商工会議所、就労ビザ「H-1B」手数料に関し政権を提訴

Axiosは10月17日、商工会議所(Chamber of Commerce)が就労ビザ「H-1B」手数料10万ドルの導入計画阻止に向け、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)と国務省(Department of State)を相手取り、提訴したと報じた。同ビザプログラムを通じた労働者雇用に、一人当たり10万ドルの手数料を課すとする9月に発表された大統領令に反対するもので、同会議所はこの命令が違法で、議会で可決された法律に矛盾すると主張している。多くの企業が科学技術人材の確保にこのプログラムを活用しており、ビザ保証にかかる費用はこれまで約3,600ドルであったことから、新たな手数料が米国企業の優秀な外国人労働者の雇用を妨げ、米国の競争力に影響するとも強調した。約30万の会員を代表する商工会議所は2020年の第1期トランプ政権でもビザ関係で訴訟を起こしており、その後のバイデン政権に対しても、政権が法的権限を逸脱していると主張してきた経緯がある。一方の政府報道官は、合法であるとの姿勢を崩していない。 Axios “U.S. Chamber of Commerce sues to block Trump H-1B visa changes” (10/17/25) https://www.axios.com/2025/10/16/trump-h-1b-visa-immigration-chamber-lawsuit

エネルギー省、中西部送電網強化に16億ドルの融資保証

エネルギー省(Department of Energy)は10月16日、中西部5州にまたがる送電線約5,000マイルの改修・再建プロジェクトに対し、16億ドルの融資保証を実行したと発表した。インディアナ、ミシガン、オハイオ、オクラホマ、ウェストバージニア各州の送電網の信頼性向上と電力料金低減に向け、アメリカン・エレクトリック・パワー社(American Electric Power: AEP)の子会社への融資を融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)を通じて行うもので、トランプ大統領が今年初めに署名した「勤労家族減税法(Working Families Tax Cut)」により創設したエネルギー優位性融資プログラム(Energy Dominance Financing Program: EDF)下での初の案件となる。このプロジェクトにより1,000人以上の建設雇用が創出される見込みで、同省は人工知能(AI)競争での優位性確保と製造業基盤の拡大に寄与すると説明した。また今回の融資では、電力会社が同省に対し、財務上の利益を顧客に還元することを保証する必要があり、これが融資対象の条件であると明記されている。 Department of Energy “Energy Department Closes Loan Guarantee to Strengthen U.S. Grid Reliability” (10/16/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-closes-loan-guarantee-strengthen-us-grid-reliability

トランプ政権、連邦採用の透明性を強化

大統領府は10月15日、各省庁に上級幹部で構成される戦略的採用委員会(Strategic Hiring Committee)の設置と、年度ごとの人員配置計画策定を義務化する新たな大統領令を発表した。連邦政府の採用プロセスにおける責任の確保と行政の効率化が目的で、国の優先事項や国家的利益に即した採用を進める。具体的には、傘下の人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)や行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が四半期ごとに実施状況を監視し、社会保障やメディケア(Medicare)、退役軍人給付への影響がないようにする。また、国家安全保障、移民執行、公的安全分野の採用は引き続き重点的に行う。バイデン前政権下で連邦政府が新規雇用の4分の1以上を担ったことへの反省から、トランプ政権は民間主導の雇用成長を強調し、官僚機構の肥大化や重複事業の削減に取り組んでいる。退職奨励制度(buyout program)を活用し、これまで30万人超の人員を削減しているが、行政サービスの維持に支障は出ていないと説明している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ensures Continued Accountability in Federal Hiring” (10/15/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/10/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-continued-accountability-in-federal-hiring/

エアロバイロメント社、グランドフォークス米空軍基地に対ドローン技術を配備へ

防衛技術企業のエアロバイロメント社(AeroVironment)は10月14日、ノースダコタ州にあるグランドフォークス空軍基地(Grand Forks Air Force Base)に対ドローン能力を配備すると発表した。同社は、商用無人航空システム(UAS)事業及び航空パークのグランドフォークス社と協力し、内層分散型対無人航空機システム(inner layer distributed counter-UAS)能力をグランドフォークス基地に配備する。同システムには、エアロバイロメント社の長距離対ドローン検知及び認識システムのタイタン(Titan)とタイタンSV(Titan-SV)システムが含まれる。エアロバイロメント社によれば、グランドフォークス基地での取り組みは、トランプ政権による国家ミサイル防衛システム「米国ゴールデンドーム(Golden Dome for America)」プロジェクトの基盤を築くものになるという。 Defense News “AeroVironment to deploy counter-drone tech at Grand Forks USAF base” (10/15/25) https://www.defensenews.com/air/2025/10/15/aerovironment-to-deploy-counter-drone-tech-at-grand-forks-usaf-base/

PJM、2045年までに43GWのエネルギー貯蔵が必要

エネルギー貯蔵同盟(Energy Storage Coalition)は10月9日、PJM(北米最大の電力網運営組織)に関し、電力システムの信頼性を確保するため、2032年までに16ギガワット(GW)、2040年までに23GW、2045年までに43GWのエネルギー貯蔵を導入する必要があるとする報告書を発表した。これらが実現できない場合、シカゴからニュージャージー州に至るまでのサービス地域は、深刻な電力不足や、異常気象の際の最大15GWの計画停電、電力代急騰のリスクに直面すると報告書は警告する。系統接続プロジェクトの遅延や貿易障壁といった問題が進展の鈍化を招く中、エネルギー貯蔵は、供給の調整、ピーク需要の管理、再生可能及び地熱資源の補完という点で、短期的及び長期的に重要な解決策となる。報告書は、エネルギー貯蔵は電力網の対応力を強化するだけでなく、エネルギー費用の低減や、数十億ドルの新規投資、数千件の雇用など、主要な経済的恩恵をもたらすと指摘する。 Energy Storage Coalition “Outlook for Energy Storage in PJM” (October 2025) https://www.energystorage.org/resources/outlook-for-energy-storage-in-pjm 参考:https://www.utilitydive.com/news/pjm-interconnection-needs-43-gw-of-energy-storage-by-2045-brattle-group/802748/

