、2025年第2四半期市場レポートを発表し、連邦政策の混乱と厳格規制により、クリーンエネルギー投資と開発計画に影響が出始めていることを明らかにした。報告書によると、太陽光、風力、エネルギー貯蔵の新規導入容量は11ギガワット(GW)超、投資額は152億ドルに達したものの、前年同期比では1%未満の増加にとどまり、開発パイプラインもわずか100メガワット(MW)増の184.5GWとほぼ横ばいとなった。特に電力購入契約(PPA)は、2025年上半期で前年比32%減と大幅に落ち込み、太陽光発電設備も上半期に23%減少し、蓄電池と風力は第1四半期から第2四半期にかけてそれぞれ88%減、93%減と激減した。同協会のジェイソン・グルメットCEO(Jason Grumet)は「国内の関連産業は必要な電力量を供給し続けているが、政策上の障害と規制により不確実性が生じている。急増する電力需要に応える数千億ドル規模の投資計画に影響が出ている」と指摘する。 ACP “REPORT: Federal Chaos Sparks Warning Signs for Clean Energy Investment, According to Q2 Data” (09/03/25) REPORT: Federal Chaos Sparks Warning Signs for Clean Energy Investment, According to Q2 Data