NSF、電力網の量子サイバーセキュリティ開発に130万ドル投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Technology, Innovation and Partnerships: TIP)は9月11日、テネシー州チャタヌーガ市の電力インフラ向け先進サイバーセキュリティ開発に130万ドルを投資すると発表した。重要インフラ、特に国内外のサイバー攻撃に対して脆弱な電力網を保護するため、量子インターネットのテストベッド(試験環境)「量子電力網革新ハブ(QuantumGrid Innovation Hub)」を構築し、スタートアップ企業や研究者、産業界が電力網セキュリティのための量子アプリケーションを開発できる環境を整備する。既存の量子ネットワーク、スマート電力網、イノベーション・エコシステムを基盤にして、技術的障壁の特定と解決策の検討、経済・労働力開発活動を展開する予定で、地元インフラや政府機関、非営利スタートアップアクセラレーター、テネシー大学チャタヌーガ校(University of Tennessee at Chattanooga)などと協力し、国家安全保障に重要な技術開発を主導していくという。 NSF “NSF invests in regional capacity to accelerate quantum- enabled advanced 1年に亘る助成により、cybersecurity for America’s power grid infrastructure” (09/11/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-invests-regional-capacity-accelerate-quantum-enabled

エネルギー省、エネルギーアイコア参加チームを募集

エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)は9月11日、2026年春に開始予定のエネルギーアイコア(Energy I-Corps)プログラムの募集を開始した。同省傘下の国立研究所・施設を対象に、商業化スキルや技術の民間セクターへの移行を促進するためのトレーニングや支援を提供する内容で、同省の旗艦プログラムと位置付けられている。今回募集するのは3つのトピック分野であるが、第1トピックのパイプライン開発以外については、2026年度歳出法で予算が確保できれば助成する予定となっている。パイプライン開発では、将来のエネルギーアイコアへの参加増進に向けた準備に10万~20万ドルが助成される。第2トピックは、第22回エネルギーアイコアプログラムの一環として、2ヶ月間のトレーニングプログラムに参加する研究者チームに10万ドルを提供するというもので、第3トピックは、エネルギーアイコア参加後の商業化活動となる。 Department of Energy “DOE Researchers Invited to Boost Commercialization Skills and Technologies via Energy I-Corps Spring 2026 Lab Call” (09/11/25) https://www.energy.gov/technologycommercialization/articles/doe-researchers-invited-boost-commercialization-skills-and

エネルギー省、核融合技術開発に1億3,400万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は9月10日、核融合技術における主導的地位の確立に向け、2つのプログラムに総額1億3,400万ドルを投資すると発表した。核融合研究の基礎科学と産業界を結ぶ7つの研究チームで構成される「核融合革新研究エンジン(Fusion Innovative Research Engine: FIRE)」協働プログラムに1億2,800万ドル、そして、民間企業と国立研究所・大学間の協力障壁を削減する「核融合エネルギー革新ネットワーク(Innovation Network for Fusion Energy: INFUSE)」プログラムに610万ドルを割り当てる。選定されたプロジェクトには、材料科学、レーザー技術開発、高温超伝導磁石評価、核融合モデリングおよびシミュレーションのためのAI学習などが含まれ、太陽や星と同じプロセスで豊富なエネルギーを生み出す核融合の商業化に向けて取り組む。同省は、今後4年間に亘りFIRE共同事業に計2億2,000万ドルの資金を投資する予定で、うち3,100万ドルは2025年度歳出分から充当する。 Department of Energy “Energy Department Announces $134 Million to Advance U.S. Fusion Leadership Through Targeted Research” (09/10/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-134-million-advance-us-fusion-leadership-through-targeted

バイオVCの資金調達、早期段階に溝

SSTIによる最近の1億ドル以下のベンチャーキャピタル(VC)活動の分析によれば、今年これまでに1,040件の取引が行われ、投資金額合計は約130億ドルであった。バイオへの投資は、VC投資全体の取引件数で14%、投資金額で18%を占める。VC全体にバイオ投資が占める割合は、投資額と共に高まっている。例えば、50万ドル~100万ドルのVC活動においてバイオ投資が占める割合はわずか9%であるが、2,500万ドル~1億ドルの投資活動においては、金額の20%、取引数の19%を占める。また、バイオ投資の取引種別による分布をみると、9%が助成金で44%が後期段階のVCとなっている(これに対してVC全体では4%が助成金で28%が後期段階のVC)。一方で、バイオ企業は、インキュベータ/アクセラレータ、エンジェル、シードファンドの段階で資本へのアクセスが厳しいことも判明した。資金調達が後期段階の投資に集中し、リスク軽減支援として助成金へ依存している点は、初期段階の企業にとり体系的な課題となる可能性がある。 SSTI “Biotech VC funding points to early-stage funding gaps” (09/10/25) https://ssti.org/blog/biotech-vc-funding-points-early-stage-funding-gaps

50年の技術進展を受け、強化地熱システムは大規模導入間近 CATF報告

クリーンエア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は9月10日、強化地熱システム(Enhanced Geothermal Systems: EGS)は、50年以上に及ぶ技術開発を経て、大規模な商業化に近づいているとする報告書を発表した。報告書は、103件の歴史的及び現行のEGSプロジェクトのデータベースを基に作成されたもので、着実な進展と最近のイノベーションにより、「継続的な政策措置や投資、研究による支えがあれば、EGSはより低コストで早急に拡張できる可能性がある」としている。報告書の主要な考察点として、①より高温での生産が可能になりつつある、②掘削能力の劇的な向上、③生産高の増大、④EGSの拡張と市場の信頼、⑤多様な収入経路、が挙げられている。 Clean Air Task Force “Fifty years of technological progress bring Enhanced Geothermal Systems to the cusp of large-scale deployment, finds new CATF report” (09/10/25) Fifty years of technological progress bring Enhanced Geothermal Systems to the cusp of large-scale deployment, finds new CATF report 

