太陽光サプライチェーンの透明性向上へ新標準規格を承認

太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は10月10日、供給網の透明性を高める新たな標準規格が米国規格協会(American National Standards Institute: ANSI)により正式承認されたと発表した。新標準規格「ANSI/SEIA 101」は、製造業者や輸入業者が原材料から完成品までの製品の原産地を追跡できる枠組みを提供するもので、税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection: CBP)のトレーサビリティ要件への対応を支援する。製造拡大に伴い、国内に設置される全ての太陽光・蓄電製品の最高倫理基準の反映に向け、税関による差し止め事例などを踏まえた業界関係者や第三者監査機関などの幅広い関係者の協力を得て策定された。これにより、太陽光及び蓄電設備の開発事業者は製品原産地の追跡が可能となり、設置工事業者や保険会社などは供給業者に対して同基準の遵守を求めることができるようになった。SEIAは今年初めにも消費者保護などに関する3つの標準規格の承認を受けており、さらに7つの業界標準を策定中である。 SEIA “ANSI Approves New SEIA Standard to Enhance Solar Supply Chain Transparency” (10/10/25) ANSI Approves New SEIA Standard to Enhance Solar Supply Chain Transparency 

北極圏警備強化へ砕氷船11隻建造を承認 フィンランドと連携

大統領府は10月9日、国内外で最大11隻の北極圏警備艇(Arctic Security Cutters: ASC)の建造を承認する大統領覚書に署名したと発表した。覚書によると、外国での建造を国家安全保障上の必要性として認める大統領権限を行使し、まず最大4隻をフィンランドの造船所で建造し、その後フィンランドの専門技術を活用して最大7隻を国内造船所で建造する計画である。現在、沿岸警備隊(U.S. Coast Guard)が運用する極地艦隊は1976年就役の老朽船と先月就役した元商用船の2隻のみで国家安全保障上のリスクとなっており、沿岸警備隊は北極圏での通年任務遂行には少なくとも9隻のASCが必要としている。トランプ大統領は、外国の敵対勢力による北極圏での軍事的・経済的な攻勢が米国の主権、航路、エネルギー資源を脅かしていると指摘し、外国での建造は重要な能力不足を埋める一時的措置であり、将来の国内造船業への投資を促進すると強調している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Authorizes Construction of Arctic Security Cutters” (10/09/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/10/fact-sheet-president-donald-j-trump-authorizes-construction-of-arctic-security-cutters/

土地管理局、ネバダ州の太陽光発電計画「エスメラルダ7」の中止を発表

ヒートマップ・ニュース(Heatmap News)は10月10日、ネバダ州で計画されていた国内最大級の太陽光発電プロジェクト「エスメラルダ7(Esmeralda 7)」が中止されたと報じた。土地管理局(Bureau of Land Management: BLM)が当初7月に最終決定を下すとしていたが実現せず、同局のウェブサイトでプロジェクトのステータスが「中止」と更新されたことで明らかとなった。通常BLMがプロジェクトを中止と表示する場合は開発業者による中止を意味するが、今回はトランプ政権による風力・太陽光発電の見直しが背景にあるという。同プロジェクトは同州西部の砂漠地帯における6.2ギガワットの巨大な発電能力を持ち、同州南部の主要公益事業者が供給する電力にほぼ匹敵する規模で、ネクストエラ・エナジー社(NextEra Energy)、インベナジー社(Invenergy)、コネクトジェン社(ConnectGen)など複数の再生可能エネルギー開発企業が支援していた。ネクストエラ社は「開発の初期段階」にあり、当局と緊密に協力して環境分析を継続すると表明している。 Heatmap News “Esmeralda 7 Solar Project Has Been Canceled, BLM Says” (10/10/25) https://heatmap.news/sparks/esmeralda-7-canceled-nevada-solar

