グーグルとSRP、LDES開発で提携

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月10日、グーグル社(Google)が公共事業会社のソルト・リバー・プロジェクト社(Salt River Project: SRP)の電力網向けに開発される長時間エネルギー貯蔵(Long-duration energy storage: LDES)技術開発に資金提供を行うと報じた。エネルギー省(Department of Energy)が2021年に設定した「2030年までに長時間貯蔵技術コストを90%削減」という目標に合致すべく、10時間以上のエネルギー貯蔵を可能にする新技術の実用化加速が狙いである。両社は過去にも太陽光発電と蓄電池を組み合わせたプロジェクトで協力し、SRP社はすでに約1,300MWのエネルギー貯蔵設備を保有しているが、2050年までのネットゼロ達成と電力網の信頼性確保にはLDESの技術開発が不可欠としている。一方、グーグル社はカーボンフリー電力技術の市場投入を加速し、同エネルギーの常時運用によるカーボンゼロ達成を目指しており、同社のアリゾナ州事業所では、2026年までに1時間あたり80%以上の先進エネルギー利用が達成される見込みとも伝えた。 Utility Dive “Google, Salt River Project partner on long-duration energy storage” (09/10/25) https://www.utilitydive.com/news/google-salt-river-project-srp-long-duration-energy-storage/759740/

科学慈善活動は政府資金の代替とならず 連邦支援維持の重要性訴え

科学慈善連合(Science Philanthropy Alliance)は、科学慈善活動は連邦政府の研究資金を代替できないとする報告書を発表した。1953年~2023年の米国科学財団(National Science Foundation)データを分析した「2025年科学慈善指標報告書(Science Philanthropy Indicators Report 2025)」によると、2026年度予算案が実施されれば、大学・非営利研究機関への連邦研究資金は586億ドルから369億ドルへと37%減少するという。2023年における、大学・非営利研究機関の研究拠出額総額は1,147億ドルで、このうち、51%が連邦政府が拠出元となっている。一方で、慈善事業による拠出は、168億ドルと大学基金からの支出74億ドルを合わせても21%に留まっている。さらに、科学・工学分野の大学院生の47%、ポスドクの58%が留学生であるとし、報告書は、科学インフラと人材基盤を支えるためにも、慈善事業のみに頼ることはできず、連邦政府の支援維持が不可欠と強調している。 Science Philanthropy Alliance “Science Philanthropy Indicators Report 2025” (09/10/25) https://indicators.sciphil.org/key-findings 参考記事:SSTI “Philanthropy is unlikely to fill the gap left by decreased government funding” (09/10/25) https://ssti.org/blog/philanthropy-unlikely-fill-gap-left-decreased-government-funding

EPAが許認可改革 発電施設建設を迅速化し、製造の国内回帰を促進

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のリー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)は9月9日、 大気浄化法(Clean Air Act)の下の新規汚染源審査(New Source Review: NSR)プログラムによる建設前許認可要件について新たな指針を発表した。重要な発電施設の整備と製造の国内回帰に必要とされる明確性を提示することが目的である。今回の措置により、大気浄化法に基づく建設許認可を取得する前に、大気排出に関係しない一部の建設活動(セメント基盤の設置など)を開始できるよう柔軟性を持たせる。EPAは、今回の措置により、人間の健康と環境を保護するために必要な策を講じつつ、米国のエネルギーニーズに対処し、米国を世界のAI中心地とする上で重要なデータセンターの開発を推進するとする。 EPA “EPA Announces Permitting Reform to Provide Clarity, Expedite Construction of Essential Power Generation, Reshore Manufacturing” (09/09/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-permitting-reform-provide-clarity-expedite-construction-essential-power