エネルギー政策設計研究所、仮想発電所(VPP)統合プロジェクトを開始

仮想発電所(virtual power plants: VPP)に対する業界の関心は高まっているが、エネルギー費用を巡る危機感が増大しているにも関わらず、VPPは十分に活用されていないとの認識の下、エネルギー政策設計研究所(Energy Policy Design Institute: EPDI)は、VPPの政策専門家や業界リーダーで構成される諮問グループ(Advisory Group)と共に、VPP統合プロジェクト(VPP Convergence Project)を開始した。EPDIは、より早くかつ優れた政策策定のためのツールを利用してエネルギー移行の加速に取り組む非営利組織である。VPP統合プロジェクトは、知識とベストプラクティスの統合、政策立案者のための行動可能なツールの創出、共通のビジョンと政策優先事項の関係者の協力促進を目指す。 Utility Dive “Energy Policy Design Institute Launches VPP Convergence Project to Advance Virtual Power Plant Adoption” (10/15/25) https://www.utilitydive.com/press-release/20251014-energy-policy-design-institute-launches-vpp-convergence-project-to-advance-1/

GEエアロスペース財団、労働者技能訓練プログラムを開始

GEエアロスペース財団(GE Aerospace Foundation)は10月14日、新たな労働者技能訓練プログラムを開始し、5年間で3,000万ドルを拠出すると発表した。これは、先端製造労働者に対する全国的なニーズ増大への対応を目的としたGEエアロスペース社(GE Aerospace)の包括的取り組みの一部である。新たなプログラムは、2026年から高度な技能を有する製造業労働者を1万人増やすことを狙いとし、新設備の購入や、指導教官の新規採用支援、カリキュラムの拡大、学生の経済的負担の軽減を目的とした地域プログラムを支援する。航空宇宙産業協会(Aerospace Industry Association)の調査結果によれば、76%の企業がエンジニアの確保に、56%の企業が有技能製造従事者の確保に苦労しているという。 GE Aerospace “GE Aerospace Foundation Launches Multi-Year, $30M Workforce Program” (10/14/25) https://www.geaerospace.com/news/press-releases/ge-aerospace-foundation-launches-multi-year-30m-workforce-program

陸軍、次世代原子力発電プログラムを発表

陸軍(U.S. Army)は10月14日、国防施設への安定的なエネルギー供給を目的とした次世代原子力発電プログラム「ヤヌス計画(Janus Program)」を開始すると発表した。大統領令14299号「国家安全保障のための先進原子炉技術の導入(Deploying Advanced Nuclear Reactor Technologies for National Security)」に基づき、2028年9月30日までに国内軍事施設で、陸軍管理下による原子炉稼働を開始する計画で、軍事施設への確実なエネルギー供給を通じて、軍の即応性と戦闘能力の向上を図ることが目的である。その上で、国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と連携し、商業用マイクロ炉の建設を進める。原子炉は民間企業が所有・運営し、陸軍は技術的な監督と支援を行うとし、陸軍は、第4世代移動型原子炉発電機となったペレ計画(Project Pele)の教訓を活かし、迅速な実現を目指すと強調している。 U.S. ARMY “Army announces Janus Program for next-generation nuclear energy ” (10/14/25) https://www.army.mil/article/288903/army_announces_janus_program_for_next_generation_nuclear_energy

カリフォルニア州、洋上風力発電港開発向け助成に4,275万ドル拠出を承認

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)によると、カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)は10月8日、洋上風力発電港開発向け助成に4,275万ドルの拠出も承認した。これは州の気候債券(Climate Bond)からの基金を沖合風力発電に充当する初のケースで、計画のエンジニアリング・設計を担当するサンルイス港湾地区やロングビーチ港など5つの団体に配分されるという。カリフォルニア州では、既に9月、洋上風力発電港開発に対し、2030年6月までに2億2,570万ドルを投資することを州議会が承認しており、この資金は、2024年に州住民選挙で立ち上げられた100億ドルの気候債券(Climate Bond)から拠出されることになっている。 Utility Dive “California to invest $226M in offshore wind ports amid federal cuts” (10/14/25) https://www.utilitydive.com/news/california-cec-offshore-wind-ports/802681/

FERC、SPP社の暫定負荷プロセスを承認 系統接続審査を迅速化

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月14日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)がサウスウエスト・パワー・プール社(Southwest Power Pool: SPP)の「暫定負荷プロセス(provisional load process)」提案を承認したと報じた。SPP社は2020年以降、100MW超の負荷接続申請を26.4GW分受けており、このうち9GWがデータセンター関連で、新プロセスにより、データセンターや製造工場など大規模施設への電力供給が確保されていなくても系統接続の検討を進められるようになった。従来の規則では、10年間の負荷予測に対応する電源確保が接続審査の前提条件であった。系統増強費用は、計画発電設備が送電サービス契約に含まれるまで送電顧客が負担し、その後は地域料金に組み込まれるという。同社は別途、新規発電設備と組み合わせた大規模負荷向けの90日間の迅速接続審査プロセスも進めており、9月に同社取締役会で承認されたこの方針は、FERCの承認待ちとなっている。 Utility Dive “FERC approves SPP ‘provisional load’ interconnection review process” (10/14/25) https://www.utilitydive.com/news/ferc-spp-provisional-load-process/802701/