GAO、AIエージェントについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月10日、「科学技術スポットライト:AIエージェント(Science & Tech Spotlight: AI Agents)」と題する報告書を発表した。AI エージェントとは、コンテンツを生成できるだけなく、自律的に作動して複雑なタスクを達成したり、変化する状況に応じて瞬時に意思決定ができるAIシステムである。GAOは主要な考察点として、①現在のAIエージェントは、ソフトウェア開発や自律自動車などの特定の目的用途に限定されている、②AIのエージェント能力が増すにつれ、様々な分野でより複雑なタスクを達成できるようになる、③政策策定者はAIエージェントの誤用や意図しない展開をいかに防ぐかという課題に直面している、を挙げている。報告書はまた、AIエージェントに関する機会・課題、政策的意味合いと問題等について記述している。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight:AI Agents” (09/10/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108519

STEM労働者の職業関連資格の普及データ NCSES全国訓練・教育・労働力調査

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSESは9月10日、全国訓練・教育・労働力調査(National Training, Education, and Workforce Survey: NTEWS)パイロットによれば、2022年には約1億5,300万人の労働者が雇用されており、そのうち約23%がSTEM職であると発表した。STEM職で働く3,600万人の51%が自らの最高学歴を学士号未満とし、49%が学士号以上と報告している。STEM職への進路に関する情報は、米国労働力の重要な分野である学士号未満の有技能労働者が直面する障害・機会を示す一助となる。あらゆる学歴を含め、2022年に約7,500万人の労働者が学位以外の職種関連資格を有していると回答し、そのうちの2,200万人(30%)がSTEM職である。 NCSES “New Pilot Data on the Prevalence of Work-Related Credentials among STEM Workers from the National Training, Education, and Workforce Survey” (09/10/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25352

エネルギー省、ガリウム国内生産促進プロジェクトへ資金提供の意向

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management)は9月10日、エネルギーや防衛、半導体部門に重要なガリウムの確実かつ独立した国内供給網を確立する一助として、「回収技術及び先端重要マテリアル抽出-ガリウム(Technology for Recovery and Advanced Critical-material Extraction-Gallium: TRACE-Ga)」イニシアチブを開始する意向を表明した。TRACE-Gaは、ENERGYWERXがエネルギー省との提携によって運営管理する。エネルギー省は、今後数週間以内にプログラムの公募を開始する意向である。本イニシアチブでは、実際の金属産業の処理工程を用いた14日以上の連続運転試験活動から、少なくとも50キログラムの純正ガリウムを生産することを目標として、プロトタイプ技術の試験・検証を行うことを想定している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces Intent to Fund Projects that Advance Domestic Gallium Production” (09/10/25) https://www.energy.gov/fecm/articles/us-department-energy-announces-intent-fund-projects-advance-domestic-gallium

OMB、連邦契約業者に関する会計要件数十件の排除を提案

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)の原価計算基準(Cost Accounting Standards: CAS)委員会は9月10日、60件以上の要件を排除する2つの提案規則を発表した。現行の規則は、国家防衛やエネルギー覇権、有人宇宙探査等の政府ミッションを支援する契約業者に、重複する2つの会計基準を強いる状況となっている。今回の措置は、規制上の負担を大幅に軽減し、政府機関による年間約7,500億ドルの契約支出に関する複雑な規則を合理化するという政権の継続的な取り組みの一部である。従来、連邦契約業者は、連邦政府契約に関するCASと「一般的に妥当と認められた会計原則(Generally Accepted Accounting Principles: GAAP)」に従うことが求められており、双方には重複する点が多々ある。こうした中、OMBのCAS委員会は、政府の利益を守り、納税者が契約業者の最善の価値を受益できるよう確実にするため、GAAPに依拠していくことを提案した。委員会は、来年初頭までに規則策定の最終取りまとめを行い、CASをGAAPに適合させる作業を加速させる意向である。 White House “White House OMB Board Proposes Elimination of Dozens of Unnecessary and Redundant Accounting Requirements on Federal Contractors” (09/10/25) https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/09/white-house-omb-board-proposes-elimination-of-dozens-of-unnecessary-and-redundant-accounting-requirements-on-federal-contractors/

海軍、CCA開発で防衛大手5社を選定

ディフェンスニュース(DefenseNews)は9月11日、海軍が連携型戦闘航空機(Collaborative Combat Aircraft: CCA)の開発に主要防衛企業5社を選定したと報じた。選ばれたのはアンドゥリル・インダストリーズ社(Anduril Industries)、ロッキード・マーチン社(Lockheed Martin)、ジェネラル・アトミックス社(General Atomics)、ボーイング社(Boeing)、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)で、空母から発進し、有人戦闘機を補完しながら海上での航空攻撃能力を増強する無人システム(ドローン)を開発する。現時点は開発初期段階にあり、空軍が7月に実施した「忠実な僚機(Loyal wingman)」としての無人機運用試験を踏まえ、人員へのリスクを最小限に抑えたコスト効率的で多目的な運用を可能にするという。これに先立ち、ピート・ヘグセス戦争長官(Pete Hegseth)は7月10日、軍用ドローンの生産増加と無人システムの統合に関するメモの中で、ドローン技術の優位性確立には、民間と最前線部隊を融合する新たな調達戦略が必要と強調していた。 DefenceNews “Navy awards drone contracts to the ‘big five’ defense contractors” (09/11/25) https://www.defensenews.com/newsletters/2025/09/10/navy-awards-drone-contracts-to-the-big-five-defense-contractors/