トランプ政権の大学協約、要請先大学の大半が署名を拒否

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は10月20日、トランプ政権が提示した「高等教育における学術卓越性のための協定(Compact for Academic Excellence in Higher Education)」に対し、要請を受けた9つの大学のうち6校が署名を拒否したと報じた。この協定は、多様性・公平性・包摂性(DEI)方針の廃止と保守的な価値観の反映を条件に、助成優遇措置を提供するもので、マサチューセッツ工科大学(MIT)をはじめ、ブラウン大学(Brown University)、ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)などが相次いで拒否を表明した。リンダ・マクマホン教育長官(Linda McMahon)らが17日の電話会議で説得を試みたが、テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)を除き応じなかったという。大学側は、学問の自由と自律性の制約が、研究資金獲得における実力主義の性質に反すると主張しているが、政権は「人種や性別などに基づく違法な差別を続ける」大学に対し、連邦法を迅速に施行する姿勢を崩していない。 The Wasington Post “White House hits roadblock in effort to get top colleges to agree to deal” (10/20/25) https://www.washingtonpost.com/education/2025/10/20/trump-administration-college-compact/

空軍、将来能力司令部計画を廃止 現代化機能を既存組織に統合

ディフェンス・ニュース(DefenseNews)は10月18日、空軍(Air Force)は独立能力司令部(Independent Capabilities Command: ICC)構想を廃止し、その機能を再編成した空軍フューチャーズ(Air Force Futures)に統合すると報じた。戦闘能力の提供を加速し、意思決定の時間短縮を実現させることが目的で、ICCの機能を既存組織に統合する一方、その任務は引き継がれる。これに伴い、最高現代化責任者(Chief Modernization Officer)の職を新たに設置する。ICCが空軍再編計画に完全に組み込まれるまで、主要投資分野を支援すべく、戦略・兵力設計、能力開発・要件設定、現代化投資優先順位付けなど4つの主要分野を統括するという。前空軍長官と前参謀総長が昨年2月に発表したICC構想は、中国との潜在的紛争に備える空軍の大規模最適化計画の重要な柱だったが、ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)が国防総省(Department of Defense)に対し、ICC設立に向けた取り組みを見直すよう指示していた。 DefenseNews “US Air Force scraps plan for new capabilities command” (10/18/25) https://www.defensenews.com/air/2025/10/17/us-air-force-scraps-plan-for-new-capabilities-command/

エネルギー省、前政権のバッテリー補助金7億ドル超を取り消し

E&Eニュース(E&ENews By Politico)は10月20日、エネルギー省(Department of Energy)がバイデン前政権時代に決定されたバッテリー及び製造業関連の補助金7億ドル以上を取り消したと報じた。対象となったのは、アセンド・エレメンツ社(Ascend Elements)やアメリカン・バッテリー・テクノロジー社(American Battery Technology Co.)などの電気自動車(EV)用バッテリー部品の国内生産工場建設など5件のプロジェクトで、同省は、目標を達成できず、経済的に採算が取れないと取り消しの理由について説明した。これに対し、民主党議員らは「違法であり、経済と雇用に損害を与える」と強く反発しており、また、ケンタッキー州やミズーリ州などの共和党支持州における主要工場の建設計画にも影響を与えるという。企業の一部は決定に異議を申し立て、代替資金でプロジェクトを継続する意向を示しているが、今回の措置は、総額200億ドルに上る削減可能性のあるリストの第一弾とみられ、今後更なる多くのプロジェクトが中止される見込みである。 E&ENews By Politico “DOE cancels more than $700M in battery, manufacturing projects” (10/20/25) https://www.eenews.net/articles/doe-cancels-more-than-700m-in-battery-manufacturing-projects/