Natcast:国家的価値を提供し、NSTCの継続的使命を支える基盤資産

国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)の運営組織である国立半導体技術推進センター(National Center for the Advancement of Semiconductor Technology Center: Natcast) は、過去18か月間に亘り、NSTCのミッションを推進する一連の資産を確立し、米国半導体イノベーションの加速や、有技能労働力の育成、経済・国家安全保障の強化に尽力してきた。そして9月9日には、これまでに築いてきたこれらの資産をまとめた文書を発表した。Natcastによれば、これらの資産は柔軟で、個別または組み合わせることで活用できるものであるという。Natcastは、商務省(Department of Commerce)や関心がある者がこれらの資産を活用して米国の半導体リーダーシップを引き続き推進していくよう奨励している。 Natcast “Natcast Assets: Enabling Assets Providing National Value and Supporting the Continued Mission of the NSTC” (09/09/25) https://natcast-1e229.kxcdn.com/assets/uploads/2025/09/Natcast-Assets-for-the-NSTC_090825f_web3.pdf 参考:https://natcast.org/natcast-assets-supporting-the-continued-mission-of-the-nstc

大手組織がAI教育支援

トランプ大統領は4月に、米国の若者が人工知能(AI)技術に子供の頃から関心と知識を持ち、米国が世界のAI革命で支配的存在を維持できるよう、新たな教育及び労働力開発の機会を創出することを目的とした大統領令に署名すると共に、AI教育に関する大統領府作業部会(White House Task Force on AI Education)を設立した。同部会は、官民パートナーシップの設立を通じて小中高生にAI教育の資源を提供する。今般、大統領府は9月9日、米国の若者にAI教育の資源を提供することを誓約した企業・組織の一覧を発表した。一覧には、米国の教育と職業訓練プログラム支援に10億ドルを誓約したグーグル社(Google)や、25州と協力し、今後3年間にAI進路(AI Pathways)、AI標準(AI Standards)、AI教育法(AI Education Act)を構築・推進するコード(Code.org)(教育イノベーションを推進する非営利組織)等、数多くの企業、組織、資源が含まれる。 White House “Major Organizations Commit to Supporting AI Education” (09/09/25) https://www.whitehouse.gov/articles/2025/09/major-organizations-commit-to-supporting-ai-education/

MAHA、子どもたちの健康回復目指す戦略を発表

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)は9月9日、米国を再び健康にする委員会(Make America Healthy Again Commission: MAHA)による「子供たちを再び健康にする戦略(Make Our Children Healthy Again Strategy)」を発表した。委員長のロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官(Robert F. Kennedy Jr.)は、同戦略を「現代史上最も広範な改革計画で、食と健康システムの再編成、教育の推進、科学の活用を通じて子供たちとその家族を守る」ものと説明し、これまでの小児慢性疾患の蔓延を招いた政策を撤回し、120以上の施策を講じる。主に科学と研究の強化、食生活ガイドラインの見直し、食品表示の改善、有害化学物質の食品供給から排除し、学校や病院での健康的な食事の提供や、農家と学校を結ぶプログラムも推進する。具体的には、人工着色料の除去や再生可能農業の実証プログラムの導入などで、民間セクターとの協力や公衆衛生意識の向上により、将来の世代のために健康な環境と生活基盤を確保することの重要性を訴えている。 HHS “MAHA Commission Unveils Sweeping Strategy to Make Our Children Healthy Again” (09/09/25) https://www.hhs.gov/press-room/maha-commission-report-childhood-disease-strategy.html

EV推進連合、全米13州が参加

ユーティリティ・ダイブは9月8日、13州知事で構成される手頃なクリーン自動車連合(Affordable Clean Cars Coalition)が、トランプ政権の環境政策に反対する姿勢を明確にしたと報じた。24人の知事からなる超党派グループの米国気候同盟(U.S. Climate Alliance)を中心として5月に発足した同連合は、手頃な電気自動車(EV)普及や国内自動車産業の支援、大気浄化法(Clean Air Act)に基づく州の権限保護を目的とし、州ごとの課題に対応しつつ、ゼロエミッション車の普及を目指している。4日に同連合への参加を決めたウィスコンシン州のトニー・エバーズ知事(Tony Evers、民主党)は「消費者がEVに乗り換えやすくすることが重要」と述べ、連合の取り組みを支持、ハワイ州も加盟を決めた。今年6月に連邦政府と議会が、カリフォルニア州の厳しい排出基準設定権限を撤回したことに加え、30日にも税額控除が期限切れとなることから、同連合は「汚染者を優先し、消費者と市場に不必要な混乱を引き起こした」と批判、EV販売の大幅減を危惧している。 Utility Dive “13 state governors join coalition to promote EVs” (09/08/25) https://www.utilitydive.com/news/state-governors-join-affordable-clean-cars-coalition-ev/759508/