ジョージア工科大、州内大学初となるドローンによる緊急対応を開始

ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)は10月7日、911通報に対してドローンを初期対応者として派遣し、緊急対応時間を90秒以内に短縮する州内初の大学プログラムを開始したと発表した。常時キャンパスをパトロールし、重大事件に即応できるドローンを運用することで、学生の安全を強化することが狙いである。ドローンはリアルタイムで状況を把握できるため、効率的に現場を評価でき、時間と資源の節約につながるとし、ジョージア州では既に20以上の法執行機関がドローンを活用しているが、大学キャンパスでの導入は同大学が州内初となる。プログラムを運営するフロック・セーフティ社(Flock Safety)は、同大学のキャンパス内のどこにでも、ドローンシステムが90秒以内に到着でき、迅速な対応が可能と強調した。また、プライバシーへの配慮として、ドローンは目的地に到着するまでカメラを地平線に向けておく措置が取られるとも説明している。 Georgia Tech “Georgia Tech’s drone first responder program cuts emergency response time to 90 seconds or less” (10/07/25) https://www.maine.gov/governor/mills/news/governor-mills-announces-creation-maine-life-sciences-center-2025-09-25

メイン州、生命科学産業振興へ大規模投資

メイン州のジャネット・ミルズ知事(Janet T. Mills)は9月25日、メイン生命科学センター(Maine Life Sciences Center)の設立及び最先端研究施設メイン生命科学インキュベーター(Maine Life Sciences Incubator)を新たに建設すると発表した。生命科学分野への投資促進とイノベーション創出に向け、約1万人の雇用と23億ドルの経済規模を誇る同産業の成長を支援し、さらなる雇用促進につなげる。設立された同センターの運営母体はメイン技術研究所(Maine Technology Institute: MTI)としつつ、起業家や研究者、投資家、専門人材の参画も促し、起業支援・人材育成・共同研究を一体的に推進していくという。またポートランド市内におけるインキュベーター建設に向け、施設整備向け総額270万ドルのうち、インキュベータのハッチ・バイオ・ラボ社(Hatch.Bio Labs)に230万ドル、ノースイースタン大学(Northeastern University)傘下のルー研究所(Roux Institute)に40万ドルをそれぞれ交付することを決定した。2026年末までの完工計画で、新興企業に必要な設備、リソース、メンター支援も提供していくという。 State of Maine Office of Governor Janet T. Mills “Governor Mills Announces Creation of the Maine Life Sciences Center” (09/25/25) https://www.maine.gov/governor/mills/news/governor-mills-announces-creation-maine-life-sciences-center-2025-09-25

次世代電池産業を支える人材育成 産学官連携強化

クレムソン大学(Clemson University)は10月6日、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)やSAEインターナショナル(SAE International)、北米先進電池技術協会(National Alliance for Advanced Transportation Batteries: NAATBatt International)などの業界団体と連携し、リチウム電池製造とリサイクル分野の人材育成強化に取り組むと発表した。国の重要技術分野として急拡大する電池産業の労働力不足への対応が狙いで、米国科学財団(National Science Foundation)のエクセレント・プログラム(Experiential Learning for Emerging and Novel Technologies: ExLENT)が支援する。まずはサウスカロライナ州とミシガン州で、バッテリー製造やリサイクル、安全管理などの実践的なスキルの習得を目指す高校生や専門学校学生、現職技術者など240人を対象に始動する。全米規模で展開する予定で、業界見学や職業体験、VR(仮想現実)やデジタルツイン技術を活用した実習の提供に加え、業界団体監修の認定制度も設ける予定であるという。 ClemsonNews “Clemson University, MIT and industry join to build battery workforce” (10/06/25) Clemson University, MIT and industry join to build battery workforce