国立研究所敷地にAI拠点 エネルギー省が提案公募

FedScoop社は10月20日、エネルギー省(Department of Energy)がテネシー州のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)敷地内で、人工知能(AI)データセンターとエネルギー生産インフラの建設に向け、提案公募を開始したと報じた。ORNLは、特殊なコンピューティング機器、冷却設備、エネルギー供給、伝送、保管のインフラ等の関連機器や施設を備えたデータセンター施設の建設を予定しており、エネルギー省は、大規模データセンターの運営実績を持つ民間企業や、革新的なエネルギー解決策に強みを持つインフラ開発者を歓迎するとしている。提案依頼書(Request for Proposal: RFP)によると、委託企業は、研究所の土地を長期リースしたうえで、施設の設計から資金調達、建設、運営までを一貫して担う一方で、データセンターの急増に伴う電力消費や環境負荷への批判の高まりを考慮し、エネルギー消費の増大や水質汚染、地域社会への影響も検討する必要がある。 FedScoop “Energy seeks proposals for AI data centers at Oak Ridge” (10/20/25) Energy seeks proposals for AI data centers at Oak Ridge

クリーンテック政策推進へ新団体 ゲイツ氏設立組織の元幹部らが主導

Axiosは10月21日、ビル・ゲイツ氏(Bill Gates)が設立したブレークスルー・エナジー社(Breakthrough Energy)の元幹部らが、クリーンエネルギー政策を推進する新非営利団体「クリーン・エコノミー・プロジェクト(Clean Economy Project: CleanEcon)」を立ち上げたと報じた。慈善団体やベンチャーキャピタルなど約10団体から支援を受け、最も手頃で信頼性の高いクリーンエネルギーをデフォルトの選択肢とすることを目指した活動を行うという。代表にはブレークスルー・エナジー社で政策チームを率いたアリヤ・ハク氏(Aliya Haq)が就任する。同氏は化石燃料の利用抑制よりも、クリーンエネルギーの導入加速によるコスト削減が重要としており、当面は重点分野である電力セクターにおいて、ロビー活動や政策提言を通じて送電網の許認可改革や市場構造の改善に取り組む姿勢を示した。同団体は、エネルギー分野における政策提言の新たな担い手として注目されているという。 Axios “Exclusive: Bill Gates vets launch group aiming to boost cleantech policy” (10/21/25) https://www.axios.com/2025/10/21/gates-clean-energy-cleantech-economy-project

AIロビー活動への支出 最多はメタ社

アクシオス社(Axios)の10月21日の報道によれば、2025年第3四半期に人工知能(AI)関連のロビー活動への支出が最も多かった技術系企業はメタ社(Meta)で、580万ドルを支出した。次いで、アマゾン社(Amazon、440万ドル)、グーグル社(Google、360万ドル)となっている。これに加え、アップル社(Apple、250万ドル)、マイクロソフト社(Microsoft、200万ドル)の5社のロビー活動における政策ポートフォリオは幅広く、AI事案、コンテンツ管理、デジタル税・貿易、プライバシー、オンライン・セーフティ等が含まれる。また、エヌビディア社(Nvidia)とアンソロピック社(Anthropic)のAIロビー支出も、第3四半期に初めて100万ドルを超えており、AI政策、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティ等の政策分野でのロビー活動を行っている。 Axios “Meta tops spending again as AI lobbying heats up” (10/21/25) https://www.axios.com/2025/10/21/tech-lobbying-insights-q3

エネルギー省、高官数名を解任

ポリティコ(Politico)は10月17日、クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)と大統領府の間に摩擦が生じており、ライト長官があとどの程度閣僚に留まっているかに疑問が生じていると報じた。摩擦の原因には、バイデン前政権による数百億ドルのドルクリーンエネルギー助成金を打ち切る計画について大統領府との情報共有が遅れたことや、助成維持を望む業界の利益を優先したことなどがあるという。これにより、大統領府は最近、7月に上院の承認を受けて就任したエネルギー省のウェルズ・グリフィス次官(Wells Griffith)の更迭を決定した。また、同次官の首席補佐官であったテイラー・プレイフォース氏(Tayor Playforth)、クリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations)のキャシー・トリポディ部長(Cathy Tripodi)も解任されている。 Politico “‘It just seems so messy’: How Chris Wright went wrong with the White House” (10/17/25) https://www.politico.com/news/2025/10/17/chris-wright-white-house-00612920