NASA、商業宇宙ステーション開発で最大15億ドルの支援を発表

スペースニュース(SpaceNews)は9月6日、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が商業宇宙ステーション開発の第2段階を改訂し、最大15億ドルを投じると報じた。国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)からの移行に向けた商業地球低軌道開発プログラム(Commercial Low Earth Orbit Development Program :CLDP)で、少なくとも2社と協力し有人運用可能な宇宙ステーションを実証する計画で、固定価格契約ではなく、資金提供された宇宙法協定(Space Act Agreements)を通じてステーションの設計と開発を支援する。具体的には2030年まで4人のクルーによる30日間のミッションを実施し、宇宙ステーションの主要機能や輸送システムとの相互運用性を実証する内容で、2026年から2031年にかけて10億~15億ドルの資金を提供する予定である。この変更により一部企業は計画の見直しを余儀なくされるも、資金不足と計画遅延が指摘された以前の戦略よりも柔軟性を確保でき、多くの企業の参加が可能になるという。 SpaceNews “NASA releases details on revised next phase of commercial space station development” (09/06/25) NASA releases details on revised next phase of commercial space station development

米国石油協会、許認可制度改善に向けたロードマップを発表

米国石油協会(American Petroleum Institute: API)は9月9日、信頼性のあるエネルギー確保に向け、議会に対し許認可制度の改進などを求める政策ロードマップを発表した。需要の高まりと電力コスト高騰を背景に、官僚主義を取り除いて、明確な期限を設定しつつ法的確実性を確保するための具体的で持続可能な解決策の手順を概説したもので、「現行の機能不全な許可制度の改善」を目的としているという。具体的には水質浄化法(Clean Water Act)に基づく法定期限の施行や、許可申請プロセスにおける直前での追加情報提示などを減らし、必要な情報要件を事前に明確化する。また連邦政府の土地や水域に関する許認可プロセスの迅速化や国境をまたぐエネルギープロジェクト向けに、最新かつ統一されたプロセスを確立する。さらに、許可取り消しではなく修正、訴訟ではなく建設開始を促すなど、国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)の対象となるケースなどに的を絞ったレビューと迅速な意思決定を掲げた内容となっている。 API “API Releases Policy Roadmap to Fix America’s Broken Permitting System” (09/09/25) https://www.api.org/news-policy-and-issues/news/2025/09/03/api-releases-policy-roadmap-to-fix-americas-broken-permitting-system

GAO、AI関連要件94件に伴う10の監督機関に関し調査

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月9日、連邦政府機関における人工知能(AI)に関連する94の要件と10の監視・諮問グループが存在することを明らかにした報告書を発表した。AI技術には政府業務を大幅に改善する潜在力がある一方で、リスクも伴うことから、連邦機関が責任を持ってAIを効果的に導入するための、現在の法的・組織的枠組みについての詳細をまとめた。具体的には政府機関のAI戦略の策定・公開を義務付けるなど政府全体のAI活用を促す2020年政府AI法(AI in Government Act of 2020)やAI推進法(Advancing American AI Act)といった連邦法、大統領令、関連ガイドラインにおける政府機関へのAI導入の際に政府全体に影響を及ぼすAI要件を特定した。また、国家AI諮問委員会(National AI Advisory Committee: NAIAC)や国家AIイニシアティブ室(National AI Initiative Office: NAIIO)などAI実装と監督を担う執行機関を特定し、その役割についての詳細を公開している。 GAO “Artificial Intelligence: Federal Efforts Guided by Requirements and Advisory Groups” (09/09/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107933