NIH、特許の商用ライセンス申請に利用促進計画の提出を義務付け

LAW360は10月3日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が、助成受給者に対し、政府助成事業から生まれた特許の商用ライセンス申請に対し、開発した新薬や医療機器の患者への利用をどのように促進するかを具体的に示す計画の提出を義務付ける新方針を10月1日から導入したと報じた。バイデン前政権下で提案されたこの方針は、低所得層や途上国の人々に配慮したアクセス戦略の検討を求める内容で、トランプ政権下でも継続・施行されることとなった。手頃な価格の医薬品へのアクセス拡大を提唱する学生主導のグループの必須医薬品のための大学連合(Universities Allied for Essential Medicines: UAEM)は、税金で開発された医薬品・医療技術の公共への還元推進と評価した一方で、業界団体のバイ・ドール連合(Bayh-Dole Coalition)は、計画の明確な合格基準や履行の判定基準が定かでないことから、計画不履行時にライセンスが取り消されるリスクや過度な官僚主義を懸念し、中小企業の参入障壁につながると批判している。 LAW360 “NIH Sets Patent License Policy Aimed At Promoting Access” (10/03/25) https://www.law360.com/ip/articles/2395939/nih-sets-patent-license-policy-aimed-at-promoting-access

NIHとNSFによる「最高水準科学」大統領令への応答

最高水準科学(gold standard science)の実践を要請したトランプ大統領の大統領令への応答として、連邦機関はその実践計画を提出し始めているが、その内容は、多くの助成受給者が懸念していたほど混乱を引き起こすものではないようである。例えば、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、「最高水準科学の対応は、科学の卓越性に関するこれまでの取り組みの継続を意味するものであり、この目標への継続的誓約を再確認する機会を歓迎する」としている。また、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、最高水準科学への取り組みを倍増する計画を示した。ただし、両機関とも、現在取り組んでいる点として、否定的もしくは無効な研究結果をより適切に扱うことを挙げている。一般的に、否定的な結果を発表することに対して科学コミュニティは消極的である。NIHとNSFはまた、それぞれの実践計画書の中で、ピアレビューについても言及している。 SSTI “NIH and NSF respond to order for “gold standard science”” (10/09/25) https://ssti.org/blog/nih-and-nsf-respond-order-gold-standard-science

SBIRの助成を受けた発明は市場化の可能性が高いとの調査結果

州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は10月9日、最近発表された論文「発明の商業化測定に関する新たな手法:SBIRプログラムの応用(A new approach to measuring invention commercialization: An application to the SBIR program)」について報じた。同論文は、特許を取得した発明の商業化をウェブベースで追跡する新規の手法を示したもので、論文の執筆者は、この手法を用いて国防総省(Department of Defense)の中小企業技術革新研究(Small Business Innovation Research:SBIR)プログラムと関連のある3,070件の特許(1984~2019年)について調査した。その結果、約21.5%が商業化の証拠(直接的及び間接的)を示したという。SSTIは、「本論文の調査結果は、SBIRの資金を受けて行われた発明は、同等の民間発明に比べ、市場化される可能性が高いことを示す」との見方を示している。 SSTI “Recent Research: Are SBIR-funded inventions more likely to make it to market?” (10/09/25) https://ssti.org/blog/recent-research-are-sbir-funded-inventions-more-likely-make-it-market

初期段階へのVC投資が鈍化 SSTI調査

ピッチブック社(PitchBook)のデータを分析した州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)によれば、ベンチャーキャピタル(VC)投資額合計は、2023年以来25億ドル以上増加しているものの、1億ドル未満のVC投資に限ってみると、件数は71%減少しており、VC投資が初期段階から後期段階に移行しつつあることが判明したという。このようなVC市場の変化は、企業の生存率や、将来的な経済成長の機会、米国産業の長期的な競争力に否定的な影響を及ぼす可能性があると、SSTIは見ている。 SSTI “VC data highlights what types of deals are slowing early-stage investment activity” (10/09/25) https://ssti.org/blog/vc-data-highlights-what-types-deals-are-slowing-early-stage-investment-activity