共和党系州司法長官、大手技術企業の環境主張を調査

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月20日、16州の共和党所属司法長官が大手技術企業4社に対し、再生可能エネルギー証書(Renewable Energy Certificates: REC)の使用による環境主張の妥当性について調査を開始したと報じた。特定プロジェクトに紐付けられていない「アンバンドル(バラ売り)型REC」の購入によって100%再生可能エネルギー使用を達成したとする各社の主張は「誤解を招く可能性がある」と指摘し、モンタナ州のオースティン・ヌードセン司法長官(Austin Knudsen)主導の下、アマゾン(Amazon)、グーグル(Google)、メタ(Meta)、マイクロソフト(Microsoft)の各社に9月24日付で書簡を送付した。証書の購入は実際の再生可能エネルギー使用や排出削減を意味しないとし、エネルギー使用量の詳細やスコープ2(Scope2)排出量の算出方法などの質問について、10月27日までに回答するよう求めている。記事は、今後アンバンドル型RECの購入割合は減少するとコメントしたアマゾン社に対し、他3社は無回答であったと伝えた。 Utility Dive “State AGs probe Big Tech’s use of renewable energy certificates” (10/20/25) https://www.utilitydive.com/news/republican-state-ags-probe-amazon-meta-microsoft-google-use-of-renewable-energy-certificates/803196/

ノキア・ベル研究所、創立100周年 ニュージャージー州に新本社建設

IEEEスペクトラム誌(IEEE Spectrum)は10月14日、創立100周年を迎えたノキア・ベル研究所(Nokia Bell Labs)がニュージャージー州ニューブランズウィック市に新本社を建設すると報じた。州が推進する12のイノベーションハブ計画の一環で、1941年以来拠点を置いたマレーヒルから約32キロ南に移転する新社屋、ヘリックス2(Health and Life Science Exchange 2: HELIX 2)は、10階建て、延べ床面積34,374平方メートルとなる予定で、2027年末の完成を予定している。次世代を惹きつける活気ある都市環境、また7Gや人工知能(AI)、量子コンピューティングなどの分野での画期的イノベーション創出に向け、プリンストン大学(Princeton University)など近隣の大学や新興企業とも連携強化を図るとし、新施設は持続可能な電力・冷暖房機能、効率的・近代的かつ低炭素施設で、非常に長期的な拠点となるという。 IEEE Spectrum “Nokia Bell Labs Breaks Ground for Its New N.J. Headquarters The research giant is moving after 100 years” (10/14/25) https://spectrum.ieee.org/nokia-bell-labs-new-headquarters

ハーバード大、凍結された連邦助成金の大半を受領

ハーバード大学(Harvard University)の学生新聞のハーバード・クリムゾン紙(The Harvard Crimson)は10月14日、トランプ政権によって凍結されていた連邦政府からの助成金の大半が同大学に返還されたと報じた。10月1日付の教職員への通知メールで明らかになった。同大学は今年4月から助成金を凍結されていたが、9月3日にアリソン・バローズ連邦地裁判事(Allison D. Burroughs)が助成凍結を無効とする判決を下した。その後、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)から4,600万ドルが支払われるなど、大半の資金が段階的に戻りつつあるが、年間6億ドル以上の連邦助成金を受ける同大学は、凍結期間中、研究費を立て替えていた経緯がある。この凍結により最も大きく影響を受けたハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health: HSPH)は、知らせを受け支出制限の緩和や給与削減を撤廃したが、医学部などの学部では依然として緊縮財政が続いているとし、大学全体として新規採用には慎重な姿勢を崩していないという。 The Harvard Crimson “A Majority of Frozen Federal Funding Has Been Restored, Harvard Says” (10/14/25) https://www.thecrimson.com/article/2025/10/14/majority-federal-funds/